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江戸無情
放埒と奢侈に耽る十一代将軍家斉の治世。江戸市中では次々と大工が襲われるという事件が続いた。八丁堀の同心・鏡源次郎は殺された大工が馴染みの女郎に贈ったべっ甲の中挿を手に入れたが、倹約令によるご禁制の品、大奥女中の持ち物と判明した。一方、寺社奉業・脇坂淡路守は目に余る僧侶らの腐敗堕落を粛正すべく、近習の名越兵馬らを使い、谷中延命院を探らせていた。時代小説大作。 (※本書は1990/4/1に発売し、2022/2/10に電子化をいたしました) -
旅情密集
ここを永住の地と決めている人が、はたしてどれだけいるだろうか。新しい都会生活の様式=団地。10数万人がそれぞれに群がり生きている。鉄筋の壁を隔てて恋人同志が暮していることもあれば、挨拶を交さない隣同志もあろう。職業も生活も千差万別。そして、やがてはまた離ればなれになっていく……。 この巨大なマンモス・ビルの中に住む人々の哀歓を、1話1話にまとめて大きな反響を呼んだ、沢野久雄氏の評判小説。 -
娘の縁談
祖母に縁談をおしつけられ、18の時、九州から東京へ飛び出してきたおてんばの千栄子さん。それから4年、おっとりとした友人の友子さんと同居しながら、速記者として働きつつ、女優のタマゴとして頑張っている。そして、そろそろ恋愛や結婚のことを真剣に考えるようになり……。映画化もドラマ化もされた傑作。 -
誰にも出来る殺人
安アパート「人間荘」は、1階に7部屋、2階に9部屋があって、それぞれに人間離れした住人が住んでいる。12号室の住人は変わるたびに、人間荘で起きた殺人事件を、黒い表紙のノートに書き遺して……。そのノートが暴く5つの連続殺人と、その円環を閉じる最後の殺人の物語で、「新本格」の先駆けとなるような奇想に満ちた大傑作。 -
息子の結婚
大学教授兼評論家で釣りの好きな小山行夫さんも、そろそろ息子の結婚を考えねばならなくなった。照夫君には、ガールフレンドのヒロ子さんがいる。彼女の父・牧ドクトルも、釣り天狗である。照夫君の学友・進藤進一君の父・嘉六氏は、小山さんの先輩で、政治ずきな実業家だ。手に負えない息子と杉本ユリエさんの運命的なトラブルで、嘉六氏は小山さんに相談する。アプレ息子を持つ親父には、共通の不安と悩みがあるが、それを解決するために、小山さんの活躍がはじまる。戦後のホームドラマに新生面を開拓した作者が、奔放な青春にやどる思索と行動を描いた明朗な長篇小説。 -
息子の縁談
銀座の老舗ブティックの主人は婿養子で、頑迷なるカミさんには頭が上がらない。その一人息子に、財界巨頭のトンデモ三女、整形美女の外科医、新橋の売れっ妓芸者、横浜商社の社長秘書など、自薦他薦の縁談・艶談が舞い込む騒動のうちに、元戦友の清純な縫い子の妹との結婚に到るまでの、明るく軽快な物語。 -
青春探偵団
片田舎の高校で、ミステリー小説研究会「殺人クラブ」の同人6人の、軽快な会話とドタバタな調子で語られる推理劇5篇の連作集。 -
色の階段
猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。 -
女人国伝奇
蜀山人が「全盛の君あればこそこの廓は 花も吉原月も吉原」と頌歌をささげた松葉屋の花魁・薫。抜群の美貌と聡明さ、そして見事な侠気で、この女人国の苦海を泳いでゆく。欲と金、色恋の深淵、侍の意地……。快楽の国・吉原で起こる奇っ怪な出来事に、鼠小僧次郎吉、葛飾北斎、遠山の金さんなどが絡んでゆく、山田風太郎ワールド。 -
光の肌
晴海埠頭で1台の自動車が引き揚げられたが、運転者の死体は出てこなかった……。Mデパートの店員・野上美樹子は、妊娠処置のことを、銀座のクラブに勤める友人に相談した。そのとき、英会話と車の運転ができる美樹子に、ある会社の秘書にならないかとの話がでた。そして美樹子は、大竹通産の専務秘書になった。高価なドレスや和服を着せられ、高級レストランや料亭につれ歩かれた。数か月後のある夜、大竹通産の社運をかけた取引がおこなわれた。相手は、東南アジアのQ国使節団。座には芸者もきて賑やかだったが、代表格の男は、美樹子にしか関心を示さなかった。その数日後……。 -
