三上延のレビュー一覧
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★「ご本のこういうお話って、他にもたくさんあるんだよね」(p.262)
▶栞子と大輔が結婚して七年、娘の扉子は六歳。▶栞子が扉子に話聞かせる本にまつわるエピソード。▶与田凖一編『からたちの花 北原白秋童謡集』と坂口夫妻。▶亡くなった人気イラストレーターと母の思い出の本。▶佐々木丸美『雪の断章』と志田と小菅奈緒と篠川文香ともう一人。▶内田百閒『王様の背中』と舞砂道具店。
■ビブリア古書堂についての簡単なリスト
【青い革のブックカバーの本】大輔がいつも持っている本。《この本は人目に晒せない。》扉子と~p.265
【遊びと人間】ロジェ・カイヨワ著。講談社文庫版を持ってます。納得したというわけでは -
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鎌倉の古書店・ビブリア古書堂を舞台にしたビブリオミステリー。本作はシリーズ10作目。
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栞子と大輔の娘・扉子が登場して3作目。明るく人見知りしない新ヒロインが初々しくていい。あの暗めの両親とは明らかに違うキャラ設定で、栞子の妹の文香に少し似ているかも。(地味な存在ながら魅力的だった文香も久々に登場させて欲しいと思う。)
さて、書籍好きが高じて異常性を帯びた人物が毎回登場するのがこのシリーズの特徴で、本作もその異常性を描こうとしたのでしょうが、今回ばかりはその展開に無理があるように感じました。
まず恭一郎の母・佳穂。
息子を失いたくなくて貴重な古書 -
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関東大震災からはじまる4世代の物語。
これは映像化してくれたら嬉しいなぁ。
『ALWAYS』じゃないけれど
家族の物語の背景に、時代の移り変わりと
あの代官山アパートメントの姿があれば
きっと私も彼らと一緒に生きてきたかのように
その中に入っていけるかもしれない。
最初の主人公である八重と竹井の静かな人生も
その娘・恵子の戦争をはさんだ人生も
ふたりの孫たちの経済成長期の人生も
八重によく似た、ひ孫の新世紀の人生も。
二度と震災で大切な人を亡くしたくないと
竹井が選んだ鉄骨造の最新アパートは
そのすべての人生を包み込んで
穏やかに朽ちていったのでしょう。
ちなみに私、この同潤会アパートが好 -
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「ビブリア」のスピンオフというが、高校生版の本をめぐる蘊蓄をビブリアバトルの形にしたもの。いかにも高校生ラブコメ・ラノベである。作者は三上延でなく別の人だが、よく雰囲気をつかんでいる。
本については能弁だが、栞子と同じに極端に人見知りなこぐちさんと、大輔の本を読めないに代わってある秘密を持つ語り手響平という設定だが、一つだけ大きく違う点がある。こぐちさんは今のところは、巨乳ではないらしい(笑)。
本に対しての見方や蘊蓄を示す点では、その本を再読したいと思わせるものがある。ビブリア本家の本がややマニアックなのに比べると、ポピュラーである。 -
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面白かったが期待していたほどではなかった。
栞子さんほどではないが、早めの段階で展開が読めてしまい少し味気ない…。
最後の『晩年』は予想外が重なり楽しく読めた。
シリーズが続いてるようなので、気が向いたら読みたい。
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鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも -
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浅井リョウ「それでは二人組を作ってください」
飛鳥井千砂「隣の空も青い」
越谷オサム「ジャンピングニ―」
坂木司「女子的生活」
徳永圭「鳥かごの中身」
似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
三上延「月の砂漠を」
吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
以上8つの短編集。
率直な感想を述べると、私には少し難しかった。
同居人との間には特別な価値観があり、そしてその形の多様さはとても素敵だと思う。
しかし、若輩者の私には実感が伴わなかった。
この物語を楽しむには私の経験が足りない。
逆に言えば、もっともっと多様な人と出会っていけば、きっとどこかで共感できることだろう。
以下は、いくつか気になった作品に