歴史・時代小説作品一覧

  • 私本太平記
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    従来逆賊として描かれることの多かった足利尊氏を主役に据え、楠木正成ら南北朝の英雄たちと動乱と悲哀を新解釈で描いた吉川英治晩年の傑作。 ●目次 私本太平記  あしかが帖  婆娑羅帖  みなかみ帖  帝獄帖  世の辻の帖  八荒帖  千早帖  新田帖  建武らくがき帖  風花帖  筑紫帖  湊川帖  黒白帖 随筆 私本太平記  新春太平綺語  筆間茶話  巻外雑筆 史実と非史性と、作中人物などについて  太平記寸感  南北朝文化展を観て
  • 三国志
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    今なお多くの人に感動を与える吉川英治の傑作巨編『三国志』を全巻セットで合本。諸葛亮孔明、劉備、関羽、張飛…、綺羅星のごとき武将たちの治乱興亡と人間ドラマが一気に読める完全版です。 【目次】  序  桃園の巻  群星の巻  草莽の巻  臣道の巻  孔明の巻  赤壁の巻  望蜀の巻  図南の巻  出師の巻  五丈原の巻  篇外余録
  • 宮本武蔵
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    吉川英治の代表作にして国民文学として今なお親しまれる「宮本武蔵」を全巻セットで合本。執筆時の秘話や宮本武蔵の史実・エピソードを取りまとめた「随筆 宮本武蔵」も加え、新字新仮名で読みやすく編集した電子書籍完全版。 【目次】 宮本武蔵  序  地の巻  水の巻  火の巻  風の巻  空の巻  二天の巻  円明の巻 随筆 宮本武蔵  序  随筆 宮本武蔵  遺跡紀行  逸話の宮本武蔵
  • 新・平家物語
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    平家物語を題材にした吉川英治畢生の大作『新・平家物語』に、史実や紀行、創作秘話を綴った『随筆 新平家』を加えて読みやすく編集。全16巻セットで合本した電子書籍完全版です。 【目次】 新・平家物語  “はしがき”に代えて  ちげぐさの巻  九重の巻  ほげんの巻  六波羅行幸の巻  常磐木の巻  石船の巻  みちのくの巻  火乃国の巻  御産の巻  りんねの巻  断橋の巻  かまくら殿の巻  三界の巻  くりからの巻  一門都落ちの巻  京乃木曾殿の巻  ひよどり越えの巻  千手の巻  やしまの巻  浮巣の巻  壇ノ浦の巻  悲弟の巻  静の巻  吉野雛の巻  完結のことば 随筆 新平家  はしがき  新平家落穂集―筆間茶話―  新平家雑感  新・平家今昔紀行
  • 八丁堀の忍 全6冊合本版
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    忍びが牙を抜かれた文政の世に、伊賀の山中に、わらべの頃から人体兵器として養成する裏伊賀の集団があった。十五の若者・鬼市は、決死の思いで抜け忍となり江戸に出る。執拗な追っ手に追われ、鬼市は隠密廻り同心・城田新兵衛に出会い、その腕を見込まれ、同心屋敷にかくまわれた。はじめて人の優しさに触れた鬼市。(『八丁堀の忍』) 義賊として生きようとしていた裏伊賀の若者が、江戸の闇を守る。活劇と人情の忍び物語。 『八丁堀の忍』『八丁堀の忍(二) 大川端の死闘』『八丁堀の忍(三) 遥かなる故郷』『八丁堀の忍(四) 隻腕の抜け忍』『八丁堀の忍(五) 討伐隊、動く』『八丁堀の忍(六) 死闘、裏伊賀』 全6冊合本版
  • 伝説の隠密 しあわせ長屋人情帖
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    深川の一角にある、みすぼらしい貧乏長屋の『しあわせ長屋』。 その管理人である差配は、れっきとした武家である御神本右京がつとめている。なんとも奇妙な話だが、長屋の住人たちはみな、この右京という風変わりな差配に、親しみを抱いていた。 さてこの右京、普段のおだやかな言動とは裏腹に、壮絶な過去をもっている。なんと、幕府お抱えの隠密として裏工作や諜報活動、ときには暗殺などもおこない、裏世界では『死神』と呼ばれるほどの男であった。 血なまぐさい生活に嫌気がさし、引退後、いわくつきの長屋の差配となった右京だったが、その力を、今度は市井の庶民のために使うこととなる…。 泣けて笑える人情活劇、新シリーズ!
  • 鬼同心と不滅の剣 牙貸し
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    大伝馬塩町の長屋を五人の賊が襲ったのは、春の嵐がおさまった暁方のことだった。 浪人の父親とふたりで住まう娘のお江依は難を逃れ、八丁堀同心・雁木の屋敷に助けを求める。 雁木親子は長屋に駆けつけるが、部屋の中は血だらけ。そして、賊もお江依の父親もひとの姿はかき消えていた……。 行方知れずとなった父親を案ずるお江依は、息子の雁木百合郎に岡っ引きの見習いをさせてくれと申し出る。 定町廻りの務めに付き従いながら、父の行方を探ろうというのだ。 男の形をして江依太と名を変えたお江依は、百合郎の追う役人殺しの探索を手伝うことになるのだが…。 美貌の江依太と厳つい百合郎、奇妙な二人組が凶悪犯を追う!
  • 街道の牙
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    材木問屋の主が斬り殺された。半壊した橋の修築を落札、工事を終えたばかりだった。 怨みの筋と判断した定町廻りの左門は探索を開始。 が、思うように捗らず、鏡心明智流の剣友、清四郎に助力を頼む。 旗本次男坊の“お控えさま”が必殺の剣を揮う! 書下ろし長篇。
  • 鳥見役影御用 闇の華
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    鷹狩りの用立てのほか、隠密も兼ねる鳥見役の乾清右衛門が何者かに斬殺された。 探索に動く気配のない道中方や宿場役人に業を煮やし、真相を探りはじめた独り息子の兵庫は、金品を後ろ楯にした田沼の権勢にまとわりつく陰謀を突き止め……。
  • 江戸城御金蔵破り
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    徳川の城を盗んだのだ― 一介の素浪人は腹の中で昂然とつぶやいた。 厳重な警備をくぐり抜けて江戸城に忍びこみ、二百五十余年、一度も破られることのなかった御金蔵を破って、まんまと二千両箱二つを盗み出した漢、藤岡藤十郎を痛快に描く。
  • 徳川家康 枕合戦記 自立編
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    夜の家康が愛した女たち 2人の正室と20人余りの側室 もうひとつの「戦い」と「成長物語」 生涯で最も難儀な 戦は何じゃったと思う? 戦国時代を終焉に導き、 江戸幕府を開いた英傑・徳川家康。 戦略家として知られる家康だが、 死の間際、天下を取るより難しかったのは、 女性たちとの枕合戦だと語る。 誇り高く美しい正室・瀬名(築山殿)、 乙女のような恥じらいをもつお愛、 最も信頼された側室・須和(阿茶局)他、 魅力的な女性が登場。 夜の家康を描く、 傑作エンターテインメント歴史小説! 【目次】 序 第一章 桶狭間の戦い ―筆おろし― 第二章 清州同盟 ―浮気発覚― 第三章 三方ヶ原の戦い ―側室始め― 第四章 築山殿死す ―別離― 第五章 小牧長久手の戦い ―精気万全―
  • 歌麿の娘 浮世絵おたふく三姉妹
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    長女・桜、次女・梅、三女・竹。浅草で一番人気の水茶屋「おたふく」を切り盛りする三人の看板娘は、浮世絵師・二代目喜多川歌麿を父に持つ。亡き父親は悪党の “裏始末”に関わったと噂され、娘たちもその反骨精神を受け継いでいた。庶民を苦しめる輩は許せない――不正や悪の匂いを嗅ぎつけた三姉妹が敵の懐に潜入し成敗する姿を活写。痛快時代小説、開幕!
