阿津川辰海のレビュー一覧
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めっちゃおもしろかった!
阿津川辰海さんの作品はコンプリートしているが、
『透明人間は密室に潜む』短編集のなかの1作、「盗聴された殺人」のあのコンビ復活とは!
そもそもこのお話し、設定たかなり特殊で、まさかシリーズ化できるとは思っていなかったので、うれしい誤算♪
しかも、シリーズものっていったらフツー、名探偵もワトソンも決まっていて、その安定感こそがウリではないですか。
なのに、あえてそこを切ってくる!
そして、さらに進化させてきた!
いやぁ……、何度もいってるけど、阿津川さんの頭ン中ってどうなってるんだろ……。
で、阿津川辰海の作品が読める時代にいて、超絶ラッキー!!
名探偵ものとしても新境地の実験作でありますが、
もちろん、誘拐ミステリとしてもすばらしい☆
現代において、誘拐という犯罪はほぼ成立しない、という難問に真っ向から挑み、がっつり解答を出してきています。
端的に言って、すごい。
ちょっとわたしにはムリだけれども、機動力と組織力がある人なら、たぶんこの方法で誘拐成功しちゃうかも?
前作の短編では、大野探偵所長がすごいなー、程度のお気に入りだったけれども、今回で、大野はもちろん、美々香の頭脳・プロ意識にしびれた! そして、ムチャしがちなこの2人のそばには、望田さんがいなければなりません!
構成としてはちょっとバタついてるなぁ、と気になる所はあった。こなれていないというか……、要素が多かったので仕方ないのかも。
ただ、そのぶん、ヒントが多く、伏線だらけで、犯人自体はかなり早い段階でわかります。
作者も、べつにそこは重視していない感じだし。
絶対シリーズ化する流れなので、今度の大野&美々香の進化に期待大!! -
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有栖川有栖、デビュー35周年記念トリビュート。
まず、こんなトリビュートが出来てしまうということ自体、驚き。すごい作家さんなのだと再認識した。
江戸川乱歩トリビュート、とかだったら分かるけれど、まだ生きている人で、現役活動中です。
トリビュートが成立するのはやはり、キャラクター的に完成された、そして知名度の高い、お馴染みの登場人物たちがいるからなのでしょう。
火村英生やアリスの、あんな、そんな、こんな、の性癖が再現され過ぎである。
【縄、綱、ロープ】 青崎有吾(あおさき ゆうご)
成り済まし度が半端ない。火村とアリスのいつもの会話から船曳警部の腹の出具合まで。
何より、オチの一言が素晴らしい。
縄、綱、ロープ・・・四番目に。
【クローズド・クローズ】 一穂ミチ(いちほ みち)
アリスと火村の会話に出てきた「朝井さん」って、朝井リョウ氏?
なるほど、作家アリスは、こういう女子高生の心理的あれこれは書かないかもしれない。
【火村英生に捧げる怪談】 織守きょうや(おりがみ きょうや)
ホラーを中心に活動しているという認識のあった作家さん。
確かに、火村にかかっては「怪奇現象」も必ず答えのある謎解き。しかし、ついに「私はお役に立てそうにありません」という答えを引っ張り出す。
【ブラックミラー】 白井智之(しらい ともゆき)
小説家志望のサラリーマンが、まんまと「真顔で的外れな浅知恵を披露してくる相棒がいないとものを考えられない」体質の、火村の推理の相棒に使われる。
【有栖川有栖嫌いの謎】 夕木春央(ゆうき はるお)
新人ミステリ作家の「私」が編集者とともに取材に行った岡山近辺の町が舞台。
有栖川有栖の本が、こんな使われ方をするなんて!!!
私も、「学生アリスの長編五作目」は待ち望んでいます。
【山伏地蔵坊の狼狽】 阿津川辰海(あつかわ たつみ)
地蔵坊のシリーズは読んでいないです、すみません。読まなくては!
【型取られた死体は語る】 今村昌弘(いまむら まさひろ)
江神二郎シリーズから貴重な一本!
推理研の五人のやり取りが楽しいが、先輩三人の卒業を目の前に控えていることを思うと、楽しいことはいつかは終わる、みたいな寂しさも感じる。
・・・と、気付かされた謎解きでもあった。
さすがはトリを飾る作品、こちらも成り済まし度が高し。 -
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ネタバレも~~~だいっすき!!短編集は辰海の突拍子もない大胆な話が堪能できるから最高。
「危険な賭け 〜私立探偵・若槻晴海〜」
四作の中だと一番ビミョーだったかも。またクセツヨな奴が最後に現れた。
「二〇二一年度入試という題の推理小説」
めっちゃ好き。大学教授の謝罪文(という名の言い訳)は思わず笑ってしまった。Twitterの変なやつもコイツだったのか!と思うと納得。
最後のオチがよかった。フィクションの謎は解けても、現実には飲み込まれてしまったか……。
「入れ子細工の夜」
行ったり来たりの推理が面白かった。結局どっちが犯人なんだ!?と思っていたら斜め上の展開に拍手。
「六人の激昂するマスクマン」
前回の短編集でも好きだったアイドルファンの話と似てる。これが一番好きだった。真相はすこし悲しかったけど、結論に至るまでの大学生のやりとりが小気味いい。最後のタイトル回収はお見事。
いやーおもしろかった。次はどんなクセのある話を読ませてくれるのだろう!
楽しみです。 -
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すごいすごい!たしかに『令和の誘拐ミステリー』だ!!
