【感想・ネタバレ】天使も怪物も眠る夜のレビュー

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Posted by ブクログ

面白い!

螺旋プロジェクトの最後を飾る近未来SF小説。本作だけでも楽しめるほどに完成度の高い小説だが、それまでの壮大なストーリを見事に収束させる爽快感が最高。

世界観、複数の登場人物が徐々に絡み合ってくる緊張感、謎がだんだん解けて物語の輪郭がはっきりしてきつつ、新たな謎が立ち上がってくる「螺旋」構造、、、どれをとっても最高の作品でした。

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2023年09月01日

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本当に素敵な物語でした。
中央公論新社の「螺旋」という、8人の作家による共作で、本作が最後の物語にあたることは知っていたけれど、大好きな作家と心惹かれるタイトルに最初に読んでしまいました。が、もし、これを1作目に読み始めようとしているあなた、やはり順番通りに読む方が良いかもしれません。

吉田篤弘さん特有の、少し不思議で温まる展開になっていて、ずっと浸っていたい素敵な物語ですが、他の作品の伏線と思われるものも散らばっていて、巻頭に説明と年表はついているので、参照しながら読み進めることはできますが、読後の感動は、最後に読んだほうが、さらに感極まるものがあっただろうと思いました。

最初に読んでしまった最後の物語、これを機に8作すべて、読んで、、、みよう、、、かな。

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2023年06月25日

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登場人物が多く、個性的な名前ばかりで読むのに苦労した。読み終えた後も、いい意味で話が頭に残り、どんな話か考えさせられた。
本というより、1つの「舞台」として、考えると、テンポよく楽しく読めそう。
初めてそんな印象を受ける本に出会った。

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2023年04月23日

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螺旋プロジェクト 未来編。
面白かった。登場人物が次々に出てきて、パラレルに、小出しに物語が進む。読みにくいなあと思いつつも、読み進めてしまえるあたりが秀逸。

伊坂さんが何かの本のあとがきで「風呂敷を目いっぱい広げて、それをどう閉じるかが大変だけど醍醐味」みたいなことを言っていた。この作品を読みながらこのことを思い出して、風呂敷どこまで広げるんだろう?と思いながら読んだ。最終節で一気に種明かしされるのが爽快でもあるが、ここから逆算して各論を作り込み過ぎてるかなという気もした。エンディングは螺旋プロジェクト全体をまとめないと、という予定調和に縛られちゃってる気もするし。

小説家になりたいと漠然と思ってた時期があった。本読みだって自負はあったし、文章を書くこともできる方だと思ってた。でも大した努力もしなかったし、日々の出来事やその時の環境に流されて今の職業に至ってる。技術系ではあるけど、物書きのお仕事ではある。
で、この物語の中身自体が、未来のことを予測して役者?にその通りに演じさせる黒幕・裏方がいて仕掛けがあって・・・。これって、小説家ってまさにこうした作業をやってんだよね、たぶん。小説家ってプロだよな、と思わされた本でした。

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2022年12月19日

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RASEN PROJECTの未来編
吉田篤弘さん初めて読んだけど文体好きダァ!
他の作品読むのが楽しみだ!

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2024年04月07日

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螺旋プロジェクト完結篇。
眠りを忘れた未来の東京の話。これまでに比べて少し読みづらくて中々進まなかったけれど、ラストのこれまでの全ての物語を収束させる結末は、温かい。
終わってしまうと寂しい、素敵なプロジェクトでした。第二弾があるのであれば、進行中の各編を同時進行で読んでみたい。

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2023年09月22日

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螺旋プロジェクト、年代順に読み進め2095年東京が舞台である本作品が最後の本となりました。8人の作家が共演した企画を体験できました。
作り手が体験する苦労を想像しながら、読者は各作家の作風を体験できます。そして、今まで読んだことのない作家の作品を読むきっかけも与えてくれたプロジェクトでした。第二弾も企画されているようなので楽しみにしています。