  • 夢介千両みやげ 完全版 上下合本版
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    痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇団雪組により舞台化された古典名作! 大枚千両を使い江戸で道楽修業してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。力は強いが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタぼれに。よき女房になろうと、ともに江戸に入ったまではよかったが……。 おおらかなヒーロー夢介に女スリお銀がほれ込んだ。戦後日本の心を潤した山手樹一郎の代表作! 上下巻合本版
  • 泣きの銀次 全3巻合本版
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    最愛の妹の命を奪った下手人を追って、大店の若旦那の地位を捨てた、人呼んで「泣きの銀次」。若き岡っ引きは、物言わぬ死体の声を聞いて涙する。お侠(きゃん)な娘、お芳の健気な想いを背に受けて、めざす敵は果たして討てるのか?  鮮やかな筆が冴えわたる女流時代小説作家の人情捕物帳。『泣きの銀次』『晩鐘 続・泣きの銀次』『虚ろ舟 泣きの銀次参之章』全3冊合本版。
  • 討ちて候(上)ぜえろく武士道覚書
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    門田泰明時代劇場 祥伝社第1弾、遂に開幕! 幕府激震の大江戸――孤高の剣が、舞う、躍る、唸る! 武士道『真理』を描く決定版ここに――忘れ得ぬ女のために江戸を訪れた京の剣客・松平政宗は、柳生宗重邸で謎の黒忍び群に奇襲される。将軍家剣術師師範代の屋敷を蹂躙した豪胆な一党は、市中を不安に陷れている旗本・大名屋敷連続襲撃事件の犯人集団か? 比類なき剣の腕を持つ政宗さえをも脅かす彼らの正体は? その凶刃はやがて御三家水戸光国、そして江戸城にまで迫る! 凄絶華麗な時代小説登場! ※電子版に口絵は含まれません
  • 海の百万石 銭屋の女たち
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    江戸後期、加賀国で名を揚げた豪商・銭屋五兵衛。志高く海運業を興し、功を成して藩の財政を度々救ったが、後に無念の最期を遂げた。「海の百万石」と称された銭屋五兵衛と一家を支え、共に生きた女たちーー母やす、妻まさ、長男の嫁きわ、孫娘千賀。一家への謂れなき罪を背負い、銭屋再建のためそれぞれが必死に尽力した姿を描く壮大な歴史ロマン。草思社・文芸社W出版賞金賞受賞作。
  • 合本 照降町四季
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    江戸の大火と復興を通して描く、町人たちの勇気と奮闘のストーリー。 日本橋近く、傘と下駄問屋が集まる照降町に、鼻緒屋の娘・佳乃が帰ってきた。浪人の周五郎と助け合いながら、職人として腕を磨、町人や花魁からの注文に励むが――。著者初の、女性職人が主人公の物語。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『初詣で 照降町四季(一)』から『一夜の夢 照降町四季(四)』全4巻を合本にしたものです。
  • 合本 新・酔いどれ小籐次
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    小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。 「酔いどれ小籐次」の新シリーズは、積年の想い人おりょうと結ばれた小籐次が、かつて自分を狙った刺客の遺児、駿太郎を引き取り、育てることに。ついに小籐次にも平穏が……否。次々に巻き起こる事件が彼を休ませてはくれない。「新・酔いどれ小籐次」シリーズ1巻から、2022年8月に完結した25巻までを合本化。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)』から『御留山 新・酔いどれ小籐次(二十五)』全25巻を合本にしたものです。
  • 合本 酔いどれ小籐次 決定版+小籐次青春抄
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    小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。 まったく新しい時代小説の主人公、赤目小籐次の痛快無比の活躍を描くシリーズ全19巻と、小籐次の若き日を描いた中編二作を収録の『小籐次青春抄』を合本化! ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版』から『状箱騒動 酔いどれ小籐次(十九)決定版』全19巻と、『小籐次青春抄 品川の騒ぎ・野鍛冶』を合本にしたものです。
  • 合本 新・居眠り磐音
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    全51巻で完結した平成最大の人気シリーズ「居眠り磐音」のスピンアウト5作品を合本化! 「居眠り磐音」本編では描かれなかった物語の数々。ファン必読の合本です。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『奈緒と磐音 居眠り磐音』『武士の賦 居眠り磐音』『初午祝言 新・居眠り磐音』『おこん春暦 新・居眠り磐音』『幼なじみ 新・居眠り磐音』を合本にしたものです。
  • 合本 居眠り磐音 決定版
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    平成でもっとも愛されたエンタメ時代小説で、テレビ、映画と映像化もされた人気作「居眠り磐音」全51巻がついに合本に! 友を討ったことをきっかけに江戸で浪人暮らしの坂崎磐音。隠しきれない育ちのよさとお人好しな性格で下町に馴染む一方、“居眠り剣法”で次々と襲いかかる試練と敵に立ち向かう! ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版「居眠り磐音 決定版」全51巻を合本にしたものです。

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  • お江戸新宿復活控
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    問題だらけの内藤新宿を甦らせるため 信用のない名主 口の悪い商人 戦国武将末裔の厄介もの 三人が手を結び、宿駅開設者の遺志を継ぐ! 享保の廃宿から五十四年。ついに内藤新宿に再開の日が訪れる。初代が拓いた宿場の復活を待ち望んだ名主高松喜六は感無量だった。 だが宿場の分限者も一枚岩でなく、運営に必要な役銭の不足や人馬から勝手に銭を徴収する者など、目の前には難問が山積だった。 そんななか喜六は一人の武士に宿場の治安を託す。男は腕利きを集め……。 宿場再興に命を懸ける男たちの物語。
  • はぐれ柳生殺人剣
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    八代将軍・徳川吉宗の母、浄円院の逝去により、にわかに動き出した『お庭番』たち。 薬込役の筆頭格、風間家の新之助が失踪した。 佐賀鍋島藩を脱藩した刀弥平八郎や尾張の松平通春の命をうけた尾張柳生の使い手星野藤馬が奔る。 江戸市中では、雲霧仁左衛門が暗躍する。 徳川政権の謎に挑み、柳生の剣が煌めく。
  • 土方歳三事件簿16 刀槍と銃砲 時代の激変についていけなかった男
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    【書籍説明】 時代は急激に動いていた。長州軍は上洛して御所を占拠しようとしたが、幕府軍の奮戦に敗退した。 しかし、長州藩は表向き徳川幕府に恭順を示したが、いよいよ倒幕活動に力を入れた。 長州も薩摩も「攘夷」を唱えながら、欧米文化に傾倒していった。幕府も軍制を西洋化し、フランス軍式調練を採用した。 徳川幕府最強の戦闘集団新選組も、副長土方歳三の主張で洋式調練に切り替えた。大砲や鉄砲を有効に使うためには、従来の軍学兵法は役に立たない。 五番隊組長武田観柳斎は長沼流軍学を修め、新選組兵学師範を務めていたが、洋式調練の採用とともに存在価値を失った。 今さら欧米式用兵術を学ぶ気にもなれず、若い隊士達が新知識・新技術を習得するのを苦々しく眺めていた。 武田は伊東甲子太郎に接近して身の安泰を図ろうとしたが、伊東の陰謀に巻き込まれてしまう。伊東は新選組を倒幕派に変えようと画策していた。 武田は新選組に居難くなり、機密漏洩を手土産に薩摩屋敷に逃げ込もうとした。 土方歳三は武田の脱隊と伊東の陰謀をどう対処するのか? 【目次】 洋式調練 新知識 留守の間に 命令違反 薩長同盟 奈良出張 金策致不可 薩摩屋敷 薩摩示現流 薩摩者 一条から七条 嘘か真か 将軍逝去 斬撃 竹田街道
  • 特命見廻り 西郷隆盛
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    どうやら近ごろ、六軒もの牛鍋屋に謎の五臓六腑が投げ込まれ、新政府は、この事件に蓋をしているらしい――西郷吉之助こと隆盛は、役人の川路利良に命じて秘かに事件を調べさせていた。西郷は田中作二郎という若者に被害のあった牛鍋屋を探らせることに……。勝海舟、大久保利通や篤姫こと天璋院、女医・楠本イネも登場。牛鍋、鯛の丸あげ煮など美味しい料理とともに西郷隆盛が大活躍する、傑作時代事件帖。書き下ろし。
  • 小説 小日向白朗 熱河に駆ける蹄痕
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    実在した満洲の馬賊王・小日向白朗。桁外れの冒険劇! 渡り合う馬賊同士の決闘、凄惨を極める復讐戦の大虐殺。大草原を移動する狼狗の群れ、儚い恋のロマンス……。戦乱の中国大陸を舞台に展開する大馬賊の“栄光と悲惨"。任侠精神を貫き「捕虜」から中国全土の「正統馬賊総頭目」にまで上り詰めた日本人馬賊の物語。
  • 情なしお源金貸し捕物帖
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    尼寺の離れに独り暮らしのお源は、若い女高利貸し。情なしお源だの、夜叉のお源だのと悪名高い。面長の顔に白粉っけもないが、スラリとした姿。見る目のある人に言わせれば、すこぶるいい女らしいのだが、小気味のいい、情け容赦のない取り立てで、江戸の町にその名を轟かせている。そんな非情なはずのお源が、隠れて庶民たちの暮らしを助け、彼らが巻き込まれる難事件を解決していく……。連作短篇時代小説。 *五両の行方 *身売り娘 *失せもの探し *三十郎は不在 *煮売り酒屋 *不吉な影絵 *虎の子が消えた ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色仕掛 深川あぶな絵地獄
