あらすじ
かつて全身に脳瘤と呼ばれる顔が発症する奇病“人瘤病”の感染爆発があった海晴市。そこで2人の人瘤病患者が殺害される事件が起きる。容疑者の中学生四人は真相を暴くべく、それぞれ推理を披露するが――
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Posted by ブクログ
奇才白井智之のデビュー3作目。
家畜にウイルスが蔓延し食肉家畜がいなくなり、食用として人間のクローンを作っている世界。
人間の男女が、相手の肛門から頭を入れて結合することが生殖行為になり、その時の異変により嘘をつくことができないオネストマンができる世界。
そして、脳に寄生して細胞をコピーして全身に転移するウイルスにより、体に人面の瘤、人面瘡ができる世界。
もうこれだけで異常。並みの作家ならそこからめくるめく事件を起こして悦に入るところだが、全340pで、巻末のあらすじにある事件が起こるのがやっと200pって。
白井ワールドすぎるし、
ここから、お得意の多重推理がはじまり重なり、読者をふりまわしまくって、
とんでもない結論に至って、タイトルもきっちり回収して、読後感も悪い。
だが、読み終わっての感想が「天才かよ」しかない。
こんな世界観の余韻に浸りたくないが、むりやり頭から沈められる。
最高。
Posted by ブクログ
次々と起こる展開に読む手が止まらない。
世界観が特殊で気味悪く狂ってる感じがした。
ミステリ部分は複雑だけど、面白い。
一気に読み終わるのがオススメ。
読み終り結末が分かるとまた最初から読みたくなりました。
Posted by ブクログ
全身に脳瘤と呼ばれる顔が発症する奇病が蔓延する世界観での読者設定ミステリ。
相変わらずのエログロバイオレンスな描写と緻密に構成されたロジックが混ざり合って闇鍋みたいなことになってます(褒め言葉)
圧巻の多重推理ももちろん健在で前作よりパワーアップしていました。手がかりは全く変わらないのに、ここまでいろんな推理を出せて、しかも、どれも納得させられる説得力を持っているのは流石の一言。
Posted by ブクログ
今回こそはと気合を入れ読み始めました。
白井智之の小説のいつものとんでも設定を身構え、「人間」の特徴や、出来ること出来ないことのルールなど、きちんと頭に入れ、名前も注意深く覚えながら読んでいました。
ですが、私は今回もミステリーの罠に引っかかってしまいました。
二転三転する推理と、犯人、ラストの衝撃に心を奪われました。(毎回ですが。)
残虐で奇妙な表現の多いこの方の作品、賛否両論あると思いますが、私は好きです。
何というか、現実離れしているこの奇妙な世界観と、空気と、事件が解決するミステリーと、ぐちゃぐちゃなようで筋が通ってる所がやみつきになります。
匿名
グロ注意で、倫理観も崩壊してます。
かつて全身に脳瘤と呼ばれる顔が発症する奇病“人瘤病”のある世界観。読んでて気持ち悪くなるが、推理部分は面白い不思議。
Posted by ブクログ
初読の作者さんです。最初読んでるうちはグロ異世界SFかしら?と思ってたんですが、後半急にミステリーに。
いわゆる特殊設定ミステリーでしょうか。世界観は好みが分かれるやつ。個人的にはグロは平気だけどこの世界観でどんでん返しミステリーされても色々渋滞するなぁと思った。
Posted by ブクログ
第三作も素晴らしい設定。
ただしこれも苦手な人は嫌悪感もの。
ウイルスにより、人面が発生してしまう人瘤病のある世界。人面は独立した個体として脳も知性もあり、良性は会話も可能となる。そんな世界で事件が起きれば、そりゃー探偵だって人面もありえますよね。
まぁ、人面ものといえば中村七里の『人面瘡探偵』があるくらいなので、それは想定済み。
ただし、規格外の狂ったやつらが出てくるので、事件の全貌はなかなか見えてこないけれども、ミステリーはフェアにやってくれました。
これは、普通の頭では解けないけどね。
Posted by ブクログ
脳瘤が人体に発生して人間の顔のようになる「人瘤病」が蔓延した日本で突如起こったパニックホラーの要素が途中まで展開されるも、パニックの原因になった4m越えの人間(人瘤病の感染者)が死んだにも関わらず蘇った謎と人瘤病が感染爆発した海晴町で起こった殺人事件の繋がりを多重解決で真相を解明するストーリーが面白かった。ラストはゾクッとする終わり方だった。
Posted by ブクログ
またも独特な設定でウィルスパニック系の要素もあるのかと思っていたら、人面瘡の特性をしっかり活かしたミステリーで面白かった。終盤の全てが収束していく流れは気持ちよかった。
Posted by ブクログ
帯にこのミスにランクインとか記載あったんで、作者とか既刊情報とか全く知らないまま、たまにはミステリをジャケ買いしてみるかと思っていきなり読み始め、ノーガードで浴びたんでびっくりしました。鬼畜すぎて。妊娠(?)した女子生徒の腹を皆で殴る辺りで絶対おかしいと思いやっと既刊情報見たら「人の顔は食べづらい」とか色々凄い。だ、大丈夫かな…。とんでもないものを読み始めてしまったなと思いつつ、鬼畜SFテイストが癖になってきて、普通に鬼畜ものとして読み進めていたので、全体の3分の2くらいまできたところで、
読者を襲う、突然の本格ミステリ!!!!!
