吉田篤弘のレビュー一覧

  • それでも世界は回っている 3

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    幻のインク〈六番目のブルー〉を求めてオリオと叔父さんと(ココノツ)の旅は続く。

    林檎の赤とインクの青。
    ねじりドーナツと迷路。
    ハルカとカナタ。
    電球交換士。
    終列車。

    ひとつひとつ心に残る。

    いつまでも旅を続けてほしいと願う。

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    2024年05月04日
  • それでも世界は回っている 3

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    ネタバレ

    『それでも世界は回っている』完結編。
    1、2を読み終えた時点で危惧していたことが発生。
    これまでの内容をほぼ忘れている。。。
    というか2の終わりをあまり覚えていない中で、思いっきり前作場面の続きから始まるので「何だっけ?」感が凄まじい。

    それでも次第に思い出す登場人物やストーリー。
    あぁ、そんなこともあってここまで来たんだった。

    ただ1、2に比べてクライマックスに近いということもあり、この旅物語の意義をまとめようということなのか、新たな場面に出くわすよりも、これまでの場面を振り返りながらの抽象的、哲学的な解釈談義が多く、やっぱり出来ることなら1~3を一気に読みとおすのがいいのだろうなと思う。

    「人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、同じものを求めるから、争いになる。
    だけど、同じものをもとめているんだから、そいつこそ、俺といちばん分かり合える奴かもしれないんだ。
    悲しいな。」

    「人生ってのは道順を見きわめることじゃないんだ。道順とは別のところに自分の道を見つけることだ。な?じゃないと、道順に選ばれなかった道が浮かばれんだろう。」

    「だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする。時間の野郎はさ、俺たちの大事なものをことごとく奪いとっていきやがるが、俺たちの悲しみや辛い気持ちや苦しみも連れて行きやがる。うまいこと出来てるよ。大事なものを奪われたことはたしかに悲しい。間違いなく悲しいよ。だけど悲しみには終わりが必要なんだ。」

    いずれも普段はちゃらんぽらんなジャン叔父さんの言葉。
    「5番目のブルー」と「6番目のブルー」の違いを生んだ秘密、「6番目のブルー」がつくられなくなってしまった事情にも納得。
    穏やかでやさしい幻想世界の中で、人生の深き真髄の一片に出逢う一冊。

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    2024年05月03日
  • それでも世界は回っている 3

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    『月とコーヒー』に連なるインク三部作もついに完結編。

    ジャン叔父さんと一緒に〈六番目のブルー〉のインクを探す旅に出ていたオリオだけれど、遂に〈六番目のブルー〉のインクの謎が解き明かされました。ネタバレになってしまうので書きませんが、新しい色が生まれるにはそれが必要だったのか!吉田さんのファンタジーな世界観に圧倒されました。

    ブルーと対照的な真っ赤なリンゴも登場したけど読み終えて表紙を見たら、表紙のリンゴは私が頭の中で思い描いていた真っ赤ではなかった(笑)〈六番目のブルー〉のインクは思い描いている色と同じかな。

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    2024年04月27日
  • それでも世界は回っている 3

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    それでも世界は回っている・第三巻

    『月とコーヒー』に収録されている短編から派生した〈インク三部作〉の完結篇となっております。

    亡くなった師匠・ベルダさんの愛用していたインク〈六番目のブルー〉を探し求めて旅を続ける少年・オリオとジャン叔父さん。
    とある奇妙な唄の歌詞の中に、“インクの秘密”が隠されているようなのですが・・。

    まるで夢の中にいるような、浮世離れした雰囲気のこの物語も本作で完結でございます。
    夢の内容って、すぐに忘れてしまうのと同じ感覚で(?)、前巻までの内容をあまり覚えていなかった私なのですが(汗)、読んでいくうちにこのちょっと不思議で心地よい世界にスルっと浸されていきました。

    あちこち迷いながらも、アリアドネの赤い林檎に導かれるように、とある工場に辿りつく二人・・そこで、彼らを出迎えたカナタさんが語る、〈五番目のブルー〉と〈六番目のブルー〉の話。
    そして、心の中の“ココノツ”が書き写したという“件の唄”の長い歌詞の内容とは・・。

    ーー心の中にある悲しさのかたまりが、ちょっとしたきっかけであふれだしてくるーー

    “青”という色は、空や海といった爽やかなイメージがある一方、“悲しさ”も表していますよね。
    そして“青”で表現される“悲しみ”は、美しさも内包しているように思うのです。
    〈六番目のブルー〉は、固まった悲しみが溶けてあふれた色・・だから他にはない美しいものなのだろうな・・と、こんな個人的考察をしてみた次第です~。

    オチとしての着地点も好きで、終盤でミランダさんがジャン叔父さんにあげた“ご褒美”には胸がいっぱいになって、幸せな気持ちになりました。
    独特な世界観ではありますが、優しい読後感と心地よい余韻を味わえる、何とも素敵な物語を堪能させて頂きました。

    「この世界は、喜びと悲しみを繰り返しながら、回りつづけている」

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    2024年04月15日
  • 台所のラジオ

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    大きなことはなにも起きない。ここから物語が動いていく…というところで結びがくる吉田篤弘さんのこの感じが、とても心地いい。

    よく「滋味深い作家」と紹介されることが多いように感じますが、本当にそのとおりだなぁと思います。

    休日、起きてひととおり家の中のことを済ませた10時過ぎごろに吉田さんの本を読んで二度寝したい。
    夕暮れどき、コーヒーなどで一息つきながら吉田さんの本を読んで夜ごはんの支度をしたい。

    なにも起きないから、なんでもない日常に本当によく馴染む。
    ちょうどよく寄り添い癒してくれる、そんな作家さんと作品です。

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    2024年04月09日
  • 中庭のオレンジ

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    一つひとつの物語が丁寧でほっとする吉田さんらしさのたくさん詰まった短編集。
    眼鏡の二人、マリアの小さな歌、カウント·シープ#5391が良かった。

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    2024年04月08日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    RASEN PROJECTの未来編
    吉田篤弘さん初めて読んだけど文体好きダァ!
    他の作品読むのが楽しみだ!

