吉田篤弘のレビュー一覧

  • 流星シネマ

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    入りたい世界ランキング1位
    穏やかに流れる日常の中で素敵な個性をもつ登場人物とひっそりゆっくり暮らしたい。

    かつて鯨がいた町。
    いろんな「むかし」が眠る町。

    流れる時間に身を任せながら、「もういちど、最初から始めてみよう」

    安心させてくれる優しい文体がとてもいい。

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    2023年05月17日
  • 『罪と罰』を読まない

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    因業ばばあ? 急に宝塚? そうなの? まじか!…
    ああだこうだと一般読者と変わらぬざっくばらんな話っぷり。
    漠然とした極少ない知識と、ところどころで提示されるわずかなヒントを手がかりに推理する。
    なんと面白い企画なんだか。
    小難しそうで、ただただ敷居が高いだけだった「罪と罰」をぐっと身近に引き寄せてもらったような気がする。
    読まずに読む座談会、またぜひ開催してもらいたい。

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    2023年04月26日
  • 流星シネマ

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    鯨の眠る町。
    この世界は、いつでも冬に向かっている。
    と始まるが、人生の四季と重ねつつ
    静けさと暖かさを感じる作品でした。

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    2023年04月21日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    ネタバレ

    螺旋プロジェクト(私の中で)最後の作品。

    今まで読んだ他の7作品よりも、海と山の対立が前面には出ておらず、途中まで螺旋プロジェクトということを忘れそうになるほどだった。しかし終盤に行くほどその仕掛け(?)が分かり、これまでの7作品が紡いできた最終着地点として感慨深い作品となった。
    登場人物が多く、文体も結構独特なので慣れるまで時間がかかったが、このワールドにハマると結構面白い。「未来」にうってつけだったのではないか。最後のあとがきを読むとまた一段と感慨深かった。


    【最後に螺旋プロジェクト全体の感想】
    このプロジェクトを知ってから1冊ずつ読み進めるのが本当にワクワクして面白かった。
    同じ設

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    2023年04月20日
  • 鯨オーケストラ

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    吉田篤弘作品、読んだつもりになっていたけど、実はこれが初めてだった。
    「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に連なる物語だと読んだ後に知り、順番に読めば良かったとちょっと後悔。
    でも、もちろんこの作品だけを読んでも十分に楽しめる。

    読みやすくサラサラと入っていく感じの文章は心地よく、何のストレスもなく読み進められる。
    「涙腺崩壊」とか、「大どんでん返し」といった仰々しい宣伝文句とは無縁の気を衒うことのない、静かで淡々とした物語の運び方が心地よく、一枚の絵が導く小さな奇跡のような出会いが胸を温かいもので満たしてくれる。

    「時間は過ぎていくのでは無いのです。どこかへ消えてしまうわけでもありません。

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    2023年04月16日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    #螺旋プロジェクト
    21世紀末 眠れない人々
    科学が進みすぎた世界でも海と山の争いは続くのか
    予知に導かれる演者たち
    眠り姫を目覚めさせる王子は誰か
    運命のクライマックス

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    2023年04月05日
  • 流星シネマ

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    「屋根裏のチェリー」を買おうと思っていたが、その前の話があると分かり、こちらから読むことにした。
    都会のへりの窪んだところにあるガケ下の町で、「流星新聞」を発行する手伝いをしている太郎君と、その周りの人たちの話。

    自分が創刊した「流星新聞」を太郎君に託して故郷に帰ったアルフレッド。
    「メアリー・ポピンズ」を愛読しジュリー・アンドリュースにあこがれるミユキさん。
    編集室に置いてあるピアノを弾きに来るバジ君。
    詩集屋を営む“煙草をくわえた女神”カナさん。
    幼馴染で〈オキナワ・ステーキ〉の店主・ゴー君と、流し目が素敵な看板娘のハルミさん。
    個性的なコーヒーとカレーのお店〈バイカル〉の店主・椋本さん

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    2023年03月19日
  • それでも世界は回っている 2

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    ネタバレ

    「1」を読み終わった後に娘に手渡しておいたら、あっという間に読み終わり「2」も先取りされ、早く「3」を持ってこいと要求してくるほど。
    いや、だからまだ出てないんだって。。。