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    江戸は深川で、平凡な絵草紙屋を営みながら、裏ではご禁制のあぶな絵を売り捌く巽屋孫兵衛、お京の夫婦。男女の淫らな絡みを描いた秘画と、妖しい色香を滲ませるお京めあてに、今日も色欲に狂った男どもがやってくる。孫兵衛、お京と配下の悪党たちが、剣と悪知恵にモノを言わせ、鮮やかな手口で彼らを欺き、身代残らずまきあげる……。痛快無比の8編を収めた連作短篇時代小説「色仕掛」シリーズ、第2弾。 第一話 箱入娘はお目の毒 第二話 女が回る水車 第三話 死んだ夜鷹が福の神 第四話 夢路の果ては地獄の図 第五話 行き暮れて雀のお宿 第六話 心の闇に狂い花 第七話 極楽浄土を逆落し 第八話 怨みの的は生人形 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色仕掛 闇の絵草紙
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    表向きは平凡な草紙屋、その実、謀事に抜かりなく、剣の腕も確かな悪党・巽屋孫兵衛。彼が率いるのは、墓守の卯平、女髪結いのお徳、遊女のお新、元浪人の妻・お京といった、ひと癖もふた癖もある面々。色と欲にボケた亡者どもを、あの手この手で引っ掛け、騙し、有り金残らず巻き上げる……。江戸は深川界隅を舞台に繰り広げられる痛快なダーティー・トリック・ストーリー10編。連作短篇時代小説「色仕掛」シリーズ、第1弾。 第一話 あぶな絵の女 第二話 筋書は狂った 第三話 心中者比べ 第四話 カモが来た 第五話 絵絹は玉の肌 第六話 女按摩お京 第七話 塩から仁兵衛 第八話 蜜の滴り 第九話 若衆人形は雪の肌 第十話 責め絵草紙 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 春色天保政談
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    御家人の次男坊で無役の波岡進次郎は、剣の腕はからきしだが、色の方は凄腕。女をたらすことにかけては天賦の才を見せ、春画の絵師としても一流の技を持つ。人妻に手を出して追手がかかり、身を隠すべく逃げ込んだ寺は、女参詣客を相手にするとんだ売淫寺だった。さらには、お相手した大奥女中から預かった密書がもとで、江戸城内の権力争い巻き込まれる。御政道には無縁の遊び人・進次郎が味わう、地獄と極楽の顛末とは……。長篇時代小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 晴れ曇り八丁堀
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    昔、捨てた娘を探しているという男の名は吉兵衛で57歳。同心・稲毛作兵衛は茶屋奉公の女殺し事件で忙しかったが、事情を聞いているうち、殺された女が吉兵衛の娘では、という気がして死体を改めさせると案の定……。だが、実の娘とは真っ赤なウソだった。(「娘さがし」)  事件を地道に捜査する同心・作兵衛とその妻・おれんを中心に、江戸市井の人間模様を描く。連作短篇時代小説。 *娘さがし *かどわかし *転がりこみ *押込み *探りの手伝い *仕掛けゆすり ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 色懺悔 鼠小僧盗み草紙
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    お江戸八百八町といえども夜の闇は深い。闇に忍んで夜の町を跳梁跋扈する怪盗・鼠小僧。岡っ引きの目を掠め、あちらこちらの武家屋敷に出没しては黄金色のお宝をまんまと頂戴する悪党だ。ある日、岡っ引きの又五郎は、大名屋敷の塀から逃げる男をあっけなくお縄にしたものの、その正体は気が良さそうな優男で、魚屋の主人・源次郎だという。噂の鼠小僧かと思ったが、どうやら人違いらしい。これを機に捕物の手伝いをすることになった源次郎だったが……。連作短篇時代小説。 第一話 岡っ引又五郎の失敗 第二話 大工兼七の危難 第三話 義賊蝶吉の改心 第四話 浪人百之助の目算 第五話 奥方寿々の好色 第六話 座頭九郎市の心眼 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • さむらい 修羅の剣
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    佞臣・深田喜兵衛を斬る―そう集められた七人の藩士たち。 だが暗殺成功後、首謀者に裏切られ、闇討ちをかけられる。命からがら逃げ延びたのは畑中宗次郎、篠田弥八郎、宇田川峰吉の若き三人だけだった……。 汚名を着せられ藩から追いつめられる中、徐々に明らかになる黒幕の狙い。 そして藩が虐げていた山の民の助勢を得た時、修羅となった三人の反攻が始まった!
  • 早耳屋お花事件帳 見習い泥棒犬
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    江戸じゅうの事件を探さずにはいられない! 元気娘お花はネタ探しに今日も奮闘中。黒船来襲に大地震、騒動絶えない安政の世で、神田明神近くに店をかまえる瓦版屋・早耳屋に舞い込んだのは、評判の菓子屋に泥棒が入ったという噂。さらに盗み日の昼間に愛らしい犬が店に迷い込んだというのだが、早耳屋にも迷い犬がやってきて……押し込み事件や、殺しの騒動、突然の珍事等々──お花が江戸の騒動を目撃する連作短篇集。
  • 観相同心早瀬菊之丞
    完結
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    早瀬菊之丞は南町奉行所定町廻り同心。容貌や身なりから人の性格や運命を判断する観相見の達人であり、骨相見を通じて敵の関節を外したり、針や指で急所を一撃する殺人技も身に着けている。八丁堀同心、早瀬家の次男坊だった菊之丞は次男坊の気楽さから盛り場を冷やかす内に旅芸人一座に加わって大坂に流れ着き、そこで観相見の達人、水野南北に師事した。江戸に戻ると父は他界しており、生真面目な兄の宗太郎が父の跡を継いでいた。だがその兄が何者かに殺されたため、同心となったのだ。手下の岡っ引き、薬研の寅蔵とともに日々の事件を解決しつつ、兄殺しの下手人を探索する菊之丞。江戸のシャーロック・ホームズ誕生!
  • 花喰鳥のゆくえ 首斬り役人と人斬り志士
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    人を斬ることを生業とする、豊前藩の首斬り役人の家に生まれた与太と、呉服商の次男坊として生まれた佳一。寺子屋の手習い時代からの友である二人は、与太の家道場で剣の腕も磨いてきた。時は経ち、次第に時代は混沌としていく。そして、家を継ぎ、大切な人を懸命に守ろうとする与太と、攘夷の思想に触発された佳一は別々の道を歩むことになる。幕末を駆け抜けた二人の友情の物語。
  • 隆家卿のさがな姫
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    目に入れても痛くないほど大事な娘の姫君に、「よくぞ帰り来たまいけるかな、こんのクソ親父がーっ!」と言われたのは、救国の英雄、藤原隆家。「誰に似たりや」とぼやけば、妻からは「殿にや」と呟かれる。時の権力者である道長のことなど微塵も恐れず、世間ではさがな者と評されている彼も、家では一人の父親だった。体は弱いが気が強い姫君の願いを叶えるべく、隆家が下した決断とは。
  • 斬るは主命 奥小姓裏始末1
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    失脚した田沼意次の甥、世を憚る身の竜の之介がなぜ将軍の奥小姓に? 将軍家斉の個室御用の間。将軍家に害をなす輩を人知れず駆逐せよ! そのためこれを下げ渡す! 下されたものとは……? 大型新人、登場! 新シリーズ第1弾! 竜之介さん、うちの婿にならんかね──。 故あって神田川の河岸で真剣勝負に及び、腿を傷つけた田沼竜之介を屋敷で手当した、小納戸の風見多門のひとり娘・弓香。多門は世間が何といおうと田沼びいき。隠居した多門の後を継ぎ、田沼改め風見竜之介として小納戸に一年、その後、格上の小姓に抜擢され、江戸城中奥で将軍の御側近くに仕える立場となった竜之介は……。
  • ひと夜の恋 元禄お犬小屋異聞
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    第五代将軍・徳川綱吉が貞享二年(1685)に発した「生類憐みの令」から10年。巷に犬があふれ、ついに幕府は野良犬を収容する「御囲」を作った。中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、「犬吉」と呼ばれ、犬たちから慕われていた。赤穂浪士が討ち入りを果たしたあくる日、一人の侍・依田との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶる。討入りの興奮冷めやらぬ御囲で起こった狂気の事件と、犬吉の人生を動かすひと夜の恋を描く時代長篇。 『犬吉』を改題。
  • 悪女万華鏡
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    北条政子、日野富子、淀君――。 彼女たちはなぜ、悪女と呼ばれるのか。 激動の中世・戦国を生き抜いた女性たちの、 秘められし淫靡な世界。 三人世界を生々しく描くことで素顔に迫る、 艶やかな歴史官能小説。

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  • 拵屋銀次郎半畳記 汝 想いて斬 一
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    息をのむ剣戟! 銀次郎に迫る妖美の月光院! 哀切と慕情が剣と化して烈しく舞う! 大河シリーズ第1期の『侠客』全5巻に続く興奮の大河劇場『第2期』遂に開幕! 宿敵・床滑七四郎との凄絶な死闘で負った瀕死の深手が癒え、江戸帰還を目指す銀次郎。 途次、大坂暴動の黒幕で、前の老中首座・大津河安芸守(幕翁)が立て籠もる湖東城に、黒書院直属監察官として単独乗り込んだ!? 一方江戸では、首席目付らが白装束に金色の襷掛けの集団に襲われ落命。 その凶刃は、将軍家兵法指南役の柳生俊方にも迫った! 壮烈にして優艶、娯楽文学の王道を疾走る大河シリーズ、『第2期』遂に開幕!