影ふかき人
心ならずも神宮球場のスーパースターの妻となった冴子は、新婚旅行の途次、新郎・信三とともに事故に遭ってしまう。そして、新婚初夜にも関わらず、冴子は建築家の城田と結ばれ、子を孕んでしまうのだった。それでも、意識の定まらない状態になった信三を愛せるようになった冴子だが、奇跡的に元に戻った信三の暴君振りに、今度は家を出てしまう。そこには、独身となった城田に想いをかける3人の女たち。だが、ついに冴子は城田と……。 -
美しき母への讃歌
代々の豪商の家に嫁ぎ、 日出夫を22で生んだ母。若旦那育ちの父は事業がうまくいかず、飲んでは母に暴力をふるい、やがて女と出奔してしまう。日出夫は小学5年、そのときから母子の貧乏が始まった。村に移り住み、製糸工場で働く母。日出夫を中学にやりたいが、その金がない。日出夫は進学をあきらめようとしたが……。母の大きな愛、それに応えようと成長する息子。学び舎、友、恋、青春の日々。 -
赤ちゃん誕生
男児か? 女児か? どんな赤ちゃんか? 第1子誕生を目前に、不安と期待に胸おどらす若夫婦を中心に展開するホームドラマーー「まるで貴重な壺みたいなものだ。よほど丁寧に扱わないと、こわれてしまう」……愛妻・美和子さんのふくらんだ下腹を見ながら、光男は禁酒・禁欲の決心を新たにする。初めての子供が生れるのだ。あとしばらくの辛棒である。ところが、5年前に別れた初恋の女性・歌代が、いまはスターとなって出現、彼の禁欲をゆさぶったり、ネズミのフンと杉苔を妊婦にのませると、頭脳明敏な男の子が生れると信じてやまぬ故郷の父が乗りこんできたり、三田家は臨月をひかえてもユーモラスな騒動がたえない……。軽やかに淡々と、家庭の笑いをふりまく林文学の異色作。 -
青空乙女
戦後日本の空に民間航空路が広がるなか、真木三枝子は時代の華となった客室乗務員として、家族を支えながら懸命に働いていた。機内で美しく立ち振る舞う三枝子を、息子の結婚相手として見初めたのは、建設会社社長の藤川。しかし、息子の重雄の意中の人も、かつて機中で見かけた三枝子その人だった。磁石の両極のように惹かれ合う二人だったが、その恋路と両家の前には、国際的な詐欺集団による事件の数々が立ちふさがる。新しい風景となった空の旅と猥雑な地上の世相が交錯し、戦後のエネルギッシュな息吹を伝える長編青春小説。 -
酔いどれ牡丹
沼田藩・真田家の奥深く、「お黒の森」に幽閉されて育った、雪姫に秘められた謎。雪姫に懸想した当主・信明が捨てた春姫が、身中に育てる邪悪な心の結末は? 雪姫派と春姫派に二分された真田家を巡る、家臣軍団と凄腕忍者たちの抗争。「雪姫の幸あれかしと黒姫の」の下の句に隠された謎を明かす鍵とは……。<上下巻> -
再婚旅行
越智さんは齢50を越えた、鎌倉の人里離れた地で執筆に追われる、人気の小説家である。結婚25年の千代子さんと2人の男の子、お婆ちゃんとお手伝いのお啓と暮らしている。一見穏やかな世間にある日々だが、酸いも甘いもかみ分ける越智さんにとっては、人生模様のドラマを垣間見る毎日でもあった。老いも若きも男も女も、町の親分も謹厳な弁護士も、動物たちも、悲喜こもごもに思いを語りだす、10篇の連作ユーモア小説。 -
月姫系図
極悪非道の金山奉行・大久保石見守長安の配下の忍者・いの字や浪人・兵馬と戦う、正義の剣士・桜井進太郎。信玄の隠し金山をめぐる欲と欲のぶつかり合いと、武田勝頼の妻・月姫の謎とその孫に迫る毒牙。 -
海風山風
毛利家の城奥ふかく「客人」として扱われている姫君・也々さまの救出こそ、速水茂平次の悲願だった。秘策をこらして一度は成功したのに、姫の姿は瀬戸内の島影に消えた。誰の仕業か? 茂平次がシャムに使した時から影のようにまつわりついている奇怪な党派の首領・甚吾の妨害なのか。知香と名のる野性の美女の正体も判らぬ。が、茂平次は決然と島に乗りこんだ……。実は、一触即発の豊臣・徳川の対立をまえに、鉄砲・火薬あつめに暗躍する一派にとって、也々さまの生いたちには、貴重な財宝をさがすカギが秘匿されているようだ。姫は何者の手中に……。<上下巻> -
