吉田篤弘のレビュー一覧

  • 『罪と罰』を読まない
    しをん先生がとても好きなので読んでみよう、と軽い気持ちで読み始めたけどとても面白かった。
    知識と語彙が豊富な4人の語り手によって考察される罪と罰、自分も読んだことは無かったがこれを読んで読んでみたい!と思った。
    なんだか難しそうな話だと敬遠していたが、人が楽しそうに話しているとなんとなく読んでみたい...続きを読む
  • 『罪と罰』を読まない
    4人の会話が余りにも面白く、沢山笑ってしまった

    この本にあわせて、ドストエフスキー『罪と罰』光文社古典新訳の全3巻を読んだ。
    どちらもサクサク読めて、非常に面白かったです。
  • 流星シネマ
    僕は屋根裏のチェリーから読み始めたので、こちらが別視点という印象でした。
    ひとつの物語を2つの視点から読むのは楽しいですね。登場人物一人一人が素敵で特にカナさんが好きです。
    不思議な魅力です、流星シネマから漏れでる音を聞きながら煙草を吸ったり、野良猫の頭を撫でてやったりといった描写は美しいなと思いま...続きを読む
  • 奇妙な星のおかしな街で
    毎日1話ずつ読んだ。全篇滋味深く心に沁みわたるようなエッセイだった。一番最後の「見えないもの」は2020年1月に書かれており、「見えない敵をどれだけ可視化できるかが、人間の営みの重要な課題で、敵を可視化することで、命という曖昧なものに輪郭を与えてきた。」という一文にうなった。
    あとがきの、見えないも...続きを読む
  • 奇妙な星のおかしな街で
    この方のモノの見方(見え方?)、表現力、ほんとに面白いです。『天国の探偵』が読める日を楽しみにしています(^^)
  • 電球交換士の憂鬱
    主人公が現場でむさぼる卵サンドがどうしようもなく美味しそう。
    ちょっぴり恋のエッセンスもありながら、謎に包まれた要素もあり
    章ごとのエピソードに消えゆくノスタルジーへの愛を感じました。
  • 台所のラジオ
    吉田篤弘さんの世界観が好き。
    寓話みたいな物語たち。
    なんでもない日常、普段気にもとめない片隅に置いてある物達が愛おしくなる。
    もしわたしが物語を描くとしたら・・・
    物に語らせる。
    台所のラジオ
  • 変愛小説集 日本作家編
    さまざまな形の「愛」が収められたアンソロジー。どれも一般の恋愛観からは少し外れた愛で、しかしそんな奇妙な愛こそが恋愛であるような気がする。どこか変でなきゃ恋愛なんてできないな、と感じた。
  • 台所のラジオ
    面白かったです。
    テレビを見るよりラジオを聴く方が好きなので、なんだかお話を身近に感じました。
    でも、不思議なことがたくさん起こって面白そうです。
    きつねうどんは美味しそうですし、「十時軒」へ行ってみたいです。アリスに会いたい。
    吉田さんのお話では月舟町が大好きで住みたいくらいなのですが、この本の世...続きを読む
  • 電球交換士の憂鬱
    吉田篤弘の世界観が好きで。年を取ってきてあるいは本が好きということも関係しているのか、古き良きものに魅かれるのがよくわかる。今回がそれが電球であったこと。

    電球のもつ柔らかな光を、話の中に出てくる電球の光を、見ていたいと思う。

    すべてがあいまいな世界で、モデルかもしれないものや建物に想像をはせる...続きを読む
  • 電球交換士の憂鬱
    著者初読み。再開発により情景が移りゆく港町を舞台に【不死身】の電球交換士が遭遇するSF(少し不思議)な出来事を描く連作短編集。美女に滅法弱いハードボイルド調の三枚目、十文字の一人称で紡がれる謎と愉快、レトロとノスタルジー、愛と哲学が溢れる世界に浸れる贅沢な読書時間。穏やかで間の抜けた独特の空気感が心...続きを読む
  • 台所のラジオ
    12のお話がおさめられた短編集です。
    ぜんぶ読み終わって、あとがきを読んで初めてラジオに気付きました。読み返してそう言われてみればそうだな…と。
    まったく関係ない短編の寄せ集めも好きですが、この話とこの話、繋がってる!という短編が好きです。
    特に好きな2つの話について感想を書きます。

    「マリオ・コ...続きを読む
  • 台所のラジオ
    安定の吉田篤弘の世界。ほんの少し不思議な世界と、そこにある日常の食事とラジオと。

    普段ラジオは全く聞かない人間だけど、こういうのは好き。
  • 78(ナナハチ)
    吉田篤弘らしい物語たち。つながっているようで、つながっていないのかもしれない。彼の言葉を借りれば、どちらでもいい。どちらでもあるのだろうから。
  • ソラシド
    だいすきな本になった。

    吉田さんの本は、読んでいてにやついてしまうことがある。

    ノート。1986年。ダブルベース。ソラシドの2人。音楽。言葉。レコード。コーヒー。

    今のこの気持ちをうまく言葉にできない。
    何度でも読みたい。
  • ソラシド
    雨の様に降り注ぐ
    幾千もの言葉を
    日々、ぼんやり目にしつつも
    思わず(はっ!)と、手で受け止めたくなる様な
    キラリに出会う事がある。

    それは自分だけに光るキラリ。

    音楽好きの彼が
    パラパラ捲っていた雑誌に掲載されていた
    ほんの小さなコラム。
    その記事がキラリと光った。

    (誰?聞いた事もないアー...続きを読む
  • 圏外へ
    難物でした。
    いつまでも終わらない夢の中を歩いているような感じ。
    作家が自分の小説の中と現実を行きつ戻りつ(いや、戻っていないかも?)しながら、語る事の意味や、書く事の意味を探っている…お話。
    言葉の遊びも多く、日本語ってすごいなと気づかされる。
    揉みほぐしのエジンバラ先生のマシンガントークが、自分...続きを読む
  • ソラシド
    「オレ」という一人称の篤弘さんはこれまで以上に気取りがなくて親しみやすい兄ぃなのです。
    1986年と今を行ったり来たりしながらまた素晴らしい音楽を聴かせてくれました。(実際。ネットなどで音楽を捜しながら聞いて読んで・・・)
    この本もまた大事な一冊となりました。
  • ソラシド
    吉田さんの小説は、静かに静かに始まる
    そして、どこか変わった人たち、建物から
    物語が動き出していくのが心地よい
    1986年、渋谷区と世田谷区の間の
    松見坂の上にある「空中の長屋」
    まずいコーヒー、「ザ・ビートルズ」
    エレファントという名のダブル・ベース
    現在の「オレ」と年の離れた妹「0(オウ)」が
    ...続きを読む
  • ソラシド
    すごくいい。
    すごく好き。
    出来ることなら★を100こ並べたい。

    ものすごく優しいお話。
    でも、ちょっと寂しい。
    そして、じんわりと温かい。

    「おれ」は探し物をしている。
    いや、「おれ」だけじゃなく、みんなが探し物をしている。
    探し始めた時には自分が何を探しているのか正確なところは分からない。
    ...続きを読む