吉田篤弘のレビュー一覧

  • 台所のラジオ

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    面白かったです。
    テレビを見るよりラジオを聴く方が好きなので、なんだかお話を身近に感じました。
    でも、不思議なことがたくさん起こって面白そうです。
    きつねうどんは美味しそうですし、「十時軒」へ行ってみたいです。アリスに会いたい。
    吉田さんのお話では月舟町が大好きで住みたいくらいなのですが、この本の世界も穏やかでいいなぁ。
    登場人物たちが聴いているラジオ番組ってもしかしたら、「小さな男*静かな声」の静かな声のラジオ番組かも…それだったら素敵です。

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    2019年04月16日
  • 電球交換士の憂鬱

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    吉田篤弘の世界観が好きで。年を取ってきてあるいは本が好きということも関係しているのか、古き良きものに魅かれるのがよくわかる。今回がそれが電球であったこと。

    電球のもつ柔らかな光を、話の中に出てくる電球の光を、見ていたいと思う。

    すべてがあいまいな世界で、モデルかもしれないものや建物に想像をはせる。

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    2018年11月23日
  • 電球交換士の憂鬱

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    著者初読み。再開発により情景が移りゆく港町を舞台に【不死身】の電球交換士が遭遇するSF(少し不思議)な出来事を描く連作短編集。美女に滅法弱いハードボイルド調の三枚目、十文字の一人称で紡がれる謎と愉快、レトロとノスタルジー、愛と哲学が溢れる世界に浸れる贅沢な読書時間。穏やかで間の抜けた独特の空気感が心地良い。突っ込み所も多々あれど、キャラクターたちが愛おしく、読み終わるのが勿体なくて仕方なかった。交換士が最後に辿り着く答えにもまた痺れる。今年のベストワン作品かもしれない。全ての物事は有限だからこそ尊いのか。

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    2018年08月13日
  • 台所のラジオ

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    ネタバレ

    12のお話がおさめられた短編集です。
    ぜんぶ読み終わって、あとがきを読んで初めてラジオに気付きました。読み返してそう言われてみればそうだな…と。
    まったく関係ない短編の寄せ集めも好きですが、この話とこの話、繋がってる!という短編が好きです。
    特に好きな2つの話について感想を書きます。

    「マリオ・コーヒー年代記」
    この話は本の中で2番目に好きです。
    マリオが何か不幸な目に合うのではと警戒していたのですが、何も起こらなくて良かった。
    ホットドッグとミルクコーヒーはとても良い組み合わせだと思います。カシャカシャする紙に包まれてくるホットドッグはなぜかとてもおいしそうに見えますね。たぶんマリオの店の

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    2018年04月14日
  • 78(ナナハチ)

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    吉田篤弘らしい物語たち。つながっているようで、つながっていないのかもしれない。彼の言葉を借りれば、どちらでもいい。どちらでもあるのだろうから。

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    2016年09月15日
  • ソラシド

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    だいすきな本になった。

    吉田さんの本は、読んでいてにやついてしまうことがある。

    ノート。1986年。ダブルベース。ソラシドの2人。音楽。言葉。レコード。コーヒー。

    今のこの気持ちをうまく言葉にできない。
    何度でも読みたい。

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    2015年06月18日
  • ソラシド

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    雨の様に降り注ぐ
    幾千もの言葉を
    日々、ぼんやり目にしつつも
    思わず(はっ!)と、手で受け止めたくなる様な
    キラリに出会う事がある。

    それは自分だけに光るキラリ。

    音楽好きの彼が
    パラパラ捲っていた雑誌に掲載されていた
    ほんの小さなコラム。
    その記事がキラリと光った。

    (誰?聞いた事もないアーティスト…)
    それがソラシド。
    どうやら女性2人のデュオらしい。

    彼女達のコメントや弾いている楽器も気になる…

    早速NETで調べてはみたものの、
    彼女達は派手な活動をしていなかったらしく、
    全く手がかりがつかめない。
    でも、
    何故か追っかけずにはいられないし、
    そうせざるを得ない事情も出来た。

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    2015年04月24日
  • 圏外へ

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    難物でした。
    いつまでも終わらない夢の中を歩いているような感じ。
    作家が自分の小説の中と現実を行きつ戻りつ(いや、戻っていないかも?)しながら、語る事の意味や、書く事の意味を探っている…お話。
    言葉の遊びも多く、日本語ってすごいなと気づかされる。
    揉みほぐしのエジンバラ先生のマシンガントークが、自分的にはツボでした。
    …とはいえ…
    あんまり理解できなかったので、またあとで再読したいと思います。
    はい、「二度目」と言うのはそっけない、「ふたたび」読みたいですね。

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    2015年04月02日
  • ソラシド

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    ネタバレ

    「オレ」という一人称の篤弘さんはこれまで以上に気取りがなくて親しみやすい兄ぃなのです。
    1986年と今を行ったり来たりしながらまた素晴らしい音楽を聴かせてくれました。(実際。ネットなどで音楽を捜しながら聞いて読んで・・・)
    この本もまた大事な一冊となりました。