黄金の星座
卒業まであと1週間というところで、大学を放校になった邦彦。代わりに首席となった謙之介。孤高の天才と、野心に溢れた策士。ともに建築家を目指して上京し、邦彦は落ち目の建築事務所で、謙之介は一流建設会社で働き始める。才能対野望、因縁のライバル。ネオン瞬く東京の空、黄金の星座に続く黄金の梯子を上り詰めるのは、果たしてどちらなのか? -
賭の季節
映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。 -
赤姫秘文
前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。 -
青春家族(決定版)
食料不足の終戦後、小説家の越智さんは、親子4人の栄養失調を回復すべく、毎日書斎にこもって腰の骨の痛くなるほど書きつづける。「いやしくも一家の家長である以上は、家族扶養の義務をおろそかにすることはできない。」……昭和の父の奮闘、妻の献身、息子の成長……。家族の青春をコミカルに、ポジティブに描いた「青春」シリーズ決定版。 -
高すぎた代償
失業した久世は、元上司の未亡人・治子が経営する連れ込み旅館に居候している。ひも生活の慰みにと、客室に集音機を仕込んで盗聴しているうちに、ある会社の労組絡みの無理心中事件に不審な点があることを知った。好奇心を覚えた久世は、私立探偵を名乗り、治子とともに関係者を調べ始めるが……。昭和30年代の東京を舞台にした長編ミステリー。 -
考えない世界
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 どんな世界なんだろう……。考えすぎてませんか? あなたに贈る絵本です! ーー何かと考えすぎてはいませんか? 考えるべきこともあるでしょうが、考えなくてもいいことも、またあるのです。考えすぎるあなたに代わって、考える小説家・原田宗典が、考えに考え、考え抜いた末にたどり着いた、考えない世界とはいかなるものか? イメージ豊かなかとうゆめこの絵とのコラボレーション。 -
あがのあねさま
SDGsを掲げた世界は、達成目標1年前の2029年を迎えてもなお目標達成できないでいた。 人類も日本政府も努力したが、結局達成には間に合わないことが確実になり、人々は悲観しつつ、その責任を互いに醜く押し付けあった。 だが、そのとき、3隻の女性形女性サイズ移動要塞が進空した。 阿賀野と能代と矢矧。日本政府が一発逆転の目標達成のために建造した女性形女性サイズ巡洋艦三姉妹である。 その彼女たちが秘密裏に配属されたのは、なんと、阿賀北地域の実験都市。 今、人類の運命をかけたSDGs一発逆転達成計画が開始された! 今時困難な近未来SF小説、無理を承知でテイクオフ! -
宵闇の盃
舞台は明治時代の新発田。日本を代表するとまで言われた陶芸家・津崎紅山の自宅(通称:椿屋敷)で「お手伝いさん」として働く五十嵐千代は、ある秘密を抱えていた。それは千代こそが津崎紅山の唯一の弟子と噂される人物「紅千」だということ。 明治の陶芸界は男社会。女性である千代は、紅山のもとで素性を隠しながら活動していた。そんなある日、かつて新発田の地を飛び出した陶芸嫌いの弟・清吾が帰郷。清吾にも陶芸をしていることを隠していた千代は内心穏やかではいられない。一方、「紅千」としては作品を展覧会に出すチャンスが訪れる。ただし、そのためには会場に顔を出し作家として在廊しなければならないと言われてしまう。悩んだ千代が選んだ方法とは…? すれ違う姉弟の愛情と、男社会の波に揉まれながらも、己の生き方を見出そうと葛藤する姿を描いた歴史小説。 -
官能文学電子選集 睦月影郎『聖泉伝説』
