白井智之のレビュー一覧
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『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。
強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終わった瞬間、ほわ〜!と感嘆の声が出て、脱力するほどでした。
『誰も読めない』は、読み始めは方言になれなくて、読むスピードと意味を汲み取るスピードが合わずに少し苦労しましたが、途中から気にならなくなるほど引き込まれてドキドキしました。最後は、良かった〜!と安堵。クライマックスへの引き込まれ方が凄かったです。
決断がテーマ、という意味では、青山美智子さんの『授かり物』が、あまり将棋慣れしていない私には一番親しみやすく、また、決断に対しての心の流れに共感して最後は少しウルウルしました。
全体を通して、将棋の世界の厳しさと奥深さにも触れられて、とても興味深く感じた短編集でした。 -
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ネタバレ読んでいる途中、細かい何気ない描写のあれもこれも伏線なのではないかと思いながら頭に叩き込んでいた。推理作家たちが集まっているおかげで種類豊富な推理がどんどん披露されていき、その過程で伏線が回収されていた。すべて意味のある描写だったんだと思うと、どんな風にこんな話を考えつくのだろうと不思議な気持ちになる。
いろいろと露骨な話になってくるし、蘇る死者たちに初めは驚いたけれど、なぜかすんなり受け入れて読めてしまった。死んでいることが自分の強みだとか、死者に大真面目に問診しているシーンで笑ってしまったりして、コメディ要素もあって楽しめた。
みんながこれだけ夢中になった、晴夏という人間のことがもっと知りたくなってくる。父親との関係性について、いつなにが原因で死んだのか、推理作家ばかりを狙ったのはなぜか、みんながこれほど夢中になる魅力とは。
ラスト以降の作家たちの行方も気になる。本物の作家である饂飩や沙希はこれまで通りに生計は立てられるかもしれないけれど、人前に顔を出す必要がある牛男には前途多難だ。人物描写にも魅力があったのでついみんなの今後を心配してしまった。 -
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短編ミステリーをサクッとなおかつ簡単に読みたい時にはいい本だと思います。
6つのミステリーの内4つは比較的すんなり謎解きできて達成感はありました笑
普段読まない作者さんの作品に触れれた機会でもあるのでここから関連して新しい本当の出会いもできるので楽しいです。
複雑なミステリーを求める方には物足りないかな…?
「はい、ここまでのヒントで解いてください!」って感じが好奇心で先に進んでしまうよりも強制ストップをかけて頭に残りやすいです。
米澤穂信さんが気になって手に取りましたが、小市民を名前は認識していましたが読んだことがなかったので、もし前知識として持っていたらより世界観が頭に浮かんで楽しめたかもしれません。でも世界観も好きですし、面白かったです。
東川篤哉さんの作品はもちろん好みもあるかと思いますが、世界観が好きではなかったです。もちろん「謎解きはディナーのあとで」は当時ドラマで見ていて好きでしたが、映像だったから良かったのかも…
格作品、しっかり読み込んだのでまた記憶が薄くなった時に謎解きを楽しみたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこっちもだんだんと白井智之に慣れてきたので『犯行後に結合した』というところまでは予想がついた。
今回は「オナコが女性でかつ生きていたら」というファクターから多重解決につながっていくわけだけど、性別の叙述トリックがなくても一応密室殺人とアリバイのトリックについては説明がついてしまう(麻美が避妊(?)の失敗から結合させられてしまった)し、叙述トリック自体も雑で安易なものに感じられたので、ややキレが悪い。
オネストマン論理パズルは面白かったが、そもそも別の抜け道があったというオチなのもやや物足りない。オネストマンの性質を利用した多重解決を見たかったところだ。 -
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『思い出の館のショウシツ』(はやみねかおる)3…設定は面白い。
『麦の海に浮かぶ檻』(恩田陸)3…幻想的な世界観がいい。
『QED〜ortus〜——鬼神の社——』(高田崇史)2…神社仏閣と鬼の蘊蓄だけで事件自体はしょうもない。
『時の館のエトワール』(綾崎隼)4…あの個性的な2人はたぶんシリーズがあるんだろう。トリックもオチも気持ちいい。
『首無館の殺人』(白井智之)2…著者の作品は何冊も読んできたがなぜか急に露悪・下品な表現が受け付けなくなってしまった。
『囚人館の惨劇』(井上真偽)5…一番しっかりしてて一番面白かったが、それは一番ボリュームがあったからかもしれない。