【感想・ネタバレ】それでも世界は回っている 3のレビュー

あらすじ

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ロングセラー『月とコーヒー』から派生した
〈インク三部作〉堂々完結!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

この世界は
喜びと悲しみを繰り返しながら
回りつづけている。

もう、泣かないで。


師匠のベルダさんが
愛用していた万年筆のインク、
〈六番目のブルー〉を探し求めて
ジャン叔父さんと旅をつづけてきた
14歳のオリオ。

インクの秘密を解く鍵が
奇妙な唄にあるとわかるが、
なかなか見つからない。

そんなとき、
迷えるオリオを導いたのは
世にも稀な
「本当の真っ赤な林檎」だった――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

よかった。心がじんわり温まる。
吉田さんの長編いいなあ。また書いてほしい。

ドーナツが食べたくなった

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

最終巻すごく良かった!
六番目のブルーが生まれた理由がなんだか美しいと感じた。ジャン叔父さんとオリオ、そしてオリオの心の中にいるココノツとの会話も良かったし旅先で出会ったちょっと個性的な人達も吉田さんならではという感じで良かった。

0
2025年03月31日

Posted by ブクログ

月とコーヒーに続くインク三部作
不思議な六番目のブルーを求めて
旅を続けるおじさんとオリオ
このブルーの話しを読んでいるうちに
無性にブルーのインクでノートに
綴りたくなり
ブルーのインクと万年筆を購入
ブルーに囚われてしまった!

0
2025年01月10日

Posted by ブクログ

ねじりドーナツのような旅が終わり、オリオは少し大人になったように思いました。

この巻で、一気にココノツのことが気に入ってしまいました。彼女が抱えているものが知れたからだと思います。髪型が個性的で、イラストもとてもかわいいのです。

電球交換士のトビラさんは、またまたいいところで登場してくれました。

ベルダさんの死因は、トカイ刑事が知らせてくれました。〈六番目の青いブルー〉が作られた理由、21番まである唄の謎には、アリアドネの真っ赤なリンゴに導かれるように、オリオと叔父さんとココノツがたどりつきました。

人生とは、引き継いでいくこと
引き継ぐとは、その人の思いと自分の思いがひとつになること

悲しさのかたまりは、時々溶かされて涙になる

悲しみに終わりが来ても、大切な記憶はあなたの中できっと残される

この世界は嬉しいことと悲しいことを繰り返しながら回り続けている

多くのメッセージを受け取ったように思いました。「信号が青に変わった。」という、意味を含んだ最後の一文など、お気に入りの表現も多かったです。

巻末のオリオと叔父さんとココノツ、そして終列車が並んだイラストも、とても素敵でした。絵はがきサイズにしたものがあれば飾りたいな、なんて思いました。

0
2024年10月13日

Posted by ブクログ

やっぱり、ジャン叔父さんの探している唄と、オリオの探す〈六番目のブルー〉は繋がっていた。
そしてこの第3巻では、旅に同行していなかったココノツが大活躍する。

本を初めて開いた時、結末を迎える第3巻のスピンが何故赤色なのかなーと思っていたけれど、きっとカナタさんが落とした林檎の赤色だ。
ミランダさんの長~い唄にも、ちゃんと林檎が登場していたことを、ココノツがつきとめる。


いいかい、みんな。
本当の深い青を知りたいのなら、
そのかたわらに、
本当の真っ赤な林檎を並べてみることだ。


〈六番目のブルー〉を求める旅は、悲しみを受け入れ、この世からいなくなってしまった人たちへ想いを馳せる時間を持つことだった。
それが、〈六番目のブルー〉を生み出すことに大きく関係していた。
師匠のベルダさんを亡くしたオリオは、どのように悲しみを受け入れ、その悲しみはどのように昇華されるのか。
そして〈六番目のブルー〉誕生の秘密とは?

