阿津川辰海のレビュー一覧

  • 少女は殺人の夢を見る

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    少女は殺人の夢を見る
    阿津川辰海の短編集。ファンタジーミステリー。
    設定が斬新で面白い。阿津川辰海の作品は世界観に驚かされるものがいくつもあるが、今作も例に漏れず衝撃的な世界観だ。
    灯の紅茶を飲んだら彼女の夢の中に連れ込まれる。そして、彼女の夢で起きる事件を解決しない限り、巻き込まれた人達が目覚める事はない。
    一体どの様な結末を迎えるのか楽しみだ。


    第一話 第三の短剣
    主人公の獏田は大学一年生であり、「月夜のお茶の会」と言われる読書会、サークルに初めて参加する。そこで様々なジャンルに詳しい人達と一緒に課題図書になっているカーター・ディクスンの「第三の銃弾」について検討会を始める。読書会は灯の家である本屋夢見堂で開催されるが、彼女の入れてくれた紅茶を飲んだ途端、獏田は睡魔に襲われ、気がついたら自信含めサークルメンバーが配役された謎の世界で殺人事件に巻き込まれる。中身は検討会をしていた「第三の銃弾」にそっくりな内容で。
     読者も一瞬、訳がわからない状態に陥るが、羊と化した灯の父がこの世界について解説、いわゆるルール説明をしてくれる。余りにも突飛な展開だがそれでいてわかりやすく読みやすい。隠された剣の謎、リアクションが出来ない探偵役の獏田等、この設定でしか出来ない展開は見事。
     最後、灯の父が獏田に灯の夢を託す場面は、獏田の立場、灯の立場、父親の立場、それぞれ考えおかしくなってしまった。獏田にとっては入学早々、途方もないものをあてがわれた思いだろう(笑)。
     僕はカーの作品はほとんど読んだことが無かった為、残念ながら少しだけ談義にはついていけなかった。

    第二話 そして誰にも共感出来なかった
    クリスティテーマならきっと彼らとディスカッションする事が出来るなぁなどと思いつつ。いつの間にか父親と仲良くなっている獏田に笑ってしまう。
    今回も夢の中に誘われ、四人の登場人物が死んでいる中、獏田は警察役として登場、事件を推理することになる。
    今回は設定を巧みに利用し、メタ的な動機も入れながら推理が披露される。灯の夢の世界は探偵役が謎を解かなければ冷める事はないが、逆に捉えれば灯は解き明かす事の出来る謎を構築しなければならないという事になる。今回の様に導入でトラブルがあれば臨機応変に実現可能なトリックを構築しなければならないというルールは、後半の作品に不穏なものを残しそうだ。

    第三話 モザイク岬の謎
    お茶会も三回目となり、美也子にも灯の秘密がバレてしまったが、美也子は受け入れしかも灯の側につくと言い出す。お茶会のテーマはクインの「スペイン岬の謎」。
    自身、クインはまだ未読が多く、世界観を掴みきれてないで読み進める。死体が全裸であるかどうかに獏田は執着するが、序盤ではその意味を理解できなかった。後半につれて全裸かどうかが意味を持つ理由がわかる。納得のいく内容では有るが、登場人物がどうしも限られている為、少し物足りなさも感じる。ここに来て灯のキャラクターがイマイチわからなくなって来たなぁ。

    第四話 女死刑囚パズル
    今回は夢の中の事件に灯自身が被害者として登場する。テーマは法月綸太郎の「死刑囚パズル」。ホワイダニット(なぜやったのか)論争を獏田と力石が行っており、力石の主張は少し難しいが面白い考え方だ。
    灯の夢の中、冒頭から獏田は動機の部分を捉えているがあえて棚に上げて推理を進める。死刑執行の数分前に死刑囚が殺害されるのは何故か。何処か不穏な空気感がありつつ、死因などが明らかとなり、それを実行するためにどうすればと獏田の推理が進む。
    最後、結末が打ち明けられ、動機、ホワイダニットの部分についても真相が判明する。
    獏田の怒りはもっともだが、もっと残酷な真相を推理していた自分としては気の抜けた印象だ。

    第五話 三階の窓
    現実世界での話。力石の発案によりサークルで伝統だったリレー式小説を実施する事になったメンバー達。小説のスタートは力石、結末は獏田。獏田の一つ手前のパートは灯が担当し、彼女は堂々と「読者への挑戦状」を掲げる。
    獏田はメンバー達から受けた小説を見事に着地させられるのか。
    作中作のトリックは冒頭で違和感を感じ、ある程度見分けやすいものだった。他の作品と違い、サークルメンバーの人物描写がよく分かる一話。

    第六話 九角館の殺人
    「十角館の殺人」のオマージュがベースの様に見えるが、僕的には「暗黒館の殺人」の様相に似ていると感じた。今回はトリックとして灯の夢の様相が持ち出されており思考があったが、美也子の部分はもう少し引っ張っても良かった。
    (阿津川辰海は毒もある作家なので、平気でありそうな結末だったのだが)
    今回も獏田は灯の夢を理解し、彼女が組み立てた真相を炙り出す。(丑一叔父さんの登場によりある程度予測は出来る)
    結末は青春を感じる甘酸っぱい締め方(笑)

