吉田篤弘のレビュー一覧

  • 月とコーヒー

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    寝る前に一章ずつ読みました。嫌なことがあった夜も、人と遅くまで語らって興奮した夜も、月を眺めながらコーヒーを飲むような静かで物想いにふけるような時間をくれました。おすすめです。

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    2026年03月04日
  • エデンの裏庭

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    世の中のものは変わりゆく。燃えないゴミですら朽ちてゆくのだから。
    しかし、唯一変わらないものがあるとすれば、それは本であるとこの作品で感じた。だって、いつでも本を開けばその本は変わらず語りかけてくれるのだから。
    変わったのは本ではなく私の心だって事も。

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    2026年02月28日
  • 鯨オーケストラ

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    地方ラジオ「サイレント・ラジオ」を受け持っている曽我。ある時、彼自身とよく似ている肖像画を見たというメールが届く。自身が17歳の時に、一人の女性に描かれた記憶がふとよみがえった。一つのパーツからスルスルと人のつながりが広がっていく。派手さはない。けれど一人の夜に求めていたのは、こういう物語だったのかもしれない。
    <感電>
    17歳の曽我を書いた女性、多々さんが恐れた「感電」にすごく共感を覚えた。彼女は「感動」を「感電」と表現する。「感動することに戸惑いを覚える」「うっかり、感電してしまいそうになると慌てて席を立って続きを見ないこともある」「むやみに心を動かされたくないでしょう?」このフレーズを読

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    2026年02月28日
  • エデンの裏庭

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    吉田篤弘さんにはいつも関心させられます。大袈裟ではなく、本当に読んでいて声が出そうになります。本の世界へ戻りたい。

    本作『エデンの裏庭』では「メインストーリー」とそれを書くに至らしめた児童文学を吉田マジックで味付けされたものが四編、そして各作品ごとに「物語の舞台袖」なる項目(作品の前後を著者の目線で解説するパート)が用意され、最後に「あとがき」の4パートに分かれています。一つの小説に4つの独立しパートを登場させ上手い具合に混ざり合わせていること自体、ある意味発明です。

    そして毎度のことながら本作もクラフト・エヴィング商會さんの装丁家としての手仕事が極まっております。文字のレイアウト、スピン

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    2026年02月23日
  • エデンの裏庭

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    この心地よさ。言葉の迷路をくぐり抜けてきた爽快感。吉田さんの作品には不思議な魅力を感じます。

    『不思議の国のアリス』
    『ガリヴァー旅行記』
    『星の王子さま』
    『モモ』
    読者の私が子どもの頃に出会った4つの物語。その〈物語の舞台袖〉を吉田篤弘さんが書いてくれました。物語の前にも後にも物語は続くと考えると、永遠に物語は終わらないなんて壮大です。物語の空白が書かれた舞台袖の創作作品は、どれもなるほどねと思わせてくれる楽しい作品でした。吉田さんの原点も知ることができました。

    舞台袖の創作作品のあとには〈舞台袖からの報告〉。吉田さんと作品たちとの不思議な繋がりを感じることもできました。

    そして〈エ

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    2026年02月17日
  • おやすみ、東京

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    とても軽やかな小説でした。
    穏やか、安定とはまた違う、
    静かで波が立っていない夜の海、そんな空気感がずっと続く本でした。
    ずっと読んでいられる本でした。
    なんだか世の喧騒にあきあきしてる、1人でボーッとしたい、でもどこか人と繋がっていたい、そんな時におすすめの本かなと思います。

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    2026年02月13日
  • エデンの裏庭

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    吉田篤弘先生の本はもったいなくて大事に温めて静かに穏やかにひっそりと読むのが常です。この本もまたそうやって今私の手元にあるのですが、これまでのストーリーを編まれた本と構成が違っています。「アリス」「ガリバー」「星の王子さま」「モモ」にまた違った色合いのスポットライトが当てられているステージの舞台袖で篤弘先生が自分を語り、思いを示してくださる。なんと生の先生の声が聞こえてきそうなほど!
    そして第2部、「エデンの庭」初めてお目にかかるのによく知っている人たちの登場するおはなし。
    あとがきを読んでまた、ため息。
    なんと素敵な時間を持つことができたのか、しみじみと余韻に浸ってます。

