阿津川辰海のレビュー一覧

  • 紅蓮館の殺人

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    ネタバレ

    迫りくる山火事と逃げ場のない崖に囲まれた館に閉じ込められる人達と、そこで怒る奇妙な殺人事件。「館」ものであるが故にあるあるな流れかと思ったが、「探偵」と「元探偵」がこの閉ざされた空間に揃い、過去と現在が絡まりあって展開されていくストーリーは面白くて一気読みをしてしまった。ただところどころ荒というか、読んでてモヤモヤの残るところがあるのが残念(シリアルキラーと因縁の深い元探偵が、保険会社の職員と顧客として出会うとかアリかな〜…)
    お気に入りキャラは、美登里ちゃん。嫌な予感はしてたけど、生きててほしかったなあ

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    2025年09月28日
  • 最後のあいさつ

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    30年前の国民的刑事ドラマ『左右田警部補』の最終回目前に主演俳優の雪宗衛が妻殺しの容疑で逮捕され、打ち切りとなる。
    雪宗は、役柄さながらに真犯人の正体を暴く推理を披露して、無罪を勝ち取るが、時を経て同様の手口の殺人が確認され、当時の関係者が再び…

    謎が多い雪宗衛を知り本を書くために作家の風見が、友人の小田島の協力の元、動き出す。

    トリックもありながら最後にはきっちりと伏線回収するまでとても楽しめたが、雪宗衛の人柄に好感を持てなかった。
    もう少し惹きつけられるものがあったら…と。

    読み始めからあるTVドラマが思い浮かび、勝手に想像していたが、主要参考文献を見てやはりと思うところもあり…だか

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    2025年09月17日
  • 午後のチャイムが鳴るまでは

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    いや、青春だな。
    バカげたことを出来るのも高校生の特権。
    昼休みを存分に満喫する高校生がほほ笑ましかった。

    そして、一冊の構成と人物の描き方が面白い。
    複雑な展開図が、一瞬で美しい立体に組み立てられたような驚きがあってお見事だった。

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    2025年09月16日
  • 蒼海館の殺人

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    電子書籍だと厚さがわからないのですが、ボリュームや緻密に練られた展開で読み応えがありました!
    ミステリー作家って本作の犯人のような思考がありそう。しっかり踊らされました。
    主人公コンビのもどかしいというか青臭さも健在で、もう狙っているのかなと。

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    2025年09月15日
  • バーニング・ダンサー

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    ネタバレ

    連続ドラマを見ているようなストリートだった。
    面白くてどんどん惹き込まれていったのに、最後の最後が…。
    結局"コトダマの力"が欲しいためだけに殺人を犯すとなると、今までの話が途端にチープなものに見えてしまった…。

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    2025年09月14日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    ネタバレ

    楠谷佑「パブリック・スクールの怪事件」
    辻真先「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」
    斜線堂有紀「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」
    水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」
    青崎有吾「シチリアオレンジジュースの謎」
    阿津川辰海「オムレツは知っていた」
    福田和代「南洋のアナスタシア」

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    2025年09月14日
  • 最後のあいさつ

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    装画の2人は左右田、夕桐?風見、小田島?雪宗の場面場面の心理描写が多才で凡人には理解出来ませんでしたが引き込まれ最後まで夢中になりました。古畑シリーズもこんな感じだったのかなと故田村正和さんを偲びました。これも実写化して欲しいけど雪宗さんは誰が演じるのでしょう?なるほど色んな人の感想読むと水谷豊さんか!納得!奥さんもあの人か!ふむふむ、民放は低迷してるのでネトフリでやるのかなぁ?
    そして欲を言えば遠野シアタールームの見取り図も欲しかった〜。阿津川先生の館四重奏シリーズの4弾目も早く出るのを期待してます。

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    2025年09月09日
  • 最後のあいさつ

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    最後のあいさつ
    阿津川辰海の長編ミステリー。
    彼の作品は余す事なくオリジナリティに溢れていて殆どの作品を読破しているが、今回も巧妙だった。
    単純に殺人事件に対して犯人は誰か、動機は何かという事を超越し、一人の仕事人の狂気に飲み込まれた瞬間を描いている。
    モデルは某有名刑事ドラマだろうと推察でき(巻末の出典にも情報がある)個性的な名刑事を演じる俳優が筆者にはどこか恐ろしく映っていたのだろう。この様な設定に飛躍する感覚が恐ろしい。

    作中、様々な人物が登場するが、残念ながら人物描写はあまり上手ではない。背景的なものが見え難く、風見や小田島の心象もあまり見えなかった。特に風見に対しては物語中盤以降、

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    2025年09月08日
  • 蒼海館の殺人

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    「紅蓮館の殺人」の続編。
    学校に来なくなった名探偵葛城に会うために、葛城の住む青海館へ。そこには政治家の父、物理学者の母、警官の兄、モデルの姉、弁護士の叔父など名士ばかりの葛城一族が顔を揃えていた。
    台風の接近による激しい雨により、河川は氾濫し、青海館は孤立。徐々に水位も増していく中、連続殺人の幕が上がる。
    葛城一族は誰もが嘘をついている・・・
    といったあらすじ。