    ということで、小学生高学年から楽しめる幻想旅物語、『それでも世界は回っている』の第2巻。
    ”6番目のブルー"を探してエクストラへ向かうはずが、いつの間にか唄のメロディーを求めてリリボイに向かうことに。
    ”人生っていうのは「いつの間にか」をめぐる戦いなんだ”とのことなので、それもまた必然。

    それにしても登場人物が多い。
    それほど長くない章立ての中、ほぼ1章に1人のペースで出てくる。
    吉田さん自身のイラストを毎回

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    2023年03月04日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    「螺旋」プロジェクトの4冊目。
    語られる時代としては一番後ろになり、皆さんのレビューを見ると最後に読むほうが良いように書いてあったが、読み始めたものはしょうがない。

    2095年、四半世紀前に建てられた壁で街を東西に分断されている東京が舞台。
    そこは不眠の都と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っているという設定のもと、巻頭に紹介されているだけでも25名+1匹、色んな人物が登場し、それぞれの周辺が描かれていく。
    睡眠コンサルタントに勤め覚醒タブレットの開発を命じられたシュウが〈いばら姫〉の物語の謎を追うパート、〈眠り姫の寝台〉という本を巡ってシュウの姉で探偵のナツメと小説家のマユズミが動き回るパート、

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    2023年03月02日
  • 屋根裏のチェリー

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    アパートの屋根裏部屋で一人暮らすサユリは人見知りで、人とうまく話すことができない。
    元オーケストラのオーボエ奏者で、彼女の所属していた、がけ下の町のはずれにあったアマチュア楽団〈鯨オーケストラ〉はすでに解散していた。
    サユリの頭の中に現れて、時々話しかけてくる小さな彼女の名前はチェリーという。

    レモン・ソーダやハンバーガーやササミカツ定食などおいしい食べ物が登場し、物語全体が居心地良く優しい雰囲気がします。

    私の住む町で身近におこった、先日の淀川の迷いクジラの出来事を思い出し、『流星シネマ』のことが即頭に浮かびました。
    小説も侮れないなと、嬉しさがこみ上げてきました。

    個性的で、懐かしい

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    2023年01月29日
  • 流星シネマ

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    久々の吉田篤弘さんのお話。どこを切りとっても吉田メロディが流れています。
    ちなみに私の古い知り合いのオーボエ担当が「オカさん」だったので、すっごいシンパシーが生まれました。続編にあたるお話はそのオカさんがメインのようなので楽しみです。

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    2023年01月23日
  • 流星シネマ

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    雨が似合う物語だった。
    物語を貫くところに水の流れがあり、流れる水のように登場人物たちに淀みがなかった。
    文章は詩的だけど難解な言い回しなどはなく、優しく流れる舟のような物語にどんどんと運ばれていく。

    個人的には登場人物たちも魅力的だが、アクがなさすぎるのが物足りなくも感じた。清らかな小川の中にもほどよく汚れがあった方が、物語として味わいが深くなるのではないだろうか。

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    2023年01月18日
  • 流星シネマ

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    ネタバレ

    吉田篤弘さんの本3冊目。
    どれも、ゆっくりと何気ない物語が進む、
    本の中にも書かれてたけど、
    現実が物語の続きなのか、
    身近なところで起きてる出来事なのか、
    錯覚しそうになる、身近に感じる、優しい雰囲気。
    (世界はいつでも冬に向かっている)
    冬のひとときの読書にぴったりです。


    鯨の伝説が残る街で流星新聞を発行している主人公。
    幼少期の出来事が、街のさまざまな人物を通して、
    クライマックスの流星シネマに通ずる。
    じんわり感動しました。


    矛盾と仲良くならなきゃ人生おもしろくない
    だったかな、いい台詞です。

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    2023年01月16日
  • それでも世界は回っている 1

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     つらいことがあっても、ただ回り続けてくれる世界。それは素敵な世界。一方で、自分の意志をもって自分の時間を生きなければ意識せぬうちにも世界は回り、時間が無くなっていく。これもまた世界。

     
    p24世界が回りつづける限り、次から次へと死がめぐってきて、次から次へと新しい命がめぐってくる。

    p40「いなくなるっていうのは、そういうことなんだな。毎日、繰り返してきたことが、急に消えてなくなるってことだ」

    p124「そうじゃなくて、時間はお前なんだ。いいか?お前がそこにいて、そうして生きているから、お前の時間が流れる」

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    2023年01月06日
  • 屋根裏のチェリー

