吉田篤弘のレビュー一覧

  • 月とコーヒー

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    これは地球?それとも他の星?
    掴みどころのないようなキャラクターたちだが、どうも魅力的でならない人たちが紡ぐ短い物語。
    この短さがなんとも良い空白と余韻を残してくれる。
    お気に入りの音楽を聴きながらでもいいし、家の中、外から聞こえてくる音に耳を澄ませながらでもいい。
    日常と非日常の間を行き来しながら、人生に大切な、でも見落としてしまいそうな、そんなことを静かに伝えてくれる。

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    2025年11月07日
  • 流星シネマ

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    いままで培ってきた記憶と、新たにインプットされた文章がどこか繋がって、いままでの記憶が少し形を変えてより大切に保管される感覚があった!読書が好きな理由を再確認した!

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    2025年10月12日
  • 月とコーヒー

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    ここから展開が変わる?と思ったら「ここで終わるの!?」とびっくりもしたけど、なるほど『一日の終りに読む短いお話』というだけあって、ひとつひとつの話がちょっとした時間に少しずつ読むのにちょうどいい長さかもしれないですね。この『少しずつ』ってのが心地よい。
    一つ一つがほっこりするお話たちばかりで、秋の夜長にぴったりですね。コーヒーとともに、癒やしアイテムとして何度でも読み返したくなるお話です。疲れた心に効きそう。w

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    2025年09月17日
  • 流星シネマ

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    流星シネマは、屋根裏のチェリー、鯨オーケストラとで三部作となっており、そのひとつめにあたる。

    3部作を通して根底にあるのは、喪失とそれを見つめて新たな何かをつくりだす話だと思う。

    流星シネマは、鯨塚のある町で発行されている小さな新聞「流星新聞」、-それは外から来たアルフレッドにより作り始められたものだが-そのアルフレッドの意図せぬ帰郷から物語は始まる。
    アルフレッドがいなくなった今、流星新聞は、新聞づくりのお手伝いをしていた太郎が作っていかなくてはならない。
    新聞の発行を続けることは、帰郷することになったアルフレッドの願いだから。

    「流星新聞」を取り巻くのは、個性豊かな街の人々(犬)。

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    2025年09月15日
  • 月とコーヒー

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    私にとって、肩の力を抜いて心地よい時間をすごすのにぴったりな本が、吉田篤弘さんの物語です。

    実はこの本は、読むのがもったいなくて今までとっておいた本です。装幀は、クラフト・エヴィング商會。味のあるイラストがまたとてもいいんです。

    本を開くと、寝る前に一話ずつ読むのにほどよい長さの短編が、24編紡がれていました。

    とるにたらないもの、忘れられたもの、世の中の隅の方にいる人たちのお話は、どれも心を穏やかにさせてくれました。時にクスッと笑えたり、なるほどねと思ったり、物語の続きを思い描いたりしながらの読書でした。

    あとがきには、吉田さんのこの本への思いが書かれていました。私にとっての「月とコ

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    2025年09月06日
  • おやすみ、東京

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    場所は東京、午前1時から始まる12の連作短編集

    吉田さんの本を手にする時には装丁も楽しませてもらっています。今回も夜にふさわしい黒を使いおしゃれに仕上がっています。

    暗い夜にふさわしくお話はゆっくり進みます
    たくさんの人たちがいる東京で、会えるわけがないと思いながらも、不思議なつながりで巡り会う人たちに嬉しくなります。
    吉田さんの文章はなぜか違和感がなく、夢の中のお話のように心地いいです。

    今回の作品も私の心のすき間にスッと入ってきました。すき間がうまって穏やかな眠りにつくことができそうです。

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    2025年09月04日
  • 月とコーヒー

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    短い時間でさらりと読める、ほっこり温かな短編集。
    架空の国の架空の街を舞台にした、大人のための童話みたいな雰囲気の話が多いです。
    休憩時間やティータイムにリラックスした気持ちで読んで癒されるような本です

    9月にオーディオブックが出るらしい。
    寝る前にゆったりした気分で聴くのよさそうだなー。

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    2025年08月23日
  • それでも世界は回っている 1

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    一日の終わりに読むことを楽しみにしていたのに、止まらなくなってあっというまに数日で読んでしまった
    積ん読から2巻を探し出さなくては…

    スピンのカラーが美しい、いや、あたたかくて懐かしいような触れたくなるような青色でうれしかった

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    2025年07月31日
  • 月とコーヒー

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    朝や夕方のちょっとした時間に読めるファンタジーのあるお話で、
    いつも楽しく読めました。ちょっとふしぎで、ちょっとすてき。
    作者のあとがきにもあるように、もうすこしふくらませられそうなのに、
    ここでおわりなの!?という終わり方のお話も多いけど、そのあっけなさがまた好きでした。

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    2025年07月19日
  • それでも世界は回っている 3

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    よかった。心がじんわり温まる。
    吉田さんの長編いいなあ。また書いてほしい。

