あらすじ
大野探偵事務所の所長・大野糺が誘拐された!? 耳が良いのがとりえの助手・山口美々香は様々な手掛かりから、微妙な違和感を聞き逃さず真実に迫るが、その裏には15年前のある事件の影があった。誘拐犯VS.探偵たちの息詰まる攻防、二転三転する真相の行方は……。どんでん返しに次ぐ、どんでん返し! 新世代本格の旗手が描く、令和の新しい誘拐ミステリ。本当に騙されていたのは誰だ?
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Posted by ブクログ
めっちゃおもしろかった!
阿津川辰海さんの作品はコンプリートしているが、
『透明人間は密室に潜む』短編集のなかの1作、「盗聴された殺人」のあのコンビ復活とは!
そもそもこのお話し、設定たかなり特殊で、まさかシリーズ化できるとは思っていなかったので、うれしい誤算♪
しかも、シリーズものっていったらフツー、名探偵もワトソンも決まっていて、その安定感こそがウリではないですか。
なのに、あえてそこを切ってくる!
そして、さらに進化させてきた!
いやぁ……、何度もいってるけど、阿津川さんの頭ン中ってどうなってるんだろ……。
で、阿津川辰海の作品が読める時代にいて、超絶ラッキー!!
名探偵ものとしても新境地の実験作でありますが、
もちろん、誘拐ミステリとしてもすばらしい☆
現代において、誘拐という犯罪はほぼ成立しない、という難問に真っ向から挑み、がっつり解答を出してきています。
端的に言って、すごい。
ちょっとわたしにはムリだけれども、機動力と組織力がある人なら、たぶんこの方法で誘拐成功しちゃうかも?
前作の短編では、大野探偵所長がすごいなー、程度のお気に入りだったけれども、今回で、大野はもちろん、美々香の頭脳・プロ意識にしびれた! そして、ムチャしがちなこの2人のそばには、望田さんがいなければなりません!
構成としてはちょっとバタついてるなぁ、と気になる所はあった。こなれていないというか……、要素が多かったので仕方ないのかも。
ただ、そのぶん、ヒントが多く、伏線だらけで、犯人自体はかなり早い段階でわかります。
作者も、べつにそこは重視していない感じだし。
絶対シリーズ化する流れなので、今度の大野&美々香の進化に期待大!!
Posted by ブクログ
最後までワクワクしながら、楽しく読ませてもらった。
これから読む人は期待してほしい。
そして、読者はきっと最後に、信じていたものが覆される悔しさも味わうことになるだろう。
これも本格ミステリを読む醍醐味と言えるだろう。
Posted by ブクログ
探偵の大野糺が誘拐された事件と同時期に発覚した殺人事件、十五年前の誘拐事件に「犯罪請負人」を自称する誘拐犯・カミムラの恐るべき頭脳など魅力的な要素が詰め込まれた誘拐ミステリーで、知能犯カミムラVS警察&大野と相棒の美々香のワクワクする構図とフーダニット、類いまれなるどんでん返しに翻弄されっぱなしだった。「誘拐」が難しくなった現代でこれ程までに精緻な計画を立てるカミムラと大野&美々香がそれを看破して推理する姿も最高だった。
Posted by ブクログ
むちゃくちゃ面白かった。
そこそこ厚みあるのに一気に読んでしまった。
いやぁダマされた。
場面展開する毎に、謎が深まりとても良かった。
こーゆー謎の多いミステリーって時に、伏線回収が強引だったりするのに、本作はそう感じるものがなく、なるほど!そーだったのか!と膝を打つ感じで最後まで面白かった。
所長カッコよかったなぁ。
Posted by ブクログ
すごいすごい!たしかに『令和の誘拐ミステリー』だ!!