異様な風習を持つ村にやってきた安彦少年は次第と究極の快楽を求めるようになる。姉と慕う従姉・奈美子を愛し始めるのだが・・・・・・。 両親を喪い、叔父夫妻の住む村にやってきた羽仁安彦は同級生の神主の息子である大月昭吾とすぐに仲良くなる。安彦に誘われ、自宅に遊びに行くと座敷牢に入れられた姉・光子の姿があった。何度か家に行くうちに病的なまでの妖艶さを持った光子は目をぎらつかせ、自慰を始め、安彦に卑猥な限りを尽くす。衝撃を受けた安彦は異常ともいえる性に目覚め、安彦と同様両親を喪い東京から転校してきた同級生のめぐみを卑猥に虐める一方で、村に出戻ってきた23歳の元人妻・小夜子に誘惑される。しかし、安彦ははじめから村に帰省していた年上の従姉である奈美子に心を寄せていた。なんとか距離を束付けようとする安彦だったが、奈美子は安彦のことを弟としか見ていなかった。奈美子は全寮制の学校に通っていて、寮に戻る日に安彦に手伝いをして欲しいと懇願し、女子寮に連れて行かれる。そこで知り合ったのが奈美子の同級生の恵理子が学校案内を買って出てくれたのだが、テニス部の部室で安彦は恵理子に誘惑され、童貞を失うこととなる。その晩、恵理子の誘いで女性達が集まる謎のパーティーに連れて行かれ、磔にされる。そしてまだ処女である女生徒の貫通式の相手をさせられる。そこに光子が過激な自慰の結果、突然死んでしまう。村に戻った安彦と奈美子に魔の手が襲う。それは昭吾の仕業だった。最後の最後に驚くべき真実が明らかにされる。安彦と奈美子の運命はいかに・・・・・・。 -
官能文学電子選集 団鬼六『新・修羅の花道』
父の仇討ちの旅に出た城下一の美人姉妹だったが、本懐を目前にこともあろうに仇に捕まってしまう。そして陵辱の限りを受けるのだが・・・・・・。 江戸から明治に世の中が変わっていくところ、伊豆・長岡の荒れ寺に坊主のふりをして住み込んだ半次郎が、有料の世相講釈で、村人や山賊の人気を博していた。会津出身で、若松城が落ちてから流れてきたのだが、実は官軍との戦の中で、指揮官と主を仲間の甚八と共謀して殺害していた。勝てぬ戦を前にしてふたりの首を官軍に差し出し、褒美を得ようとしたのだ。が、主を裏切ったふたりは武士の風上にもおけないと官軍からも追われる。ケンカ別れのあと三島の女郎屋に身を潜めていた甚八から、久しぶりの連絡が入る。殺した主の妻の志乃とその妹美雪、指揮官の息子の梅三郎が仇討ちのために、近くまで来ているというのだ。志乃は会津白菊隊の隊長だった。討ち死にしたと思っていたが、生き延びていた。白菊隊の隊員だった美雪ともども、腕がたつ。そこで甚八たちは山賊に助っ人を求め、三人を待ち構えるのだった。ところが、本懐を前に、志乃、美雪らは半次郎たちに捕まってしまう。そして陵辱の日々が始まる。心では嫌悪しているものの、次第に身体は正直に反応していく。甚八に犯されながらも、志乃は熱病に冒されたように全身をぶるぶると震わせる。そして、甚八が鋭くうめいて射精する。志乃は熱い男の体液が激しい勢いで自分の体内に放出されたことを知覚すると大きくうなじをのけぞらせるのであった。 -
官能文学電子選集 岡江多紀『夜はシルクの肌ざわり』
小さな出版社で雑誌編集者をしている響子はとにかくクールだ。男と寝ることも平気だ。しかし、そこに至るまでにはある過去が隠されていた。 26歳の雑誌編集者・瀬尾響子はとにかくクールだ。数年間つきあっているている夏夫と激しい一夜を共にした翌日に彼から3年のニューヨーク赴任が決まったと告げられても、微動だにしないほどだ。実は響子には過去に激しい恋をして激しく傷ついた経験があった。女子高生時代に、父・洋一の会社で片腕だった妻子持ちで一回り年上の矢部俊介に心惹かれるも、母・亜似子から猛反対される。表向き「妻子持ち」が理由だったが、実は母親と矢部の間に何かがあったらしかったからだった。そのことを知った響子は怒り、母と矢部を軽蔑する。そして、その直後に亜似子が急死。自暴自棄になった響子は好きでもない大学の同級生に抱かれて処女を失う。それからは奔放な性に目覚め、夏夫と別れた後は取材で知り合った人気俳優の加納満と付き合うもスキャンダルに巻き込まれてしまう。自暴自棄になった響子は編集長の橋本とも一夜を共にしてしまう。そんな状況で響子に救いの手を差し伸べたのは偶然再会した、あの矢部俊介だった。父が引退した後に会社を引き継いだ矢部は事業を大きくし、敏腕経営者として各方面に人脈を持つ大物になっていた。そして私生活では離婚し、独身に戻っていた。そして、時間を重ね合ううちに、響子の心は次第に昔を思い出していき、最後は・・・・・・。性が愛の究極なのか、それとも愛が性の究極なのか。一人の「バリキャリ」レディーが性の遍歴を重ね、真実の愛を掴むまでを描いた、著者の長編デビュー作。 -