  • 湯の道よ永久に岩間温泉物語
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    崖を超えてやっとたどり着ける山奥の秘境に高温の温泉が豊富に湧き出ていました。廃れ行く地域を観光で盛り立てるために、私費を投じて、全く道のなかった切り立った山肌に道を切り開き、その温泉を日本で最長級の10キロもの配湯管で引き出すことを成し遂げた一人の破天荒な男の物語です。当時の写真も含め、223枚もの写真を掲載した異色のノンフィクションストーリーです。
  • ぜえろく武士道覚書 討ちて候 上
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    謎の剣客・松平政宗が江戸へ! 将軍にも忍び寄る闇の集団! 娯楽文学の究極を目指す「門田泰明時代劇場」の原点! 剣客・松平政宗が高柳早苗の遺骨を携えて訪れた江戸の町は、大名、旗本が浪人集団に襲撃される事件が続出し、不穏な空気に包まれていた。 そんな中、政宗は若年寄・堀田正俊の留守宅が襲われる現場に遭遇したのだ。 そしてかつて生死をかけて斬り合った柳生宗重と再会するも、その夜二人は、忍群の奇襲を受ける。 やがて忍び集団の魔手は将軍・徳川家綱にも…! 剣戟文学の新たな地平を切り開く「門田泰明時代劇場」の初期傑作長篇! 上巻は第一章~第六章。
  • ぜえろく武士道覚書 一閃なり 上
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    凶賊一味の残忍な押し込み強殺事件に震え上がる京。 絶世の美と気品を兼ね備えた謎の剣客・松平政宗登場! 娯楽文学の王道を極めた凄み! 門田泰明時代劇場、炎艶の舞! 凶賊・女狐の雷造一味による相次ぐ押し込み惨殺事件に震えあがる京。 絶世の美と気品とを合わせ持つ剣客・松平政宗は東町奉行所同心・常森源次郎の必死の探索に協力を申し出る。 謎を秘めた政宗にも絶えず闇の刺客が襲いかかり、やがて、居合い剣法の手練れ集団によって絶体絶命の窮地に陥る! 剣戟文学の新たな地平を切り拓く撃的ベストセラー「門田泰明時代劇場」の神髄に酔う! 上巻は第一章~第八章。
  • 居残り兵庫事件帖 甘露梅の契り
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    吉原の元締の妓楼に「吉原の難事、大小問わず引受申し仕り候」と看板を掲げる一人の居残りが居た。男の名は楯兵庫。大名でさえ帯刀を許されない吉原で、唯一二尺四寸の太刀を差す凄腕の居残りだ。「廓の探偵」を自認する彼が引き受けた依頼は、遊女たちの間で流行り始めた危険な“毒煙草”の出所を探ること。すでに客にも被害が出始め、一刻の猶予もない。そして探索を始めた兵庫を待ち受ける悪とは!? 長篇時代小説。 ●片倉出雲(かたくら・いずも) 別名義で100冊以上の著作を持つ覆面作家。伝奇作家・朝松健の変名との噂もある。
  • 鬼かげろう 孤剣街道
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    天保年間、中山道をゆく一人の男は、全ての記憶を失っていた。残されたのは手練の武技と奇妙な「四二目の賽」。蜉蝣(かげろう)という奇妙な名を名乗るこの男の元に、次々と襲い来る刺客。本能のまま立ち向かう蜉蝣は、やがて背後に潜む巨大な闇と対峙する。剣戟と大いなる謎が読者を魅了する長篇時代活劇。 ●片倉出雲(かたくら・いずも) 別名義で100冊以上の著作を持つ覆面作家。伝奇作家・朝松健の変名との噂もある。
  • 新選組最強剣士 永倉新八恋慕剣
    完結
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    神道無念流の剣客にして、新選組二番隊長として名を馳せた永倉新八──。 世は明治となり、青年剣士の面影が消えた新八は京都駅のホームに降り立つ。激動の日々を過ごした地を再訪したのだった。 かつての妻・小常が生んだ娘・磯の行方を知りたかったのがその理由である。 愛する小常は産後に先立ち、斬り合いに明け暮れる自分に幼子は育てられなかった。新八は乳母に磯を預け、各地を転戦して行く。 あれから二十余年……。老境に入り、娘に会いたいという想いを募らせていた新八は、念願の親子再会を果たすことができるのか!? 命を賭して剣をふるった若き日を回想しながら、同志たちの愛と運命をも描いた知られざる感動の新選組外伝──。
  • ぜえろく武士道覚書 斬りて候 上
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    「ぜえろく」とは江戸者が上方者を嫌って言った言葉。その裏には、間近に朝廷を仰ぎ尊ぶ上方者の商才・政治力に対する江戸者のどうしようもない苛立ちがあるという…。 大衆文学の神髄を極めた凄み! 門田泰明時代劇場、炎艶(ひえん)の舞! 寛文10年(1670)秋、京に続発した押し込み惨殺事件。 東町奉行所の筆頭格同心・常森源治郎が事件の謎を追うが、同心仲間も次々と犠牲になり、探索は難航をきわめた。 そんな中、美と気品を備え、凄まじい剣の腕を持った松平政宗と名乗る男の助力を得て犯人を追った。やがてオランダ人を母にもつ大宮窓四郎という男が浮上するが…!? 大衆文学の荒野を激走する門田泰明時代劇場の神髄!
  • 黄昏坂 七人斬り
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    娯楽文学の王道を貫く門田泰明時代劇場の神髄に酔う! 寺音肥前守武念(じおんひぜんのかみぶねん)――神楽坂に無傳一刀流の大道場を構える白皙にして容姿端麗な剣客だ。 門弟は三百人。 拵屋の銀次郎が偶然知り合った美咲・京の母娘は夫と義父を謀殺した寺音を追って長崎から江戸に移り困窮に喘いでいた。 次第に明らかとなる寺音の悪行に、ついに銀次郎の刃が一閃した! 特別書下ろし中篇「黄昏坂七人斬り」他、門田泰明娯楽文学の神髄が堪能できる、待望の中・短篇集成! 黄昏坂 七人斬り 悠と宗次の初恋旅 思案橋 浮舟崩し 苦難をこえて くノ一母情 残り雪 華こぶし の全6編!