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    2026年02月11日
  • 月とコーヒー

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    長らく積読でようやっと読めた。どの話も素敵なのだが、とくに“青いインクの話”とそれにリンクする続き2編が好き。万年筆派、とくにブルーインク愛好家にはたまらないと思う。あと“バナナ会議”も印象に残っている。真面目に議論する猿たち。実際のところは、そこまで食べてないだろうが、それはそれ。

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    2026年02月10日
  • エデンの裏庭

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    「物語の舞台袖」は外国の4つの物語を創作と書評のようなもので構成されたもの。
    吉田さんらしい文章で本当に好きな内容だつた。特に私は「灰色の男の葉巻のけむり」が好き。5回くらい読んだけど何度読んでもわぁすごい、、、と思ってしまう。

    「エデンの裏庭」は吉田篤弘さんの名でデビューする前の作品を改訂したもの。
    これも本当に癒されるお話だった。
    続きが気になってすぐに読み終わってしまった。でもまだ続きそう…。気になる…。

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    2026年02月08日
  • おやすみ、東京

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    ひとりで残業した仕事終わり、のんびり夜に浸りながらこの本を読める幸福感たるや。登場人物たちのキャラクターが人間らしくて愛らしい。実はみんなが近くですれ違っている「東京」いいなあと思える。夜にぼんやり散歩したいな。

    アヤノとイバラギの古道具店でのアンジャッシュのような出会いが好き。夢かと聞いてしまうアヤノも、夢を憧れる方の意で捉えるイバラギもどこか変わってて、2人してそれぞれ恍惚としているのもまた夢らしくて。とてもこの本らしいシーンだなと思った。

    前田さんのキンキンに冷やしたコークハイが飲みたすぎる

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    2026年02月08日
  • 月とコーヒー

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    結末がなくてモヤモヤするかと思ったけれど、納得のいく感じ?
    モヤッとした気持ちは残らなかった
    分からないのがいい

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    2026年01月18日
  • 鯨オーケストラ

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    こうなるといいな、という願いが届いたかのように、物語は理想的なカタチに収束していく。全ての問題が解決したわけじゃない。だけど、「解決しなくてもいい」という新しい解答を導き出して、それぞれの主人公たちが前に進もうとしていく姿がとても感動的だった。
    彼らがこの世界のどこかで、きっと楽しく暮らしているだろうと思えるから、この本を読んでよかった。

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    2026年01月13日
  • おやすみ、東京

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    午前一時から始まる連作短篇

    読んでる最中は、濃いびわのお酒をちびちび飲んで軽く酔ったような心地がしていた

    あと、電話って不思議

    携帯電話でなく、線で繋がっていて受話器がある電話
    昔から、あの、やたら艶々黒々としてけたたましい音が鳴るあれ、不思議でしょうがなかった
    どんな仕組みなのかわかんなくて、底を見るのに持ち上げた途端に電話がかかってきて、ひどく驚いたことを急に思い出した

    登場人物はたくさんでてくるけど、互いに線が絡みあっている
    誰と繋がっているのかな
    誰に繋がっていくのかな

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    2025年12月31日
  • 『罪と罰』を読まない

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    まず作家や翻訳家の皆さまが、私と同じく『罪と罰』を読んだことがなかったり、ロシア人の名前が覚えられない。という共通点に安心(笑)

    しかし作家さんの想像力は、凡人ではない。
    どこで殺すのが物語として盛り上がるか、この人物はこういう人なのでは、という想像力が半端ない!