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2023年09月08日

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〈新世紀〉吉田篤弘ワールド

伊坂幸太郎を始めとする今を輝く著名作家たちが一斉に会して主催された「螺旋プロジェクト」。
その〈未来編〉に当該するのが本作となります。

独特な世界観や、個性たっぷりのキャラクターたち。彼の長編を手に取った読者にとっては見慣れたであろう、多数の登場人物たちが交差するお決まりの展開。

言うなれば、
『22世紀版おやすみ東京』
と言えるでしょう。

睡魔が失われたネオ東京で起こる様々な出来事。
それは一見散発的だけれど、実は底の方で繋がっている。
様人々の思惑と「眠り姫」を巡って、物語は加速していく。

読後は、SFでありながらどこか現代社会に通づるものを感じました。
そして感想を書くにはあまりに夢想することが多い。
それは登場人物一人一人の考え方、生き様、そして動き出す世界の有り体に何かしら心惹かれるところがあるからです。

話を進めるために登場するモブキャラなど誰一人いません。
その人でなくてもいいけど、その人でないとだめ。
そんな人々が、吉田篤弘作品には多く顔を出します。
そんな愛おしい彼らが導き出した世界。
自分一度、こっそり顔を出して、誰かと語り合ってみたい。
うまく感想にならないけれど、概ねそんな気分になりました。


天使も怪物も眠るような夜更けに、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


強いていうなら良くも悪くも登場人物が多いがゆえ、読むのに苦労します。吉田作品初心者には向いていないかもしれません。そこだけ注意。

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2023年08月13日

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点と点が繋がっていく感じがすごく面白かった。あっちでもこっちでも伏線回収。

登場人物が多かったので本編と人物紹介ページを行ったり来たりしたのはちょっと大変でした

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2023年06月10日

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ピースが繋がっていく感覚が面白かった。
それはこの物語単体としても、
螺旋プロジェクトとしても。

まだ螺旋プロジェクト全部読めてないけど、
海族と山族の対立が
今まで読んだ作品とはまた違った形で対立してて、
逆な性質を持つからこそ惹かれるような描かれ方が新鮮やった。


私も眠り姫になりたい(笑)

けど、面白い物語は読みたい、
ので、
夢の中で面白い物語の展開を楽しみにしながら、
心地良いベッドで眠りたいな。

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2023年05月30日

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ネタバレ

螺旋プロジェクト(私の中で)最後の作品。

今まで読んだ他の7作品よりも、海と山の対立が前面には出ておらず、途中まで螺旋プロジェクトということを忘れそうになるほどだった。しかし終盤に行くほどその仕掛け(?)が分かり、これまでの7作品が紡いできた最終着地点として感慨深い作品となった。
登場人物が多く、文体も結構独特なので慣れるまで時間がかかったが、このワールドにハマると結構面白い。「未来」にうってつけだったのではないか。最後のあとがきを読むとまた一段と感慨深かった。


【最後に螺旋プロジェクト全体の感想】
このプロジェクトを知ってから1冊ずつ読み進めるのが本当にワクワクして面白かった。
同じ設定でも、作家さんによってこんなに変わるものかという面白さもあったし、初めて出会う作家の方もいて新鮮だった。

螺旋プロジェクトは8作品同時に連載されていたものを今回文庫化したようなので、1冊ずつ読んだ今回と、8作品同時にちょっとずつ読み進めたのではきっと感想も変わったと思う。特に本を跨いで出てくる共通のキーワードや描写などは、文庫だと1冊目に読んだ本では分からない。
第2弾もあるようなので期待したい。あー終わっちゃった!トートバッグが届くのが楽しみだ。

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2023年04月20日

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#螺旋プロジェクト
21世紀末 眠れない人々
科学が進みすぎた世界でも海と山の争いは続くのか
予知に導かれる演者たち
眠り姫を目覚めさせる王子は誰か
運命のクライマックス

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2023年04月05日

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「螺旋」プロジェクトの4冊目。
語られる時代としては一番後ろになり、皆さんのレビューを見ると最後に読むほうが良いように書いてあったが、読み始めたものはしょうがない。

