吉田篤弘のレビュー一覧
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さて、3部作の最後の主人公は、川に流されて子どものときに亡くなったアキヤマくんならぬ、曽我さんである。
三部作の第1作『流星シネマ』は「すべてのことは死に向かっている」で始まるのだけど、この第3作の最後では、サユリさんと曽我さんが合奏を始めるシーンで終わる。クラシックのサユリさんと、ジャズの曽我さんという「まったく違う道を歩いてきた二人だからこそ、そんな二人が音を合わせることで、わたしたちがまだ知らない、あたらしい音楽を作り出せるような気がするんです」。
そして、「真っ白な空間に、はじまりの合図の『ラ』の響きが鳴り渡った。」という希望に満ちた文章で幕を閉じるのだ。
まったく異なる人間が結婚し -
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ネタバレ多々さんの言葉で、
感動することに「戸惑いを覚える」
「だって、むやみに心を動かされたくないときだってあるでしょう?」
に、まさにそれだと思いました。
感動作と銘打つ作品に少し身構えでしまう私は捻くれているのだろうか?そんなに心を揺さぶられたいものだろうか?それはそんなに絶賛されるものだろうか?思っていましたが、まさか私の心に共鳴するような言葉がでてくるなんて思わなくて虚をつかれました。
多々さんの言葉を借りると、むやみに「感電」しなくて良いのがこの方の本で、だから毛布に包まれるような安心感で手にとってしまうのだなと得心がいきました。
ああ、だから心地いいんだな。
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Posted by ブクログ
「ロングセラー『月とコーヒー』から派生した〈インク三部作〉堂々完結!」と帯に書かれて、このシリーズも終わるのかと、少しセンチメンタルな気持ちになりました。
一時期、吉田篤弘さんの著作品に没頭して読んだ時期がありました。
こう表現するのは語弊があるかもしれませんが、私にとって著者の作品は、「星の王子さま」や「銀河鉄道の夜」そして傾向が外れますが「デミアン」を読んだ頃の自分に帰らせてくれる感があるのです。(自分の読書歴の狭さも感じますが)そして著者の書かれている文章にとても共感してしまうことが多いことも、いつも驚きです。
人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、 -
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ネタバレ『それでも世界は回っている』完結編。
1、2を読み終えた時点で危惧していたことが発生。
これまでの内容をほぼ忘れている。。。
というか2の終わりをあまり覚えていない中で、思いっきり前作場面の続きから始まるので「何だっけ?」感が凄まじい。
それでも次第に思い出す登場人物やストーリー。
あぁ、そんなこともあってここまで来たんだった。
ただ1、2に比べてクライマックスに近いということもあり、この旅物語の意義をまとめようということなのか、新たな場面に出くわすよりも、これまでの場面を振り返りながらの抽象的、哲学的な解釈談義が多く、やっぱり出来ることなら1~3を一気に読みとおすのがいいのだろうなと思う -
Posted by ブクログ
それでも世界は回っている・第三巻
『月とコーヒー』に収録されている短編から派生した〈インク三部作〉の完結篇となっております。
亡くなった師匠・ベルダさんの愛用していたインク〈六番目のブルー〉を探し求めて旅を続ける少年・オリオとジャン叔父さん。
とある奇妙な唄の歌詞の中に、“インクの秘密”が隠されているようなのですが・・。
まるで夢の中にいるような、浮世離れした雰囲気のこの物語も本作で完結でございます。
夢の内容って、すぐに忘れてしまうのと同じ感覚で(?)、前巻までの内容をあまり覚えていなかった私なのですが(汗)、読んでいくうちにこのちょっと不思議で心地よい世界にスルっと浸されていきました