これは、心が疲れている時に読みたい漫画。
基本、私はストレスを感じた時は、美味しいモノを食べて、良い漫画を読むようにしている。
ストレスの種類で読む漫画のジャンルは変えるけど、この『りべるむ』は、小さい嫌な事が繰り返して起きた一日、寝る前に読みたい感じだな。
りべるむ先生は、この『りべるむ』に、そんな効能があるとは思えんけど、と言うかもだが、少なくとも、私の疲れた心には効いてくれるのだから、良いのだ。
りべるむ先生の作品はいくつか、私も読んでいて、どれも面白いんだけど、最も「好き」を感じて、りべるむ先生の作品を読んだ事がない人に勧める機会が今後、あったとしたら、この『星の謳歌』を選択したい。
どんな内容か、ざっくり説明すると、どこにでもいそうなギャルが、両親の離婚で心に傷を負った状態で訪れた田舎で、そのままの自分を受け入れてくれる友達と出逢って、活き活きしていく、そんなアオハルストーリー。
りべるむ先生の絵柄は、少女漫画っぽいが、ストーリーが太いって事もあってか、作品としては、この世は綺麗なもので溢れている、と信じていられる年代の子が読む少女漫画誌に掲載されていたら、違和感を抱くレベル。
だからこそ、それなりの年齢になってしまっている漫画読みが読むと、そりゃ、もう、グッと来るわけだな。
この『星の謳歌』を推す理由は、当然ながら、りべるむ先生にしか描けない、高校生の陰も含めたアオハルストーリーな訳だが、その話を支えているキャラのクセが、結構、強めってのも大きい。
何より、(2)からは、りべるむ先生が得意としていると言っても過言ではない、クセ強キャラ同士のラブコメの配分も強めになりそうなので、実に嬉しい限りだ。
この台詞を引用に選んだのは、(1)全体を通して優しく、カッコよく、芯が通っているな、と感じる関岡を、特に、最高じゃん、コイツ、と胸が震えたものだったので。
良いラブコメ漫画の条件って大袈裟なもんでもないが、大事だよな、と感じるモノは、男の漫画読みがキュンとする男性キャラがいる、だ。
男からしても、逢架の元カレは、オブラート10枚くらいに包んでも、どクズだ。
その男の風上にも置けない元カレが、逢架の見た目から想像できないほど繊細な心に、汚れた爪で傷を付けた時に、関岡が放った、この台詞、シビれたなぁ。
言葉に重みがあったのは、やはり、彼自身が何らかの苦しみを抱えているからだろうな。
そういう苦しみを抱えた上で生きようとしているキャラを、ほんと、りべるむ先生は魅力的に描くセンスが冴えているなぁ。
「お前、見返りがないと人のこと好きになんねぇのか。じゃあ、これからも、余所見するだろ、今みたいにな。それが全部だろ。愛してもらってることに気がついて、『自分はなんてバカだったんだ』って思うのは勝手だけどよ、今まで気がついてなかったくせに、今更、反省なんかすんなよ。それを、星野に伝えるな。自己満足で、人を振り回すなよ・・・・・・中途半端なこと、するんじゃねぇ」(by関岡山登)