吉田篤弘のレビュー一覧
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隅から隅まで面白かった。「“読む”は読む前から始まっている」という考えは、私もぼんやりと思っていたことではあるが、この四人のおかげで私の罪と罰読書も、読んでないけど始まったぞ!と感じた。
四人の自由で対等な雰囲気がまたとても良かった。罪と罰を読んでない者同士で話すという企画なんだから対等なのは当然だが、誰かの持っていた文学や歴史の知識がヒントになるときも、ガイド役の学者先生的な人の授ける解説を拝聴するみたいな空気は一切なく、プロ作家としての作劇的勘で何かを言い当てようとするときも、「ここできっと二人の対話が八十ページ続くんですよ」とか「結婚式で繰り広げられる七日七晩にわたるロシアの宴の描写 -
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流星シネマは、屋根裏のチェリー、鯨オーケストラとで三部作となっており、そのひとつめにあたる。
3部作を通して根底にあるのは、喪失とそれを見つめて新たな何かをつくりだす話だと思う。
流星シネマは、鯨塚のある町で発行されている小さな新聞「流星新聞」、-それは外から来たアルフレッドにより作り始められたものだが-そのアルフレッドの意図せぬ帰郷から物語は始まる。
アルフレッドがいなくなった今、流星新聞は、新聞づくりのお手伝いをしていた太郎が作っていかなくてはならない。
新聞の発行を続けることは、帰郷することになったアルフレッドの願いだから。
「流星新聞」を取り巻くのは、個性豊かな街の人々(犬)。
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Posted by ブクログ
私にとって、肩の力を抜いて心地よい時間をすごすのにぴったりな本が、吉田篤弘さんの物語です。
実はこの本は、読むのがもったいなくて今までとっておいた本です。装幀は、クラフト・エヴィング商會。味のあるイラストがまたとてもいいんです。
本を開くと、寝る前に一話ずつ読むのにほどよい長さの短編が、24編紡がれていました。
とるにたらないもの、忘れられたもの、世の中の隅の方にいる人たちのお話は、どれも心を穏やかにさせてくれました。時にクスッと笑えたり、なるほどねと思ったり、物語の続きを思い描いたりしながらの読書でした。
あとがきには、吉田さんのこの本への思いが書かれていました。私にとっての「月とコ -
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いやあ、出だしの時代背景や主人公の職業から、てっきり吉田篤弘さん自身のことを綴っているエッセイかと思って読み進めていた。
ら、小説だったのね。
1986年当時にいたという女性2人のジャズバンド『ソラシド』を追う主人公の話。
主人公は若かりし頃、ダブル・ベース(コントラバス)を偶然ゴミ置き場で拾い、あまりの大きさに「エレファント」と名付け、一人練習していた。
『ソラシド』の薫もダブル・ベースの奏者ということで、興味が湧いたのだった。
しかし、レコードも出したことのないマイナーなバンドで、たま~に雑誌の隅に紹介が載るくらいなので、追跡は困難を極めるのだが。
あるとき、『ソラシド』が映画