  • 外道・宮本武蔵(1)
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    慶長5年9月、美濃関ヶ原で東西決戦が始まった。徳川家康対石田三成の覇権争いである。西軍優勢のまま闘いは推移するが、小早川秀秋の東軍への寝返りによって、石田勢は劣勢に追い込まれる。だが、突如怒涛のごとく小早川勢へ急襲をかけた軍がいた。宮本武蔵率いる武装軍団である。形勢は逆転し、小早川隊は潰滅。徳川家康は関東へ引き上げる。手柄を立てた武蔵は石田三成に気に入られ、城持ちの大名に取り立てられるが……。  孤高の剣豪ではなく、軍団を率いて大名まで成り上がる宮本武蔵の活躍を描く。歴史スペクタクル第1弾。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 怪奇犯科帳
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    文政年間、江戸では常識外の怪奇事件、猟奇事件、原因不明の超常現象などによる殺人事件が頻々と起こるようになった。地蔵が深夜涙を流し、竜巻が女体を天に舞い上がらせ、獄門台の首は宙に浮き上がる……。従来の町奉行や火盗改めでは手に負えないそれら事件を担当するのが、新役所「風俗改め」である。市井に融け込むため身分を隠し、あらゆるところに潜入して謎を追う四人の活躍を描く。長篇時代伝奇小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 枕妄之介 秘剣伏魔城
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    徳川網吉の圧政下、江戸元録期。腐敗する幕府の背後で、南蛮渡来の秘宝を巡って蠢く魑魅魍魎たちがいた。大商人・丸銀屋と、異国の騎士を擁する浪人集団・青竜組。それに対し、伏魔殿と化した幕府を探るべく隠密行動をとる若き吉宗。期せずして三つ巴の闘いに巻き込まれた無頼人・枕妄之介は、秘剣「水月殺法」と女殺しの色気を武器に、悪の陰謀に挑む! 長篇時代伝奇小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 武蔵坊弁慶 (1)
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    源氏再興に義経と行動を共にし、衣川で果てたわれらが弁慶。身の丈2メートル、130キロの巨躯のみなぎる怪力に似ず、美女・玉虫との恋に身を焼く純情な青年でもあった。正義感に燃えてふるった蛮勇故に叡山を追われた弁慶を待つものは……。剛力無双のヒーローの波乱の生涯を描く痛快巨編。 電子版分冊全23巻。 (本書は、1951年8月-1955年4月に東京新聞に連載され、1952年4月-1955年6月に刊行された小説『弁慶』を分冊・電子化したものです。)
  • 峯山庵だより 上巻
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    北条時宗が第8代執権につく数年前を時代背景としています。極楽寺の医療僧の一人である渋柿坊が宋渡りの医術で人々の病や悩みを解決します。鎌倉とその周辺の一風変わった観光案内でもあります。各話には、関連する場所の鎌倉時代を模したスケッチ画を掲載していますのでお楽しみ下さい。この巻は、渋柿坊と貫太との出会いから始まります。
  • 開運わん市 新・人情料理わん屋
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    新年の江戸。料理屋わん屋に集う常連たちは、平穏な日々が続くようにと願いを込めて、開運市を開くことにした。並ぶのは、災いから逃れた縁起物や神官が祈りを捧げた器だ。準備の最中、同じように縁起物を売る旅籠の噂が聞こえてきた。気になり覗いてみるが、とくに変わったところはないようだ。しかし、その正体を探ると……。料理人・役人・職人が織りなす人情物語。新章スタート!
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋 夕影草
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    元奉行所与力の茶屋の主・弥兵衛に、旗本から法外な金銭を要求されたという呉服屋から相談が…絶好調時代シリーズ第四弾!
  • 乱愛御殿 大江戸はーれむ物語
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    飲む打つ買うの放蕩が過ぎ、拝領屋敷も知行地も没収される身となった旗本・藤堂源四郎。 だが、全裸の美女を怪しい侍たちから救って屋敷に連れ帰った日から、彼の運命は一変する。 金策へ出かける度に、女壺振りや貧乏長屋の娘、双子の軽業姉妹など、なぜか、次から次に美女を拾って来る羽目に!? しかし源四郎は、美女と愛姦を繰り広げるうちに、彼女たちの受難に背後に陰謀があること突き止めた。 謎の女死客人や凄腕浪人と闘いながらも真相を追う源四郎。 果たして、巨悪を討ち、天命のように集まった美女たちを皆、幸せにしてやることができるのか? 御殿の美女はまだまだ増える!?──後日譚を新たに書下ろした番外篇「第八の天女」を収録した“乱愛シリーズ” の人気傑作!
  • 江戸の敵
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    ならず者の銀平は、山谷の茶屋女・お紋のヒモである。美人局で江戸を荒し回った挙げ句、長崎行きを思い立った。母親と自分を捨て、長崎で海産物問屋を営む父親を強請ろうというのだ。一方、お紋にも当てがないわけではなかった。馴染みだった役人が確か長崎に行っているはずだ……。ニヒルな二人の腐れ縁を描く表題作など、十一編。市井に生きる男女の愛欲を推理短編の手法で活写する時代小説短編集。 *餌屋の客人 *忘れていた女 *雨宿り *おびき出し *岡っ引無頼 *寝ものがたり *生き返った男 *身がわり *江戸の敵 *三河屋 *斬また斬 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 江戸の一夜
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    江戸勤番になった実直な侍が出会った妖艶な女。まんまと財布をすられながらも何となく憎からず思っていた。偶然か罠か、侍は逢瀬に誘われるが……。「江戸は怖い所だから、お気をつけになるんですね」生き馬の目を抜く大都市でたくましく生きる女と、武骨な侍の妖しくも爽やかな交歓を描く表題作など、十六編。江戸の街を舞台に、色と欲に狂奔する人々の姿を活写した時代小説短編集。 *江戸の一夜 *出戻りぐせ *ペテン師たち *笑くぼの女 *淪落 *不義の部屋 *ある御落胤 *隣りも妾宅 *みれん *渡し場 *酔眼の友 *夜逃げ家老 *権八伊右衛門 *欺し欺され *夫の首 *蛇 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 追われて中仙道
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    夏の中仙道、上州路。ひょんなことから道連れになった男と女。片や行きがかりで主を殺して金を奪った新助こと鉢谷幸次郎。片や囲われていた旦那を殺し、男に化けて江戸を立った島五郎ことお島。どちらもすねに傷持つ逃避行。迫る追手や地回りに雲助、群がる悪党を右に左に斬り捌き、京を目指してひた走る。明日をも知れぬ二人がたどり着くのは極楽か、はたまた地獄か……。長篇時代小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 暗闇草紙
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    湯島妻恋町の裏通り。明け方から夕暮れまで日が差さず、お先真っ暗な連中が肩寄せ住まう、人呼んで「暗闇小路」。その小路に引っ越してきた、いかにもわけありの娘・お春が押し込み強盗に襲われ、伝家の観音像を奪われた。手習いの師匠で糊口する浪人者・島小平は、思うところあって、お春の窮状に手を貸す。観音像は誰の手に渡ったのか、また像に隠された秘密とは? 波瀾万丈の娯楽時代小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • お夏太吉捕物控
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    お夏は花もはじらう十八の掏摸名人。幼馴染みの太吉あにいは、駈け出しの岡っ引だ。ある日、現場を押えた太吉は、お夏にひょんな交換条件を出した。赤犬を使う女掏摸から、さる大店の蔵の鍵を取り戻せば、見逃すというのだ。やがて鍵も戻り、事はすんなり収まるかに見えたが、当の女掏摸が殺されてしまう。事件は複雑に意外にこみいっていくうちに、お夏と太吉の二人は……。連作短篇時代小説。 *太吉売り出す *突き当った男 *お夏の恋心 *飼われた男 *二人で芝居を *太吉冬ごもり *花かんざし *昔の仲間 *田舎の親爺 *いつか見た顔 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 武田騎兵団玉砕す
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    信玄の跡を継いだ武田勝頼は焦っていた。重臣たちに、父と比較され軽んじられていることに腹を立てていた。そして信玄の遺言である「三年は死んだことを伏せ、守りに徹しよ」に背き、奥平貞昌が守る長篠城を攻めた。だが落城寸前、織田・徳川連合軍が押し寄せてくる。勝頼は討って出るが、予想をはるかに超える三千の鉄砲を前に苦戦。全国の武将に恐れられた武田騎兵団の運命は……。  天正三年(一五七五年)の「長篠の合戦」を舞台に、武田勝頼、奥平貞信、徳川家康、織田信長、鳥居強右衛門など各人の思惑をつぶさに描く。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 用心棒
