【感想・ネタバレ】怪盗うみねこの事件簿のレビュー

あらすじ

海辺の町に“価値のないものだけ盗む”怪盗「うみねこ」が現れた。数々の不思議な盗難事件を、きみは解くことができるか?

海辺の町で起きる連続盗難事件。
盗まれたのは「使いかけの消しゴム」「ちぎれたミサンガ」「ペットボトルのキャップ」……どうして、それが欲しいんだ!?
価値のないものばかり狙われる奇妙な事件の犯人は、“伝説の怪盗”……!?

小学6年生のケンはうみねこ町に住むいとこ・ヒサトが「伝説の怪盗うみねこ」を調べているのを知り、調査を手伝うと申し出た。
ところがそんな矢先、ケンが手に入れた図書館のリサイクル本が、伝説のはずの怪盗うみねこに盗まれてしまった!
犯行現場はヒサトの家の居間。みんなが本から目を離した、ほんの一瞬の出来事だった。
いったいなぜ狙われた!? そして、どうやって盗まれた!?

ケンとヒサト、そして同級生のカオリの3人で怪盗うみねこを追う!
そんな三人をあざわらうかのように、次々に起こる盗難事件!

価値のないものがなぜ盗まれるのか。その驚きの真相を、きみは見抜くことができるか!

本格ミステリ界の新進気鋭の旗手・阿津川辰海による、自身初の「子どものための謎とき小説」。
アッと驚く展開の連続に、ミステリ好きはもちろん、ふだんあまり読書をしない子でも、夢中で楽しめます。

<目次>
第一話 冒険のはじまり
第二話 図書館の除籍本を盗め
第三話 太鼓のばちを盗め
第四話 季節はずれのこいのぼりを盗め
第五話 こわれたおもちゃを盗め

阿津川 辰海(アツカワタツミ):1994年、東京都生まれ。東京大学卒。作家。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」から『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。『透明人間は密室に潜む』が「2021本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング1位。作品に『録音された誘拐』『阿津川辰海・読書日記 かくしてミステリー作家は語る〈新鋭奮闘編〉』『入れ子細工の夜』『星詠師の記憶』『透明人間は密室に潜む』『紅蓮館の殺人』『蒼海館の殺人』『バーニング・ダンサー』など多数。新進気鋭の本格ミステリ作家として高い評価を得ている。

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Posted by ブクログ

良かった良かった。
いわゆる子ども向けですが、大人が読んでも満足出来る作品です。
連作でなおかつわかりやすい表面とわかりにくい裏。
子ども向けだからのわかりやすさと大人に向けたミステリ的面白さ。いいね。
3055冊
今年283冊目

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

怪盗うみねこの事件簿
阿津川辰海の児童向けミステリー。
海辺の町、うみねこ町で発生する奇妙な盗難事件。伝説の怪盗うみねこの謎に小学生のケン、ヒサト、カオリの6年生トリオが挑む。

児童向けと侮るなかれ。そこは阿津川辰海。あっさり味もしっかりと楽しむ事が出来る。

児童向けという事もあり読みやすく整理されていれる。作風もほのぼのした雰囲気がありながら、所々でピリピリ感があり、飽きる事なく読めた。
当然、余りにも衝撃的な結末や、筆者得意のどんでん返しは少ないが終幕にて驚きを孕んでおり、続編があれば読んでみたいと思た作品だ。

世界観ぎ見事で、うみねこ町が実在している様な気持ちになるし、大人が読めば小学生時代のノスタルジーを、子供達が読めば「冒険活劇」としての面白さがある。登場人物が限られており、「犯人当てミステリー」としては子供目線でも物足りない。
ケンという主人公についてはとても好印象であり、従兄弟のトーヤ、ヒサト、ヒサトの友人のカオリのキャラクターも素敵だ。少しトーヤを変わり者にしすぎている印象があるが、小学生から見た大学生は実はこんなものだろう(笑)

各編が連結した作品であり、うみねこ町で起きる幾つかの盗難事件を題材にしている。盗まれるものは価値のない様なものばかり、何故そんなものが盗まれるのか、何故依頼者は盗んで欲しいと望むのか。大人目線でいれば「鯉のぼり」の事件は明らかな犯罪だろうという事は置いておき、小学生にとっては途方もない事件を楽しむことができる。

 ケンが「xの悲劇」と出会い、難しいながも熱心に取り組んでいたが、自身も同じくらいの年代で江戸川乱歩の「人間豹」に取り組み、それを理解できなくても読んでいることに誇りを持っていた事を思い出した。今作は6年生が大人に見える世代が読むのだろうと理解しつつ。だいぶあっさりと優しいミステリーである。
 阿津川辰海のファンとしては、彼らが大人になり、とんでもない事件に巻き込まれる世界線も見てみたいと思いながら。なんて邪な考えだろうと反省している(笑)

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2025年11月01日

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