2095年、四半世紀前に建てられた壁で街を東西に分断されている東京が舞台。
そこは不眠の都と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っているという設定のもと、巻頭に紹介されているだけでも25名+1匹、色んな人物が登場し、それぞれの周辺が描かれていく。
睡眠コンサルタントに勤め覚醒タブレットの開発を命じられたシュウが〈いばら姫〉の物語の謎を追うパート、〈眠り姫の寝台〉という本を巡ってシュウの姉で探偵のナツメと小説家のマユズミが動き回るパート、スキンヘッドの音楽家ホシナが曲のモチーフにする幻の酒〈ゴールデン・スランバー〉を探すパート、ポスターハンターのトオルがポスターで見た幻の映画の幻の女にこだわり続けるパート、これらの話が入り乱れ、それにコーヒー・バーの店主サル、生物学者のコドモ博士や特別調査機関の二等調査員ゴヤなども絡んで話は進む。
どのパートもが結構面白い話で次々と頁は捲れていくが、一方、登場人物が多くまた場面転換も早くて、これらが互いにどう繋がっていくのか、細切れで読む頭にはなかなか入ってこず、そこはいささか苦労した。

読み終えてしまえば、小道具も仕掛けも世界観も、どれもがこのプロジェクトの様々な要素を取り入れて物語が構築されているように思え、これまで読んだのはこの本を含め4冊だけなのだが、残る4冊も読んでいれば、もっと多くのことに気付けたのではないかと思わされた。
海と山との対立もなく、寧ろ、ひとつになりたいふたつの物語として、蒼い瞳と大きな耳が邂逅するラストは大団円に相応しく、確かに一番最後に読むほうが良かったように思った。
「おおる、おおる」と泣きつづける赤児の声は、作中の『ふたつの強きものが、勝利への欲望を捨てて、仲良く並び立てば、そのとき初めて、壁は消えて、たったひとつのALLが生まれる』と呼応し、なかなか感動的な幕切れだった。

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2023年03月02日

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吉田篤弘作品によく見る、たくさんのキャラクターが出てきてそれぞれが複雑に絡み合っていくお話。
というといつも通りなのだが、今作どうもキャラクターが多すぎるのとしかけが多すぎるのと、切り替わりが多すぎて途中でついていけなくなりがちだった。休憩を挟みながら読んでいると特にそれが起きる。

しかも「螺旋プロジェクト」の一環として、シリーズ全部に関わる海と山の対立やクジラというキーワードなどなど、気にしなきゃいけない要素もある。
そんなこんなで、ストーリーを追いつつ登場人物たちの関係を把握しつつ、プロジェクトの裏に漂う設定を探しつつとなってどれも中途半端なまま読み終えてしまった感じがする。
シリーズの最初にこれを読んでしまったのが良くなかったのかもしれない。他のシリーズも読んでみて、それから改めて読み直せばもう少し余裕を持って楽しんで読める気がしないでもない。

まあ、8冊全部読むのかどうかはちょっと怪しいけども…

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2022年12月24日

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著者があとがきの最後に書いているように「正体不明な未来ガジェットが頻出し、決して読みやすいお話ではなかった」けど、シリーズ最後にしてい海と山の争いがうまくおさまり、気持ちよく読み終えることができました。

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2024年01月30日

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ネタバレ

螺旋プロジェクトの最終話的なもの。
今までの海族と山族が近くにいたら気分が悪くなる、みたいな設定どこ行ったん?と思った。
仲良くなってめでたしめでたしかと思ったけど、伝承では東京がなくなる一因にもなったらしいから、結局また別の時代では争ったんだろうな、と思った。
個人的には、キャラ立ちしてる登場人物が何人も出てくるのが少し読みづらく「え?この人いつ出てきたっけ?」と見返しながら読んだ。

螺旋プロジェクトの全体を通しては、共通のシーンである『時は夕暮れ、何かが壊れる時──』っていうのが最後まで「ここか!」ってのが分からないまま終わってしまった(笑)

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2023年03月20日

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螺旋プロジェクト。時代の流れどおりに読んでこれが最後。
対立すら眠る夜。

この作品は最後に読まなければならない。

今まで読む機会がなかった複数の素晴らしい作家に出会う機会をいただいた螺旋プロジェクトに感謝!