第1巻のスピン。
あの色は〈六番目のブルー〉なのかもしれないと思っていたけれど、あるいは「五番目のブルー」なのかもしれない。

「この世って、うまいこと出来ていて、終着駅っていうのは始発駅でもあるのよ。そこで、すべての列車は折り返して、また出発するの。」

「同じものをもとめるから、競い合う。敵になる。だけど、同じものをもとめているんだから、そいつこそ、俺といちばん分かり合える奴かもしれないんだ。」

「引き継ぐというのは、きっとそういうことだ。その人をそっくり真似るのではなく、その人の思いと自分の思いがひとつになることを云うのだ。」

「人と人はすぐ隣にいることで絆が深まっていくように思う。でも、遠く離れることで、より親密になることもある。」


別本で『電球交換士の憂鬱』という作品がある。
『それでも世界は回っている』に登場するトビラさんが主役なのかな?
こちらもいつか読んでみたい。

0
2024年09月28日

Posted by ブクログ

インク3部作の第3部

-紹介文-
この世界は
喜びと悲しみを繰り返しながら
回りつづけている。

もう、泣かないで。

師匠のベルダさんが
愛用していた万年筆のインク、
〈六番目のブルー〉を探し求めて
ジャン叔父さんと旅をつづけてきた
14歳のオリオ。

インクの秘密を解く鍵が
奇妙な唄にあるとわかるが、
なかなか見つからない。

そんなとき、
迷えるオリオを導いたのは
世にも稀な
「本当の真っ赤な林檎」だった――。

吉田篤弘さんの世界…
「六番目のブルー」と言う青いインクを探す旅。
なんだけど、
なんか、世界はモノクロな感じ…。
ブルーと真っ赤なリンゴだけが鮮明に浮かび上がる。

うまく感想を出せない…
六番目のブルーってだけで、もう惹かれてしまう。
とにかく、とても、好きな、世界。
相変わらず
なんだろう…月の上にある街の話みたいに感じた…空気感が薄いと言うか、ぼんやりしてて…

叔父さんのセリフ

引用

「誰もが道順に従って、ひとつの道だけを進んで行ったら、他の道はどうなっちまう?
俺は他の道ばかり歩いてきたから、よく分かる。本当に面白いものは他の道にあるんだ。
そういうもんだよ。どうしてなのかは知らん。でも、俺は知ってる。人生ってのは道順を見きわめることじゃないんだ。道順とは別のところに自分の道を見つけることだ。な?
じゃないと、道順に選ばれなかった道が浮かばれんだろう」

171ページ
「時間は残酷なものだよな」
叔父さんが急に声を上げた。それも、かなりしっかりした声で。
「すべてを、こっちからあっちへ連れ去ってしまうんだから。残酷だよ。ホントに何もかもすべてだ。逃れるヤツはひとりもいない。時間と一緒に俺たちはみんなあっちへ近づいていく。だけどなー
叔父さんはそこで深呼吸をひとつした。
「だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする。時間の野郎はさ、俺たちの大事なものをことごとく奪いとっていきやがるが、俺たちの悲しみや辛い気持ちや苦しみも連れて行きやがる。うまいこと出来てるよ。大事なものを奪われたことはたしかに悲しい。間違いなく悲しいよ。だけど、悲しみには終わりが必要なんだ」

この叔父さんのセリフだけ、現実感があった。

とにかく、すごく、こころが、静かに、なった
人の中に残って生きる…
繋がる…

3部作にハマりそう。世の中の3部作がすごく気になるようになりました。

また、戻ってきたい世界でした

0
2024年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
 失われた“六番目のブルー”を探して旅に出たオリオが出会ったのは“5番目のブルー”と“六番目のブルー”を作った青年カナタ。
 でも、そのカナタにもどうして“六番目のブルー”を作ることが出来たのかが分からないため、“六番目のブルー”を作ることは出来ないと言われてしまう。
 探し物が見つからないまま、旅を終えることになると思った矢先、“六番目のブルー”にあって“五番目のブルー”になかったものの答えが判明する。

 ※以下の感想にはネタバレが含まれます。ご注意ください※

【感想】
 「インク三部作」がついに完結です。
 失われたインクを探す少年の旅が終わりました。
 “六番目のブルー”は“五番目のブルー”に涙の成分が加わってできたものでした。
 人の悲しみによって作られるのが“六番目のブルー”なら、自分は“五番目のブルー”でいい。それがオリオの選んだ答え。
 長い旅の中で、オリオは大事な人の死を受け入れることは、その人を失うことではないのだと気付かされます。
 その人の持っていたものを引き継いで、その人の思いと自分の思いがひとつになることで、継承されていくのだ、と。
 そして、新たに始まるのは「自分を探す旅」です。少年の旅はまだまだ続いていく。
 希望のあるラストシーンが、せつなくて、優しくて。
 読み終わってからしばらくの間、放心状態になりました。
 吉田さんの作品を評するとき、私はいつも“大人のための童話”と表現しますが、このシリーズも間違いなくそんな世界観の中で繰り広げられています。
 就寝前の静かな時間に読むのにぴったりな作品です。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第六のブルーを探し求めるオリオと叔父さんの旅。またさまざまな人とそして出来事に出会ってゆく。
真っ赤な林檎を見つけたり小さいココノツ、大きいココノツに出会ったり、迷路の謎を解き明かしたり。
「哀しみ」の意味を深く知ったり。
毎回のことながら、会う人達の一風コミカルだけれどしみじみとした事情に一緒に想像の世界へ旅立てました。

