三上延のレビュー一覧
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極度の人見知りだが本好き、本のことになると急に饒舌になる古本屋の店主である篠川栞子。そして本好きなのにある事情から本が読めなくなってしまったアルバイトの五浦大輔。この2人が働く古書店には個性的な客が訪れ、時にとんでもない事件に発展していく。
本の知識があるだけでなく、本に関する謎ならば超人的な洞察力と直感力を発揮するという能力を有している栞子は、ほんの少しの情報から答えを見つけ出し謎を解決していく。その時の彼女は冷静で勇敢、ときには身の危険を感じる事件にも臆することなく挑んでいく。栞子の普段のおどおどした雰囲気とのギャップにはまってしまう。また、柔道で鍛えた体躯を持ち朴訥で心優しい五浦大輔とのでこぼこなコンビもまたいい味をだしている。 -
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2026 05/21
この物語は人の薄暗い部分を突いてくるなぁ。
ある人に対しての評価の「古書に詳しい、頭の切れる、得体の知れない人」が、遺伝してそうなのが今後の展開にどう影響してくるのか、楽しみでもあり怖くもあり。
意外だったのは、お互いに意識しているのかと思ってたけど、そうでもないってことなのかもなぁ。大輔さんの一方通行って感じっぽいのが、大輔さんに感情移入しちゃって、ちょっぴり淋しい。。栞子さんの心の扉は思ったより開くのは難しいのかも。
大輔さんの、
どんな感情も放っておけば、いずれは遠ざかって、どこかへ消え去ってしまう。今、口にしなければ、もう一生機会はないと思った。
の文が心に残った。言える機会を大切にしなくては。言わなきゃ伝わらないことって結構あるからね。
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2026 05/04
初っ端から探偵役のヒロインが怪我で入院している設定って変わってるなあって、思いながら読んでた。怪我の原因や程度には触れずに話が進んで行くから、違和感はあった。でも、人見知りで普通の会話もままならないのに、本のことになると人が変わったように饒舌になる。このキャラクター設定に惑わされた。
日常に転がっている人の秘密にも関わる『謎』を、安楽椅子探偵の栞子さんが解きほぐしていく物語。誰にだって秘密はあるものだし、栞子さんはほのぼのしてるし、五浦さんとの関係も気になるし、柔らかい空気に満ちたままクライマックスに進んで行くんだろうな〜、と思い込み始めた矢先。いや、物語の底に不穏な空気が溜まっているのは感じていたはずなんだけれども、、、
思いっきり油断してました、、、
第三話の最後4行が怖かった。ここからはずっと、苦しかった。
本のことを楽しそうに話す栞子さんが可愛くて、話し過ぎてる?!って我に返る栞子さんも可愛くて。本の話を聞きたい五浦さんとは割れ鍋に綴じ蓋だよねぇ。微笑ましい。 -
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古書交換会から話が始まっていく。
買い取ったはずの古書が1冊足りず、買取先の店主は栞子が盗んだのではないかと言う。栞子は盗まれた本『たんぽぽ娘』から読み取れる情報を使って真犯人を見つけていくという流れだ。
古書店についてはあまり詳しくないが、古書交換会というのは面白そうだと思った。古書交換会での古書の売買の方法が細かく解説されているので、より興味がそそられた。
親子っていいな、と思う箇所がいくつかあった。
時には多くを語り合わなければ分かり合えないし、時には多くを語らずとも相手のことが分かる。そんな不思議な関係って、安易に築けるものではないからこそ、大切にしたいなと思った。 -
購入済み
絵柄がいまいち
原作がそれなりに面白いのでコミック版も読んでみた。
原作に忠実な描き出しかたで様々の蘊蓄も含めて十分楽しめた。
もっとも、このコミックの作家の絵柄が、今一つしっくりこない。栞子さんはもっと楚々とした美人であってほしい気がする。 -
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栞子さんと五浦君の古書ミステリ6冊目。今回は丸ごと「太宰治」である。
栞子さんが持っている太宰治の『晩年』。貴重な古書であり、それを狙った田中敏雄に階段から突き落とされるもとになった品である。田中敏雄がそれを狙って犯罪まで犯したのは、かつて彼の祖父が持っていた『晩年』だと勘違いしたせいだ。実は彼の祖父・田中嘉雄の『晩年』を買い取ったのは、全く別の人物だったのだが、それには複雑な事情と秘密が隠されていた。
今回の古書ミステリは、そんな陰鬱な謎の物語である。
このシリーズを読んできて初めて、うすら寒い怖さを感じた。古書を求める感情は何年も何十年も消えないのだ。それが自分の近くにいる人を傷つけることになっても、破滅させることになっても、関係ないのだ。それらの人々には、本しか見えていないのだ。
『晩年』をめぐる人々の諍いの中で、無事に和解した人々がいたことにとても安堵した。彼らはその人生の中で、本と同じくらい大切な人がいたのだ。反対に、最後まで本しか見えていない人たちがいたことに、暗澹たる気持ちになった。
次で最終巻。
栞子さんのお母さん、智恵子さんは、いったいどちらなのだろう。 -
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栞子さんと五浦君の古書ミステリ3冊目。今回は「古書交換会」が登場する。
古書店が集まって古書を売り買いする市場のことで、なかなか興味深かった。買いたい古書を競り落とすシステムも面白い。新しい登場人物として、古書店の店主たちも物語に出てきた。栞子さんの古書店主としての人間関係がだんだん明らかになっていく。同時に、彼女の母である篠川智恵子とのつながりも見えてくる。
篠川智恵子という人物は相当強烈な個性を持っていたらしい。これからどんな風に物語に絡んでくるのだろうか。
収録されていた短編三作品の中で、印象に残ったのは第三話「宮澤賢治『春と修羅』(関根書店)」。本の価値とは何だろうと考えさせられた。古書価値のことを知っていて、ものすごく貴重なものだと思っている人間がいる。対して、金額的な価値にはまったく興味が無く、その本を読んだ時の気持ちに従って本を愛している人間がいる。
もちろん、どちらがその本を持つべきなのかは単純に判断できないのだけれど、困るのは前者が往々にして自分こそそうあるべきだと主張しがちなことである。
本当に、古書とは興味深い存在だ。
引き続き続刊も読みます。