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    荒川戸田の渡し近く、簀巻きにされた浪人風の男が助けられた。名は泥助(どろすけ)。男は助けられた縁で、上野池の端の安房屋に身を寄せる。用心棒稼業ながら、剣の腕はからっきし。昼間から酒をくらってぶらぶらし、女にだけはやたら手が早い。全くの役立たずにみえる泥助の正体は何者か。色と欲が渦巻く、江戸の闇の世界を舞台に、過去も未来も捨てた男の生き様を鮮やかに描く長篇時代小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 姉小路卿暗殺
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    京都で「天誅」と称する要人襲撃事件が相次ぐなか、攘夷派の重要人物・姉小路公知が暗殺された。現場に残されていた刀などの物証から、薩摩藩の田中新兵衛が捕らえられたが、彼は取調べ中に自殺してしまった。だが、人斬り新兵衛とまで言われた男の仕業にしては、あまりにお粗末だ。京都東町奉行の義兄の家に居候していた浪人・関要次郎は、事件の幕引きに不審を抱き、持ち前の正義感と好奇心に身を任せて事件を捜査する。果たして本当の下手人は誰なのか、暗殺を計画した組織は?  明治維新の一つの謎に独特の手法で挑む、快心の時代推理小説。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 仇討ち包丁 盗まれた味
    完結
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    江戸深川の飯屋〈江戸一〉は小体な店だが、味の旨さと店主の吉六特製のタレが人気で大評判。長男の吉平は店を手伝いながら、いつか自分も料理人になろうと心に秘めていた。 だがある夜、店に押し入ってきた何者かに父親は殺され、秘伝のタレの入った瓶も盗まれてしまう。吉六の死で一家は離散。吉平は柳橋の料理茶屋に拾われ、奉公人として料理の腕を磨いていく。 だが、思いは父の仇を見つけること。吉平の身を案じる南町奉行所同心・矢部一之進は科人を捕らえるべく、探索に奔走していた。 一向に手がかりのないまま五年の年季が明け、出商いを始めた吉平。ある日〈江戸一〉の味に似ているという料理茶屋の評判を聞き、出かけた吉平がそこで見たものは?書下ろし長編。
  • 仏陀伝
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    紀元前五世紀、十六の大国が争う古代インド。社会の急激な変革は古い神々の教えを揺るがせ、人々の心に虚無がはびころうとしていた。釈迦国の王子ガウタマ・シッダールタは虚無にあらがいながらも生きることの苦しみを悟り、国も身分も家族も捨て、苦からの脱却を目指す。長い修行の果てに“目覚めし者”仏陀となった彼は、全ての衆生の救済を志すーー。 古今東西の仏教研究・学説を下敷きに、シッダールタ=仏陀の誕生から入滅、それを彩る「虚無の太陽」プーラナら自由思想家、多くの弟子たち、反逆児デーヴァダッタ、釈迦国の滅亡、王舎城の悲劇、殺人鬼アングリマーラなどを新たな解釈で描き出す。 小乗仏教的志向と大乗仏教的志向の萌芽とその対立の中で、仏陀最後の旅を記した経典である大般涅槃経をなぞりながら、そこに隠された仏教分裂に至る原因と思惑を解き明かす最終章は圧巻である。人間仏陀の偉大なる生涯と挫折を描いた長編歴史小説。
  • 蒼翼の獅子たち
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    時は明治初年、新しい国のかたちが定まらないころ。四人の若者が、マグマのような熱い情熱と石清水のような清冽な理念を胸に、この国の未来を創ろうともがいていた。アメリカの最高学府の教育を受けるには語学力はもとより、基礎学力も充分とは言えず、わが身をほとんど白紙の状態においての渡米。わずか数年前、新政府軍と幕府軍に分かれて戦っていた彼らが、なぜ海に渡ったのか、なぜ日本で大学を創ろうとしたのか。時代が人を産み、人が新しい国を育てる……。  後に専修大学を開校する相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の四人を中心に、明治維新直後にアメリカへ渡った若き留学生たち。その熱き夢と友情に溢れた青春群像を、直木賞作家・志茂田景樹が実話をもとに骨太な筆致で描く。静謐な感動が心に沁みてくる歴史小説。2010年には「学校をつくろう」というタイトルで映画化(監督:神山征二郎/出演:三浦貴大、橋本一郎、池上リョヲマ、柄本時生/配給:ゴー・シネマ)された。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 徳川慶喜と血族
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    あいついで側室を置き、十数人の子をもうけ、狩猟、油絵などの趣味三昧の生活。その慶喜を密かに訪れる権力者たち。奥深い屋敷の中で何が起こっていたか。慶喜は明治政府の改革を、西南戦争をどのような思いで見詰めていたか。徳川幕府瓦解後、駿府の元代官屋敷に引き籠もった徳川慶喜の生活を、女中頭・須賀の目を通して描く。長篇時代小説。『徳川慶喜と家族』の続編的内容。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 徳川慶喜と家族
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    上様が私の帯を解いたのはたった一度。須賀はそれでも維新の激浪にもまれる慶喜とその家族を守りきった。日米通商条約、安政の大獄、継嗣問題、五か条の御誓文、大政奉還、鳥羽伏見の戦い……。激動の軸となった徳川慶喜の胸中深くに大きくひろがっていた理想とは何だったのか。彼の身のまわりの世話を勤める一橋家女中頭・須賀の目を通して、幕末の動乱と徳川家の悲劇を描く。長篇時代小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 汽笛一声
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    汽車は、明治三年(一八七〇)三月二十五日の測量開始から、五年九月十二日のきょうこの日に開業式を迎えるまでの、二年半におよぶ建設の歴史を乗せて走っていた。宏蔵は、客車の一輛一輛がその歴史のひとこまひとこまに思えて、つかのま放心していた。軌条の上で死んでも本望だと腹をくくり、心血を注いで建設工事にうちこみ、完成にいたった鉄道を、たったいま、随従の高官、各国の公使、代理公使などを多数乗せて、御召の汽車が走ったのである。(本文より)  イギリス人鉄道技師のエドモンド・モレルを師と仰ぎ、日本初の鉄道敷設工事に命をかける若き鉄道技師・宏蔵。大隈重信、伊藤博文、大久保利通、井上馨、西郷隆盛、山縣有朋、江藤新平などがこの利権に絡んで暗闘を演じるなか、今、蒸気機関車は夢を乗せて走る……。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 南朝の日輪 北畠親房
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    延元四年八月十六日、後醍醐天皇崩御。「なんと帝が、おかくれになられたか。ああ、お早すぎた」南朝方の中心人物・北畠親房は嘆き、大いに落胆した。京都回復の望みはならず、草深い吉野の行宮に果てられた後醍醐天皇の不運と無念を思うと、はらはらと落涙するばかりである。「この吉野を守りぬいて足利を討ち滅ぼすまでは、死ねぬ」南朝の京都回復のために影の軍団・多聞党を使い、足利家内部を攪乱する親房。その心には若くして戦場に散った、わが子・顕家の面影が常によぎる……。  公卿でありながら、武将であり、軍師であり、冷徹な経営家でもあった親房の炎の生涯を描く。長篇時代小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 新史 大坂天保山 天保の御救い大浚え
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 天保2年、大坂の町の繁栄を願って庶民から豪商、武士、農民まで全ての人々が力を合わせて、淀川全域にわたる大工事「御救い大浚え」を行った。水の都大坂で、官民一体が一体となって行なった「御救い大浚え」とは? なぜ行なわれたのか? 本書は、大坂庶民がかくも大浮かれさせ大賑わいさせた「御救い大浚え」の大事業を、史実に基づき新たな視点で描いた画期的な長編歴史小説。
  • 一目惚れ 風烈廻り与力・青柳剣一郎[57] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
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    金を盗んだら、心を奪われちまった? 勘定奉行の屋敷で女に惚れた盗人の運命は…… 剣一郎は男の一途な想いをいかに裁くか! 「あの人を守りてえ」武家ばかり狙う盗人の亀二は、忍び込んだ勘定奉行藤森兼安の屋敷で百合のように可憐な女に魂を奪われた。 女を忘れられない亀二は盗人から足を洗う決意をする。同じ頃、藤森の火盗改頭時代の配下が相次いで殺された。十年前、共に凶賊一味を捕縛した者達だ。 探索を始めた青柳剣一郎は屋敷の傍に出没する亀二を訝しむ。直後、その女が襲われ……。
  • 二刀の竜
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    毒を盛られた同門の朋輩を刃にかけてしまった竜崎竜次郎。師匠の悪謀に嫌気が差した竜次郎は剣術を捨て、生まれ持った味覚の才を活かす料理の道に生きることを決意する。戦国の世に「天下一味勝負」の旗を立てて、包丁の腕での仕官の途を求め諸国をさすらう。水、塩、酒を選び、出汁を磨いて山海の食材を目利きするのだ。刀と包丁の二刀で戦国の世を渡る元剣客の包丁人・竜崎竜次郎の味勝負腕試し!〈戦国グルメ小説〉
