吉田篤弘のレビュー一覧

  • 『罪と罰』を読まない
    読書会の発言に4人の作家それぞれの性格が現れていて面白かった。
    読書会に参加するなら違う性格のタイプの人達とすると面白そうだと勝手に妄想してました。
  • 鯨オーケストラ
    楽団の団長を務める中年男性の

    過去との決別と再生がテーマの話であったと思いますが……

    主人公の中年の男性が高校生のころ

    地元の映画館のモギリをしてた
    当時、中年と思われる女性の
    絵画モデルをしていてですね
    (その女性は映画館の看板も描いていた)

    何十年か経って

    その絵を探すクダリ...続きを読む
  • おやすみ、東京
    真夜中の東京の一角にスポットライトを照らしたような、何者でもない人々の偶像劇。穏やかでどこか優しげな午前1時の物語がゆっくりと心に染み渡った。
  • 鯨オーケストラ
    久しぶりの吉田篤弘さんの作品。
    でもこれ、三部作の三作目だったとは。

    それでも相変わらず静かな空気感と真似したくなるような生活感が心地よい。
    ラジオは良く聞く方ではあるが、深夜のラジオも聴いてみたくなる。あと、美術館も行ってみたくなる。
  • おやすみ、東京
    夜中の東京の群像劇です。しっとりしっぽりな言葉と人間。著者の作品は、この世界観に触れたくて定期的に読んでいるような気がします。登場人物の言動には人間味が溢れているけれど、決して熱い表現にはならなくて、あくまで淡々と冷静に言葉を紡いで表現されているので、夜読書にはぴったりの一冊だと思います。
  • 天使も怪物も眠る夜
    著者があとがきの最後に書いているように「正体不明な未来ガジェットが頻出し、決して読みやすいお話ではなかった」けど、シリーズ最後にしてい海と山の争いがうまくおさまり、気持ちよく読み終えることができました。
  • 流星シネマ
    もともとこの著者の月とコーヒーが好きで追っかけて読み始めた。最初はなかなか流れに乗れず、読むのがゆっくりになり、そんな自分の読むテンポがいやでなかなか読み進められなかったけど、後半いきなり流れてきた!たぶん、話の内容と一緒で、中身も流れ繋がって行ったんやと思う。最後の方はほぼ一気に読んだ。結果面白か...続きを読む
  • 鯨オーケストラ
    シリーズ三作目となり、繰り返し登場する人たちに親近感が湧いてきました。前二作程ではないですが、何処か非現実で、透明感のある雰囲気。目に見えない音色のような文章たちです。覚えておきたい言葉が沢山出てきました。
  • 鯨オーケストラ
    希望の物語。ですが、わたしにとっては素敵な出会いの物語だったのかも。出会いは大切に、そして、後回しは絶対にやっちゃいけない。何故なら「いつか」は絶対来ないということを教えてもらった。今度ゆっくりとハンバーガーを食べたいなと思った。
  • 鯨オーケストラ
    タイトルに惹かれて借りました。
    あまり読んでないのですが、吉田さんの文章は優しいですよね。
    登場人物がみんな優しい。
    優し過ぎて私の中に入ってこない感じがして手が出なかったんです。
    それに全部集めたくなっちゃうから。
    相反するんです。わけわからんけど。

    1枚の絵によって世界が引き寄せられる。素敵で...続きを読む
  • 台所のラジオ
     はじめは「つかみどころのない本だな」と思いながら一編、二編、と読んでいたが、だんだんとゆるい繋がりが見えてきたり、通底する基調音のようなものが聞こえてきたりして、読み終わる頃には「不思議と印象深い本だったな」に感想が変わっていた。
     短編の中のある人物が、ひところ映画館のレイトショーに通う日々を過...続きを読む
  • 台所のラジオ
    ゆるゆる短編集。読書時間が取れない時にちょうどいい長さかもしれません。
    個人的には短編より長編の物語が好きなので、一気読みというよりは隙間時間にちょっとずつ読みました。ドラマ性はほぼなし。でもこのファンタジーっぽい独特の雰囲気こそが吉田作品の魅力だと思います。

    食べたいなと思ったのはダントツで紙カ...続きを読む
  • おやすみ、東京
    晩夏から秋に読みたい一冊。全編夜が舞台の小説。基本的に明るい時間は出てきません。真っ暗。そのため大人な雰囲気が出ています。落ち着いているんだけど、どことなく不思議。でも前に進んでいる、そんな感じです。ただ、登場人物が多く、途中で「アレ?」とつながりが分からなくなってしまいました。序盤はそれぞれの事情...続きを読む
  • 『罪と罰』を読まない
    4よりの★3
    取り組みが面白いです(笑)
    友達と読む前に読書会してみたいと思うので、ございます。
    他の古典でやってみたいです。
    今年は重厚な本を読み続けてるので、年末に『白痴』や『悪霊』で友達と試してみたいです。
  • 流星シネマ
    吉田篤弘さんの本,という本。アキヤマ君の話はつらかったけど,つらくなく終わるのが有難い。
    続きがあるようで読まねば。一つ目のお話から読めて良かった。
  • 屋根裏のチェリー
    偶然とかめぐり合わせっていうのを、運命で片付けるのってもったいないなと思わされた作品。

    サユリは消極的ながらもちゃんとどこかに向かっていて、それはひとりぼっちであることに対して真正面から寂しくなったり自由だなと思ったり素直な気持ちでいるからだとおもう。

    この作品のキャラクターはみんな自分の気持ち...続きを読む
  • おやすみ、東京
    少し前の本だがランキングに入っていたのを見て買ってきた。
    午前1時の東京を描いた物語。
    もう随分と昔、飲み屋を除けば9時には真っ暗になる北陸の田舎町から東京に転勤になって、12時になっても明々とスーパーが開いてるのを見た時には結構なカルチャーショックだった。
    午前1時であっても東京では起きて動いてい...続きを読む
  • 屋根裏のチェリー
    「流星シネマ」の続きのようでそうでもなくて、「つながる」物語。人生のどん底期とでもいうんだろうか。持ちアパートの屋根裏に閉じこもるように暮らすサユリさん。レモンソーダが好きで、ストーブの前で考え事をして、イマジナリーフレンドと戯れて。このままじゃだめだと理屈をこねるサユリさんは、昨日の私かもしれない...続きを読む
  • 流星シネマ
    "なんかいい"ものを、一度箇条書きにして、それを並べ替えて一冊の物語にしたかのような、宝箱みたいな小説でした。

    せっかく柔らかくて緩いストーリなのに、ちょっと文体がキザで、私はあまり好みませんでしたが、"なんかいいなぁ"と思う要素に出会うたびにときめきがあり、とても心地よい時間でした。
  • 鯨オーケストラ
     時間は消えてしまうのではなく、重なっていく。いまの自分に過去の自分が含まれている。

     いいですね~過去を否定するのではなく、肯定していく❢