官能文学電子選集 阿部牧郎『夜のオフィス』
S商事の営業二課の課長代理をしている上杉は妻子持ちだ。職場の花だった部下の西原順子と時間を過ごすうちに深い仲へと発展していく。 行きつけのパブに立ち寄った上杉は、すぐ近くで部下の女性社員たちが猥談をしている場に出くわしてしまう。「(うしろの穴は)やっぱりナメナメしてあげたほうがいい。タマのほうにかけてそうすると、男性なんかもうー」。あまりのあけすけぶりに呆れる上杉だったが、その中に部下である西原順子がいるのには驚いた。順子は職場の花だったのだ。しかし、二人で話をしてみると猥談は先輩女性社員に無理矢理付き合わされただけで、実際は実家暮らしで両親からの束縛が激しく、会社で拘束され、盛り場へ出るときも同僚と一緒と、毎日息が詰まる生活を送っていた。そして、言葉巧みにホテルに誘うも上杉が妻子持ちであることを理由にセックスは拒む。その代わりに口で上杉の下半身に奉仕する。達者ではなかったものの、一心なその姿が何より刺激的だった。順子もいけないとわかっていながらも上杉に心を奪われていく。上杉が順子の実家まで送っていったある晩、両親の束縛にいよいよ耐えきれなくなった順子は自ら上杉を求め、実家近くの公園のベンチでついに結ばれるのであった。この「夜の暦」はじめ、オフィスを舞台にした珠玉の10作短編集。 -
狩りの時刻
悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。 -
聖女
デウス天理教団の海外伝道尼僧・風間登代が、サンフランシスコS街の路上で、黒人に襲われた。登代は薄れゆく意識の中で、黒い腕にかわって白く輝く球体のようなものを認めた。〈ああ……聖なるお方が、わたしの前にあらわれている……〉登代はこの事件で妊娠してしまった。「私は大司教の御子を身籠った」と口走り、今夜も私のもとにいらっしゃると言う。登代を訪れる謎の男とは何者なのか? ……という女の業を描く表題作の他に、「黄色い吸血鬼」「蟻の声」「V定期便」「赤い的」「猫パーティ」「最後の一切れ」「蜘蛛の糸」の7編を収録。 -
舞台
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――。 太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に--。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編! -
揺れる女
深夜、私の部屋の電話が鳴った。「あたし、由香利です。死のうと思ってるの」……電話の主は、青江由香利・18歳。女流作家の私を慕ってくる、六本木のフーテンのひとりであった。その翌朝、由香利は、私の8年来の情人である国井と、心中しているのを発見された。私は愕然とした。なぜ、あのふたりが? 苦悩と懐疑が私を駆り立てた。由香利には、国井を《死》に誘うほどの魅力があったのだろうか。そして、私はついに、由香利の肉体の秘密を知った……。傷ついた心と肉体をもち、荒涼たる現代の夜をさすらう少女を描く「揺れる女」など、全7編。 -
背徳の夏
夫を寝取られた妻の惨めさを、智子は、光子によって味わされた。その光子は、智子の親友だった。ダンスホールで知り合った住田という男と、官能をくすぐり合うゲームのような逢引きを繰返しているうちに、智子の心の中に、光子への殺意が高まっていった。その殺意は、夫への愛の証しでもあったのだが、やっかいなことに、光子を消す計画に、殺し屋の役を引き受けたのは、住田であった。……愛とセックスのメカニズムを、心理的なスリラー・ドラマのかたちで描き出し、孤独な現代人の荒涼たる心の風景をのぞきこんだ、ユニークな長篇小説である。 -
