あらすじ
もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために――。
名手・吉田篤弘が贈る、おかしく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。
それは、「テントン」と名乗る男から来た一本の電話が事の起こりだった。男の誘いに乗り、新聞記者のSはある島へ向かう。出迎えたのはミニチュアの家が連なる街と、赤児ほどの背丈しかない男。「ようこそ我らの王国、リリパットへ……奇妙な味わいの表題作「ガリヴァーの帽子」
元作家と元シェフが暮らし始めた洋館に現れた王子の奇妙な顛末を描く「孔雀パイ」
奇妙な夢の中で、川を下りながら鰻屋を経巡る「ご両人、鰻川下り」
シャンパンの泡たちの短い一生を描いたおかしな寓話「かくかくしかじか」
ほかに、コーヒーカップを持つと手がなぜか震えてしまう「手の震えるギャルソンの話」、彼女の残していったトースターをめぐる奇妙な出来事を描いた「トースターの話のつづき」など。
読む人々を、不思議な世界へといざなってくれる、物語好きの大人のための8編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
吉田篤弘さんの短編が読んでみたくて、手に取りました。
かなり趣向が変わってる話もあり、読んでいてワクワクしました。
「イヤリング」は、何でも相談所が、本人達に内緒である男女のキューピッドになっているとわかった時には、こちらまでにやけました。
ものすごく手の震えるギャルソンの話は、緊張し過ぎて失敗することは、本気でその物事に取り組めているって事だということが謳われていて、勇気がもらえました。
ゴセンシは、シャンパンの泡たちが蒸発するまでの気持ちの話で、こんな話読んだことありません笑
Posted by ブクログ
掌編を含めた短編集。
「ガリヴァーの帽子」は、説明のつかないような、おかしな話。
「御寮人、鰻川下り」は、とりとめのない不思議な話。
「かくかく、しかじか ──あるいは、彗星を見るということ」は、
エレベーター並の速さで、上へ向かっている、泡。
文章の最後に打たれる句点。あの小さな丸が、まるで気泡に見えてきます。
最初何の事かと思っていたら、なるほど、シャンパンの泡でした。
長い長い詩を読んでいるようで、面白かった。
ギャルソンの話も、トースターの話も、どれもこれも私の好きな世界…。
吉田篤弘さんを読むと、心が柔らかくなります。
Posted by ブクログ
短編集。「かくかくしかじか」が最初は「?」だったけど、理解したらそうかそうかと。
森羅万象に意識があるのならば。あの一瞬にそんな物語があるかもしれないと思うだけで、これからが変わっていきそう。
Posted by ブクログ
(01)短編集。一部分星新一風味もちょっとあり。
(02)クラフト・エヴィング商會の瀟洒なイラストがある。
(03)内容は…リリパット王国再建を目指す者とガリヴァー映画を撮りたい者、なんでも解決する男、手のふるえるギャルソン、シャンパンの泡たちの浮かんでははじけるつぶやき、五線紙ノートに自分を書く高校生、女房という名の男と鰻食う道中、トースターとの会話、エセ洋館に飾られていた絵からエセ王子が出てきた、あとがきのような作品。
■簡単なメモ
人は波打ちぎわの地図を描けない(p.11)
毎日が未来のためにあるのよ。(p.18)
その一瞬のニヤリがこの仕事の醍醐味である。(p.52)
手がふるえておめでとう、よ(p.70)
空気が自ら音楽を奏でてもいいのに。(p.95)
僕の中には僕が五人いるからで(p.117)
Posted by ブクログ
なんとも不思議な吉田さんの世界で
おどらされているような
そんなお話たち
理解しようとかそんなことは
考えても無駄だし
それを望んでもいないんだろうな
そんな気がする
Posted by ブクログ
ものすごく、大人のファンタジー。
すごくファンタジー過ぎてふわふわとすり抜けてしまい、心に残りにくい。
私に遊び心が足りないのか。
大好きな吉田氏がまた一歩、歩みを進めてしまったのか。
全体の2割ほどしか楽しめず、歯痒い気分。
ただ、文体や描写、巧みさは相変わらず魅力的。
10年後に読み返したら、追い付けるのかしら。
2014年最後 53冊目。
Posted by ブクログ
「ガリヴァー旅行記」、ラピュタと同じ章で日本も訪れてる…この短編集で初めて知りました。ラピュタは日本より東にあるらしい。
「イヤリング」と「ものすごく手のふるえるギャルソンの話」が好き。
「かくかく、しかじか」は柳家喬太郎さんの「時そば」の有名な枕と同じ香りがしました。コロッケそばのやつでコロッケが喋りだして忘れられません。
Posted by ブクログ
色んな夢のお話を毎晩読み聞かせしてもらっているような。うつらうつら聞きながら寝ると夢と現実の間できっと起こり得る。挿絵が各話なんともキュート。奇妙な人たちにまつわる奇妙な話が、優しく包み込んでくれた。