吉田篤弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とうとう螺旋プロジェクト最後?を読み終えた。
あくまで螺旋プロジェクトは海族、山族の対立を軸に皆んなで小説を書こうといったものなので特に読む順番などないと思うが、私は古代から順々に読み進めていった。
この近未来の作品では現代付近までの顕著や山族、海族の対立といったものは顕著に表現されていなかったように感じる。どちらかといえば、西、東、眠り、覚醒といった二項対立の要素が様々に散りばめられていたように感じる。
最後には締めくくりなのか海族と山族との間の産声でとじられる。必然なのか偶然なのかシュウが眠り姫まで辿り着く旅路がふわふわと揺れ動く不思議な感覚だと読んでいて感じた。
シリーズの締めくく -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんの呼びかけで集まった8作家による競作企画〈螺旋プロジェクト〉の作品の一つで、伊坂さんのシーソーモンスターとの伏線もたくさん出てきてわくわく。あと6作品も読みたい!螺旋プロジェクト第2弾始動とあるので、その前に読み切りたいです。
睡眠ビジネスとか盛んな今、本当に不眠症の原因となる〈面白い本〉が焼かれる時代が来たら…おそろしい。言葉狩り!こわい!
争いはなぜ起こるのか、〈ひとつになりたいふたつ〉はなぜ壁を作るのか…ネタバレになるのでこれ以上は語れないけれど、8作家の作品読み終えたら、再読したい作品です。
伊坂さんのパスカのように、吉田さんもSFらしく未来のありそうな横文字の固有名詞 -
Posted by ブクログ
ドストエフスキー「罪と罰」を読まずに4人の作家が読書会を開き内容を推測し合う話
4人の作家たちがヒントを手掛かりに自由に推測、思ったままを言い合うのがこの本の面白さ
ほんの少しの話の断片のヒントから作家流に「わたしならこういう筋書き、こういう流れにする」とか想像力が半端なく広がる
いったいどんな物語なのか
期待に胸を膨らませ、夢中になって「ああでもない、こうでもない」と語り合う
そして読んだあとにまた集まって
読後座談会
私は読んだあとにこの本を手にしたが、作家たちの当たらずとも遠くなく、話が横道にそれることもしばしばあるにもかかわらず、ちょっとのヒントで軌道修正してくる様子に感嘆し -
Posted by ブクログ
短編同士に繋がりはありつつ、絶妙な距離感が保たれている。この方の小説の特徴であり、好きなところ。
実は世間は狭く、色んな人とつながっている。ただ、つながったとて、それに気付くかは別の話。また、会いたい意思と、会うという行為も、別の話。文中にもあったこれらのことが、短編の繋がり方に表されていると思う。
繋がって「知り合う」こともあれば、繋がっても「その場限り」なこともある。「知り合う」ためには偶然の力と、自分で縁をたぐり寄せる力、どちらも必要なんだなと思った。あと、思いがけない縁は、結局人を介してやってくる。
「世間における居場所」という視点で見ると、マイノリティ的な側面がある深夜が舞台が