七色の女
映画館で佳子と知り合った小原は、2度目の逢引の時、早くも彼女を籠絡することに成功した。佳子は、人妻だった。夫の須藤は、理髪店を経営しているという。ある時、彼は、須藤の店に散髪に行った。佳子から夫はこわい人だと聞かされていた彼は、須藤が自分と佳子の関係を知っているのではないか、と不安を抱いた。数日後、小原の所に、男の声で電話がかかった。その声は、小原と佳子が利用したホテル名を告げ、そこで小原に会いたいという。須藤か? 彼は怯えながらそのホテルに向かった……。という表題作、「マイガール」「ヌードモデル」「女狐」「春の夢」「疑惑の発生」など、全11篇を収録。 -
金曜日の誘惑
ユダヤ人の老貿易商であるミスター・ウィリアムから、世にも不思議な「悪魔の印鑑」を預かった公認会計士の本田俊一郎は、この10年、妻以外の女性とは交渉を持ったことのない生真面目な男であった。しかし、女性の体に押しつけると巨大な悪魔のセックスと化す象牙製の印鑑を手にしてから、本田の夜の生活は一変した。外人相手のコール・ガールを手始めに、喪服の似合う未亡人、美貌のダンス教師、女優の卵、沖縄海洋博外国館の女、と実験を重ねていくうちに、すっかりその魔力の虜となってしまったのだ。ついには、姪の奈奈子や妻の紀美子までをも渦中に巻込んでの女遍歴の果てに……。 -
夜のパスポート
婚約者に裏切られ、国際見本市アフリカ隊の一行に加わってモロッコにやって来た、羽仁生節子。眠れぬ夜、睡眠薬を飲んで床に着こうとしていた節子を、隊員のひとり、一の瀬が訪れた。翌朝、同じベッドに横たわる男の醜悪な体を発見して、節子は絶望する。スキャンダルは広がった。砂漠の古都・フェズで節子に求愛した若い大使館員・北沢も、噂を知ると冷たくなった。傷ついた節子の行手に待つものは……。異国の空の下、孤独な男女に忍びよる危険と誘惑、行きずりの愛、歪んだセックスを描いて、現代人の心の傷をユニークなタッチで抉る異色作。 -
突っかけ侍
肥前唐津藩の元御馬廻役・松村金太郎は、今では突っかけ草履の小粋な兄さん、人呼んで「わざくれ橋の金さん」だ。武士稼業はすっぱりやめてはいるけれど、実は、主君・小笠原長行の内命を受けて、ひそかに藩のため働いている……。ある春宵、将監橋の上、唐津藩の内紛で長行の反対派にまわり、藩侯の里方・信州松本藩と手を結んで、藩論を朝廷方に傾けようと企む奸人で、義兄の仇でもある周施方・長谷川番作をバッサリ。ーー粋でいなせな金さんが、同じ脱藩・小南敬助らと協力、小笠原長行を扶けて東奔西走の活躍。剣雲、侠気、哀恋が織りなす、子母澤寛会心の幕末傑作長編! <全3巻> -
深い失速
《私》は、大学病院の若い精神科医。患者の丹野明夫は、人妻殺しを《私》に告白し、フミコという名に激しい心理的な反応をみせた。が、被害者であるはずの大和田緋那子は、健在なのだ。彼女は、美貌のパイロット夫人だった……。《私》は、患者の告白の謎を追わねばならない。丹野の恩師・宮川教授を訪れると、教授はフミコの名に動揺をみせた。《何かがある?》……。一方、緋那子の夫・大和田は、失速・墜落の幻想に悩みつづけているという。冷えた夫婦の陰影が漂っていた。 やがて、丹野の水死、ジェット機の炎上と事件は続発する。《私》の前にも白い靄がかかった……。 -
仮装行列
旧華族との交渉を懸念する父のすすめで、滝沢一郎と婚約した田所真木子。真木子の義父・憲介は、東洋美術館長で、重要文化財審議会の委員をしている。旧華族の東照寺公一は、徳之内元伯爵家の相続人・摂子とブルー・セックスに耽っているが、真木子の婚約を知ると、掌中の珠を失う思いに悩む。二人の結婚に執念を燃やすのは、元伯爵夫人・徳之内津留で、一郎の父・滝沢代議士は、大名華族の元家令である。この政略結婚のかげには、徳之内家所蔵の国宝絵巻屏風をめぐる、母娘の醜い争いが隠されていた……。真木子をめぐる、仮装行列さながらの上流社会の虚偽と性の腐爛を描いた大作。 -
