吉田篤弘のレビュー一覧

  • 天使も怪物も眠る夜

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    螺旋プロジェクト完結篇。
    眠りを忘れた未来の東京の話。これまでに比べて少し読みづらくて中々進まなかったけれど、ラストのこれまでの全ての物語を収束させる結末は、温かい。
    終わってしまうと寂しい、素敵なプロジェクトでした。第二弾があるのであれば、進行中の各編を同時進行で読んでみたい。

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    2023年09月22日
  • 鯨オーケストラ

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    「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に続く物語。
    静かで穏やかな時間の流れ。いつでも訪ねていっても良い場所の存在、いいですね。天国の話が印象的。知ってるだけじゃ駄目なんだ…。G線上のアリアとトッド・ラングレン(初めて聴いた)を聴きながら読みました。

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    2023年09月09日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    螺旋プロジェクト、年代順に読み進め2095年東京が舞台である本作品が最後の本となりました。8人の作家が共演した企画を体験できました。
    作り手が体験する苦労を想像しながら、読者は各作家の作風を体験できます。そして、今まで読んだことのない作家の作品を読むきっかけも与えてくれたプロジェクトでした。第二弾も企画されているようなので楽しみにしています。

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    2023年09月08日
  • 奇妙な星のおかしな街で

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    奇妙で愛おしいこの世界。吉田さんの視点で日常のいろいろを面白く描く。
    幸福な時限爆弾、私もたくさん仕掛けておこう。

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    2023年08月21日
  • 台所のラジオ

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    吉田さんの本を読んだ時にしか感じられないなぞの懐かしさ、切なさが今回もあった。胸がぎゅっとなるんだけど心地よい、これはなんだろう。語彙力がなさすぎてもどかしい。
    あとがき最後の一文から「うかんむりのこども」を少しずつ読み進めようかなと思い立つ。

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    2023年08月16日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    〈新世紀〉吉田篤弘ワールド

    伊坂幸太郎を始めとする今を輝く著名作家たちが一斉に会して主催された「螺旋プロジェクト」。
    その〈未来編〉に当該するのが本作となります。

    独特な世界観や、個性たっぷりのキャラクターたち。彼の長編を手に取った読者にとっては見慣れたであろう、多数の登場人物たちが交差するお決まりの展開。

    言うなれば、
    『22世紀版おやすみ東京』
    と言えるでしょう。

    睡魔が失われたネオ東京で起こる様々な出来事。
    それは一見散発的だけれど、実は底の方で繋がっている。
    様人々の思惑と「眠り姫」を巡って、物語は加速していく。

    読後は、SFでありながらどこか現代社会に通づるものを感じました

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    2023年08月13日
  • おやすみ、東京

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    ほっこりしたハートフル
    人の出会いと縁のあたたかさを感じる
    巡り巡り繋がる人々が抱えた蟠りがひょんなご縁で腑に落ちていく。
    偶然も人も思いを捨てたもんじゃないなと。
    現実そんなにうまくはいかないけど時としてこんなこともあり得るだろう。

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    2023年08月06日
  • それでも世界は回っている 1

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    月とコーヒーからの三部作。

    世界観がすごく良い。

    世界が変化していくのなら、僕も一緒に変化しなくてはならない。
    時間は、じぶんだ。じぶんがそこにいて、そうして生きているから、じぶんの時間が流れる。
    寄り道のない旅はなんの意味もない。決められたコースをたどるだけでは、なんの種にも出会えない。

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    2023年07月19日
  • 『罪と罰』を読まない

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    タイトルからして面白そうだけど、実際面白いのが凄い。クラフトエヴィングさんの著作は未体験だけど、いかにも面白そうなメンツだもんな。何よりも、エッセイが最高な岸本さんが、本座談会でも本領を遺憾なく発揮してるのも良い。物書きを仕事にしているとはいえ、殆ど情報ゼロの状態から、わずかな手掛かりを元に、よくぞここまで想像を広げられるものだな、と。そして、”カラマーゾフ”を読んだとき、名前の長さや難しさ、その圧倒的なボリューム感にかなりの根気を要したから、ドストの他の著作にはなかなか手が出せないと思ってたけど、本書を読んで、またちょっと読みたくなりました。

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    2023年07月18日
  • おやすみ、東京

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    縁のつながりの不思議を感じさせられた。、
    東京は広いようで案外狭くて、みんなどこかで繋がっているのでは、、?という気がしてくる。
    本を読み進めていくうちに、そこが繋がっていたか〜〜!と、点が線で繋がれていく感覚。
    そして、この本を読むときは自然と夜を選んでしまう自分が..- ̗̀☾⋆ ̖́-

