吉田篤弘のレビュー一覧
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うん…
好きだなぁ…
それしか出てこん。
好きな作家の言葉、頭の中と同調しようとする行為
が
読書の醍醐味のひとつだと思った。
ひとつ5,6ページのエッセイ集。ページごとの文字数も少ないので、サクサクと読める。
著者の想像力の羽が自然と伸びていく様がいい。
小説でも出てきたフレーズが垣間見れるのもいい。夜のカバンとか。
引用
カバンの中には闇があるのだ。
カバンの中は基本的に、静かで、ほの暗くて、ひんやりとしている。つまり、自分が考える「夜」の条件をすべて充たしている。
そう思うと、なんだか愉快になってくる。
電車に乗ってごらんなさい。乗客のほとんどがカバンを持っていて、そのいちいちに -
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ネタバレ【あらすじ】
失われた“六番目のブルー”を探して旅に出たオリオが出会ったのは“5番目のブルー”と“六番目のブルー”を作った青年カナタ。
でも、そのカナタにもどうして“六番目のブルー”を作ることが出来たのかが分からないため、“六番目のブルー”を作ることは出来ないと言われてしまう。
探し物が見つからないまま、旅を終えることになると思った矢先、“六番目のブルー”にあって“五番目のブルー”になかったものの答えが判明する。
※以下の感想にはネタバレが含まれます。ご注意ください※
【感想】
「インク三部作」がついに完結です。
失われたインクを探す少年の旅が終わりました。
“六番目のブルー -
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『流星シネマ』から引き続き、吉田篤弘さんの世界がまた広がった。
ガケ上にある建物の屋根裏部屋に住む、元オーボエ奏者で、食いしん坊のサユリ。土曜日よりも日曜が好き。人との関わりを避け、頭の中のチェリーと過ごす日々。チェリーの言葉に叱咤激励されつつ、ガケ下の町に住む人々との交流が広がっていく。
鯨オーケストラ、暗渠、定食屋〈あおい〉、鯨、流星新聞、川の流れ、ピアノ、チョコレート工場、あおい橋・・・
繋がっていくものを表す表現がいつも通り心地よく感じた。素敵な表現が多いなかで、今回は〈体の中のいちばん静かなところに「全休符の箱」がある。〉という表現が一番好きになった。
どうしてなのかわからない -
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「くつろいでお聞きください。静かな声でお届けします。」と始まり、ラジオで曽我哲生が語ってくれているような感じがした。うまく言い表せないけれど、吉田篤弘さんの小説を読むと心が落ち着く。
17歳のときにモデルになった絵から、新しい人との繋がりができ、いくつかの奇跡を感じさせてくれた。「時間は消えるものではなく、すべての時間は自分の中で積み重なっていく」という言葉や、「人と別れるのは自分で決められるけれど、誰かと出会うのは自分で決められない。だから、人生は面白い。」など、なるほどと思う言葉にもたくさん出会えた。
そして、キッチンあおいの土曜日のハンバーガーとロールキャベツは、とても美味しそうだし -
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角川のオンライン小説で読んだもの。
ダウンロードしたファイルはPDFで、kujira.01~kujira.18まであった。
もともと美術館と、音楽を聴くことが大好きなので、この作品にはとても沢山の想いが溢れた。
「やはり、美術館から遠ざかってはいけない。」
「こうした時間を過ごすことは繰り返される日常の中に組み込まれているからこそ意味がある。」
「こうした時間を求める思いにもっと潤いを与えるべきなのだ。」
ここ数年のコロナ禍で、先日久しぶりに美術館を訪れた際に思った事が代弁されているようで、ひどく共感した。
「僕」の父が憧れていたベニー・グッドマンはKing of Swingと称されてい -
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半年前に読んだ「流星シネマ」の続編。
前作の最後にチラと出てきたオーボエ奏者・サユリさんを中心に語られるお話。
しんみりと確かな文章で綴られたお話にはたくさん感じるところがあった。
団長がいなくなり練習場所もなくなって、〈鯨オーケストラ〉は自然解消になった状況の中、寄る辺なくガケの上にある古いアパートの屋根裏に引きこもっているサユリさん。
その孤独な心情や切なさや淋しさや不器用な生き方が、自分の分身というか心の中のツッコミ役・チェリーとの会話も交えながらゆっくりじっくり描かれる。
サユリさんに付かず離れず、自由に現れては消えて、サユリさんの心に刺さる、チェリーの存在が自然でとても良い感じ。
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本当に素敵な物語でした。
中央公論新社の「螺旋」という、8人の作家による共作で、本作が最後の物語にあたることは知っていたけれど、大好きな作家と心惹かれるタイトルに最初に読んでしまいました。が、もし、これを1作目に読み始めようとしているあなた、やはり順番通りに読む方が良いかもしれません。
吉田篤弘さん特有の、少し不思議で温まる展開になっていて、ずっと浸っていたい素敵な物語ですが、他の作品の伏線と思われるものも散らばっていて、巻頭に説明と年表はついているので、参照しながら読み進めることはできますが、読後の感動は、最後に読んだほうが、さらに感極まるものがあっただろうと思いました。
最初に読んでし -
Posted by ブクログ
『レコード屋の店主に試聴をお願いすると、店主は黙って頷いて、B面の三曲目――それが「Be Nice To Me」だった――に針をおろした。これまた、どうしてなのか分からない。普通はA面の一曲目に針をおろすように思うが、店内に流れ出したのは、にぎやかな曲調のA面の一曲目ではなく、おだやかなゆったりとしたテンポのB面の三曲目だった』―『サイレント・ラジオ』
「Be Nice To Me」と聞いて頭の中で音楽が鳴る。♪You'd be so nice to come home to。おっとこの曲じゃないんだな。検索すると、トッド・ラングレンがピアノの前に背を向けて座っているジャケットが見