女神出奔
あまり人のいかないハイキング・コースの途中で病気になった楠田は、一軒の草深い古別荘に犬と住む由緒ありげな女に、一夜介抱された。その妖しい魅力にひかれ再び訪ねた楠田と、女は「お茶でものむように」交わる。一方、楠田の恋人・順子は、片貝助教授を知り、その家柄や名声に酔わされる。片貝を取り巻く女性は多い。彼は、財界に名の通った湯浅社長の娘・治子を選び、結婚式を挙げるが、新婚初夜を待たずに、治子は伊豆の別荘から恋人・昭夫と脱走する。そのとき、片貝がそこで幽霊のように見たのは、教え子の楠田に付添われて立つ古別荘の女であった。俗物への諷刺をこめて、愛と真実を追求する長編小説。 -
女ひとり
夫の帰還を待ちわびながら、女代議士としてヒロポン絶滅を叫び、社会悪と闘う香川文江の姿を通し、人生の哀歓を訴える傑作。 -
ぜったい多数
暁子は、手術直後の苦痛に歪む秋山の唇に、しずかに自分の唇を重ねた。秋山の胃ガンが絶望的な状態になっていることを知った彼女は、そうすることだけが、友だちとしての祈りであり、励ましであると信じたからだ。彼女自身も、郷里の家の束縛を逃れた東京での彷徨によって、心に深い傷を負っていたのだが……。暁子の冒険にみちた経験をカメラ・アイとして青麦のように、あざやかな色とむんむんする匂いを持つ、折れやすい若者たちの愛と真実を捉えたこの作品は、人生の地層を流れる清冽なものを、多彩な手法で探った、青春文学の名篇である。 -
不貞な貞女
加奈子が地方の素封家に縁づいて、もう5年。夫・浩介は、長い病床にふせったままだ。看病に明け暮れる加奈子も、いつか貞女の幻を心にえがいていた。が、そんな妻に、夫は画廊勤めを勧める。《きみのからだの外のにおいが、僕には爽かな刺激になる……》ーー勤めに出た加奈子は、青年建築家・植木との恋におちた。女心の飢えをみたす、背徳の愛に、加奈子はおののく。が、夫はすべてを知っていたのだ。やがて、臨終の枕もとに妻をよんで、心の葛藤を告げる浩介。美貌の妻に、くらい喪の季節が訪れた……。という表題作など、全10編。 -
忍ぶ糸
伊賀・上野は、鈴鹿山脈の麓にある城下町で、組紐の町でもある。千賀は、ここの忍町で生れた、人もうらやむ美しい娘だった。紅い椿の咲く頃、千賀は、組紐屋のしにせ「増住」に織子として雇われたが、そこで増住の一人息子・洋三を知った。これがヒロイン・千賀の愛の始まりであった。やがて、千賀と洋三は、将来をひそかに約束しあうが、家柄が違うことを理由に、洋三の父・大二郎は、下請けの「藤浪」の息子・良作との縁談をすすめた。愛する人との仲を裂かれて、千賀が良作の許に嫁いだ日、花嫁姿の彼女を見た近所の人々は、花が咲いたようだとささやき合った。千賀の悲しい一生の始まりだった。 -
忍ぶ橋
母の残した背徳の傷痕ゆえに、愛をも捨て、憎悪と怨念の石礫を浴びて、贖罪にのみ生きねばならぬ、哀しくも美しい女のさだめ――中桐晶子は、淡路島へ向う船に、傷心をゆだねていた。若い男と蒸発し、淡路島の小料理屋で働いていたらしい母の宮子が、ゆきずりの客を情交後に腰紐で絞殺、睡眠薬自殺を遂げた。客は、奈良の一刀彫り美術商・宗方春之と判り、ゆきずりの無理心中とみられた。宗方春之の妻・志津は激怒した。詫びる晶子に、ちぎった数珠を投げつけ、母親・宮子の罪をつぐなえと叫んだ。そして、晶子は、母の贖罪のために、宗方家の長男・知之の嫁として、志津の前にさらされることになった……。女の憎悪と怨念の石礫を浴びせる志津、女の愛も捨て贖罪にのみ生きる晶子の、哀しくも美しい日々を描く。 -
新選組始末記
著者長年の実地調査を基に、幕末の風雲狂乱の渦中にあって誠心一徹の生涯を貫いた男たち。近藤勇、土方歳三、沖田総司らの人間像を描破、新選組の全容を史実の壁に彫り刻んだ子母澤寛の代表作ーー幕末、江戸幕府の浪人対策の一つとして結成された浪士組は、本拠を京都・壬生に置いて、禁門警護の任につき、市中見廻りの役に当たった。勤皇か佐幕か、開国か攘夷か、国論はまっ二つに割れ、世はまさに日本国あげての動乱の時代であった。この時期、幕府への至誠一徹、暗殺剣の名をほしいままにし、尊攘志士をふるえあがらせた「新選組」の隊士たちは、その青春をいかに生き、その命と魂をいかに燃焼させたのか……。著者みずから長期にわたって新選組所縁の地を訪ね、あるいは古老の談を聴取して得た記録を基に、新選組結成から最後までの真のすがたを史実の壁に彫り刻んだ会心の力作。 -