  • 龍の袖
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    北辰一刀流、千葉道場の主定吉の娘として生まれた佐那は十代にして免許皆伝、その美貌も相まって「千葉の鬼小町」と呼ばれていた。ある日、佐那が道場に行くといきなり手合わせを申し込まれた。土佐の坂本龍馬と名乗ったその男は、日本だけでなく世界を見据える広い視野を持っていた。そんな龍馬に佐那は次第に惹かれていく。龍馬もまた佐那に想いを寄せ、二人は許嫁として互いの家族も認める存在となった。京都へ赴く龍馬のために佐那は坂本家の桔梗紋入りの袷を仕立てるが、龍馬はそれに袖を通すことなく非業の死を遂げる。悲しみの中、佐那は袷の右袖をほどき、龍馬の形見とした――。「私の人生は、この袖に翻弄され、この袖に泣き、この袖に守られてきた――」大政奉還後の日本の道筋を作るため奔走した坂本龍馬。その許婚として龍馬を待ち続けた千葉佐那。運命に翻弄された二人の愛の物語。
  • うかれ堂騒動記 恋のかわら版
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    かわら版屋のお転婆が引き起こす珍事件!? 17歳の一穂は、黒目がちの目がくりくりと大きい。なのに、たいそうなお転婆。せっかくの整った顔立ちが台無しだ。その一穂、事情があって、かわら版屋〈うかれ堂〉を営むおじさんの市右衛門と一緒に働いている。今日も今日とて、工房を構える日本橋の〈うかれ長屋〉でご飯を食べていると、北町奉行所の同心・吉田主計が様子をうかがいにやって来た。一穂と幼馴染の吉田は、事件のネタを〈うかれ堂〉のために漏らしてくれているのだ。そのかわりに一穂と市右衛門は、江戸市中で見聞きした物事を報告し、時には探索を手伝っている。十手こそ渡されてはいないが、吉田とは持ちつ持たれつの間柄というわけだ。そんな吉田が持って来たのは、新任与力の水野左衛門が一穂と直に話してみたいという、呆れた私事。ところがいざ会ってみると、なぜだか、北町奉行の小田切土佐守と寺社奉行の青山下野守の政争につながるネタを追う羽目に……。挙句の果てには、とんでもない大騒動になって!? 『幕末ダウンタウン』で第十二回小説現代長編新人賞、『ぴりりと可楽!』で細谷正充賞を受賞した実力派時代作家、初の文庫書き下ろし! (底本 2022年5月発行作品)
  • 合本版 楠木正成(上・下) 新装版
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    時は鎌倉末期。幕府の命数はすでに尽き、乱世到来の情勢下、大志を胸に雌伏を続けた男がひとり――。その名は楠木正成。畿内の流通を掌握した悪党は、倒幕の機熟するに及んで草莽の中から立ち上がり、寡兵を率い強大な六波羅軍に戦いを挑む。楠木一党は、正成の巧みな用兵により幕府の大軍を翻弄。ついには赤松円心、足利高氏(のち尊氏)らと京を奪還、後醍醐帝の建武新政は成就したが……。信念を貫くも苛酷な運命に誘われ死地へ赴かざるを得なかった、悲運の名将の峻烈な生を迫力の筆致で描く、北方「南北朝」感涙の最終章。 【目次】 第一章 悪党の秋 第二章 風と虹 第三章 前夜 第四章 遠き曙光 第五章 雷鳴 第六章 陰翳 第七章 光の匂い 第八章 茫漠 第九章 人の死すべき時  解説 細谷正充
  • 髪結おれん 恋情びんだらい
    値引きあり
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    神田小柳町の裏店で暮らす、廻り髪結の姉・お松と、妹・おれん。おれんは両替屋で手代となったばかりの弥吉から所帯を持とうと告げられ、哀しい恋の過去を持つお松も錺職人の蔦次と良い関係となり、姉妹の家は幸せにあふれていた。だがある日、店の金を奪われそうになった弥吉が誤ってやくざ者を殺してしまい、無情にも遠島を申しつけられてしまう。哀しみに暮れながらも帰りを待つと誓ったおれんだが、なぜか姉妹にあやしい影がつきまとい始める。ついに人気のない場所で匕首を突きつけられたおれんは、背後から良く知った声を聞く――「おまえらは、見なくていいものを見てしまった」。そこに助けに入ったのは、同じ髪結の郷太で……? 江戸の片隅、健気に生きる髪結い姉妹の波瀾万丈な恋模様を描く人情時代小説。
  • 浪士組始末
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    出羽の浪士・清河八郎は一介の剣客ではなく、政治的野心の熾烈な機略家であった。安政6年、江戸は神田お玉ヶ池に堂々と「文武指南所」の大看板を掲げたほどの豪の者だったが、郷里で17歳のおり隣家に娼婦を招くなど、34年の生涯は不羈(ふき)奔放なところがあった。――文久2年11月、幕府の政事総裁・松平春嶽に当今急務三策を上書して、浪士組成立の端緒をつくった清河八郎が、京師にのぼって攘夷を画策、江戸帰還後も浪士組の隠然たる黒幕として、向背つねなく、攘夷の勅諚を奪還せんとして、幕府の浪士抑圧の策におちいり、仆(たお)れるまでを描いた「浪士組始末」他8編。
  • 素浪人梅津長門
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    『江戸群盗伝』の続編。将軍家斉の御落胤雪姫と所帯をもった梅津長門は、読本の人気作家となっていたが、ある日、北町奉行の遠山左衛門尉に見込まれ、因縁の相手が絡む事件に巻き込まれる。隠された財宝、引き起こされた殺人、雪姫とよく似た娘……謎は深まってゆく。『眠狂四郎』に先立ち書かれた美貌の剣士、梅津長門の剣が冴える痛快時代小説。
  • 江戸暦(上)
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    <北天を翔けるシリーズ>待望の第二作。 漫勉と生きていてはいけない。やることはいくらでもあるはずだ。 愛する祖父母の死を乗り越え、故郷を離れ江戸へ挑戦の旅に出た若者、佐藤満。 蘭医のもとで修行するアイヌ吉良丑之助、長屋に住む元女太夫幾代らとともに 江戸の町で逞しく生きていく姿を、 当時の風俗を徹底的に調べ上げ迫力のある言葉で書き上げた伊藤英俊充実の第二作。
  • 国姓爺〈上〉
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    戦国の世も末。鄭芝留、号は飛黄、明末の福建省に生れ、18歳で九州平戸に渡る。在日十年、宮本武蔵の門人・花房権右衛門について武術を極める。海運と密貿易で南海に君臨する大船主・顔思斉の下に馳せ参じた芝竜、やがて寵臣の劉香をしのぐほどに重用されたが、思斉が毒殺され、後継は海の掟に従い、劉香との剣米の神事争いとなった…。海の無頼・海寇たちの活躍を描く海洋活劇ロマン。 (※本書は1989/9/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 上杉太平記
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    森平右衛門は軽輩の出ながら、奢侈に耽る九代米沢藩主・上杉重定に取入り、租税を一手に押さえ、併せて人事も掌中にした。凶作・水害が打ち続き、藩の経営が危殆に瀕している中で、独り栄耀を極める平右衛門に、漸く非難の声が挙った。その中心にいたのは、竹ノ股当綱ら、後に名君鷹山に仕えて藩政改革に着手する賢臣の一群であった。藩主の寵臣をいかに誅すべきか。名門・上杉家の内訌を描く長篇歴史小説。 (※本書は1987/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 春色江戸巷談
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    神田皆川町の〈竹床〉だの〈松の湯〉、それにめし屋の〈やなぎ屋〉などは、長屋の連中の溜り場だ。将棋をしたり噂話に花をさかせるのが、ささやかな楽しみなのだ。大工の勝蔵が、弟分の千代吉が近ごろ吉原がよいにうつつをぬかしていると聞かされたのも〈竹床〉だった。ふと思い当ることがあって勝蔵は…。江戸庶民の色模様を、老練、鮮やかな筆致で描いた情感あふれる時代傑作小説。 (※本書は1991/7/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 深淵の色は 佐川幸義伝
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    合気の達人が極めた武術の神髄。 不世出の剣豪小説家、渾身の遺作。 初文庫化! 剣豪小説の第一人者が武術の深淵に挑んだ遺作! 「合気心に至れば、我無く、人無く、生も無く、死もまた無し」――大東流合気武術の達人、佐川幸義。わずかに触れただけで相手の体が吹っ飛ぶ魔法のような技を目の当たりにし、剣道有段者の著者はその技の深淵を探るため門人となったが…天才武術家の謎の生涯をたどり、弟子たちが見た師の素顔を通して、知られざる神業の真髄に迫った、渾身の遺作。 目次 第一章 ちいさな閃き 第二章 疾風の打ちこみ 第三章 ふしぎな機縁 第四章 師弟のつながり 第五章 言葉のない会話 第六章 理と気 第七章 佐川合気活法の神髄 第八章 武田惣角先生の足跡 第九章 先生の息子さん 第十章 秘密の世界 作品解説:末國善己 作家解説:菊池 仁
  • 滔々と紅 分冊版上巻
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    1~2巻550円 (税込)
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が分冊版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を上下巻に分冊したものです。