短編集『透明人間は密室に潜む』のなかの「盗聴された殺人」に登場した大野探偵事務所の面々の活躍が長編で読めるのが嬉しかった。
美々香の耳の秘密やちりばめられたトリック、ブラフ、ミスディレクション、そして真犯人の正体にいたるまで、阿津川辰海の引き出しってどうなってるんだろう……と思って至福のため息。
解説でもその読書量の多さをと引き出しの多さを絶賛されていたけれど、読書日記も積んであるからそちらも読み始めよう。(そして今、読書日記の二冊目が出ていることを知った。ぐぬぬ、楽しみが増えたではないか……嬉)
Posted by ブクログ
久々にコテコテの推理小説が読みたい!となれば阿津川先生だ!ということで手に取った一冊。誰が犯人か?に気を取られ、そっちに伏線を貼ってたかと驚きのクライマックス。ただ結構込み入ったトリックだったので、衝撃というよりは「なるほどねー」くらいの小驚きだったかな。とはいえ、このキャラクターたちの今後の活躍が観たい作品ではあったので、続編待ってます。
Posted by ブクログ
阿津川辰海の新作。ハズレが少ない作者の作品で安心して読める。相変わらず、作中に散りばめられた多くの伏線がクライマックスに向けて収束していく手腕は見事だなと思う。
Posted by ブクログ
誘拐の仕掛けについて早い段階で気づき、なんだ先が読めちゃったなぁなどと思い込んだのも束の間、それが序盤も序盤のジャブ程度の仕掛けで、その後にどんどん展開されるあれやこれやに、もはや伏線だったことにすら気がついてないオンパレードで、撃沈。透明人間は密室に潜む、を読んでいたから大野と美々香のコンビについてちゃんと認識した上で読んだけども、解説にも書いてあったけどまさかこのコンビでそんな話を展開しちゃうとは。とても面白かった。
Posted by ブクログ
久しぶりの阿津川さんミステリー。
現代で成功させるのは難しい誘拐という犯罪を、しっかり成立させてしまう阿津川さんはさすがでした。
文庫本で500ページ超えとなかなかのボリュームですが、ストーリーもわかりやすいし、構成もよく考えられていてとても面白かったです。
登場人物の大野糺と山口美々香のコンビネーションがとても良く、また続編を期待したいです。
普段ミステリーを読まない方にも読みやすい作品だと思うのでオススメです。
Posted by ブクログ
探偵事務所の所長、大野が誘拐された。助手の美々香は大野の家族と共に犯人からの連絡を受けながら、警察とともに謎を解いていく。それと同時におこる美々香の実家の問題には、探偵事務所所属の元カウンセラー望田が向かう。いくつもの方向から絡み合う謎が、やがてひとつの結末を描きだす。
物語の主人公は大野であり、望田でもある。そして、大野の弟も視点人物として描かれることが多いが、意外と美々香の視点はなくそこも印象的。
個性的な人物が多く、登場人物の多さの割にごちゃごちゃせず後半は一気読み。
個人的に阿津川作品は相性が良く好きな作品が多いので、それも含めて☆4で
Posted by ブクログ
推し作家、阿津川辰海の長編ミステリー!
前読んだ短編集で好きだったコンビの話ということで即買いしたけど、
やっぱりおもしろかった!
冒頭は「はいはいまた気取った奴が出てきたよ」と思ったけど、その悪役がまた魅力的でさ~最後の方ではかなり好きになった。容赦なく爪は剥がすけど。こえーよ。
犯人は誰かというより、どういう手順で!?っていうのが気になって気になってしょうがなかった。なので犯人が明らかになったときは特にふうん、って感情にしかならない。ていうか途中でなんとなく目星つくし。
それよりも二転三転する展開に思考がやられる。
そして最終的な真相が明らかになったとき、こりゃすげえわ……って感嘆。は~~室長と美々香コンビ大好き。辰海の考える天才像が大好き。
ところでこれシリーズ化しますよね?
Posted by ブクログ
こちらでの評判が良く、読んでみた。阿津川先生の作品は好きだ。
好きだけどこれはなかなか入り込めず日数がかかってしまった。
伏線が多すぎて違和感バリバリあり、その解決編がそんなでもなく。。。
勝手に期待しすぎた〜(*_*)
Posted by ブクログ
初めての作者さんでしたが、私にとっては推理バディものの新しい描かれ方でした。
誘拐される、という非日常に身を置きながらも持ち前の思考力・観察力・論理構成力で耳の良い同僚の美々香へ遠隔操作?指示出し?する大野所長の方がこの物語のキーマンに思えました。
最後、ちょっと謎解きが急ぎすぎている感があったのと、それぞれのキャラクター像が浅かったこと(結局怪しそうだったあの人はなんでもなかったのか、とか)説明口調の会話で終わり気味だったことが勿体なかったと感じます。
Posted by ブクログ
結構長かったけど、読みやすいし、誘拐事件ならではの臨場感・緊迫感があってついつい読み込んじゃうのですぐに終わりました。
犯人の動機やストーリー展開は割と普通な印象だけど、ミステリとしての仕掛け・伏線は結構楽しめたかな。みみかに関する謎が結果二重になってるのは、全く気づかなかったなぁ。
望田パートがもう少し本筋に絡んでくると深みが出たのかも。
弟が何故か一人称だったり、冬川刑事が現場にいるのに殆ど家族と一緒にいて何故か殆ど出番なかったり、川島や板尾が何故か苗字だけだったりするのが結構気になったけど、作者がミスリードさせようとしてた?だけなのかね。
カミムラの終わり方踏まえるとシリーズ化する流れだね。楽しみにしてます。