短編集『透明人間は密室に潜む』のなかの「盗聴された殺人」に登場した大野探偵事務所の面々の活躍が長編で読めるのが嬉しかった。
美々香の耳の秘密やちりばめられたトリック、ブラフ、ミスディレクション、そして真犯人の正体にいたるまで、阿津川辰海の引き出しってどうなってるんだろう……と思って至福のため息。
解説でもその読書量の多さをと引き出しの多さを絶賛されていたけれど、読書日記も積んであるからそちらも読み始めよう。(そして今、読書日記の二冊目が出ていることを知った。ぐぬぬ、楽しみが増えたではないか……嬉) -
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阿津川辰海の長編小説。
通常、未来視がテーマのミステリーは、未来視という能力をいかにミステリーとして組み込むかという部分が先走ってしまい、何かうまいことロジックにはめ込み、未来視とミステリーを融合させるパターンが多い印象がある。勿論、テーマが非現実的なため、作品の整合性を取るために無理をするから、ストーリーの中に歪みがうまれてしまい、少し残念に思う事が多かった。
今作においては、水晶を媒体にした未来視について、未知のテクノロジーの様な扱いにする事で(録画機器の様に)、作中に違和感なく能力をひろめ、それに対するルールの整備も一級品で、殆ど違和感なく、まるでビデオカメラの様に馴染んでいる。
そして、この事実がある事により、今作の犯人やトリック、動機、全てが作り上げられており、数多のミステリー小説の中でも飛び抜けて新しい体験を得る事が出来る。
(阿津川辰海は特殊な環境や能力を活用したミステリーが本当に上手い!!)
登場人物については、ちょっと物足りなさを感じる分があり、作中にてそれぞれ活躍はしているが、どうしても生き生きとして躍動感のようなものは感じることができなかった。人物描写が得意な作家も多いが、どのように書けば、まるで生きているかのような人物になるのかはわからないが、この作品で、もし登場人物に生き生きとした生命力を感じることがあれば、大傑作だったかもしれない。
もちろん、刑事の獅童や香島少年、赤司、青砥の兄弟に至るまで、彼らの存在感は大きいが、残念ながら「物語の登場人物」でしか無い。
ミステリーの部分はとても面白い。水晶のルールが過去、未来を超えてトリックを構成している為、理解するのが中々難しいが、把握していくと衝撃を受ける。とても現実的に組み立てられている為、破綻が無く、純粋に楽しめる作品だ(このトリックを推理した獅童刑事は予知能力者か何かかと笑ってしまったが)ネタバレになるので控えるが、犯人の動機や取り巻く環境等の設定も良かった。
しかし一方で登場人物達、犯人や被害者の内面、慟哭の様なものは読み取れず、それぞれの苦悩や葛藤が恐ろしい程描写されていたならば阿津川辰海の中でも1、2を争う作品だったのではと思う。
久しぶりに魅力的な設定のミステリーだった。
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ヒボさん推しの阿津川辰海さん。✧。・゚
お薦めして頂いた一冊目は『透明人間は密室に潜む』
なるほどദ്ദി^._.^)
四編のお話なんだけど、どの話もしっかりみっちりミステリー色満載で、個性が強い
本格的なミステリーは読み慣れていないのだが、短編とは言えない仕上がりで面白かった° ✧ (*´˘`*) ✧
表題の『透明人間は密室に潜む』
勝手に消えたり現れたりするイメージのある透明人間が、完全に消えるのに苦労するというのが意外
ここでは透明人間病が流行っているという設定
透明人間と完全犯罪
Pレディの「透明人間」の歌詞は、”つかまらないのが、透明人間なんです♪〜”だけど……??
(昭和でしたね^^;)
『六人の熱狂する日本人』
オタクを扱った法廷もの
アイドルグループのロゴが入った、どぎついピンクのTシャツに着替えて来た裁判員の一人
そこから、六人のオタク達の会話が炸裂していく様がコメディ
コールなどをせずライブを噛み締めるように聞く人を『地蔵』というらしい
私はオタクではないが、自分はまさしくそれだと知った笑
『盗聴された殺人』
耳の良さを特技にした助手と、そこからヒントを得る探偵が事件を暴く
探偵と助手のコンビがいい
耳が良過ぎると、聞きたくないものも聞こえてしまうんだね
『第13号船室からの脱出』
船の中での脱出ゲームが、本当の脱出ゲームになってしまった
話は一転ニ転、最後にほくそ笑むヤツは誰か?
いつも街中で見かけては気になっていた「リアル脱出ゲーム」
一人からでも小学生からでも楽しめるらしい
梅雨の時期、真夏の暑い時に室内で快適に楽しむにはいいかもしれない
この方の長編ものはまた違うのかな?
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収録作
「屋上からの脱出」 阿津河辰海
閉じ込められた深夜の学校の屋上から抜け出す方法を探せ
「名とりの森」 織守きょうや
入ると自分の名前を奪われる森から、親友を助け出せ
「鳥の密室」 斜線堂有紀
魔女として処刑される前に、塔の最上階から逃げ出せ
「罪喰の巫女」 空木春宵
不可解な仕掛けに囲まれた神社の秘密を解き明かせ
「サマリア人の血潮」 井上真偽
謎の研究上の出口を目指し、失った記憶を取り戻せ
どれも面白い話でした。物語を全て読んだ後にもう一度読んでみると「あっそういうことだったのか!」と気づかせてくれる作者にはもうやばいとしか言いようがないです(笑)また記憶を消してもう一回読みたいです。本当に面白い話だからぜひみなさんにも読んで欲しいです。