突然、大真面目に本格ミステリが始まり、何重にも張り巡らされた推理とどんでん返しが本当に面白かったです。あれだけ複数の謎解きを提示しながら、ラストで更に二回もひっくり返してくれて大満足です。最後の最後は思わず声をあげそうになりました。
確かに冒頭の例の三文字「○○○」は自分も(どゆこと?)とは思いましたが、怒涛の鬼畜ストーリーに押し流されてすっかり忘れてました。全てが伏線なんですね。あと、あまりに鬼畜人間と地獄の所業多すぎて重大な謎に気づかない的な部分もあると思います。木を隠すなら森みたいな。おかしな人間多すぎて疑問が押し流される。とにかく面白かったです。いつか「エレファントヘッド」も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
本格ミステリー作品登場!
確かにそうなんやけど、設定が特殊過ぎる…
そもそも、こんな世界嫌や〜
電車とかで、隣りがうるさいな〜って見たら、手にある顔が喋ってた…とか…
寒気するちゅうねん!
そんな特殊な世界です〜
こんな病気流行ってしまったらって考えるだけで、怖い!
咳した声で暴れるとか…何やねん!この設定は!
でも、こんなおぞましい設定とかもトリックに上手く利用されてま〜す!
謎解きを知的な感じで解いていく作品の中の登場人物!
確かに、
知的かもしれんけど、
推理力抜群かもしれんけど…
登場人物さん達は、慣れてはるかもしれんけど…
こんな世界なぁ…
グロいし、エグいし、もっとドカーンと暴れてるパニックもんとか、ホラーもんの方が、あり得てそうな作品ではあるかもなぁ〜
だからこそ、唯一無二の作品なんやろな!
ゲロゲロ…
Posted by ブクログ
これ、ズルい! と思った作品。
この著者独特の世界観に騙されまくった感が否めない。
作り込まれた世界観が凄まじいなぁ、と読むたびに感心させられる。
世界観の作り込みをしっかり理解出来ればミステリーとしても最上級でした。
Posted by ブクログ
グロテスクとロジカルの融合これぞ白井さん。
耐性がないと耐えられないかと思うが、推理はあくまでロジカルなので、ミステリー好きなら楽しめるかも。
Posted by ブクログ
つまらない。作者が考えたトリックを登場人物が長会話で長々と説明している印象。登場人物の名前がわかりづらいし、人を簡単に殺したり殺されたりしすぎて現実感がない。
Posted by ブクログ
特殊設定+本格はどうも私の好みではないらしい。それに加えて暴力シーンやグロテスクな表現が多いので、読むのにエネルギーを要した。
ただ、数人が推理を始める辺りからかなり痛快。
本格ミステリが好きな方は特に面白いと感じるかもしれない。
2転3転する結末にも驚かされた。
事件の動機や背景に重きを置いた作品が好きなので、この作品は少々動機に納得のいかないのだが、それも含め、とにかくまともじゃない空気が最初から最後まで充満していてすごいです…
Posted by ブクログ
人面瘡が奇病として蔓延した社会という架空設定の世界観でのミステリ。なんというか、エグいというかグロいというか。登場人物が全体的にロクでもない人ばかりで救いがない世界観。真藤順丈や平山夢明の世界っぽさが。
と思ったら急に現場図面にアリバイに・・とガチミステリに突入。びっくりしたー。
で、一応この世界観に沿った謎解きというか真相があって・・・の叙述。盛りだくさんですね。なんかこう、このトリックを思いついてからの世界観って感じがしましたけども。世界観の方を当て嵌めてるような。