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    2024年04月07日
  • 『罪と罰』を読まない

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    「罪と罰」を読んだ後に読んだ。
    4人の推理が面白い。既読者として、この座談会に参加したかった‼︎ 笑
    すでに「罪と罰」を読んだ人にも、まだ読んでないひとにもオススメ。

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    2024年03月03日
  • 『罪と罰』を読まない

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    罪と罰を読みたい、と思っているが中々手をつけられない人に読んでほしい。
    この本は罪と罰を読んだことがない4人でその内容を推理するという前半と、読んだあとの感想会の後半で構成されているのだが、前半の推理会が面白い。自分も一緒になって推理しているような気分になれるし、また作家ならではの推理があって成程と思える。それぞれの作家が何を考えて物語を書いているのかが垣間見えて楽しい。
    読まないまま後半に入るのもありだと思うが、是非罪と罰を読んでから感想会に加わるのがいい。本の感想を共有することはリアルタイムでなくとも楽しいのだ。

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    2024年02月17日
  • 台所のラジオ

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    決して主役ではない。台所のラジオは静かに語りかける。
    女性と男性が交互に主役になり、そしてその人たちがどうもとてもユニークなのです。
    それがまたとてもいい味を出していて、出てくる料理もおいしそうで、最後まで楽しく読みました。

    この空気、とても良かったです。

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    2024年02月07日
  • それでも世界は回っている 1

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    幻のインク〈六番目のブルー〉を求め旅に出るオリオと叔父さん。
    奇妙な出会いや発見が続く。
    挿絵が微笑ましい。

    「世界を回しているのは、さみしさ。」
    「毎日の繰り返しを選ぶ。他は何もいらない。」
    「人と物を分類する必要はない。」

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    2024年01月01日
  • それでも世界は回っている 2

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    オリオと叔父さんと(ココノツ)の旅は続く。
    人が物に入る。
    人の中に人がいる。
    人が3段階の大きさに変わる。
    不思議で魅力的な世界にいつまでも浸りたくなる。
    オイスター・シチューが頭から離れない。
    「いつのまにか」の解釈が印象的。

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    2024年01月01日
  • 屋根裏のチェリー

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    前作が気に入り、こちらも購入。流星新聞のアナザーストーリーという形の物語という事で、前作と触れ合ったり、ほんのり存在を感じたりする距離感がとても好きでした。続編が出てるそうなので、読んでみたいと思います。

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    2023年12月24日
  • 『罪と罰』を読まない

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    声を出して笑いました。ドストとかラスコとか 、そもそも読んでいないのに読書会って?! 4人の推理や想像力が楽しかったです。漫画でザックリと済ませていましたが 自分でも突っ込みながら読んでみたくなりました。

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    2023年11月27日
  • 流星シネマ

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    詩のような一節がたくさんあって、文章が美しい作品でした。登場人物たちの性格や心境を書きすぎず、読者が想像する余地を残してもらえているようにも感じます。ゆったり進んでいた物語が、終盤にかけて大きく動き出し、エンタメ的な楽しみも味わえます。

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    2023年11月19日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    螺旋プロジェクト完結篇。
    眠りを忘れた未来の東京の話。これまでに比べて少し読みづらくて中々進まなかったけれど、ラストのこれまでの全ての物語を収束させる結末は、温かい。
    終わってしまうと寂しい、素敵なプロジェクトでした。第二弾があるのであれば、進行中の各編を同時進行で読んでみたい。

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    2023年09月22日
  • 鯨オーケストラ

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    「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に続く物語。
    静かで穏やかな時間の流れ。いつでも訪ねていっても良い場所の存在、いいですね。天国の話が印象的。知ってるだけじゃ駄目なんだ…。G線上のアリアとトッド・ラングレン(初めて聴いた)を聴きながら読みました。

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    2023年09月09日
  • 天使も怪物も眠る夜

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    螺旋プロジェクト、年代順に読み進め2095年東京が舞台である本作品が最後の本となりました。8人の作家が共演した企画を体験できました。
    作り手が体験する苦労を想像しながら、読者は各作家の作風を体験できます。そして、今まで読んだことのない作家の作品を読むきっかけも与えてくれたプロジェクトでした。第二弾も企画されているようなので楽しみにしています。

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    2023年09月08日
  • 奇妙な星のおかしな街で

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    奇妙で愛おしいこの世界。吉田さんの視点で日常のいろいろを面白く描く。
    幸福な時限爆弾、私もたくさん仕掛けておこう。

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    2023年08月21日
  • 台所のラジオ

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    吉田さんの本を読んだ時にしか感じられないなぞの懐かしさ、切なさが今回もあった。胸がぎゅっとなるんだけど心地よい、これはなんだろう。語彙力がなさすぎてもどかしい。
    あとがき最後の一文から「うかんむりのこども」を少しずつ読み進めようかなと思い立つ。

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    2023年08月16日