    最終的に全員がちゃんと読み、また集まることになりました。

    読んだ後の読書会は、皆さまさすがの感想で、それぞれ本に貼ったふせんやメモを、全部見せてください!と思いました。

    『罪と罰』は長編で、この遅読の私はどれくらいで読めるのか、と思いましたが、やっぱり読みたくなりました。

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    2025年12月28日
  • 『罪と罰』を読まない

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     隅から隅まで面白かった。「“読む”は読む前から始まっている」という考えは、私もぼんやりと思っていたことではあるが、この四人のおかげで私の罪と罰読書も、読んでないけど始まったぞ!と感じた。
     四人の自由で対等な雰囲気がまたとても良かった。罪と罰を読んでない者同士で話すという企画なんだから対等なのは当然だが、誰かの持っていた文学や歴史の知識がヒントになるときも、ガイド役の学者先生的な人の授ける解説を拝聴するみたいな空気は一切なく、プロ作家としての作劇的勘で何かを言い当てようとするときも、「ここできっと二人の対話が八十ページ続くんですよ」とか「結婚式で繰り広げられる七日七晩にわたるロシアの宴の描写

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    2025年12月24日
  • 月とコーヒー

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    これは地球?それとも他の星?
    掴みどころのないようなキャラクターたちだが、どうも魅力的でならない人たちが紡ぐ短い物語。
    この短さがなんとも良い空白と余韻を残してくれる。
    お気に入りの音楽を聴きながらでもいいし、家の中、外から聞こえてくる音に耳を澄ませながらでもいい。
    日常と非日常の間を行き来しながら、人生に大切な、でも見落としてしまいそうな、そんなことを静かに伝えてくれる。

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    2025年11月07日
  • 流星シネマ

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    いままで培ってきた記憶と、新たにインプットされた文章がどこか繋がって、いままでの記憶が少し形を変えてより大切に保管される感覚があった!読書が好きな理由を再確認した!

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    2025年10月12日
  • 月とコーヒー

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    ここから展開が変わる?と思ったら「ここで終わるの!?」とびっくりもしたけど、なるほど『一日の終りに読む短いお話』というだけあって、ひとつひとつの話がちょっとした時間に少しずつ読むのにちょうどいい長さかもしれないですね。この『少しずつ』ってのが心地よい。
    一つ一つがほっこりするお話たちばかりで、秋の夜長にぴったりですね。コーヒーとともに、癒やしアイテムとして何度でも読み返したくなるお話です。疲れた心に効きそう。w

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    2025年09月17日
  • 流星シネマ

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    流星シネマは、屋根裏のチェリー、鯨オーケストラとで三部作となっており、そのひとつめにあたる。

    3部作を通して根底にあるのは、喪失とそれを見つめて新たな何かをつくりだす話だと思う。

    流星シネマは、鯨塚のある町で発行されている小さな新聞「流星新聞」、-それは外から来たアルフレッドにより作り始められたものだが-そのアルフレッドの意図せぬ帰郷から物語は始まる。
    アルフレッドがいなくなった今、流星新聞は、新聞づくりのお手伝いをしていた太郎が作っていかなくてはならない。
    新聞の発行を続けることは、帰郷することになったアルフレッドの願いだから。

    「流星新聞」を取り巻くのは、個性豊かな街の人々(犬)。

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    2025年09月15日
  • 月とコーヒー

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    私にとって、肩の力を抜いて心地よい時間をすごすのにぴったりな本が、吉田篤弘さんの物語です。

    実はこの本は、読むのがもったいなくて今までとっておいた本です。装幀は、クラフト・エヴィング商會。味のあるイラストがまたとてもいいんです。

    本を開くと、寝る前に一話ずつ読むのにほどよい長さの短編が、24編紡がれていました。

    とるにたらないもの、忘れられたもの、世の中の隅の方にいる人たちのお話は、どれも心を穏やかにさせてくれました。時にクスッと笑えたり、なるほどねと思ったり、物語の続きを思い描いたりしながらの読書でした。

    あとがきには、吉田さんのこの本への思いが書かれていました。私にとっての「月とコ

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    2025年09月06日