吉田篤弘のレビュー一覧

  • イッタイゼンタイ

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    これを読むと何が正解か分からなくなる。自分にだって思い出の品物はあって、壊れたりしたら修理したい。それは自然な感情だと思う。でもその結果が産む側からしたら殺戮以外の何物でもなかったとしたら。

    考えたこともなかった。

    何がいいのだろうか。。

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    2016年10月16日
  • 圏外へ

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     物語論を小説にした作品。物語をどう始めどう終わらせるか、人称はどうするか、登場人物たちはどこで生き、はたして生き続けるのかどうか、言葉が生み出す微妙なニュアンスをどう考えるか、などなど。カタリテである主人公の生み出す虚構が作家の現実と混ざりあいながら進む物語論はどう終結するのかが気になる、最後まで面白い作品だった。物語を生み出す作家という仕事の大変さを思い知ると同時に、そういった苦労を重ねたのちにできた小説を読める読者の幸せを改めて感じる。

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    2015年12月13日
  • ソラシド

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    かつて奏でられた音を求める物書きの話。
    読後に、文章で読んだ光景が自分の記憶だったように錯覚する、そんな一冊。
    音と当時の空気を閉じ込めた一枚のレコードは、耳にした人に影響を与え、文章として記述され、読み手は音を求める。
    なんて穏やかで、心地良いループだろう。

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    2015年09月02日
  • ソラシド

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    ネタバレ

    「新潮」の連載でちょいちょい読んでいたのだが、
    これは一冊の本の方が楽しめた。

    相変わらずの心地よい空気感のある作品。
    ただ、「ソラシド」という名前しかわからないミュージシャンを探し求める、とゆーストーリー上、
    ちょっとミステリーチックでもあり、いい意味でずっと緊張感、みたいなものが作品を通してある。
    彼女たちが今どうなっているのか、という疑問を
    登場人物たちと同じように、持ちながら読み進める。

    妹との関係にどーもラブっぽさを感じてしまったのだが、
    よく考えたら血、繋がってるんだよなー。

    冬の音楽。
    聴きたいです。

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    2015年07月09日
  • ソラシド

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    もう まだるっこしいなぁ
    と 思うか
    いいねぇ このまったり感
    と 思えるか

    もちろん 後者になれる人は
    独特の浮遊感が
    なかなか たまりませんでしょうねぇ

    小説の筋というよりは
    そこに描かれている雰囲気を楽しむ
    そこが
    この 小説を楽しむコツでしょうか

    それにしても
    表紙の レコード は
    どんな 音楽 なのだろう と
    ずいぶん 気になってしまいます

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    2015年09月14日
  • ソラシド

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    吉田さん独特のストーリーのテンポが大好き。いろいろと都合よく収束していくのでファンタジーだと割り切って読んでいる部分もあるけれど、こんな素敵なことがおこったらいいなって思える。一緒に「ソラシド」を探しているうちに、自分も遠い昔の何かを探してみたくなった。

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    2015年03月02日
  • ソラシド

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    耳元で心地いい音楽を聴いた後のような、すごく素敵な気持ちで読み終えた本でした。
    全体的に落ち着いたトーンで、コーヒーの茶色から始まり、ニューヨークのグレイ、冬の吐息の白、と浮かび上がるシーンが美しくて、なんとも言えない不思議な世界に迷い込んだようです。

    過去と現在、現実と空想が入り混じった世界は、映像がとにもかくにも美しい。古着屋とバー、世界の果てのような白い荒野、ダブル・ベース「エレファント」、1つ1つのシーンがにくいくらいに素敵で、とにかくうっとり。これは、映画化してほしい。
    美しいシーンも然ることながら、本書に登場する音楽を聴いてみたい。

    音楽には疎い私ですが、とある場面では鳥肌が立

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    2015年02月16日
  • ソラシド

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    にやりとする。こころにくい文章に。
    トークイベントの話を思い出しつつ読む。行って良かったなぁ。。

    もう一回読み返したら、散りばめられたいろいろにもっと気付ける気がして。

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    2015年02月25日
  • 圏外へ

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    「ふたたび」の『圏外へ』
    文庫本では初めましての『圏外へ』。
    そうだ、そうだ、そうだったと確かめるような読書になった。
    一度通っただけじゃ覚えられない道をもう一度確認しながら通るような。
    そもそも一度で覚えられなかったのは、歩きながらきょろきょろし、通り過ぎた家のポストとかすれ違った人の髪型とか(すべて例えばの話)に意識を彷徨わせていたからで。
    今回もそうだ、そうだ、そうだったと思い出すのはそういう本筋でない部分が多かったような気がする。
    というより、この小説には本筋があるんだろうか?
    全ての道が曲がりくねり、ある時はジェットコースターのようにアクロバティックな曲線を描き、道を覚えるどころか自

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    2014年09月23日
  • 圏外へ

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    最初は、異次元に迷いこんだような感覚。そのうち、カタリテと一緒に、物語論とでもいうべき壮大な旅をしている気持ちになる。
    カタリテに生み出されながら、カタリテを育て、ときにはその背中を押してくれる愛すべき物語の登場人物たち。そして、彼らが発する言葉たち。
    どんなものにも「役割」と「詩」がある…円田さんのこの言葉は切なさと温かさと勇気に満ち、この作品を優しく包んでくれる。
    とても魅力のある作品だった。