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

大好きな珈琲店のカウンターに座って、ゆっくりコーヒーを飲みながら読めた幸せ
どうしてもシュガードーナツが食べたくなって帰り道にパン屋に寄って食べた

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2025年08月28日

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 幻のインク〈六番目のブルー〉探しの旅も最終巻を迎えました。「インク三部作」の第3巻です。

 〈五番目のブルー〉 + 「?」 = 〈六番目のブルー〉
という方程式を解くには、〈五番…〉を移項して
 「?」 = 〈六番目のブルー〉 − 〈五番目のブルー〉
あはっ、懐しい中1数学!

 でも、物語は決して数学で割り切れるほど簡単なものではありませんよね。巡り巡ってやっと辿り着いた〈六番目のブルー〉の謎は、きれい過ぎるくらいに収束します。世界の不思議な巡り合わせ、つながりが心地よく感じられ、オリオにとってインク探し以上の意味がある旅になったと思います。

 「喪失」は正しい時間の流れの象徴で、でも、それと全く関係なく世界は回り続けます。亡くなった人や失くなった物に想いを寄せ、忘れないことが「引き継ぐ」ということなんですね。

 終着駅が始発駅に変わり、オリオはこれから、オリオという一人の人間を模索する新たな旅に出るのでしょう。美しく尊い、悲しさのかたまりの「青」を胸に秘めながら…
 吉田篤弘さんの、優しさあふれる世界観を堪能できた全3巻でした。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

面白かった。とても満足。
3冊に渡る、「それでも世界は回っている」。

六番目のブルーの秘密がついに明らかになった。なるほどね、とほっこりした気持ちで読み終えた。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

「ロングセラー『月とコーヒー』から派生した〈インク三部作〉堂々完結!」と帯に書かれて、このシリーズも終わるのかと、少しセンチメンタルな気持ちになりました。

一時期、吉田篤弘さんの著作品に没頭して読んだ時期がありました。

こう表現するのは語弊があるかもしれませんが、私にとって著者の作品は、「星の王子さま」や「銀河鉄道の夜」そして傾向が外れますが「デミアン」を読んだ頃の自分に帰らせてくれる感があるのです。(自分の読書歴の狭さも感じますが)そして著者の書かれている文章にとても共感してしまうことが多いことも、いつも驚きです。

人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、同じものを求めるから、争いになる。本文p38抜粋

人と人が「結ばれている」というのは、すぐ隣に寄り添っているからそう云うのではない。たとえ、二人がいる時間や空間が遠く離れていたとしても、すぐ隣の誰かと言葉を交えるように睦み合える。たぶん、人間にはそんな力がある。本文p165−166抜粋

引き継ぐというのは、その人をそっくり真似るのではなく、その人の思いと自分の思いが一つになることを云うのだ。 本文p205抜粋

このシリーズも「月とコーヒー」から読んでいて、結末もとても気になっていました。結論である、6番目のブルーはどうやって作られたのか、それは是非読んで納得してみてください。

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2024年05月20日

Posted by ブクログ

幻のインク〈六番目のブルー〉を求めてオリオと叔父さんと(ココノツ)の旅は続く。

林檎の赤とインクの青。
ねじりドーナツと迷路。
ハルカとカナタ。
電球交換士。
終列車。

ひとつひとつ心に残る。

いつまでも旅を続けてほしいと願う。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『それでも世界は回っている』完結編。
1、2を読み終えた時点で危惧していたことが発生。
これまでの内容をほぼ忘れている。。。
というか2の終わりをあまり覚えていない中で、思いっきり前作場面の続きから始まるので「何だっけ?」感が凄まじい。

それでも次第に思い出す登場人物やストーリー。
あぁ、そんなこともあってここまで来たんだった。

ただ1、2に比べてクライマックスに近いということもあり、この旅物語の意義をまとめようということなのか、新たな場面に出くわすよりも、これまでの場面を振り返りながらの抽象的、哲学的な解釈談義が多く、やっぱり出来ることなら1~3を一気に読みとおすのがいいのだろうなと思う。

「人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、同じものを求めるから、争いになる。
だけど、同じものをもとめているんだから、そいつこそ、俺といちばん分かり合える奴かもしれないんだ。
悲しいな。」

