吉田篤弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
半年くらいかけて、ゆっくりと読んだ。どこを読んでも東京の長い夜を過ごす人たちを描いていて、まだ眠りたくない夜に、時間をかけて読むのにふさわしい一冊だった。
ある登場人物が、私はいま夢を見ているのか、と感じながら会話をして買い物をするシーンがある。始めから最後まで、この本を読んでいてそんな心地だった。ふわふわと数センチ浮かんでいるようで、現実との境目が曖昧で、特に劇的な出来事も大きな感銘も生まれないけれど、色々な思いをそっと自分の中に置いていく…
それなのに最後にはさまざまなピースが収まるところに収まって、始めからここに向かっていたのかと不思議な気持ちになった。
私は一時、介護の仕事をしていた -
Posted by ブクログ
純文学作家の発想
ひとつづつ評していく。
川上弘美。未来SF。
発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
妙にSFが現実路線のわりには -
Posted by ブクログ
楽団の団長を務める中年男性の
過去との決別と再生がテーマの話であったと思いますが……
主人公の中年の男性が高校生のころ
地元の映画館のモギリをしてた
当時、中年と思われる女性の
絵画モデルをしていてですね
(その女性は映画館の看板も描いていた)
何十年か経って
その絵を探すクダリがあるんですけど。
個人的には
魅せられる系のストーリー性
ちょっと欠ける部分が多くて
風景や街の特徴などは脳内に浮かぶ文章なものの
琴線を大きく揺さぶるヒューマン描写は、あまりなかった印象です。
作者がデザイン会社を経営してるようですし
オサレなアーティストたちの