    全体的に面白かったが圧倒的に「毒」が欲しかった。
    麻耶雄嵩の「化石少女」の様な毒々しさや米澤穂信の「小市民シリーズ」の様な気味悪さのあるペアの方が作品の世界観に合っていそうだと思ってしまった。

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    2026年07月27日
  • 少女は殺人の夢を見る

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    東京大学に入学した獏田格は、読書サークル『月夜のお茶の会』の読書会に参加する。

    二年生の夢見灯の父親が経営している〈夢見堂〉で、彼女が淹れた紅茶を口にした途端、夢の世界へと入り込みそこで事件に巻き込まれてしまう。
    謎を解かなければ現実に戻れない…。

    名作そっくりの殺人事件に入り込んだ面白さにプラスされた趣向は楽しめる。

    うろ覚えだと少し入り込めない感もあったので、過去の名作をもう一度読み返したいと思った。








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    2026年07月27日
  • ルーカスのいうとおり

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    ネタバレ

    どう考えてもルーカスの仕業だけどどうやって人間が実行したのかを考える話なのかと思ったら、ルーカスがやってたという話で若干横転した。
    じゃあルーカスの中身は誰なのか、が重要だったのね。
    子供がちゃんと最後は疑いが晴れて良かった。

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    2026年07月25日
  • シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和

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    様々な書き手のシリアルキラー。特に好きだったのは櫛木理宇さんのお話でした。どこかバタードウーマンのような彼女の口角の上がる様を想像すると、ゾクリとしました。最後のタクシー運転手のお話も楽しく読めましたが、やや不完全燃焼でした。

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    2026年07月25日
  • ルーカスのいうとおり

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    ネタバレ

    父に捨てられてしまった「どろぼうルーカス」のぬいぐるみを河原で見つけたタケシは家に持ち帰ってしまう。父に取り上げられるが、翌朝机の上にはルーカスの姿が。ルーカスが現れてから、タケシの周りで不可解な出来事が起き始める…。

    これはジャンルとしてはなんなんだろう。ホラーっぽいミステリーと思って読んだのだけど、その分類で合っているんだろうか。
    たまたまだけど、『くますけと一緒に』から人形ものが続いている。方向性もちょっと近い。
    ルーカスはタケシの味方。タケシがつい口にしてしまった言葉に叶えようとする。なぜタケシの言葉だけを聞き、守ろうとするのか。ルーカスの正体は一体何者なのか。予想がつかず最後まで面白く読めた。

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    2026年07月23日
  • ルーカスのいうとおり

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    この作者さんの作品、作者さんの頭が良すぎて理解できない!!!!!!がほとんどだったんだけど、主人公が小学生だから児童書ホラーのようで分かりやすかった。

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    2026年07月09日
  • 蒼海館の殺人

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    面白かった。
    探偵が復活してくれてよかった
    犯人がいっぱい伏線を仕込んでて、
    実際に作動しなかった仕掛けっていくつくらいあるんだろうか

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    2026年07月07日
  • 蒼海館の殺人

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    ネタバレ

    2026.07.04

    名家の館 数十年に一度の水害 嘘つき家族 高校生探偵と助手 それぞれの過ち 復活 蜘蛛

    おどろかされたし綺麗にまとまったけど、うーんなんだろう、それだけなのかな。

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    2026年07月04日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    トータル面白かったという印象だけど、読んでないシリーズもの関連は当然わからないので知らないからあのオチにああ感じたのね成程、と解説読んで思ったり。
    紐、女子高、型取りが楽しかった。
    コピペ率たけーーーってのとああ二次創作だなってのの差がよく見えた1冊だった。

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    2026年06月29日
  • バーニング・ダンサー

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    特殊能力を持った警察官の話
    まだ読んだことがなかったが、続編が面白そうだったのでこちらを読んでみた流れ
    普通では不可能なことがありえるから、相手がどんな能力で何をしたか推測するところが他の小説では持てない印象を残した
    読後は、続編を読むならこれを読んでよかったかなという感想

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    2026年06月27日
  • あなたへの挑戦状

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    こんなミステリーの作り方あるんだ!
    っていう往復書簡的なミステリ。

    こういう家でおきたミステリ書いてほしい。

    犯人がなんで殺したあとに、死んだ人の隣で寝ることになったか、書いてほしい。

    ってざっくりお互いにお題出し合ってミステリ組み立てる。
    すごいね。

    これわたしもやってみたいな。

    なんで、この駐車場の真ん中にスニーカーが一つ落ちてるのか。

    まぁ、大体、ちょっと綺麗好きな運転手が落とした。
    いや、でも、もしかしたら、攫われそうになって被害者の靴が落ちたとか。

    でも、どうみても履き込んだ靴で、おじさんくさい。

    奥さんがムカついて片方ぶん投げた。

    右足だけ違う靴履いてきちゃって、サンダルに取り替えて買い物行った。

    靴買って帰ったら、どっちも右足だったから、ムカついてたくさん踏みつけて駐車場にぶん投げた。

    そうな、わたしの発想これくらいかな。

    いや、もう一つ、実は小人の家。

    ファンタスティック。

    とりあえず。館系ミステリー。
    水槽の難問。
    毎回思う、建築士一級の勉強中のわたしとしては、この建築物は建てるのは可能なのか?

