阿津川辰海のレビュー一覧
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階段を上がるように読み進めてきた物語。
終盤に入りかけた瞬間、今まで上がってきた階段が突如として消え去り、下に落ちていくかのような感覚がありました。
解決編では、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、この物語が形成されていたことを知らされます。その複雑さ、お見事です。
真相が解明され、気持ちは晴れやかになるかと思いきや最後の数ページで、何とも言えない気持ちに。でも、そんな結末も好きです。
山中に建てられた文豪の館。
登場人物は、館の主、その息子と孫二人、高校生二人、登山者一人、近隣住民一人、保険調査員一人。
山火事が発生。逃げ場はなく、強風により、ヘリコプターによる救出も困難。館焼失の危 -
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めっちゃおもしろかった!
阿津川辰海さんの作品はコンプリートしているが、
『透明人間は密室に潜む』短編集のなかの1作、「盗聴された殺人」のあのコンビ復活とは!
そもそもこのお話し、設定たかなり特殊で、まさかシリーズ化できるとは思っていなかったので、うれしい誤算♪
しかも、シリーズものっていったらフツー、名探偵もワトソンも決まっていて、その安定感こそがウリではないですか。
なのに、あえてそこを切ってくる!
そして、さらに進化させてきた!
いやぁ……、何度もいってるけど、阿津川さんの頭ン中ってどうなってるんだろ……。
で、阿津川辰海の作品が読める時代にいて、超絶ラッキー!!
名探偵ものと -
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有栖川有栖、デビュー35周年記念トリビュート。
まず、こんなトリビュートが出来てしまうということ自体、驚き。すごい作家さんなのだと再認識した。
江戸川乱歩トリビュート、とかだったら分かるけれど、まだ生きている人で、現役活動中です。
トリビュートが成立するのはやはり、キャラクター的に完成された、そして知名度の高い、お馴染みの登場人物たちがいるからなのでしょう。
火村英生やアリスの、あんな、そんな、こんな、の性癖が再現され過ぎである。
【縄、綱、ロープ】 青崎有吾(あおさき ゆうご)
成り済まし度が半端ない。火村とアリスのいつもの会話から船曳警部の腹の出具合まで。
何より、オチの一言が素晴らしい -
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なるほど。“挑戦状”ってそういう意味か。
なんと更に高度な事をしてたんですね。
それで、こんなストーリー書けちゃうんですか。
しかもちゃんと面白いし。
はー、やっぱ作家さんって凄いわ。
斜線堂さん推しだけど、どっちの作品も好き。
お二方の持ち味が滲み出ているし、ちゃんと“人間”を描いてくれてるから良い。
これを期にもっと阿津川さんの作品を読みたいと思った。
巻末の執筆日記もめっちゃ面白かった。
作品完成までの過程を書いているだけなのに、なんでこんなに面白いの。
人間味溢れる斜線堂さんの日記で思わず笑ってしまった。
阿津川さんの日記もまた違った面白さがあって、夢中で読んだ。
小説じゃないのに!笑 -
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ネタバレも~~~だいっすき!!短編集は辰海の突拍子もない大胆な話が堪能できるから最高。
「危険な賭け 〜私立探偵・若槻晴海〜」
四作の中だと一番ビミョーだったかも。またクセツヨな奴が最後に現れた。
「二〇二一年度入試という題の推理小説」
めっちゃ好き。大学教授の謝罪文(という名の言い訳)は思わず笑ってしまった。Twitterの変なやつもコイツだったのか!と思うと納得。
最後のオチがよかった。フィクションの謎は解けても、現実には飲み込まれてしまったか……。
「入れ子細工の夜」
行ったり来たりの推理が面白かった。結局どっちが犯人なんだ!?と思っていたら斜め上の展開に拍手。
「六人の激昂するマスクマ