三上延のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026/08/26
栞子さんと大輔くんの子ども、扉子ちゃんは本が大好きで、本にまつわる物語も大好き。やっぱり血は争えない。
古書とその古書に関わる人たちの物語を扉子ちゃんに語る栞子さん。今回は、そんな話。
一度過ちを犯してしまったら、周りが自分を見る目はどうしても変わる。どれほど反省しても坂口昌志の過去は消えない。ただ感謝だけを心に残すと決めた昌志さんもまたやさしい人だと思う。あの素敵なしのぶさんに見染められた人だもの。
今回は大人の犯罪がセコすぎるっ!!自分ばかりがツイてないとか、あいつのせいで自分は運を逃しただとか、犯行動機が「やかましいわ!」って思ってしまいました。。。
嫉妬とか逆恨みとかに縛られると、人生を棒に振ることになってしまう。嫌だなぁ。
扉子ちゃんに聞かせる話なので軽めの話なのかと思いきや、がっつり重い人間関係の話が多くて、いくら話せないところは端折っているとはいえ、大丈夫かなって心配になりました。
やっぱり古書にはそれなりに重苦しい想いが染み込んでいるんですねぇ。
すでに扉子ちゃんは英才教育中ですね。
ビブリア古書堂の将来は安泰です。
表紙の栞子さん、ちょっとふっくらしているように見えて、“優しいお母さん”って感じがして、幸せが伝わってきて良いなって思いました。
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Posted by ブクログ
2026 08/04
今回は、得体の知れない怖さとか正体の見えない怨念と言うようなドロドロした感情はなく、栞子さんたちが身体的に危害を加えられることはなさそうな雰囲気だったので、読書中の心構えが楽でした。いつも心臓バクバクしてる……
あからさまな悪意は分かりやすかったし、常人には理解し難い執着なども表面に出てくることはなく、発作的に突拍子もない行動を起こす人がいなかったのも、心臓のバクバク度合いが少なかった理由かも。
だからと言って、退屈だったかと言うとそんな事はありませんでした。
競りの場面などでは心理戦が繰り広げられている(んだろうけど、如何せん大輔くん視点なので描写はない)し、競う相手は“あの人”だしで「ドキドキするぅ〜」と勝負の行方を見守っていました。
(あの悪人、意味ありげに含み笑いしてるし)
大輔くんの予測不能な行動は、栞子さんを想う気持ちが原動力なのだろうけど、大輔くんがもともと生まれ持ってた大胆不敵さと栞子さんを想う気持ちとが合わさってこそ生まれる行動原理で、それが良い感じに相まっているからこそ、道が切り開かれていくんだろうと思う。
それもたぶん、無意識に使いこなしている。それこそが大輔くんの勘の良さなのかな。
智恵子さんは意表を突かれることに慣れていなさそうなので(自分が突く方だから)、稀に読みにくい行動を取る大輔くんを排除したかったんだろうなぁ。
表情や会話で思ってること丸わかりなのに、智恵子さんの表情を変えさせるのっていつも凡人の大輔くんだもんね。自分の内面を乱されるのが面白くなかったのかも。
でもそういう存在って一周回れば、良い感情を持ってしまうものなんだよ〜。
一応の区切りの巻と言うこともあってか、次に残すような暗さを秘めた終わり方でなかったのが良かったです。
というより、明るい未来が待ってる終わり方なのが、良かったです〜。
ただ、ずーーっと釈然としない気持ちがあります。
大輔くんのお祖母さんが、いくら秘密を守る為とは言え読書好きの大輔くんを本の読めない体質にしてしまったこと!
これは本当に罪深い。
「本の好きな娘と結婚すればいいかもしれないよ」とか、どの口が言っとんねーん!!