    真ん中の部屋。避難出来なさそうだけど大丈夫か?確認申請では秘密裏に申請すんのか?

    とか。水道代半端ないんじゃ?
    とか?
    消防用水として使えるのかも。とか。
    水槽すごい厚くしないともたないよね。
    とか。
    もうね、色々考えた。

    なるほどなぁ。
    とは思った。
    そういうね。
    そういうオチなぁ。

    いろんな人のこういうの読んでみたいし、わたしもこれでミステリー作ってください。

    に、参加したいなぁ。

    #あなたへの挑戦状
    #わたしも出してみたい
    #誰か一緒にやらない?

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    2026年06月25日
  • 犯人はキミが好きなひと

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    特殊能力によって、犯人はほぼ確定状態で推理が進んでいく。それゆえのトリックや動機の妙が爽快。

    現場のフロア図だけでなく、事情聴取リストや整理された時系列の掲載も新鮮だった。小説で(図①参照)は初めてみた気がする。

    児童書のポプラ社が作る文芸誌に連載されていたとのことでライトめで、若年層向けなようだった。表現や描写をより一般向けにした重厚濃厚な版を読んでみたい。

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    2026年06月24日
  • 入れ子細工の夜

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    コロナ禍真っ只中、という設定を軸にした4つの短編。
    ハードボイルドから学生プロレスまで、幅広いジャンルを扱っていて引き出しの多さ(あるいは多くしようと試行錯誤する様)はすごいと感じた。

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    2026年06月23日
  • ルーカスのいうとおり

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    ネタバレ

    最初から得体の知れない存在にドキドキハラハラ。
    結局犯人はルーカスかいっ!といったツッコミも起きたが、タケシが大きく成長していく描写は読んでいて面白かった。
    けど意味ありげに登場した森親子が、もう少し絡んで欲しかったなと思った。

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    2026年06月22日
  • あなたへの挑戦状

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    あなたへの挑戦状。めっちゃ構えて読みました。
    ほう、そういう事でしたか!
    斜線堂有紀さんは娘の本嫌いを克服させてくれた作家さんで、この本も娘から借りました。どちらの作家さんも読みやすく、若者向けに感じました。後半はこの共同作品が出来る経緯を読むことができ、2人のファンはプラスで楽しめるのではないでしょうか。2人がおすすめしていた本も何冊かあるので、読んでみたくなりました。

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    2026年06月18日
  • あなたへの挑戦状

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    読み始める前は、
    期待感が高まってましたが…

    館系って、
    まあなんかしら館ならではの
    トリックがあるのだろうし、
    あまり日常感がないので、
    それほど好きではない。

    その上で、やっぱりという感じ。

    斜線堂さんの方は、
    以外な犯人を期待してしまいましたが…
    二人の微妙な関係性は良かったです。

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    2026年06月18日
  • ルーカスのいうとおり

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    人形がまさかの殺人鬼という設定、ホラーでした。
    意外に森くんがもうちょっと表に出まくるかと思いきやそこまででもなかったのと、タケシのお父さんが話の分からない人でイライラした笑

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    2026年06月12日
  • ルーカスのいうとおり

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    とある親子の物語。その子供が大好きな絵本のキャラクターのぬいぐるみも絡むファンタジーミステリー。活字で読むと、さらっと過ぎる場面も、映像化、特にホラー要素強めの演出をすると、結構、楽しめるかも。

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    2026年06月12日
  • 透明人間は密室に潜む

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    短編小説なのでしょうがないですが、ミステリー好きにはちょっと物足りなさが目立ちました。

    それぞれのお話の設定は真新しさがあり新鮮で、それぞれの特徴を生かして謎を生み出していたのが良かったです。

    透明人間のお話は面白かったので短編ではなく、長編にしてそれぞれの人間関係や心理描写などがもっときっちり描かれていればとても面白そうなのでちょっと残念でした。
    この作者さんの長編小説に挑戦してみようと思います。

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    2026年06月10日
  • シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和

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    2026/6/6
    いろんな殺人犯。
    アンソロジーは初めての出会いがあるからいいね。

    シリアルキラー vs 殺し屋/阿津川辰海
    殺人犯の攻防が面白い。

    脳JILL / 木爾チレン
    若い。一番わかるかも。

    テキストブック•キラー / 櫛木理宇
    最近、殺人犯の生い立ちについて書くことが増えたね。

    私の伴侶 / くわがきあゆ
    漁師が自殺体を引き上げてしまう...

    ご乗車の際は / 結城真一郎
    タクシー運転手。及川光博イメージ。

    でも、動機や殺人のルールが無理矢理に思えるものも多くてなんだかな。


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    2026年06月06日