吉田篤弘のレビュー一覧

  • 中庭のオレンジ

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    「さて、人はなぜ物語を読むのでしょう?」
    「誰かが物語を書いたから」

    「さて、人はなぜ物語を書くのでしょう?」
    「誰かが書いた物語を読んだから」

    吉田篤弘さんは子供の頃、学校の図書室の本を読み、物語を書く人になりたいと思った。

    子供の頃は物語に答えを求めたことはなかった。
    物語はいつも途中から始まって、途中で終わる。
    本のページは終わるけど、物語はこの後も続いていくと思っていたそうだ。

    吉田篤弘さんが書く物語は、突然終わることが多い。
    だが、ときどき以前に何処かで読んだ物語の続きになっていることがある。
    本書も「中庭のオレンジ」の物語が最初と中盤と最後に登場する。

    オレンジ以外でしばしば登場するのが「おいしいコーヒー」と「右手と左手」
    人と人が向き合い、対立の姿勢を取っている時は「右手と左手は握手ができない」
    と言っておいて、最後は同じ一本の木を見ながら並び立ち、右手と左手が結ばれるシーンで物語が終わる。

    この物語の問いかけや答えは明瞭ではなく、ぼんやりしている。
    何だかよく分からないが、それでいいみたいだ。

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    2025年11月29日
  • おやすみ、東京

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    夜の東京を舞台にした群像劇。登場人物が多く、複数のストーリーが交差しながら進むので、名前がわからなくなり何度も戻りながら読んだ。ファンタジー。

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    2025年11月23日
  • 月とコーヒー デミタス

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     『月とコーヒー』の続編で、短いお話が24篇収録されています。
     吉田さんの小説はいつも寝る前に読むようにしていたのですが、今回は入院中に持ち込み、術後のリハビリの合間に1話読んだらとにかく歩いてみようと思い立ち、実行してみたところ、とても効果的でした。
     どれも静かなお話なので、とても静かで落ち着いた気持ちになれて、とても良かったです。
     第3弾の執筆も始まっているとのこと。次も楽しみです。

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    2025年11月15日
  • 『罪と罰』を読まない

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    読書会のヒントを探している時に手に取ったのが、岸本佐知子さん、三浦しをんさん、吉田篤弘さん、吉田浩美さんによる『『罪と罰』を読まない』です。

    ドストエフスキー『罪と罰』を「実は読んでいない」ことで意気投合した4人が、「読まないで読む会」を発案したことから始まる対談集。

    この企画の素晴らしさは、マイナスを遊びに変える視点と、それを本気で遊ぶ大人たちの遊戯性に満ちているところ。

    特に三浦しをんさんの活躍がすごい。小説家だけあって、深読みは鋭く、博識だし、勝手に物語をポンポン創作してしまう様子がとても爽快です。

    テンポの良い知的な読書会を舞台袖からのぞくような面白さがあり、「こういう大人たち好きだなぁ」とニヤニヤしながら読んだ一冊でした

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    2025年11月13日
  • 月とコーヒー デミタス

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    短編集で、繋がっている?と思いきや
    繋がってないな?となりながら、
    結果少しずつ破片がつながっていた

    また読んでもコーヒーのように深く味わえる作品

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    2025年11月10日
  • 台所のラジオ

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    力を抜いて読めるお話たち。
    何が起こるの?とワクワクするでも無く、ハラハラするでも無く、でもなんとなく気分が良くなる。

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    2025年10月19日
  • 月とコーヒー デミタス

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    静かで穏やかな短編24編。

    著者ならではの空想上の世界、無国籍な雰囲気が楽しめる。

    絵本を読んでいるような不思議な感覚になる。

    寝る前に1、2編読むと落ち着き眠たくなってゆく。

    慌しい毎日に一時の安らぎを与えてくれる。

    良い出会い。

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    2025年10月10日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    ネタバレ

    〈螺旋プロジェクト〉の一冊。

    〈螺旋プロジェクト〉とは
    「共通のルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家=朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。
    ルール1 「海族」vs.「山族」の対立を描く
    ルール2 共通のキャラクターを登場させる
    ルール3 共通シーンや象徴モチーフを出す
    (中央公論新社HPより)

    私はクラフトエヴィング商會も吉田篤弘も、その作品は大好きだということを先に明言したうえで、この作品には全くハマらなかったと言わねばならない。

    細かなディテールにも手を抜かない、精密な作品作りが彼の特徴であると思っていたのに、この作品は必要な時に箱から出して、出番が終わると箱に戻される人形の芝居のような嘘くさいような薄っぺらいような違和感がずっとあった。
    後半、それは作者の思惑のうちだとはわかったが(そもそも登場人物の一人は元腹話術師である)、それでも面白さは微塵も感じられなかった。

    まず、伊坂幸太郎に引っ張られ過ぎたのではないかと思う。
    大勢の登場人物が、ぶつ切りのシーンの中で縦横無尽に動き回るのは伊坂幸太郎の得意パターンであり、吉田篤弘は、周辺部分を丁寧に書き込むことによって登場人物が浮かび上がってくるような作風と思うので、どうにも文体が馴染んでいないような気がする。
    そしてキモとなるのが『ゴールデン・スランバー』だよ。
    そこまで伊坂幸太郎気にしなくていいのに。

    私は突拍子もない設定というのが割と好きだ。
    なので、壁で分断された東京というのも、もっとうまく世界に溶け込んでいれば、受け入れるにやぶさかではない。
    けれど、舞台が2095年、今からたった70年後に、ここまで東京が荒廃しているのに、壁を作った理由をもうみんな忘れているというのは信じがたい。