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    2023年07月17日
  • 台所のラジオ

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    どこかの誰かの何でもない日常のようで魔法のような不思議な話のある本だった。誰か信頼のおける友人1人に自分のことを話したくなるような、長くつけていなかった日記を再開したくなるような…。

    静かな女性が話すラジオを聞いている登場人物たち。お気に入りのご飯屋さんにまつわっていたり、料理に取り組もうとしたり。繋がるようで繋がっていない吉田篤弘さんらしい短篇小説集だった。こういう本を毎日少しずつ読む生活がしたい。

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    2023年07月02日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    点と点が繋がっていく感じがすごく面白かった。あっちでもこっちでも伏線回収。

    登場人物が多かったので本編と人物紹介ページを行ったり来たりしたのはちょっと大変でした

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    2023年06月10日
  • それでも世界は回っている 2

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    ジャン叔父さん好きだな
    リリボイという「世界」と呼ばれる街に是非行ってみたい。
    「楽園」というホテルに泊まってみたいな。

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    2023年06月06日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    ピースが繋がっていく感覚が面白かった。
    それはこの物語単体としても、
    螺旋プロジェクトとしても。

    まだ螺旋プロジェクト全部読めてないけど、
    海族と山族の対立が
    今まで読んだ作品とはまた違った形で対立してて、
    逆な性質を持つからこそ惹かれるような描かれ方が新鮮やった。


    私も眠り姫になりたい(笑)

    けど、面白い物語は読みたい、
    ので、
    夢の中で面白い物語の展開を楽しみにしながら、
    心地良いベッドで眠りたいな。

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    2023年05月30日
  • 台所のラジオ

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    台所にラジオというのが昭和の雰囲気が溢れていて吉田さんらしいですね。紙カツと黒ソース、昔なじみのミルク・コーヒーが美味しそう。あとがきを読むと吉田さんの小説てこうやって生まれてくるのね…とよくわかります。台所に座って考えてる吉田さんの姿を想像してしまいました。

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    2023年05月28日
  • 流星シネマ

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    入りたい世界ランキング1位
    穏やかに流れる日常の中で素敵な個性をもつ登場人物とひっそりゆっくり暮らしたい。

    かつて鯨がいた町。
    いろんな「むかし」が眠る町。

    流れる時間に身を任せながら、「もういちど、最初から始めてみよう」

    安心させてくれる優しい文体がとてもいい。

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    2023年05月17日
  • 『罪と罰』を読まない

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    因業ばばあ? 急に宝塚? そうなの? まじか!…
    ああだこうだと一般読者と変わらぬざっくばらんな話っぷり。
    漠然とした極少ない知識と、ところどころで提示されるわずかなヒントを手がかりに推理する。
    なんと面白い企画なんだか。
    小難しそうで、ただただ敷居が高いだけだった「罪と罰」をぐっと身近に引き寄せてもらったような気がする。
    読まずに読む座談会、またぜひ開催してもらいたい。

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    2023年04月26日
  • 流星シネマ

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    鯨の眠る町。
    この世界は、いつでも冬に向かっている。
    と始まるが、人生の四季と重ねつつ
    静けさと暖かさを感じる作品でした。

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    2023年04月21日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    ネタバレ

    螺旋プロジェクト(私の中で)最後の作品。

    今まで読んだ他の7作品よりも、海と山の対立が前面には出ておらず、途中まで螺旋プロジェクトということを忘れそうになるほどだった。しかし終盤に行くほどその仕掛け(?)が分かり、これまでの7作品が紡いできた最終着地点として感慨深い作品となった。
    登場人物が多く、文体も結構独特なので慣れるまで時間がかかったが、このワールドにハマると結構面白い。「未来」にうってつけだったのではないか。最後のあとがきを読むとまた一段と感慨深かった。


    【最後に螺旋プロジェクト全体の感想】
    このプロジェクトを知ってから1冊ずつ読み進めるのが本当にワクワクして面白かった。
    同じ設

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    2023年04月20日
  • 鯨オーケストラ

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    吉田篤弘作品、読んだつもりになっていたけど、実はこれが初めてだった。
    「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に連なる物語だと読んだ後に知り、順番に読めば良かったとちょっと後悔。
    でも、もちろんこの作品だけを読んでも十分に楽しめる。

    読みやすくサラサラと入っていく感じの文章は心地よく、何のストレスもなく読み進められる。
    「涙腺崩壊」とか、「大どんでん返し」といった仰々しい宣伝文句とは無縁の気を衒うことのない、静かで淡々とした物語の運び方が心地よく、一枚の絵が導く小さな奇跡のような出会いが胸を温かいもので満たしてくれる。

    「時間は過ぎていくのでは無いのです。どこかへ消えてしまうわけでもありません。

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    2023年04月16日