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    2014年02月19日
  • 圏外へ

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    現実のことなのかお話の中のことなのか、誰が誰なのか、どこの世界の話なんだか、何がなんだかわからなくなってくるのだけど、この方独特の文章がわたしは大好きで、その世界に浸かっているだけで幸せを感じるんだよねぇ。今回も、楽しかった。

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    2013年08月01日
  • 圏外へ

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    書いていてスゴク楽しかっただろうなぁ。この物語を書いているうちは、楽しくってしかたなかったろうなぁ。でもその反面、辛かったろうなぁ・・・と想像してしまいます。夢と現実と妄想が入り乱れ、創作に行き詰ると、登場人物たちが勝手気ままに語り出したり、語り手自身がいつの間にか表舞台に出てきてしまったり、ストーリーは激しく展開し、書きたいことが次々出てくるのに、作者自身それを書き記す手が追っつかなかったのではないでしょうか?場面転換や、人称、視点の変化が著しく、もしかすると、じれったさのあまり口述筆記してもらうことを考えたかもしれませんネ。しかしながら、意識的に多用した〝ひらかな〟表記や〝カタカナ〟表記、

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    2013年07月21日
  • 78(ナナハチ)

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    秋の夜に相応しいゆったり落ち着いた連作短編集。
    78回転の古いレコードに関する物語がキーになっているものの、舞台や時代は大きく変化して、捉えどころがないにもかかわらず、何故か惹かれてしまう。この独特の雰囲気をうまく表現できないのがもどかしいです。

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    2012年09月22日
  • 78(ナナハチ)

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    前半から後半の半ばまでのけだるいような空気がさいごにむかってぐいぐいひきずるような力に変わっていって、さいごのさいごにきらりと収束するんだけどそれどもまだどこかに伸びていくのではないかとおもわせる。居心地はいい本。

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    2012年02月03日
  • 78(ナナハチ)

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    「78回転のレコード」にまつわるお話がいくつもあって、
    それらが後々つながっているところが面白かったです。

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    2011年04月10日
  • 78(ナナハチ)

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    ちょっと風変わりなタイトルですが、〝78(ナナハチ)〟とはレコードの回転数のこと。蓄音機でないと聴くことのできないSPレコードの回転数が78なのだそうです。その78回転のレコードにまつわるいくつもの味わい深い物語が、時を越え、場所を変え、くっついたり離れたりしながら、いつしかひとつの流れにたゆたうように紡がれていきます。ノスタルジックで、センチメンタルな雰囲気を醸しだす物語世界に、いつまでもゆったり身を浸しておきたくて、ページ数が残り少なくなってくると、読み終えるのを先延ばししたくなるような一冊でした。

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    2011年02月13日
  • 78(ナナハチ)

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    吉田さんサイコーっす。
    クラフトエヴィング商會さんたちの作る世界は失われたモノとかどこかへ行ってしまったモノに溢れていて当て所ない郷愁があってすごく素敵。
    そして中身の短編小説の重なり具合が素敵すぎです。

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    2009年10月07日
  • 78(ナナハチ)

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    物語の始め、どうも景色が見え過ぎる気がしたのです。ピントがキチッと合って、人も世相もくっきり見える。ちょっと戸惑う。吉田さんの本を読む時のいつものテンポではなく、前へ前へと進もうとし過ぎる感じでした。
    それが後半になると、いつもの吉田さんです。ピントが合わないのではなく、狙ってソフトフォーカスにした情景が浮かぶ。なんとも言えない暖かな感覚に包まれる。やっぱりこうでなくっちゃ。
    しかし何なんでしょうね、この人の作品の魅力は。どうも分析できないのです。褒めたいのだけど、どう褒めれば良いのか。人にどう薦めれば良いのか。「良いよ」とか「良かったろ」とかしか言えないのが、何かもどかしいのです。

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    2016年08月05日
  • 台所のラジオ

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    ネタバレ

    「ほんとうにうまいものは、人間に反復運動を促します。ーー体が反復を覚えることが快楽なのだ」
    これを読んだとき、確かにそうだよなと思った。
    うまいから何度も同じものを食べる。たまに贅沢して違うものを食べるけど、結局いつもの料理を食べている自分がいる。そうして、いつもの料理を食べている自分が一番幸せを感じているかもしれない。
    この本はそうした日常の小さな幸せを探して出してくれる。
    「食べているあいだ、ずっと口が愉しいの」といったセリフもおもしろいなと思った。うまい、ではなく愉しいという表現がなんだかとてもいい感じがする。それはどんなにうまい料理を食べるよりも幸せなことなのではないか。

    十時軒を探

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    2026年01月30日
  • 月とコーヒー

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    ネタバレ

    余韻の残らない短編集で、なかなかハマれず
    何話か少しだけ繋がりがある話があるだけで、全く関連のない短い短編集
    短編なうえに外国人のような名前や聞きなれない響きの店名なこともあって個人的には読みにくかった。
    あとタイトルに掛けて月やコーヒーが入ってくるものかと思いつつ読んでしまったせいで何か意味があるのか、繋がりがあるのかと無駄に考えてしまったのも個人的な反省点
    何も考えず、気楽に読むのがおすすめ
    何作か心に残るお話もあり、あとがきを読むと寝る前にさくっと読めることを考えられていたと知り納得
    深く考えず、寝る前や少しの時間物語に浸りたい時にぜひ。

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    2026年01月14日