※評価はすべて3にしています

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2023年02月21日

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螺旋シリーズ7冊目

シリーズの最後に相応しい話のため、螺旋シリーズを読む人はこれを最後に読む事をオススメする。
2095年の東京は不眠の街。目が覚める面白い本などが燃やされる中、未来予測ではこの後長い眠りの時が訪れると予想される。ゴールデンスランバーの服用により、長い眠りについた姫(海族)を目覚めさせるため、眠り姫プロジェクトがまさに螺旋を描くように、人々を繋ぎ、紐解いていく。
海と山の対立はほぼなく、手を繋ぐ未来への一歩となる。
審判役はこうやってでき、そして、時空を旅してるため、全てを知っているようだ。
吉田篤弘さんの話はこれ以外知らないが、伊坂をリスペクトしてる感じが伝わる文章だった。

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

螺旋シリーズ5冊目
時間軸では最後となる「未来編」なので、眠りを物語のメインとして扱いつつ海族と山族の争いも最終章、という構成
「ウナノハテノガタ」が古代語オンパレードと同じく今作品は未来語オンパレード。ついでに登場人物が増えてさらに難易度はアップ。
なので「ウナノハテノガタ」が読みにくかった!というかたはこちらも読みにくいと思います。

結局何が書きたかったのかなぁ、とは思うものの
螺旋シリーズとしてはスッキリした終わり方だったのでキライではなかった。

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

螺旋プロジェクト、未来編。吉田篤弘さん初読。
2095年近未来東京は、不眠が蔓延した街となっていた。不眠をめぐるビジネス、グッズの興隆。面白い本を焼き尽くす(眠れないからねー)焚書。東京を分ける壁。
同時進行とはいえ、プロジェクトのラストの位置となる未来。他の作品からの登場アイテムがあちこちに見られ、螺旋形状の表現も多々工夫されている。そして、海と山の民の未来の天使。やはり、最後に読んだ方が良いかも。
登場人物紹介が最初に25人あります。彼らが、それぞれアイテムを求めながら小説自体が螺旋のように構成されています。作中に人物像を描くほど書き込まれてないので(多いですからね)最初にぐっと覚えてから読んだ方がスムーズです。
それにしても、タイトルがカッコ良い。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

螺旋プロジェクトの近未来SF。
他の作品に比べて、対立よりも協調のイメージが強かったし、この共作全体の時間軸的なラストとしては良かったのかなと思う。

ただ、このジャンル自体がそれほど好みじゃないのと、登場人物が多くて、次々視点も変わるのでちょっと理解が追いつきにくいところもあったし、それぞれのキャラに対する理解も追いつかないまま物語が終わっちゃった感じ。

ちょっと伊坂作品に似ている印象も受けた。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

八人の作家による競作企画<螺旋プロジェクト>の最終章を飾る作品らしいが、今作以外は全て未読。著者の作品にしては比較的エンタメ色が強く、企画をかなり意識して執筆したことが強く窺える。十八番であろう群像劇のスタイルを活かした作品ではあるが、登場人物が流石に多過ぎて、消化不良の感は否めない。異なる一族の対立という企画のルールに縛られたであろう終盤の慌ただしさ、やっつけ仕事感が否めないラストシーンの呆気なさは企画全体を通さず、今作を単体として見た場合に見劣りするのではなかろうか。期待値が高かった分、ちょいと残念。

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2022年12月21日

Posted by ブクログ

中央公論の螺旋プロジェクトの一冊!

私にとっての螺旋プロジェクトの3冊目!



東京には人々を分断する壁が存在(伊坂幸太郎のスピンモンスターにて誕生)していた!
そして、都市に住む人々は不眠に蝕まれ、睡眠を供給する事がビジネスとして成立していた。
登場人物の一人であるマユズミは面白くない小説を書く事で睡眠を促す役割を果たし、ベストセラー作家となっていた。そして本来面白くあるべきエンターテイメントが禁止されていたり、行き過ぎた科学の進歩を止めるレイドバックの施行など、若干のディストピア感のある未来東京が舞台となってます!

そして、ストーリーの背骨となるのが『スリーピングフォレスト』

主人公のシュウは睡眠コンサルタント会社で働いていたが、ある日、睡眠とは真逆の極秘プロジェクトを任されることになる!?


『寝る事が仕事になったらいいのに』と言っていた後輩が居ました、本作の未来の東京ではきっとビジネスとして成立する事でしょう・・・


次は薬丸岳さんの作品を読みたいと思います!

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2022年12月21日

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