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    本作の1行目は、まるで「流星シネマ」の1行目に続く文章のように始まる。
    「そして、冬はある日、何の予告もなしに終わってしまう。」

    「屋根裏のチェリー」は「流星シネマ」と響き合う作品だ。
    なので、「流星シネマ」から読むことをお薦めしたい。
    この物語はガケ上の街に暮らすサユリが主人公で、「流星シネマ」と同じ時間軸を別角度から描いている。
    その為、2作品を読むことで、双方の物語の厚みが増す。
    とあるシーンに登場していなかった人物が、その間に誰と何をしていたか?が明かされたりする。
    それから現実にも起こりうる事だが、対面で会話をしていても、言葉を発した者と言葉を受け取った者とで、印象が違ったり、心

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    2022年12月24日
  • 屋根裏のチェリー

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    連作を途中から読むことは滅多にしないのだけれど、なぜか「読みたい」が勝ってしまった。

    アパートの屋根裏でひっそり一人暮らしをするサユリの物語。
    本作は『流星シネマ』の続編ですが、こちらから読んでも大丈夫、みたいです。

    物語がリンクしているところもあれば、本作が前作よりも先に進んでいるところもあるそうです。
    なので、前作を読んで自分なりの答え合わせをするのが楽しみ。
    答え合わせをして「大丈夫」だったかどうか検証しよう。

    吉田篤弘さんの作品は全てを語り尽くす感がなく、その余韻が好きだったり

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    2022年12月05日
  • それでも世界は回っている 2

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    幻のインク"六番目のブルー"を探すオリオ君とジャン叔父さんの旅。
    様々な人と出会い、その考えに触れるオリオ君。
    オリオ君と一緒に旅をして、吉田篤弘さん独特の幻想的で不思議な世界観を味わうような感覚が心地良い。
    旅はまだ途中。オリオ君の旅は続く。。
    オリオ君は六番目のブルーに辿り着けるのだろうか?
    その時、オリオ君はどのように感じるのだろうか?


    「世界はお前を中心に回ってるんじゃない」
    「子供の尻尾」
    「いつのまにかに追われる」
    など、ときに発するジャン叔父さんの言葉が刺さる。

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    2022年11月23日
  • 流星シネマ

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     何気ない日常を淡々と綴った小説です。町の喧騒や雑踏からかけ離れ、会話のテンポややり取りも余計な感情が削ぎ落とされた印象なのですが、不思議なことにずっと読んでいたくなる魅力があるのです。これが吉田篤弘さん特有の世界でしょうか。
     主人公・太郎の視点で描かれる日々は、優しさと静けさ、寂しさと哀しさが同居し、幻想的な雰囲気さえ醸し出しています。
     物語の舞台が、<鯨塚>というガケの下の町で、暗渠(地下埋設の川・水路)があり、かつて、この川に鯨が迷い込んで絶命し、埋葬されたという逸話があるのでした。
     「今」と「かつて」を結び付ける、というより、つながっていることを示した浪漫が感じられます。「あとが

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    2022年10月21日
  • それでも世界は回っている 2

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    ネタバレ

    「~1」を読んだときの感想は会ったことのあるような人たち、街並みみたいな感じだったけれどこちら「2」の感想はその時よりももっと進化してファンタジーのような、「楽園」のような「天国」のような気持ちの良い場所にいるっていうような気持ち。
    最後のまち『リリボイ』の印象も良かったけれど六番目のブルーのこと、オイスターシチューのことなどシンと染み渡りました。
    理解出来ない現実的な疲れた心で読んではいけない、しっとりゆったりした気持ちの時に読まなければならない本だということも。

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    2022年10月18日
  • 『罪と罰』を読まない

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    面白そうだなと購入。でも期待せずに読み初めて、えっ、これ予想以上に面白いじゃんとびっくり(笑)
    ドストのラスコに馬の修造だよ?「罪と罰」かなり読みたくなったんだけど、私はいつか読む読む詐欺マン(笑)

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    2022年08月31日