吉田篤弘のレビュー一覧

  • 奇妙な星のおかしな街で
    現実から3cmくらい浮いているような、
    5度くらい見える世界がズレているような世界を物語る人が、
    目を向けるところをちょっと教えてくれるようなエッセイ。
    「自分にご褒美」→幸福な時限爆弾
    台所の時計→ある人にとっての標準時刻
    なんて感じ
  • ガリヴァーの帽子
    色んな夢のお話を毎晩読み聞かせしてもらっているような。うつらうつら聞きながら寝ると夢と現実の間できっと起こり得る。挿絵が各話なんともキュート。奇妙な人たちにまつわる奇妙な話が、優しく包み込んでくれた。
  • ガリヴァーの帽子
    面白かったけど尻切れトンボ感が強い。どの話もそれだけで本一冊になるくらいの要素がぎっしり詰まっていた。
  • ガリヴァーの帽子
    うーん…。著者ご本人が【おかしな作品】と自評する通り、何とも不可解な作品が多く、物語の途中で話の筋を追うのを放棄せざるを得なかった。表題作に加え「かくかく、しかじか」と「御両人、鰻川下り」はそれが顕著で、結論から言うと吉田作品では苦手な部類。それでも「イヤリング」や「ゴセンシ」そして「名前のないトー...続きを読む
  • 変愛小説集 日本作家編
    恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
    幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
    一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読...続きを読む
  • 78(ナナハチ)
    短い話が、ちょっとずつ繋がっているのだけど、特にどこにも着地しない。
いちいち視点が変わるので、誰視点か分かるまで??ってなる。
世界観は好き。
    いちばん最初の、夏の日の思い出な話が好き。
  • ソラシド
    謎の女性デュオ・「ソラシド」。
    1986年と現在をリンクしながら、彼女達の足跡をたどる主人公ヤマシタと、腹違いの妹・”オー”。
    レコード、不味いコーヒー、ダブルベース、小さな映画館…。
    雑多なものは淘汰され、洗練されつくされたように一見見えても、実はひっそりと息づいていたりする。あの頃の冬の空気と共...続きを読む
  • 78(ナナハチ)
    78回転のSPレコードにまつわる全13編を収めた短編集。様々な時間や場所が舞台となるが、どのエピソードも実は微妙に繋がっていて、ひとつの長編作品としても楽しめた。情景的で叙情的な文体で紡がれる物語はノスタルジックで時に感傷的。殺伐とした現代社会とは一線を画した穏やかな時間の流れや、沁み渡るような優し...続きを読む
  • 変愛小説集 日本作家編
    恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。 
    どこへゆくやら全くわからない。
    予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
    奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
    面白かった。
  • ソラシド
    女性デュオ・ソラシドを巡り、聞いたことのない音楽を求める男の義理の妹や母との距離感、父の影の話。レコードの音のような少し篭ったノスタルジーを感じさせる。
  • 台所のラジオ
    おお、吉田さんの新刊が文庫ででるーーー!
    が、しかし配本ない~~。
    ならば、注文じゃあ!!
    と買う。

    いくつかのつながっているような、つながっていないような
    おはなしがつらつらと。

    そっと寄り添ってくれるような、静かな声のラジオ、
    理想だな。

    台所、と表題にあるからか、ちょこちょこと食べ物のお...続きを読む
  • ソラシド
    昔のものは最近はネットでなんでも検索できるが、もしそれがマイナーすぎてネットにも引っかからなかったら自分で探すしかない。
    大変だけど、ネット検索よりリアルに当時の空気に触れられるような気がする。
  • 圏外へ
    雰囲気はとっても好きなんだけど、なんにせよもーちっと簡潔にならんのかいな?と思ってしまうせっかちな私です。がくり。
    でも後半に行くに従ってペースアップしたかな。
    雲呑屋いいよねぇ…。
  • ソラシド
    人は何かを探す過程で新たな物を知ったり、人と巡りあったり、過去の自分に再会したり。思いがけない出会いが生涯忘れられないものになったりするんだろう。
  • ソラシド
    ぐわしと一気に世界に引き込まれる感はなんなんだろうなぁと毎回思う。強引なところは全くなく。
    途中ちょっと中だるみ感があったけど,終盤の展開にはやはり脱帽。
  • ソラシド
    レコードを生活費を削って集めている、物書きの主人公。古い音楽雑誌に小さく載ったデュオ「ソラシド」を追いかけ始める。
    「冬の音楽」を思わせる少し不思議で静かな本だった。
  • 圏外へ
    あっちへ行ったり
    こっちへ行ったり

    あの人だったり
    この人だったり

    不思議な書かれ方の小説です。

    読んだ後には無性に『南』へ行きたくなるのと
    思わず美味しい雲呑屋を探したくなります。
  • 圏外へ
    始めての吉田さんの作品。
    分厚かったので買うか迷ったけど、買ってよかった!
    もしかしたら私が今行きているのも誰かの物語の中だったりして、と思わせられる内容。

    個人的にはソボフルのあたりで少しだれてしまったかも。
    その後の南へ行くところからはスイスイ読めた。

    この人の作品をもっと読んでみたいと思っ...続きを読む
  • 圏外へ
     大スキな吉田篤弘さんの分厚い小説が出た♥とウキウキ読み始めたら、どうやら吉田さんが色々お疲れの頃の作品のようで、色々なことを試そう・考えようとしながら書いたかんじが伝わってきました。と、今こうやって私が考えたり書いたりしていることもおはなしなのかも。と、誰でも1回くらいは考えるのではないかな(?)...続きを読む
  • 78(ナナハチ)
    基本は短編なんだかど、全ての物語が微妙にリンクしてます。

    しかも、リンクの仕方が凄く面白い。
    時代も国も超えてリンクしていって、次はどことどこが繋がるんだろう?とワクワクしながら読みました。

    78回転のレコードがちょっと欲しくなりました☆