阿津川辰海のレビュー一覧

  • 透明人間は密室に潜む

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    ずっと気になっていたミステリ界においての最注目短編集。四つのお話が入っていましたが、どれも”普通ではない”本格ミステリでした。

    •「透明人間病」である彩子は、大学に忍び込み、教授室で新薬の開発目前である川路教授を殺してしまうが、夫を含めた数人がいきなりあらわれる。
    入り口は塞がれ、逃げることはできないという絶望的な状態、どうする??…「透明人間は密室に潜む」
    •あるアイドルオタク達が、ホテルで殺された。
    裁判制度で選ばれた一般市民の裁判員6人が評議を行う中、選ばれた6人は今回の事件のアイドルのファンであったり、旧友であったり、娘のように慈しんだ目線で見ていたりと、皆アイドルに何かしらの思いを

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    2025年06月07日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    海外ミステリの有名な名探偵たちを取り上げたパスティーシュ作品のアンソロジー&ブックガイド。子供向けのように思えますが、大人も充分に楽しめます。初心者向けのようでもあるけれど、ミステリファンにとっても読みごたえは充分にあります。読み終えたらさらにミステリを読み漁りたくなります。国内ミステリ版も出していただけませんでしょうか。
    お気に入りは水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」。他の作品は面白かったけれど、だいたい真相がわかったのですが。これだけぜんっぜん解けませんでした。ミス・マープルの脱線したかのような話がきちんと関わってくるところも見事だし。
    ブックガイドも古典的な定番を押さえているように見え

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    2025年06月06日
  • 蒼海館の殺人

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    前作より面白い。あの死体が出た時点でトリックは予想できたけど、相変わらずのディザスター系ミステリは面白い。前作から引き続き探偵とは、のテーマだが答えが出て覚醒する様は気持ちいい。

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    2025年06月02日
  • バーニング・ダンサー

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    ネタバレ

    【ネタバレなし感想】
    コトダマと呼ばれる超能力が100ある世界。コトダマを使った犯罪グループと、コトダマによる犯罪を防ぐための対策課との抗争の結末とは…?
    漫画のような展開で読みやすく、次回作も期待されそうな展開。











    【ネタバレあり感想】
    100のコトダマの概要の説明があった時点で、これは長期連載を狙っているのか…?
    途中の能力バトルは確かに面白かったが、もっと複雑に練られた展開がよかったな。
    結局は、「燃える」を使った犯罪グループの主要人物はコトダマ対策課の森嶋。家族を殺した「燃える」の能力者に復讐するために、「作り替える」?の能力を使って「燃える」の能力に偽装した。

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    2025年05月31日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    有栖川さんの作品では、作家アリスシリーズは別に好きではなく、学生アリスシリーズが大好物な私です。今をときめくミステリーの新鋭たちが有栖川さんの世界を舞台に小説を書き、その中に学生アリスがあると聞いて買ってしまいました。二次創作でも学生アリスと会えて嬉しかったです。でも、どの作品も魅力溢れる短編集となっていました。

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    2025年05月25日
  • 阿津川辰海 読書日記~ぼくのミステリー紀行〈七転八倒編〉~

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     相変わらずの読書欲。三宅夏帆さんと対談してほしくらい。
     読書日記であり、ブックガイドであり、研究書の趣もある。

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    2025年05月24日
  • ミステリー小説集 脱出

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    ネタバレ

    屋上からの脱出
    初心者に優しい〜!フックを作りつつも読みやすくて爽やかで、再現性がありそうなトリックがあって、シチュエーションが想像しやすくて、めちゃくちゃ脱出している。優しい。学校に天文台設備があるのいいな〜

    名とりの森
    所謂八幡の藪知らずってやつだ。好き!ただ、すわホラーか!?と席から立ち上がった瞬間から登場人物全員ド酷い目に合うかもしれないという過度な期待をしてしまったので読み終わった時にかなり反省しました。ホラーというより一夏の不思議な物語って感じだった。

    鳥の密室
    魔女裁判に関わる話は全部うっすら苦手なのかもしれないという気づきを得た。原液を飲むことによって、今まで触れてきた魔女

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    2025年05月22日
  • 録音された誘拐

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    探偵事務所の所長、大野が誘拐された。助手の美々香は大野の家族と共に犯人からの連絡を受けながら、警察とともに謎を解いていく。それと同時におこる美々香の実家の問題には、探偵事務所所属の元カウンセラー望田が向かう。いくつもの方向から絡み合う謎が、やがてひとつの結末を描きだす。

    物語の主人公は大野であり、望田でもある。そして、大野の弟も視点人物として描かれることが多いが、意外と美々香の視点はなくそこも印象的。
    個性的な人物が多く、登場人物の多さの割にごちゃごちゃせず後半は一気読み。

    個人的に阿津川作品は相性が良く好きな作品が多いので、それも含めて☆4で

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    2025年05月20日
  • 入れ子細工の夜

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    全編別の趣向を揃える短編集というのに、前回同様脱帽。もちろんお気に入りは、入試が謎解きになっちゃう「二〇二一年度入試という題の推理小説」。「六人の激昂するマスクマン」も阿津川辰海の上手いパターンだよね。ジャイロ面白いことやってるんだな〜。

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    2025年05月18日
  • 黄土館の殺人

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    緻密でないものを緻密に捜査していく構図になっているのがたいへん面白かった がんばるワトソンがみれます

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    2025年05月18日
  • あなたへの挑戦状