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    2015年03月13日
  • ソラシド

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    ネタバレ

    吉田さんの小説は、静かに静かに始まる
    そして、どこか変わった人たち、建物から
    物語が動き出していくのが心地よい
    1986年、渋谷区と世田谷区の間の
    松見坂の上にある「空中の長屋」
    まずいコーヒー、「ザ・ビートルズ」
    エレファントという名のダブル・ベース
    現在の「オレ」と年の離れた妹「0(オウ)」が
    過去を探していく
    不思議だけど、心地よく
    たくさんの音楽が聴こえてくるような小説
    極上の読書の時間を過ごすことが出来ました

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    2015年02月20日
  • ソラシド

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    すごくいい。
    すごく好き。
    出来ることなら★を100こ並べたい。

    ものすごく優しいお話。
    でも、ちょっと寂しい。
    そして、じんわりと温かい。

    「おれ」は探し物をしている。
    いや、「おれ」だけじゃなく、みんなが探し物をしている。
    探し始めた時には自分が何を探しているのか正確なところは分からない。
    だんだんと見えてくる。
    そうすると最初にイメージしていたものとは違うものだったことが分かってくる。
    いよいよ探し当てたと思い、「そうだったのか」と納得しようとすると、また新たな探し物が始まっている。
    気付かないうちに。

    「この物語はこういう物語です。」と言い切れません。
    ただ、とても美しい物語です

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    2015年01月30日
  • 圏外へ

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    ついていくのが大変だったけど、こんな本今まで読んだことなかった。読み応え最高。

    文章量もそれなりにあるにも関わらず、そんなこと感じさせられなかった。

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    2014年06月14日
  • 78(ナナハチ)

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    吉田篤弘さんらしいオシャレな大人のおとぎ話のよう。やっぱりこの雰囲気が大好き。
    吉田篤弘さんの著書を読んでると、自分がとてもオシャレな人になった気分にさせてくれる。

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    2013年05月09日
  • 78(ナナハチ)

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    時間とは、

    留まる事なく失われていくだけのモノだと、思っていたが、
    刻まれて、残っていくモノでもあるんだな、と言う事に改めて気付かされた。

    例えばそれが、
    大会社の設立とか、
    歴史を大きく変えたとか、
    たくさんの人の為に尽くした、とか、

    自分以外の人達にも残るような立派な記憶ではないとしても
    言わばコレクションの様に
    一人でこっそり取り出して、いつまでもニヤニヤと眺めているようなモノだとしても…。

    それがあるだけでかなりステキだな、と思った。

    >78とは78回転のレコードの事。
     (私は33回転と45回転しか知りませんでした。(^^;
      針を落とすと流れてくる名曲には、思わず目を瞑

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    2013年05月14日
  • 78(ナナハチ)

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    78回転のSP盤から繋がる物語。少年たちは冒険の末に終着駅でSP盤を見付け、ドーナツ屋の隣にはSP盤の専門店があり、SP盤に吹き込まれた曲の演奏者にも物語があり、世界は78回転で回り続ける。
    少し現実から浮いた物語です。その浮遊感が何とも言えず気持ちいいんです。作り込まれているんだけど、さり気なくそれとなく自然体に書かれているのがいいんですね。

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    2011年11月24日
  • 78(ナナハチ)

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    世界が78回転で回っていたあの頃。

    文庫版にのってるイラストの曲を聴きながら読むのがオススメ。

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    2011年08月06日
  • 78(ナナハチ)

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    江戸っ子的な粋と西欧的なチャーミングさの、細い共通の糸をきれいに回収してくれる数少ない作品だとおもう。
    なかでも『クローディアと靴箱の都』神懸かっていて、小説だけども、一編の詩のようで、あまりにうつくしいので、想像の世界から抜け出せない。
    デタラメに響き合う世界のことがかかれているが、どれも細い糸で繋がっている。

    各章のタイトルが日本語と英語で表記されていて、英語をYouTubeで検索して、レコードをききながら、読んでいました。なので愛着も深いのかな、とおもいます。

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    2011年07月22日
  • 78(ナナハチ)

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    珍しく恋愛が絡んでる。

    どこが現代でどこが過去で?
    ごちゃまぜになって、ターンテーブルの上で回されてる気分になるけれど。

    私は世界が78回転で回ってた時代を知らない。
    そんな寂しさ。

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    2009年10月04日
  • 78(ナナハチ)

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     ブラシで洗いこまれた、もう何年も使っている木の机に、さりげなく置かれているような本というか

      古いものを懐かしむような、
      慈しむような、


     「レトロ」では足りない、セピア色の記憶に、
      鮮やかな赤と黒の境界がある感じ。
     (それはきっと私の「レコード」のイメージ)


     わたしは、
     そんな、
     そんなこの人の魅せてくれる世界観が、大好きで。


     こんな雰囲気をいとおしく思い、分かち合える人がいたらいいなぁと、思う。

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    2009年10月04日
  • 月とコーヒー

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    短編で読みやすい
    ちょっと心があたたまるお話がたくさん
    いいことがあった日、疲れた日、眠れない日、寝る前に1つ読んでじんわりあたたかい気持ちで眠れた

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    2025年12月13日