「人生ってのは道順を見きわめることじゃないんだ。道順とは別のところに自分の道を見つけることだ。な?じゃないと、道順に選ばれなかった道が浮かばれんだろう。」

「だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする。時間の野郎はさ、俺たちの大事なものをことごとく奪いとっていきやがるが、俺たちの悲しみや辛い気持ちや苦しみも連れて行きやがる。うまいこと出来てるよ。大事なものを奪われたことはたしかに悲しい。間違いなく悲しいよ。だけど悲しみには終わりが必要なんだ。」

いずれも普段はちゃらんぽらんなジャン叔父さんの言葉。
「5番目のブルー」と「6番目のブルー」の違いを生んだ秘密、「6番目のブルー」がつくられなくなってしまった事情にも納得。
穏やかでやさしい幻想世界の中で、人生の深き真髄の一片に出逢う一冊。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ


『月とコーヒー』に連なるインク三部作もついに完結編。

ジャン叔父さんと一緒に〈六番目のブルー〉のインクを探す旅に出ていたオリオだけれど、遂に〈六番目のブルー〉のインクの謎が解き明かされました。ネタバレになってしまうので書きませんが、新しい色が生まれるにはそれが必要だったのか!吉田さんのファンタジーな世界観に圧倒されました。

ブルーと対照的な真っ赤なリンゴも登場したけど読み終えて表紙を見たら、表紙のリンゴは私が頭の中で思い描いていた真っ赤ではなかった(笑)〈六番目のブルー〉のインクは思い描いている色と同じかな。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

それでも世界は回っている・第三巻

『月とコーヒー』に収録されている短編から派生した〈インク三部作〉の完結篇となっております。

亡くなった師匠・ベルダさんの愛用していたインク〈六番目のブルー〉を探し求めて旅を続ける少年・オリオとジャン叔父さん。
とある奇妙な唄の歌詞の中に、“インクの秘密”が隠されているようなのですが・・。

まるで夢の中にいるような、浮世離れした雰囲気のこの物語も本作で完結でございます。
夢の内容って、すぐに忘れてしまうのと同じ感覚で(?)、前巻までの内容をあまり覚えていなかった私なのですが(汗)、読んでいくうちにこのちょっと不思議で心地よい世界にスルっと浸されていきました。

あちこち迷いながらも、アリアドネの赤い林檎に導かれるように、とある工場に辿りつく二人・・そこで、彼らを出迎えたカナタさんが語る、〈五番目のブルー〉と〈六番目のブルー〉の話。
そして、心の中の“ココノツ”が書き写したという“件の唄”の長い歌詞の内容とは・・。

ーー心の中にある悲しさのかたまりが、ちょっとしたきっかけであふれだしてくるーー

“青”という色は、空や海といった爽やかなイメージがある一方、“悲しさ”も表していますよね。
そして“青”で表現される“悲しみ”は、美しさも内包しているように思うのです。
〈六番目のブルー〉は、固まった悲しみが溶けてあふれた色・・だから他にはない美しいものなのだろうな・・と、こんな個人的考察をしてみた次第です~。

オチとしての着地点も好きで、終盤でミランダさんがジャン叔父さんにあげた“ご褒美”には胸がいっぱいになって、幸せな気持ちになりました。
独特な世界観ではありますが、優しい読後感と心地よい余韻を味わえる、何とも素敵な物語を堪能させて頂きました。

「この世界は、喜びと悲しみを繰り返しながら、回りつづけている」

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

6番目のブルーは、5番目のブルーに涙を加えてできる。 中々の発想だと感心しました。
オリオさんココノツと幸せに生きてください。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

三部作の完結。
「それでも世界は回っている」という言葉の意味がが何となくわかったように思う。
そして失われたものを引き継ぐという事もそこに繋がる。そっくりそのまま真似るのではなく、自分の思いと共に変化する。そしてまた続く。

長かったけれどとてもすんなり読めた。

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2024年08月25日

Posted by ブクログ

6番目のブルーのインクを探しての旅は終わりました。旅の終わりにいろいろなことがわかり、自分がどんな人間か一生かけて探索したい、それは旅は終わらないという結論となったのもスッとする瞬間のような感覚でした。

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2024年06月26日

Posted by ブクログ

シリーズ物だが初読み。
著者らしいおとぎ話の様な世界観が広がる。
夢の中で見たような、子どもの頃に体験したようなそんな不思議な空間に包まれてお話は進む。

早速、シリーズ1,2を読んでみよう。

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2024年04月02日

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