阿津川辰海のレビュー一覧
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新旧含め話題のミステリ作家が定番の名探偵を使って短編を書き、杉江松恋がミステリ論を展開する入門書。最近のミステリのみを読んでいる大人にも超おすすめの一冊です。なんとなくスルーしている昔の定番名作も紹介されていて、読みたい本が増える危険な一冊でもあります。ルビあり、229ページ。中学年ぐらいから大丈夫ですが、多くの子が読めるようになるのは高学年くらいからかなぁ。各中表紙に探偵挿絵あるのと、ミステリ論ごとに四コマまんがあり、手に取りやすくなっています。紹介される小説は完全に大人向け。
「パブリック・スクールの怪事件」 楠谷佑
ホームズとワトソンが男子寮で起こった事件を解決します。
「アルセーヌ・ル -
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特殊設定かつ本格。なに食ったらこんなの考えつくんでしょうか、ただただ圧巻です。
未来視を完全に現実離れした存在にさせず、プライバシー問題や利権問題など「本当にそんな力があったらそうなるかも」と思えるようなところに着地させてるから、地に足をつけて読めました。
「そんなピンポイントでポンポン見られるものなのか?」とは正直思いましたが、未来視は小説でも漫画でも多少ご都合主義にしないと扱えないものだと思ってるのでそこまでノイズにはならずに済みました。いずれにせよトリックは正統派本格ミステリって感じだったので大大満足♪
それにしても、特殊設定と本格、どちらの味も殺さず両方を100%引き立たせてるのが -
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ネタバレ●蜘蛛といい認知症の祖母といい、京極夏彦の絡新婦の理に影響を受けている今作。絡新婦は蜘蛛の存在を感知しつつもそれを止められずどんどん人が死んでいくドキドキがあったが、こちらは既に全員死んだ後に蜘蛛というワードが出て来たのでイマイチ入り込めなかった。蜘蛛すごい蜘蛛すごいと言われても入り込み難い。絡新婦の理を読んでいなかったらドキドキできたかも?
○爆弾と避難民のトリックは特に良かった。
●一方で、探偵の都合のいい解釈がちらほらあったの、そこはもう少し詰めて欲しかった。誘導する際のシリンジの赤い線の発言は言い方に違和感があるし、あげたスマフォなのだから付いていて当然の指紋をわざわざ拭いたり、序盤か -
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・青崎有吾・阿津川辰海・伊吹亜門・似鳥鶏・真下みこと、が15作のミステリーを2ページ以内で紹介した本。つまり、全部で75作。かなり、危険な本です。何故なら、読み終わると読みたい本が増えているから。悲しいことに、75作中、既読は一割位でした。お勧め文も勿論楽しめるので、ミステリー好きなら★5なのでは?
本の紹介がすごく上手だなぁと思ったのは伊吹亜門さんで、読んでて面白かったのは似鳥鶏さんで、読みたい本が多かったのは真下みことさんです。
さあ、これから、家みたくなった本をメモらなくては……。
大人の本の紹介なので、高校生くらいから。中学校以上。
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ずっと気になっていたミステリ界においての最注目短編集。四つのお話が入っていましたが、どれも”普通ではない”本格ミステリでした。
•「透明人間病」である彩子は、大学に忍び込み、教授室で新薬の開発目前である川路教授を殺してしまうが、夫を含めた数人がいきなりあらわれる。
入り口は塞がれ、逃げることはできないという絶望的な状態、どうする??…「透明人間は密室に潜む」
•あるアイドルオタク達が、ホテルで殺された。
裁判制度で選ばれた一般市民の裁判員6人が評議を行う中、選ばれた6人は今回の事件のアイドルのファンであったり、旧友であったり、娘のように慈しんだ目線で見ていたりと、皆アイドルに何かしらの思いを -
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海外ミステリの有名な名探偵たちを取り上げたパスティーシュ作品のアンソロジー&ブックガイド。子供向けのように思えますが、大人も充分に楽しめます。初心者向けのようでもあるけれど、ミステリファンにとっても読みごたえは充分にあります。読み終えたらさらにミステリを読み漁りたくなります。国内ミステリ版も出していただけませんでしょうか。
お気に入りは水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」。他の作品は面白かったけれど、だいたい真相がわかったのですが。これだけぜんっぜん解けませんでした。ミス・マープルの脱線したかのような話がきちんと関わってくるところも見事だし。
ブックガイドも古典的な定番を押さえているように見え -
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ネタバレ【ネタバレなし感想】
コトダマと呼ばれる超能力が100ある世界。コトダマを使った犯罪グループと、コトダマによる犯罪を防ぐための対策課との抗争の結末とは…?
漫画のような展開で読みやすく、次回作も期待されそうな展開。
【ネタバレあり感想】
100のコトダマの概要の説明があった時点で、これは長期連載を狙っているのか…?
途中の能力バトルは確かに面白かったが、もっと複雑に練られた展開がよかったな。
結局は、「燃える」を使った犯罪グループの主要人物はコトダマ対策課の森嶋。家族を殺した「燃える」の能力者に復讐するために、「作り替える」?の能力を使って「燃える」の能力に偽装した。
一