【感想・ネタバレ】ガリヴァーの帽子のレビュー

あらすじ

もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために――。

名手・吉田篤弘が贈る、おかしく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。


それは、「テントン」と名乗る男から来た一本の電話が事の起こりだった。男の誘いに乗り、新聞記者のSはある島へ向かう。出迎えたのはミニチュアの家が連なる街と、赤児ほどの背丈しかない男。「ようこそ我らの王国、リリパットへ……奇妙な味わいの表題作「ガリヴァーの帽子」

元作家と元シェフが暮らし始めた洋館に現れた王子の奇妙な顛末を描く「孔雀パイ」

奇妙な夢の中で、川を下りながら鰻屋を経巡る「ご両人、鰻川下り」

シャンパンの泡たちの短い一生を描いたおかしな寓話「かくかくしかじか」

ほかに、コーヒーカップを持つと手がなぜか震えてしまう「手の震えるギャルソンの話」、彼女の残していったトースターをめぐる奇妙な出来事を描いた「トースターの話のつづき」など。

読む人々を、不思議な世界へといざなってくれる、物語好きの大人のための8編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉田篤弘さんの短編が読んでみたくて、手に取りました。
かなり趣向が変わってる話もあり、読んでいてワクワクしました。
「イヤリング」は、何でも相談所が、本人達に内緒である男女のキューピッドになっているとわかった時には、こちらまでにやけました。
ものすごく手の震えるギャルソンの話は、緊張し過ぎて失敗することは、本気でその物事に取り組めているって事だということが謳われていて、勇気がもらえました。
ゴセンシは、シャンパンの泡たちが蒸発するまでの気持ちの話で、こんな話読んだことありません笑

0
2024年06月27日

Posted by ブクログ

掌編を含めた短編集。

「ガリヴァーの帽子」は、説明のつかないような、おかしな話。
「御寮人、鰻川下り」は、とりとめのない不思議な話。

「かくかく、しかじか ──あるいは、彗星を見るということ」は、
エレベーター並の速さで、上へ向かっている、泡。
文章の最後に打たれる句点。あの小さな丸が、まるで気泡に見えてきます。
最初何の事かと思っていたら、なるほど、シャンパンの泡でした。
長い長い詩を読んでいるようで、面白かった。

ギャルソンの話も、トースターの話も、どれもこれも私の好きな世界…。

吉田篤弘さんを読むと、心が柔らかくなります。

0
2021年12月25日

Posted by ブクログ

短編集。「かくかくしかじか」が最初は「?」だったけど、理解したらそうかそうかと。

森羅万象に意識があるのならば。あの一瞬にそんな物語があるかもしれないと思うだけで、これからが変わっていきそう。

0
2020年09月07日

Posted by ブクログ

なんとも不思議な吉田さんの世界で
おどらされているような
そんなお話たち
理解しようとかそんなことは
考えても無駄だし
それを望んでもいないんだろうな
そんな気がする

0
2024年12月24日

Posted by ブクログ

ものすごく、大人のファンタジー。
すごくファンタジー過ぎてふわふわとすり抜けてしまい、心に残りにくい。

私に遊び心が足りないのか。
大好きな吉田氏がまた一歩、歩みを進めてしまったのか。

全体の2割ほどしか楽しめず、歯痒い気分。

ただ、文体や描写、巧みさは相変わらず魅力的。

10年後に読み返したら、追い付けるのかしら。

2014年最後 53冊目。

0
2022年09月20日

Posted by ブクログ

「ガリヴァー旅行記」、ラピュタと同じ章で日本も訪れてる…この短編集で初めて知りました。ラピュタは日本より東にあるらしい。
「イヤリング」と「ものすごく手のふるえるギャルソンの話」が好き。
「かくかく、しかじか」は柳家喬太郎さんの「時そば」の有名な枕と同じ香りがしました。コロッケそばのやつでコロッケが喋りだして忘れられません。

0
2022年06月04日

Posted by ブクログ

色んな夢のお話を毎晩読み聞かせしてもらっているような。うつらうつら聞きながら寝ると夢と現実の間できっと起こり得る。挿絵が各話なんともキュート。奇妙な人たちにまつわる奇妙な話が、優しく包み込んでくれた。

0
2020年09月11日

Posted by ブクログ

面白かったけど尻切れトンボ感が強い。どの話もそれだけで本一冊になるくらいの要素がぎっしり詰まっていた。

0
2020年09月02日

Posted by ブクログ

うーん…。著者ご本人が【おかしな作品】と自評する通り、何とも不可解な作品が多く、物語の途中で話の筋を追うのを放棄せざるを得なかった。表題作に加え「かくかく、しかじか」と「御両人、鰻川下り」はそれが顕著で、結論から言うと吉田作品では苦手な部類。それでも「イヤリング」や「ゴセンシ」そして「名前のないトースターの話のつづき」はユーモアとノスタルジー、そして少し感傷的な雰囲気の私が好む吉田作品だった。しかし、僅か六頁の「ものすごく手のふるえるギャルソンの話」に自身の世界観をここまでパッケージング出来るのは凄いな。

0
2020年06月02日

「小説」ランキング