    そもそも東京23区だけの問題なのだ、壁は。
    じゃあ埼玉なり神奈川を経由すれば、交流が途絶えるわけがない。

    加速度的に進歩する機械文明に人間は追いつくことができない、というので科学の発展を止める…どころかある程度後退させる〈レイドバック〉が施行された、という設定なのだが。
    それが東京だけのことなのか、日本全体のことなのか、世界中の国が「いっせーのせ」で施行したのかは明らかではない。
    〈レイドバック〉という概念が政策として浮上する時間、政策として一般市民に浸透させる期間、実行から実効までにかかる期間、を考えると、とても2095年では無理だ。

    突拍子もない設定はいいのよ。
    その世界で破綻さえしていなければ。
    でもこれは、破綻してるでしょう?

    全人類が、「いっせーのせ」で手放せるのなら手放したい核兵器でさえ手放せないのに、便利このうえない機械と情報を手放せるか?
    だれが責任を取る?
    システムを手放すための、壁を建設するための、金と人手はどうやって作った?

    読めば読むほど疑問が頭を駆け巡り、目は文字の上をただ滑っていく。
    残念。

    余談だけれど、私はサルを、脳内で妻夫木聡でイメージしていた。
    マコトもキングもいないけど、舞台は池袋じゃないけど。
    だから、『もうひとつのエピローグ』でのサルの扱いに衝撃を押さえることができない。
    慟哭。

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    2025年08月31日
  • 屋根裏のチェリー

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    チェリーは私たちの中にもいるだろう。自分の声を聞く、向き合う、誰かから言われたことじゃなくて、「自分からそうしたい」という一歩踏み出す尊さを象徴する良作品である。
    私たちの中には複数の人格は存在している。心の声を聞き、自分と対話し外の世界へ踏み出す勇気をくれた”チェリー”は私にもあなたの中にも存在し、語りかけているだろう。やさしく尊い良作である。

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    2025年07月24日
  • 『罪と罰』を読まない

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    もの書き4人による「罪と罰」の宴席読書会

    まず、本について読まないで推測するという遊びが面白い。面子が楽しそうだからかもしれないが。
    また、素人にはできない、書く立場の人々からの視点が興味深い。
    どうやら本は面白そうであることを知れて良かった。そろそろ食わず嫌いで放って置いた名作に取り掛かろうという気持ちにさせてくれる。

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    2025年07月05日
  • 月とコーヒー デミタス

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    小作品24個の物語
    美味しい香り高いコーヒー
    そして月
    一番印象に残ったのは
    駄目なロボットオーケストラ
    魂と完璧な音
    完璧なんて面白くない
    不協和音があって素晴らしい
    音楽が完成するんだから

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    2025年06月28日
  • 中庭のオレンジ

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    ネタバレ

    吉田さんの短編集、今回も心が温かくなった。
    不思議な本です。カウント・シープ#5391が好き。幸せってなんだろうって、考えさせられた。

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    2025年05月17日
  • 中庭のオレンジ

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    少しの浮遊感とただよう余韻と晴れではなく曇り。
    期待を裏切らない吉田篤弘印。
    表紙も本も質感も、すべてが一体となってとても良かった。

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    2025年05月11日
  • 中庭のオレンジ

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    眼鏡の夫婦のお話と羊のお話がとっても微笑ましくて良かった。

    この後どうなるのかなとか、⁈ここで終わり?ってお話が多いから楽しみのような、モヤモヤするような。

    毎日1話ずつくらいで読むのをオススメ

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    2025年05月08日
  • 中庭のオレンジ

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    短編で読みやすい。
    結末がどうなったのかなとか、そういうことを考えるお話ではなくて
    そのまま書いてあるお話を楽しむという感じ。
    ファンタジー感が大きい。
    なんとなくキノの旅を思い出した。

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    2025年02月20日
  • 台所のラジオ

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    どの話も最後まで読んだ後、「きっとこうなるんだろうな」と想像を掻き立てられる良い話ばかりだった。
    私が特に印象に残ったのは、夜間押しボタン式信号機でした。

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    2025年02月18日
  • それでも世界は回っている 3

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    6番目のブルーは、5番目のブルーに涙を加えてできる。 中々の発想だと感心しました。
    オリオさんココノツと幸せに生きてください。

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    2025年02月12日
  • 中庭のオレンジ

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    印象的な話がいくつもあった。
    タイトルにもなっている中庭のオレンジに関する3編もそこに含まれるが、戦争の中で守り抜いたものが受け継がれていく、人間の強さを描いたいい作品だなと思った。
    右手と左手は握手できないが、手を取り合い、同じ方向を見ることはできる。

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    2025年01月26日
  • それでも世界は回っている 1

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    ファンタジーと言うよりは哲学的な世界観の物語でした。
    独特の哲学的価値観の主人公から見る独特なルールに則って生きている人たちや世界のお話。
    個人的に好きな雰囲気です。ふわふわ不思議な読書感。
    つづき物だと思ってなかったので、意外な所で終わりました。そのうち続きも読みたいです。

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    2025年01月20日
  • おやすみ、東京

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    2024.12.28〜2025.01.01
    最初は、なんだか、テンポが悪くて・・・
    後半、やっと勢いづきました。
    なんだか、カタカナが多くて繋がりが把握できなかったんです。
    最後は、スッキリしました。

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    2025年01月01日