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    阿津川辰海と斜線堂有紀がお互いに事件の謎を提示してその解答をお互いが作り上げる競作を有名な2人がするという贅沢な本があっていいんでしょうか笑
    阿津川辰海の水槽城は館シリーズを彷彿とさせる特殊な建物の時点で期待が高まっている中、ここの中に犯人と被害者がいる、とかこの2人は犯人ではない、など読者が謎を解いていく上で解決のサポートが行われているからこそ絶対に解いてやろうと思いました。3回くらい読み戻しながら考えていい線までいけましたが私は名探偵にはなれませんでした!笑
    斜線堂有紀のありふれた眠りは、美術を志す人が設定になっていて、美術科を受験したことのある自分からしたらテンション上がらないわけないで

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    2025年05月16日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    有栖川有栖デビュー35周年企画。
    レジェンド作家へのリスペクトを胸に、気鋭の人気作家が執筆した、豪華トリビュート。


    2024年が有栖川有栖さんのデビュー35周年という事で、その記念企画で豪華作家陣が一堂に会したトリビュート・アンソロジーです。
    ひと言でいうと、めっちゃ豪華な有栖川有栖作品二次創作アンソロジーって感じ。

    それぞれの作品も、前情報なく読んだらご本人の作品だと思わず考えてしまうような「完コピ二次創作」から、ホラーミステリ、ダークな雰囲気と作家さんのカラーがしっかり出たものまで。バラエティに富んでいて面白い。

    個人的なお気に入りは、作風の完コピに徹した青崎有吾さん『縄、綱、ロー

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    2025年05月14日
  • ミステリー小説集 脱出

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    「罪喰の巫女」が一番良かった。人間二人の一人称をどちらも「私」にし、所々回想を挟むことによる撹乱。これから犯す罪まで見通し、実行されなかったことにしてしまう巫女の能力。
    「鳥の密室」も拷問の描写がピカイチですね。もちろん褒めてます。

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    2025年05月13日
  • 透明人間は密室に潜む

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    館シリーズから作家さんのファンになりました!
    透明人間が起こす殺人事件。普通の人間だったら絶対にやれないトリックだからこそ面白みがありました。しかも特殊設定だからこその動機も含まれることでちゃんと深みのある物語になっているのが短編なのに驚きです。
    打って変わって裁判員裁判の話は笑えてしまいました。こんなポップな話も作れるなんて頭の切り替えが楽しすぎます!
    全部で4作入っていますが、表題作が1番好きでした。
    最後の話はそれぞれが相手の行動の裏の裏をかいていく頭脳戦にも見えてきて、頭のいい人達の思考回路がなんでそうなるのかと面白かったです。1番ミステリーっぽいのは最後かな?
    それぞれがどこか特徴的

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    2025年05月08日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    半分ほど、読んだことある先生がいらっしゃった

    有栖川有栖先生のファンなので、これは!と読んでみたらあらまぁ、なんて豪華なアンソロ!!
    とても面白かった

    特に「完コピ」をめざした青崎先生の
    縄、綱、ロープ
    1番すきだった
    読みながらあー、有栖川有栖の世界だなぁと
    あとがきで完コピ二次創作との記載をみて
    なるほど、やっぱり、さすが
    と思いました

    主に火村先生シリーズだったけど、
    今村先生の
    型取られた死体は語る
    の学生アリス、江神さんもよかった
    懐かしいメンバーの名前に学生アリスシリーズを読み返したくなった

    有栖川有栖先生のファンと言いながら全て読破してるわけではないので、心霊探偵気になる

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    2025年05月06日
  • 黄土館の殺人

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    緻密なトリックと重厚な人間ドラマが魅力的だった。
    元名探偵・飛鳥井はシリーズ第2巻の葛城をどことなく思わせ、彼女がどのような役割を果たしていくのかも興味深かった。
    前2作に比べて複雑な感じはしたが、本格ミステリとしても、登場人物たちの成長物語としても満足度の高い小説だった。

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    2025年05月05日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    作品にあまり触れたことはなかったが、十分楽しめる内容であり、最後の解説と合わせて満足度の高い一冊だった。

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    2025年05月04日
  • 紅蓮館の殺人

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    山火事が迫る館での脱出ミステリー。ひと癖もふた癖もある人物たち。それぞれの秘密が絡み合い、読むうちにサラリ、またサラリと解かれていく。館ミステリーらしい仕掛けもあり、謎解きとしても楽しめました。
    それ以上に、最後まで繰り広げられる探偵達の生き方と苦悩。なかなか新鮮でした。
    新しい探偵に出会えて、彼らが気になるので次も読みたいと思います!

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    2025年04月29日
  • 録音された誘拐

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    ネタバレ

    推し作家、阿津川辰海の長編ミステリー!
    前読んだ短編集で好きだったコンビの話ということで即買いしたけど、
    やっぱりおもしろかった!
    冒頭は「はいはいまた気取った奴が出てきたよ」と思ったけど、その悪役がまた魅力的でさ~最後の方ではかなり好きになった。容赦なく爪は剥がすけど。こえーよ。
    犯人は誰かというより、どういう手順で!?っていうのが気になって気になってしょうがなかった。なので犯人が明らかになったときは特にふうん、って感情にしかならない。ていうか途中でなんとなく目星つくし。
    それよりも二転三転する展開に思考がやられる。
    そして最終的な真相が明らかになったとき、こりゃすげえわ……って感嘆。は~~

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    2025年04月28日
  • 入れ子細工の夜

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    前作の透明人間より断然好みな短編集(4話)でした!
    ミステリ好きにはたまらない古典(クイーンなど)〜現代(有栖川など)ミステリの知見が多く非常に捗りました!
    2話目の「ミステリの謎解き問題」が入試問題として出題される話が特に面白く星5でした!
    阿津川先生もミステリ大好きなんだろうなと感じさせられる一作です。

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    2025年04月28日