吉田篤弘のレビュー一覧
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ネタバレ小説家、吉田篤弘氏が新聞に連載していたエッセイ集。一遍一遍が短いのですっと読める。
本を開いてまず目に入るのが、緑色の罫線である。
文章の幅に合わせており、まるで原稿用紙に書かれた文章を読んでいるかのようだ。
一遍一遍に味のある手書きイラストと、アルファベットがついている。もしかしたら、26文字が重複することなくついているのかもしれない。
短いエッセイだが、一つの漢字であったり、「時計がずれた」というささやかな日常の事柄から、どんどん想像が膨らんでいく作家の脳の一部を垣間見れるような気がする。
好きな一遍は「幸福な時限爆弾」である。
この中で、筆者は「なぜ小説を書くのか」という問 -
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「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
面白かったです。
ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
表紙の感じに既視感が -
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耳元で心地いい音楽を聴いた後のような、すごく素敵な気持ちで読み終えた本でした。
全体的に落ち着いたトーンで、コーヒーの茶色から始まり、ニューヨークのグレイ、冬の吐息の白、と浮かび上がるシーンが美しくて、なんとも言えない不思議な世界に迷い込んだようです。
過去と現在、現実と空想が入り混じった世界は、映像がとにもかくにも美しい。古着屋とバー、世界の果てのような白い荒野、ダブル・ベース「エレファント」、1つ1つのシーンがにくいくらいに素敵で、とにかくうっとり。これは、映画化してほしい。
美しいシーンも然ることながら、本書に登場する音楽を聴いてみたい。
音楽には疎い私ですが、とある場面では鳥肌が立 -
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誰もが子どもの頃に出会った4つの物語、
「不思議の国のアリス」、「ガリヴァー旅行記」、
「星の王子さま」、「モモ」
有名すぎる物語の、舞台袖の創作と書評。
特に印象に残ったのは、「星の王子さま」の
書評。
この物語が、実は王子さまと飛行士が砂漠で
出会う話ではなく、登場人物が飛行士の
「ぼく」一人きりであるとも考えられるという、
吉田さんの解釈が新鮮! 成長してはならない
王子さまは、最後に空へ消える。成長することの
ない「少年」というものを少年のまま自分の外へ
追いやって葬る必要があったという解釈が、
斬新で面白かった。実際に、作家のサン=テグジュペリは飛行中に行方不明となっている。まるで -
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幻想ショートショート第二弾。
どの章にも、月とコーヒーが何らかのかたちで散りばめられています。
月もコーヒーも、存在と、纏う雰囲気だけで絵になる。でも主役ではありません。
『今回は、「デミタス」とサブタイトルをつけてみました。デミタスの語源はフランス語の demi tasse(小さなカップ)で、小さなカップでほんの少しだけ味わっていただく、そんなお話を書きました。少量ではありますが、一杯一杯がそれぞれの味わいをもたらしてくれるものでありますように、と念じながら書いたのです。』(p.330 あとがき)
Wikipediaで調べたら
『旨味成分が多いとされる70-80cc部分のもののみを使用し -
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ネタバレ「月とコーヒー」二作目。あいかわらず優しくて不思議で少しSF風味な、静かな短編集。
こちらは1作目より終わり方がほんの少しわかりやすくなっている気がする。かけがえのなさを予感させる出会いの直後や、決断を前に終わってしまう話が多い。余韻があって、これはこれで良いんだけれど…。
あと、短編同士でつながっている話が増えた。最後の話で色々な短編をつなげる構成になっているのが面白いと思った。
収録されている中では、ゴム印画家が地球儀を求めて百貨店を訪れる「地球儀の回る夜」、島流しになった囚人の話「パラダイスの二人」が好き。でも、1作目の方が好みだったかな。食いしん坊だから、食べ物の話が多い方が好きなの