白井智之のレビュー一覧
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アガサ・クリスティー氏のミステリーの金字塔「そして誰もいなくなった」を捩った作品名。ネタバレになるので詳細は読んでのお楽しみだが、たしかに誰も死なない。
作者の魅力は、ありえない前提のうえに緻密なロジックを組み立てるトリックと、数回の肩透かしによる真相への回り道にある。本作品でもそれが全開。少し悪乗りが過ぎるが、乗りに乗って楽しそうに執筆する姿が浮かぶ。
死に方ありきでいかに残虐な殺害方法を思いつくかに重点が置かれており、動機は疎か(サイコパス的逆転の発想ではあるが)にされている。トリックには勢いで乗り切ろうとする無理やり感もあるので、好みは分かれそう。 -
Posted by ブクログ
140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。 -
Posted by ブクログ
グロくて鬼畜な特殊設定ミステリ
以下、公式のあらすじ
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天才女子高生(ミミズ人間)が謎を解き明かす!
著者史上最強!
衝撃のスラッシャー小説×本格ミステリ!!
「読まないと損するレベルで優れている」
乾くるみ(小説家)絶賛!!!
こんな小説、はじめて!?
特殊設定×多重解決ミステリ
自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、
刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、
リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を?み、
破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、
天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
文庫化に際し大幅改稿、著者渾身の本格ミステリ大作!
解説/乾くるみ
カバーイラスト/ふみふみこ
目次
ミミズ人間はタンクで共食い
アブラ人間は樹海で生け捕り
トカゲ人間は旅館で首無し
水腫れの猿は皆殺し
後始末
解説 乾くるみ
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特殊設定ミステリであり、多重推理でもあり、そしてやはりグロ小説でもある
自殺した連続強姦殺人犯 ノエル
ノエルの自殺に至るまでの即席と現在の殺人事件が入り乱れて描かれる
ノエルが過去に起こした行動、誰をレイプしたかによって推理される犯人が変わる構造になっている
乳児溺死事件、田舎の会食での毒殺、旅館での連続密室殺人、サーカス団皆殺し
そして、自らの復讐のために意図的に事件を作り変える刑事のヒコボシ
複雑な構成だなぁ……
ミミズ人間やトカゲ人間が実在する世界
悪趣味ではあるけど、これが直接のグロの要因ではない
多分、汚物や吐瀉物が飛び散るのが平常運転なのに加え、探偵役は悪徳刑事のヒコボシに監禁虐待されているミミズ少女のマホマホというのが読んでいて気持ち悪い
監禁されている背景や推理力に優れている理由もまったく説明されないし終わってみても、そこに納得感はない
この倫理観の欠如した世界は平山夢明を彷彿させる
表紙のイラストは可愛らしさを感じるけど、実際に読んでみると内容はグロいという詐欺小説ですね
内容は色々と酷いので人にはオススメしにくいにもかかわらず、ミステリ要素に関しては、ずば抜けて高い評価をつけたい
何ともバランスの悪い小説だなぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】記録/神咒寺事件/八重定事件/農薬コーラ事件/津ケ山事件/顚末
日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、儀式でよみがえり、また殺戮を繰り返し始める。
名探偵・浦野はよみがえった殺人鬼の一人に殺されるが、明治生まれの名探偵・古城が地獄からよみがえって浦野の体に入り、鬼の正体を暴いて、滅ぼす。
浦野の助手だった「はらわた」こと原田亘と共に。
大量殺戮だが、エログロ描写はほとんどなくて、フラットな語り口なので読みやすい。けれど、よく考えると、乗っ取られた人たちの人生とか、加害者(とされてしまう)遺族とか辛い。そっちがテーマではないのだけれども。 -
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ああ、エレファントヘッドでオェェってなってたのにまた何故この本を読み始めてしまったんだろう。
気持ち悪いし、設定ぶっ飛んでるし、異次元やら異世界やら訳の分からないことになってるけれど一応ロジカルな推理はきちんとされている(と思う)。
ただしところどころあまりにぶっ飛んでるので呆気に取られてしまった。(褒めてます)
白井智之さんの作品は伏線が色々張り巡らされているので、あまり長期間ちまちま読むと伏線らしきものを忘れてしまいがちだったのだが、こちらは短編なのでその点すごく読みやすく感じた。
カフェでスイーツ頂きながら読むみたいな事はお勧めできない作品。
それにしても物凄い発想力なので、白井智之さん、何かキメて書いてるんじゃないかと思うくらい…
★…3.5
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ある女子中学校で、二年A組の生徒が全員殺された。教頭のクサカベは、警察に通報する前に自分たちで犯人を見つけ出そうとするが……。(「少女教室」)
エログロミステリの鬼才、白井智之さんの初の短編集です。5つの短編を収録しており、それぞれ14歳の少女が20人ずつ殺されるという趣向となっています。
短編集だからと言って容赦なし、いつも通り……もしかしたらそれ以上のグロテスクで不条理、インモラルな世界を全力でぶつけられます。
なんかこう、グロ・ゴア・スプラッターがそんな大好きなわけではないんですが、白井さんの小説って世界設定が気になってついつい読んでしまいます。万人に勧められるものではないけれど。 -
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ネタバレ【収録作品】「ある部屋にて」 今村昌弘/「転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件」 結城真一郎/「二〇XX年の手記」 潮谷験/「血腐れ」 矢樹純/「同好のSHE」 荒木あかね/「モーティリアンの手首」 白井智之/「ハリガネムシ」 道尾秀介
「ある部屋にて」 倒叙形式に一ひねり。
「転んでも……」 「ゴーストレストラン」を舞台にしたブラックな安楽椅子探偵もの。シリーズの1編。燃えさかるアパートに、「女」はなぜ勇んで飛び込んでいったのか。
「二〇XX年……」 近未来の独裁国家のある特別な人間を集めた集落で起きた事件を描く。
「血腐れ」 ホラーミステリ。
「同好の……」 夜行バスで出会った二人の女性。
「モーティリアンの手首」 異星生物の発掘現場で、生前に手首を切断された死体が発見される。3万年前、この死体に何があったのか。
「ハリガネムシ」 〈きこえる〉シリーズ第2弾。最後にQRコードがついていて、作中で登場するのと同じ音声を聞くことができ、それにより謎が解ける。