阿津川辰海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若手作家陣による豪華読みきり短編集。全てのお話がタイトル通り「脱出」を軸に据えたミステリーです。なんとなく暗い、難しいイメージを持って読み始めたのですが、予想よりは読みやすく読後感も悪くなかったです。
「屋上からの脱出」阿津川辰海
天文部の屋上観測で起こった閉じ込め事故。それは事故なのか?
故意だとしたらだれが何の目的で起こしたのか?
高校生の話なので、思惑はあるにせよ殺人などもなく読み心地良好です。
「名とりの森」織守きょうや
民族学的昔話を調べるのが好きなノキ。皆が恐れる森に夏の探検に行こうという。しかも最も入ってはいけないという時に。そんなノキを探しに森に姉と入ったタネチン目線で話は始ま -
Posted by ブクログ
地震により孤立化した館での連続殺人。
凝っているのは、館と関係者が滞在する近くの温泉旅館それぞれで事件が起き、それが微妙に絡み合っていることで、様々な伏線が張り巡らせているうえに、謎解きも緻密。
なのに、今一つ楽しめないのはキャラが魅力に乏しい事。ここらは好みなのだろうが、キャラがデフォルメされてはいても、どれもありきたりでセリフにも現実感がないため、全く感情移入できない。
作者がフェアに伏線を張ってるがゆえに、結構事件の謎の多くは分かってしまうし、肝心の犯人も簡単に想像できてしまうのは残念。
過去シリーズのキャラと絡みが結構持ち越されているので、以前の作品を読んでいるとより楽しめる。 -
Posted by ブクログ
ブ厚い……!
でも面白かったので飽きずにどんどん読めました。図解やら時系列表があると、超本格推理小説を読んでる感がすごくしますねぇ。
私はまったく犯人わからなかったし、トリックももちろんよく理解できてないしで、ダメダメ読者ですが楽しかったです。
長編ゆえ、最初の方を忘れていて、最後の謎解きのあたりで、そんな情報出てたっけ?と思うことも多々。
もう一度最初から読んだら、完全に理解できるだろうけど無理だ。
しかし1作目から、どうも主人公たちがあまり好きになれなくて困る。良い子達なのに、なんか価値観を押しつけてくる感じが苦手。
最後、三谷くんどこ行った?
次のシリーズもお待ちしてます。