    ドーナツが食べたくなった

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    2025年07月14日
  • 流星シネマ

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    鯨オーケストラを先に読んでしまったので、未来から過去を覗き見ているような感じ。

    言語化できない思いがあってもいい。
    吉田篤弘さんの作品を読むといつも感じることのひとつ。
    言葉にできないから、もう一度この気持ちを味わうには、物語の扉を開くしかない。

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    2025年07月06日
  • 奇妙な星のおかしな街で

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    笑ったり
    考えたり
    思い出したり
    忘れたり

    帯に書かれたこの言葉のとおりに、吉田さんのお話をゆったりとした気分で聞いている感じがしました。

    もちろんコーヒーを飲みながら。

    『奇妙な星のおかしな町で』というタイトルの付け方も吉田さんらしくていいと思いました。吉田さんのこだわりや話の広げ方が、おもしろくて休日に読むのにぴったりの本でした。

    この星のこの街で書かれたエッセイは、心地よくて何度でも読みたいと思えるものでした。

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    2025年07月06日
  • ソラシド

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    いやあ、出だしの時代背景や主人公の職業から、てっきり吉田篤弘さん自身のことを綴っているエッセイかと思って読み進めていた。

    ら、小説だったのね。

    1986年当時にいたという女性2人のジャズバンド『ソラシド』を追う主人公の話。

    主人公は若かりし頃、ダブル・ベース(コントラバス)を偶然ゴミ置き場で拾い、あまりの大きさに「エレファント」と名付け、一人練習していた。

    『ソラシド』の薫もダブル・ベースの奏者ということで、興味が湧いたのだった。

    しかし、レコードも出したことのないマイナーなバンドで、たま~に雑誌の隅に紹介が載るくらいなので、追跡は困難を極めるのだが。

    あるとき、『ソラシド』が映画

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    2025年07月01日
  • それでも世界は回っている 3

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    最終巻すごく良かった!
    六番目のブルーが生まれた理由がなんだか美しいと感じた。ジャン叔父さんとオリオ、そしてオリオの心の中にいるココノツとの会話も良かったし旅先で出会ったちょっと個性的な人達も吉田さんならではという感じで良かった。

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    2025年03月31日
  • 『罪と罰』を読まない

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    めちゃくちゃ面白かった。著名な本の関係者の罪と罰の感想、解釈が聞けるラスト100ページくらいは著者たちと読書会を開いているような気分になれた。罪と罰のおかしな点、面白い点を余す事なく文章化してくれていて読んでて楽しかった。299ページで三浦しをんさんが罪と罰を「愛すべきダメ人間の話だ」と言っていたがその通りだと思った。読書会参加したいな。読書仲間欲しいな。

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    2025年03月08日
  • 奇妙な星のおかしな街で

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    装幀、小説で
    夢を見せてくれるクラフト・エヴァング商會の吉田篤弘さんのエッセイ集は初めて読むのではないか。
    ウィットに富んだ話にひかれる。

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    2025年02月12日
  • 鯨オーケストラ

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    死んだ飼い犬ベニーが体の中にいる、クラリネット奏者のテツオが鯨オーケストラと出会い、新たな音楽を奏でていくまでの物語。

    けれど、それに関わるいろいろな人の物語がそこに織り重なって、重奏的なハーモニーを聴いているかのような繊細な物語になっていく。

    別の目的で行った美術館で、たまたま開催されていたポール.モカシンの深海魚展。
    モカシンといえば、あの、モコモコとした靴のことでは? と疑問を抱きながら入った展示室で荘厳なハーモニーのような真っ白の鯨に出会ってしまったり。
    人ちがいをされて訪ねた食堂で、たまたま出会った土曜日のハンバーガーの完璧な美味しさに舌鼓を打ちながら、たまたま楽団員募集の貼り紙

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    2025年01月26日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    吉田篤弘の本は休日の昼間とか、いつもより時間がゆっくり過ぎる日に読みたい本が多い気がしますが、これは明日何も予定がない日の深夜にページを捲りたくなるような本です。近未来と幻想を掛け合わせたような世界観だからシラフで読んでも酒に酔ったような気分になれますが、手元にキツめの酒とアイスがあれば尚良いと思います。ガラス瓶のラムネでもいいけど。

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    2025年01月19日
  • おやすみ、東京

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    私は東京に住んだことはないのだが、関東圏に住んでいたことはある。都会の夜は今住んでいる田舎の夜とはまとっている空気が全く違う。この連作短編はそんなことを思い出させてくれた。静かなバーでコークハイが飲みたい…

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    2025年01月14日
  • それでも世界は回っている 3

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    月とコーヒーに続くインク三部作
    不思議な六番目のブルーを求めて
    旅を続けるおじさんとオリオ
    このブルーの話しを読んでいるうちに
    無性にブルーのインクでノートに
    綴りたくなり
    ブルーのインクと万年筆を購入
    ブルーに囚われてしまった!

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    2025年01月10日