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Posted by ブクログ
お久し振りに「ビブリア古書堂」、12作目。
作者さんのあとがきにあったが、このシリーズ、最初の巻から15年が経つという。剛力ちゃんも遠い昔だ。
今回は、両親が不在の間、店を任された扉子&アルバイトで一緒に働くことになった恭一郎が中心のお話。
店に持ち込まれる”古書についての相談ごと”に扉子が勝手に関わらないようにと、恭一郎が秘かに見張り役を命じられたにもかかわらず、次々と持ち込まれる3冊の本を巡る謎に巻き込まれていく。
謎を前にした扉子と恭一郎の関係はかつての栞子with大輔を思わせ微笑ましい。
「シャーロック・ホームズの饋還」を巡る敵国同士の軍人のやりとりに心が温まる。
ネットで探して見た「写真よさようなら」のアレ・ブレ・ボケの写真はなかなかに衝撃的。
そんなこんなで今回は穏やかに終わるのかと思っていたが、第三話での田中敏雄(過去の因縁を覚えていなかったけどね)や智恵子さんの登場で、一気にきな臭くなった。
エピローグでは新たな謎も仄めかされたが、次巻、どうなることやら。また2年後かな。ゆっくり待つわ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾です。
古書にまつわる謎を追う面白さはもちろんありますが、今回はそれ以上に、人と人とのあいだに残る“消えないもの”が強く印象に残りました。
事件自体は比較的おとなしいのに、読んでいると妙に心が引っかかるのシリーズ全体としての特徴で、静かな熱みたいなものを、改めて感じました。
相変わらず古書の扱い方や背景の掘り起こしは丁寧で、知的な面白さがありますし、スラスラ読める心地よさも健在です。
ミステリとしての驚きや起伏はやや控えめですが、派手さではなく余韻で読ませる力はさすがで、読み終えた後にじんわりと人の想いの重さが残ります。
軽く読めるのに、心に残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
2026 07/16
《断章》が大輔さん以外の一人称だったので、大輔さん以外の登場人物の心の内を知れたのが興味深かった。特に栞子さん。栞子さんの本音は謎に満ちていたので、語られた内容はこれからの展開に重要かもしれない。
『家族』がテーマだったのかな。
拗れてしまった絆を解きほぐして心を解放する話。常に一緒にいるから『家族』ってわけでもない。結局は言葉にしないと思いは伝わらない。
一回逃げる選択をしたら、これからの人生にその選択肢が加わる。そして安易に選ぶ。選んだことを後悔したり悩んだりしているうちに月日なんてあっという間に過ぎていく。
志田さんは電話をかけたのだろうか。
慎也くんはお父さんときちんと話し合ったのだろうか。
澄夫さんは連絡しないことを選んだ。でも未来ではわからない。いつか「俺と距離を置きやすいだろ。誤解されてるぐらいがちょうどいい」の考えを変える日がくるかもしれない。
栞子さんと智恵子さんの『家族』の行き着く先は想像できない。結局は、分かり合えないまま終わるんじゃないかとも思える。それだけ智恵子さんの存在は、普通に生活している人たちの中では異質なものだから。
栞子さんは、自分がお母さんとそっくり同じ人間になって、大切な人を傷つけてしまうことをなによりも恐れていたから、大輔さんのことが好きになっても、答えられなかった。
自分の気質と智恵子さんの呪縛から自分を解き放つ為に、栞子さんは頑張ってる。ものすごく頑張ってる。智恵子さんと対峙して戻って来た。
なのに、大輔さんはあっさりと「俺も一緒に行けばいいじゃないですか」の一言で栞子さんの恐怖を飛び越えてくる。
「栞子さんが追いかけたいほど面白いもんなら、俺にとってもきっと面白いですよ」って、栞子さんにしたら魔法の言葉だよ。コミュ障で人見知りの栞子さんからしたら、そんな自分を認めてくれる人は白馬に乗った王子様だよ。
ここが、お父さんと大輔さんの違いなんだなって思った。
「ずっとここで君を待つ」と「一緒に行く」
大輔さんは、ずっと側にいてくれる人。
今回は、断章の度に智恵子さんへの恐怖心が底なし的に深まっていった。いやだぁ、この人本当に恐い。文章からでもわかる威圧感。この人だけ生きている世界が違う感じがする。千里眼の持ち主?ってくらい洞察力が超人的。でも、その得体の知れない超人も、大輔さんには警戒してそう。大輔さんは操れないと理解しているから、排除する為に何やら画策してきそうな予感がする。。。
智恵子さんに完全に敵認定された大輔さん、気を付けて!
そして、不穏な終わり方、、、
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Posted by ブクログ
扉子シリーズ5作目。
少し刊行までに間が空いた気がするが、小さかった扉子も今作では高校2年生。恭一郎と言う後輩も出来た。
今シリーズでは栞子と大輔が海外に買付に行っている間、1週間ビブリア古書店の留守番を任されて扉子の活躍が描かれる。
栞子が大人しく、思慮深いタイプだったけど、扉子は対照的。相談事などは両親が帰ってからと伝えると言う約束を悉く破って、古書に関する謎に奔走する。
今作ではシャーロックホームズ、中原中也などの謎が描かれるが、全てトリックが違い、作者の引き出しの数と知識量に圧倒される。
チェックマークに似た謎のマークについては、今後も描かれるようなので、そちらも気になるところ。