    台風により出来上がるクローズドサークル。顔の無い死体。他殺なのか、自殺なのか。登場人物の誰もが嘘をついている。
    ミステリー好きにはたまらない設定ですね。

    しかし、所々に都合が良過ぎてツッコみたくなる所や名探偵の中二病満載の推理披

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    2025年08月30日
  • 蒼海館の殺人

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    シリーズ第1作の「紅蓮館の殺人」はちょっといろいろ詰め込みすぎなミステリだなと感じていたのだけど、本作を読んで、その詰め込み感が狙いなのだと理解しました。なんだか癖になる本格ミステリです。

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    2025年08月29日
  • 録音された誘拐

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    探偵事務所のバディ2人とも有能でスカッとする。
    最初の方はあまり入り込めなかったけど最終的には読みやすかった。

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    2025年08月25日
  • 紅蓮館の殺人

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    京大ミス研出身作家に対抗するかのような東大ミス研出身の若手作家。館四重奏シリーズの第1作とのこと。本当に対抗してるね。こういう話に挑戦して、それなりにものにしてるのが凄い。次作も読みます

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    2025年08月25日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

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    人気ミステリ作家たちによる有栖川有栖作品のトリビュート短編集。
    恥ずかしながら有栖川有栖作品をほぼ読んだことがなかったのですが、この短編集のあまりのクオリティの高さに本家もぜひとも読まねばとなった次第。
    中でも、青崎有吾「縄、綱、ロープ」は本格ミステリのお手本のような短編。犯人が被害者を拘束するために使用した証拠品として縄、綱、ロープとそれぞれに対応した容疑者が浮かび上がり、そこから鮮やかな解決をつけるだけでなく、キレイなオチまでつけてしまうところがあまりに見事。
    もう一つ、白井智之「ブラックミラー」も容疑者が一卵性双生児で、2人の共犯によるなりすましが疑われる本格的なアリバイ崩しもの。本格で

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    2025年08月22日
  • 最後のあいさつ

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    作家の風見が次作の題材に選んだのは30年前、人気刑事ドラマのシーズン7最終話目前で起きたスキャンダルだった。
    なんと主演俳優が妻の殺害容疑で捕まり、その後の記者会見で"真犯人"を指摘してみせたのだ。その一連の事柄をネタとするため、風見は相棒とともに取材をはじめる─

    というミステリ。おもしろかった!
    "殺人"にまつわるトリック、ロジック自体はわりと普通の範囲なんだけど、物語自体を読ませるパワーがすごくあった。キャラも魅力的で、人物を描写するための小さなエピソードに良いものがいくつもあった。
    また詳しくは触れないが「風見」について、最後まで明かされない、物

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    2025年08月22日
  • 録音された誘拐

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    盆休み。
    一気読み。
    名探偵感が、楽しい。
    重要な文には、アクセントマークがあって、そこが目に入ると、ワクワクしたな。
    続篇あるのかな?

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    2025年08月16日
  • 名探偵は嘘をつかない

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    ★3.5です。
    探偵ミステリーにファンタジー要素が組み込まれた変わり種。
    殺人事件の被害者が霊として、また現世に別人として転生して転生して、事件の真相究明に絡んでいくという、独特の構成。
    分かり易い伏線がチラホラ散りばめられており、どのように解決されていくのかと読手の推理想像を掻き立てられます。
    ファンタジーの矛盾を気にせずに読み進めると楽しめると思います。

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    2025年08月14日
  • 透明人間は密室に潜む

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    透明人間視点で描かれる苦悩などに共感できるはずもないが共感してしまう、不思議ミステリー。読後感も人が死んでいるのにコミカルな気がする。面白かった

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    2025年08月12日
  • 透明人間は密室に潜む

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    それぞれ趣向の違う4作が楽しめる。
    1作目では、透明人間がいる社会のディテールをしっかり設定しており、現実離れした世界観でも興味深く読むことができる。
    4作目では、謎解きゲームと実際の事件が同時進行する展開が珍しく、面白い。さらに登場人物同士が頭脳戦を繰り広げており、真の黒幕は…?という点でも楽しめる。

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    2025年08月08日
  • 午後のチャイムが鳴るまでは

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    学生時代の、昼休みの開放的な雰囲気と馬鹿なことに賭ける熱量。青春物語としてもおもしろいのに、世界が反転するミステリとしても見事な切れ味。「賭博師は恋に舞う」の駆け引きには息を呑む。
    些細なことでも快刀乱麻を断つが如くの名探偵キャラの振る舞いは、「小市民」の小鳩くんにも通じるものがあるのに、こうも生き方が異なるものか…

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    2025年08月03日
  • バーニング・ダンサー

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    ドラマSPECがやりたかったとのことですが
    これはジョジョなのでは…w
    平坦過ぎるとか文句はありつつも相変わらず上手い
    まあ、続編あるでしょう
    漫画かゲームどっちか偏見ないならなお良いのでは
    あの世界感で読者を楽しませようと書かれているのがいいです。設定考えてる時ニタニタしてたんだろうなあ。ただ平凡な僕が能力説明地点で予想してしまった展開そのままだったので次回たのんますよ
    (スパイクソフトファンとか本当そうだと思う)

    なんか僕阿津川さんに今までも煮え切らないこと色々書いてますけどすんごい好きな著者なんでそこんとこよろしこ

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    2025年08月02日