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Posted by ブクログ
フォン・フリッシュがミツバチの色覚やコミュニケーションを研究してノーベル賞を授与されたのは1973年。ミツバチの賢さと社会性はそれでお墨付きを得たようなものだったが、さらにその先の先があった。本書の原著は2022年刊。フリッシュ以降、半世紀の研究の展開。
実験をしてみると、道具も使えるし、観察学習もできる。遅延見本合わせの課題もクリアするし、(チンパンジーにも難しい)紐引き推理課題も解ける。仲間の個体識別もできるし、やらせてみると、ヒトの顔の識別もできる。喜怒哀楽もあるし、仲間への共感もあるようだ。個性もある。自意識ももっているかもしれない。まるで人間みたい。動物の行動や能力を「擬人化」しちゃ -
Posted by ブクログ
合計特殊出生率0.75というショッキングな数字。
他山の石ではない日本の現状も念頭に、K-POP,韓流ドラマというエンタメで世間を席巻している華やかなイメージの裏側を垣間見る。
熾烈な競争文化。韓国独特の表現である「相対的剥奪感」には、常に比較に晒され生きねばならない実情が詰まっている。ソウルへの一極集中は日本の東京集中の比ではなく、ソウル周辺しか職がない、さらには評価されないという現象が現代にも残っているというのが驚き。
家父長制もそうだけど、まだ日本と同様に燻っているのか。こんな状況に若者たちは諦観し、将来の不安を肌で感じることでこんな厳しい世界に子どもを引き入れるなんてかわいそう、と -
Posted by ブクログ
引きこもりの青年が、祖母の昔ながらの米作などを通して更正していく物語。その更正の過程での人との関わりと繋がり、あえての面倒な作業からの気付きとか、大切な人への思い、相互の思いやり思いやられ関係とか、心暖まる素敵な物語でした。引きこもりもそうだけど、父の死、祖母の認知症、介護とか、身近な社会問題にもなっているような題材もあり、切なくもありいろいろと考えさせられたけども、やっぱり人の一生は、人の繋がりでできてるんだなと思いました。
父を癌で亡くした経験も相まって、初めの年賀状のエピソードは、目が熱くなっちゃいました。電車では読めませんね(笑) -
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現実が小説を追いかける
最近ニュースで、ミャンマー軍がタイ国境近くのミャワディにある国際詐欺グループの建物を破壊する映像が流れました。
ちょうど読み終えたばかりの小説「 HACK 」をなぞる内容で、まるで現実が小説を追いかけているかのようです。
「 HACK 」には、暗号資産、マネーロンダリング、謎のハッカーなどが登場し、舞台は東南アジアや日本を行き来します。
著者の橘玲さんは、ハウツー指南やノンフィクションでも優れた著作が多数。にもかかわらず今回は小説という形式を採用したのは、フィクションだからこそ語れる情報があると判断なさったのでしょう。
まさに今の時代だからこそ読むべき小説です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ競馬知識はないが、それでもあまりあるくらい感動した。
馬の世にのめり込んだ山王社長、ワンマン企業で一代を築いたがその人生は決して順風満帆ではない。その中でも馬主を続けていくのは馬の向こうにいる人を見て、想いを継承していくことに価値を見出していたからであった。
前半のロイヤルホープも決して栄華な成績とはいえないが、熱狂的なファンがおり、信頼できるチームもいて、確かに次世代へのバトンを渡している。
後半は耕一が馬主を引き継ぎ、かつて山王のライバル関係にあった椎名のその息子とは、別の関係性で切磋琢磨しながら時代を築いていく。山王社長は、栗栖に「絶対俺を裏切るな」というほど、人に裏切られてきた人生であ
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