  • イルカ殺し - 大化改新(改)~窯変、乙巳の変の巻~
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    イルカ(蘇我入鹿)は、なぜ殺されなければならなかったのか? ウマカシの丘の屋敷で、イルカがナカチコ(中臣鎌足)に明かした秘密とは? 権謀術数が渦巻く古代…。 大国・唐と向き合わざる得ないなか、若きリーダーたちは青春をかけ、列島の生き残りを図る。 東国との軍事同盟、学問堂主でありイルカたちを導いてきたはずのミン法師の二千人計画。 異能の少女・カガミのヒメギミ(鏡王君)との出会いは、なにを意味していたのか。 時代のうねりは、心優しき皇子ナカノオオエ(中大兄皇子)も巻き込んでいく。 いくつもの謎と、ちりばめられた伏線。それぞれの思惑が絡み合い織りなす、壮大な歴史ファンタジーが今、幕を開ける――。 流転する魂が400年間の古代史の秘密を描く伝奇ノベル。 【著者プロフィール】 尾崎 克之 (おざき かつゆき) 埼玉県東松山市生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。ゲームブック作品に『学園妖怪バスターズ』『魔幻牛王伝』(双葉社)など。ゲームタイトルノベライズ作品に『エフゼロ』『ワルキューレの冒険』『ゼルダの伝説』『ファイアーエムブレム外伝(上下)』(双葉社)など。2012年、第八回銀華文学賞歴史小説賞奨励賞を受賞。近年は歴史関係書籍・ムックにも部分執筆・編集協力多数。
  • 羽州ぼろ鳶組 【合冊版第一期/1-7巻】
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    かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」――。 しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。 そんな源吾が、出羽新庄藩からの誘いで"ぼろ鳶"と揶揄される、寄せ集めの火消集団を率いることになり・・・・・・ 時代小説の新鋭が諦めない者たちの再生と再起を描く、炎より熱く胸を焦がす大人気シリーズ。 一巻『火喰鳥』から七巻『狐花火』までを収録した合冊版第一期。
  • 風魔【合冊版/全4巻】
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    南蛮人と見紛う異相、生まれながらの巨躯と膂力。箱根山塊に「風神の子」ありと恐れられた英傑がいた――。 時は戦国。関東の雄・北条氏一門は、関白豊臣秀吉率いる桁外れの軍勢を小田原城で迎え討たんとしていた。北条百年を影で支える風魔一党の束ねである小太郎は、主君を救う奇策を講じるが……。 時代小説の第一人者が描く、戦国の猛将たちに恐れられた、伝説の忍びの生涯! 感動時代巨編『風魔』上・中・下巻に『風魔外伝』を加えた合冊版。
  • 深川鞘番所【合冊版/全13巻】
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    鉄心夢想流秘剣「霞十文字」見参! 無法地帯と呼ばれた深川を舞台に、大滝錬蔵率いる鞘番所の面々が縦横無尽に活躍する! 人気シリーズ「深川鞘番所」「新・深川鞘番所」シリーズ全13巻の合冊版。
  • 花の生涯【合冊版/全2巻】
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    三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼。「政治嫌い」で、気楽な学問三昧の暮らしを望んでいた直弼だったが、一代の才子・長野主膳との親交を通して、時代を見る眼は磨いていた。 しかし、絶世の美女たか女との出会い、そして思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していく…。 幕末、大老として開国を推進し、ついには桜田門外で惨殺された直弼と、腹臣長野主膳、たか女の波瀾の生涯を華やかな筆致で描き出した不朽の名作、上・下巻の合冊版!
  • 信長と征く 1 転生商人の天下取り
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    戦国日本制覇のカギは現代人が生み出す奇策!? 21世紀の知識を持つ男が乱世に挑む。 縁の下の戦国英雄譚、開幕! 時は戦国、桶狭間の戦いに勝利した織田家に大博打を仕掛け、その度胸と知恵から信長に一目置かれた商人がいた。 名は大山源吉、21世紀から時を遡り転生したという秘密を持つ男だ。 誰が覇者になるか、史実を知る彼の野望は信長を支えつつ、銭の力で天下を取ること。 現代知識を武器に商人としての闘いが始まる。
  • 天草キリシタンの秘旗
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    江戸から続く旧家の敷地で、十字架を帯びた五十体もの人骨が発掘された。若き外科医・松平が調査に向かったが、大量の人骨は一夜にして何者かに運び去られていた。現場に残された十字架から、今日まで潜伏を続ける隠れキリシタンの結社“オラショパンヤ”の存在を知った松平は、盗まれた人骨を追って天草へ。だが、血塗られた歴史の真相に迫る松平を、オラショパンヤの秘技『天帝隠剣』が襲う。「島原の乱」に仕組まれていた壮大な陰謀とは!? 長篇伝奇ミステリ小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 宴忌七郎・裏目付妖変
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    宴忌七郎(うたげ・きしちろう)は、巨悪を闇のうちに絶つ役目を負った裏目付である。裏目付は幕府の正式の職制の中には存在しない。老中・松平周防守が腐敗の横行する治世をみかねて密かに組織した。文政十一年、江戸・両国で覆面の二人組に、ひとりの商人が斬殺された。現場に居合わせた忌七郎が、風をも殺す剣法・風殺剣で一人を切ったが……。殺しの裏には、あこぎな地所上げとご禁制の金の地金に手を出してのしあがった新興商人・佐渡屋がいた。すべて、極秘をむねとして、極悪の高みにいる者を突きとめよ。忌七郎に密命が下った! 長篇時代小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 半九郎闇日記 上
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    赤穂浪士が仇討ち後、死をたまわって14年。いまだに泉岳寺の辺りに、大石内蔵助(くらのすけ)が出没するという。駿河屋小町と評判のお京も、たしかに大石を見た。いや、大石に狙われたのだ。小日向主水(もんど)を婿に迎えた夜、お京は誘拐されてしまった。ただ、奇怪はそればかりではない。播州浅野家縁故の女性が、あいついで殺されている……。なぜか? 大岡越前守の懐刀(ふところがたな)水木半九郎も手をこまねくばかりだった。だが実は、浅野家の瓦解前後、奥方をめぐって何か事件があったのだ。瓦解によって門外に出た「将監闇日記」の秘密。竜宮と於菟(おと)姫と浦島、塩売り吉次、幽冥庵など、不可解な謎が半九郎の心を迷わせる……。<上下巻>
  • 寝みだれ夜叉(上)
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    身寄りのない自分を育ててくれた叔父の墓参りにでた美奈は、その近くの梅屋敷で、見てはならぬ情事を見てしまった。白昼の悪夢のごとき光景! だがそれがモトで、美奈は水死……いや、殺されたのであった。恋人・長谷川多聞の驚き! 多聞は狼狽して、水木半九郎に助けをもとめた。半九郎は、いま売出しの町方同心である。しかし、半九郎が真剣になればなるほど、複雑な難事件であった。今様吉田御殿と騒がれる鷹取屋敷の椿の方、謎を秘めた紀州家の奥、幸うすい千世姉妹、闇を跳梁する頭巾の女、そして半九郎が最も頭を痛めたのは、上司・大岡越前守の疑惑の行動だった! <上下巻>
  • 将棋大名(上)
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    安永年間の江戸、ある日、奇人の蘭学者・平賀源内ご自慢の舶来遠眼鏡に映し出されたのは、妖艶な裸の女性がむごたらしく殺される場面だった。死体につけられた「死人詰」という一風変わった詰め将棋の図を手がかりに犯人捜しが始まるが、やがて捕り手の柳造が、次にはその娘も残忍に殺され、二人にもまた、同じ「死人詰」図がつけられていた。源内の弟子で柳生流の達人・高島春作は、江戸を揺るがす連続猟奇殺人となったこの事件に、彼を慕うお千代とともに巻き込まれていく。伝奇小説の産みの親が描く時代ミステリー長編、映画化もされた傑作。<上下巻>
  • 春風まぼろし谷(上)
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    江戸の謎といわれる笠松屋敷に奉公した孤独の美女・お信乃は、偶然にも禁制の離れをのぞいてしまった。世にも怖ろしい光景が、お信乃の眼前に展開する。妖気をはらむ屋敷の主(あるじ)笠松半太夫とは何ものだろう。さらに、彼をうかがう若い素浪人、怪童、乞食大名、女忍者との激烈な争いは? 事件の一切の鍵は、伝説の秘境・まぼろし谷と、そこに住む霧姫さまの上にあった……。<上下巻>
  • まぼろし若衆(上)
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    桔梗の紋所の着物を着て夜に徘徊する若衆の正体は? 将棋の駒と秘文書に秘めし、鄭成功の遺した財宝の謎。異様でサディスティックな性的衝動に駆られた男が築き上げた王国と宮家の血を継ぐ姫との対決の結末は? 翻弄されながらも、亡き母が遺した笛と秘曲を吹いて、秘宝に……。<上下巻>

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