吉田篤弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いやあ、出だしの時代背景や主人公の職業から、てっきり吉田篤弘さん自身のことを綴っているエッセイかと思って読み進めていた。
ら、小説だったのね。
1986年当時にいたという女性2人のジャズバンド『ソラシド』を追う主人公の話。
主人公は若かりし頃、ダブル・ベース(コントラバス)を偶然ゴミ置き場で拾い、あまりの大きさに「エレファント」と名付け、一人練習していた。
『ソラシド』の薫もダブル・ベースの奏者ということで、興味が湧いたのだった。
しかし、レコードも出したことのないマイナーなバンドで、たま~に雑誌の隅に紹介が載るくらいなので、追跡は困難を極めるのだが。
あるとき、『ソラシド』が映画 -
Posted by ブクログ
死んだ飼い犬ベニーが体の中にいる、クラリネット奏者のテツオが鯨オーケストラと出会い、新たな音楽を奏でていくまでの物語。
けれど、それに関わるいろいろな人の物語がそこに織り重なって、重奏的なハーモニーを聴いているかのような繊細な物語になっていく。
別の目的で行った美術館で、たまたま開催されていたポール.モカシンの深海魚展。
モカシンといえば、あの、モコモコとした靴のことでは? と疑問を抱きながら入った展示室で荘厳なハーモニーのような真っ白の鯨に出会ってしまったり。
人ちがいをされて訪ねた食堂で、たまたま出会った土曜日のハンバーガーの完璧な美味しさに舌鼓を打ちながら、たまたま楽団員募集の貼り紙 -
Posted by ブクログ
万年筆のインクを集めている。
昨今、たくさんのメーカー(や個人)がご当地インクやコンセプトインクなど、とにかく数えきれないほど出しており、まさに百花繚乱の状態だ。
中でも人気はやはり青系インクなようで、たぶんバリエーションは一番多いのではないか。
水のように澄んだライトブルーから、夜の底のように深い深く、星さえ見えない日のブルーブラックまで。くすんだ青、煌めくラメの混ざった青。
この世に青いインクはどれだけの数あるのだろうか(これを書いている今も新たな「青」が誕生しているかもしれない)。
******
この世で一番美しい「青いインク」の物語、そのはじまり。
「月とコーヒー」で書かれてい