情報銘柄
正確な株式銘柄情報に、自分の誇りを感じている佐川にとって、最近は、憂鬱の連続であった。勤め先である<週刊東京情報>に書いている彼の推奨銘柄が、外れ続けているのだ。失意の佐川は、しかしある日、耳寄りな情報を得た。河松製作所に中共から、大量のブルドーザーの発注があったという。佐川はこの情報に、情報屋としての誇りの全てを賭けた。推奨原稿を書く一方、借金して河松を20万株買い込んだのである。……兜町に生きる男の栄光と悲哀を描く標題作のほか、苛烈なビジネス戦争の実態を生々しく描く異色企業小説3篇を収録。 -
女優
この女! きらい! パパをいじめて、きらい……。死の床に横たわった父の身体の下に隠された、美しい女の写真は、幼ない未来子に、生まれて初めて人を憎む気持を教えた。あれから、何年の歳月が、流れたことだろうか。あの女、演劇界の女王といわれる鳳しのぶの一人娘として、映画界入りした未来子は、たちまちスターの座についたのだった……。華やかな日々、肉体を通りすぎた何人もの男たち……。いつしか母と似た道を歩むようになった未来子の心は、だが、いつもひえびえと孤独だった。硝子細工のような繊細華麗な女体に、妖しく燃える炎を秘める、ひとりの女優の愛と性を描く。 -
砂糖菓子が壊れるとき
映画スター・千坂京子は、無名だった頃、お金のためにヌードを撮らせたことがあった。教育のない彼女は、人一倍知的なものに憧れたのに、世間はその1枚のヌード写真のために、彼女に肉体女優の烙印を押した。京子は、あるときは烙印の痛みから逃がれるために、あるときは自分が高められると信じて、つぎつぎに、男の胸の中に顔をうずめた。男たちは、それぞれに、彼女の中に光を放っている純粋さを知っていた。しかし、京子の魂は、どの男によっても、安らぐことができなかった。……幸福を空しく追い求める美貌の女の短い生涯を、乾いた叙情で歌いあげた名作! -
火山列島
大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン! -
河内山宗俊
練塀小路の河内山宗俊、天下の直参、お数寄屋勤めのお坊主である。ばくちは打つ、ゆすりはする、悪い野郎の肩は持つ、病気と届けて城へも登らず、肝っ玉の太さは天下一品。11代将軍・家斉の治世、賄賂が物言い、奸臣のさばる腐った巷で、悪には悪を、弱い者には情けをと、直参の威光を利用して、胸がすくようなやりたい放題。子母沢寛の名調子が心地よい、痛快時代小説。 -
キャンパス110番
芳土女子大学の学生である佐藤ノミエの綽名は、キャンパス110番という。キャンパスは、校庭の意味。事ある所には、彼女がいつもパトロール・カーのように現れて、あざやかに事件を解決していくからだ。粋で、おしゃれで、冒険好き、行きずりの男の子とのキッスなんかへいちゃらで、適当に正義派で人情家で、気はやさしくて合気道の達人というノミエが、東北出の重タンクを思わせる松子と組んで、手当たり次第に演じるボーイ・ハントのアバンチュール、笑いと涙のタッグ・マッチとは……。青春の息吹にむせる、生きのいい現代娘のスカっと胸のすくような無責任行状記。 -
夜獣
ふと魅かれた女のせいで殺人事件に巻き込まれたゴルフ練習場の食堂のボーイ、彼を容疑者として追う警察、新聞記者が、それぞれ事件を追う! 天下の名宝である30カラットのダイヤを巡る連続殺人と、深まる謎。本格ミステリー。 -
毒薬と宰相
青年宰相の名で知られ、戦後、謎の自殺を遂げ悲劇の主人公となった、ある公爵の死因の秘密を描く、ミステリー・タッチの表題作など、全9編の傑作短編集。
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