ラノベの高評価レビュー
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匿名
購入済み長らく待たされた最終巻
ウェブ版は未読勢のため、内容が一緒なのかはわからない
正直2巻のあのくだりはいらなかったよね?となったのは確か
話の構成を変えたのか?まったくなかった路線にしたのか?わからないが主人公たちの記憶にはなさそうパラレルワールドだけ固定だったので、そこは消化不良
今回パラレルワールドのたけしが出てきたので、完全にその世界線のたけしではないって解答は出されたわけですが……じゃああれはどういうこと?と疑問はわく2巻を読まずにこの巻だけ読んだらその疑問はないけれど、1巻から追いかけてる人には2巻の伏線回収は必須だったかなーと
まあそれら抜きにしても笑える箇所は笑えたし、最終的にはいい終わり方だったのではなかろうか -
Posted by ブクログ
第1巻に続き情報量の嵐が凄まじい…!どうしたらここまで細かく周密に設定出来るのか…。平安時代や日本古代の様式・術式を底面にしているとはいえ
第1巻でも思ったものだけど、この設定量の嵐だけで好評価をしたくなりますよ。勿論、設定だけでなく登場人物の心情描写や話の流れも素晴らしいからこそ、引き続き高評価しているのだけど
前巻ラストにて驚愕の糾弾が行われたのだから、続く2巻で描かれるのは世界の裏側であり天茜・碧橙と祭花の対立だと思われた。祭花が突き付けたあの言葉こそが真実なのだろうと
なのに祭花は前巻にて各所暴走していた堕竜講と同じように、誤った知識から正義を騙っていたなんてね。流石にこの辺りから更に語られた世界の真実には驚かされたというか、前巻にて提示された情報を飲み下しきれていなかったからこそ、読者たる私も誤った知識に迷い込んでいたのだなと気付かされましたよ
前巻にて祭花は八重の術師と接して、それまで知らなかった世の在り方について知った筈だった。その上で水仙香に告げられた裏側により一般の者より遥か詳しく世界の成り立ちを知った筈だった
そんな彼女をして驚愕の連続となる綾水蓮が語る真実は人民に隠された世の在り方であると同時に、これを知ったならば世界を護る側に回れと促されているかのよう
そのような印象を抱いてしまうのも真実開陳と並行して描かれる〈野辺ノ墨染〉討滅があまりに絶望的な戦いである為だね。絶望的というのは“勝てない”という意味ではなく、勝てるがその為の被害が甚大過ぎる意味
〈野辺ノ墨染〉は超級だから別格として、いつ滅んでも可怪しくない八千穂国に襲い来る堕素は何としても防がねばならぬ。過程にて八重の術師に犠牲を強いながら
そうした真実を知らず、虚飾に塗りたくられた犠牲の上に天茜達こそ立っていると糾弾した祭花はとんだ道化に思えてくる。そこには国の上に立つ者達が民に真実を秘匿しているという背景も有るのだけど
そりゃ、碧橙や綾水蓮が彼女に苛立ちを向けるのも当然だ。祭花が真実を知らなかったとしても、虚実に踊らされて真実知る者を糾弾した上で刃を向けたのだから
本作の特徴となりえてくるのは主人公達が体制側、圧政を行う強者と第1巻では思え、同時に堕竜講が描かれる事で体制側こそ正しいという先入観を抱かされた点。ただ、更なる実態としては暴君に拠る圧政下でないと生き残れない世界情勢だったわけか
守る為には民を虐げる事も反発を招く事も管理する事も必要となる。そうした必要悪の下にあの世界は成り立っている
ただ、そうなってくると個人的な正義感において、天茜達の立場は正しいのか?という視点も生まれてしまう。祭花の疑念は絶えない。……だからこそ、天茜は自分を必要以上に悪を主張する事で祭花の追求を躱してしまったんだろうけど
こうした遣り方って祭花をやり込める上では効果的かも知れないけど、もう少し卑近の問題、友人と思っていた者達の間に隠し事や陰謀が有ったという事実についてはアプローチが出来ていないんだよなぁ
だから真実の開陳を終えても天茜達は祭花から信頼を取り戻せなかった。独りで動く彼女は水仙香の死に立ち会ってしまったし、彼女の遺書をより辛い形で受け取る羽目になった
結局は天茜達ってまだ少年と評して良い年齢だからか、精神面が何処か未熟なんだよね。荒事は慣れていても人との向き合いに不慣れが見える
だから年少者の面倒を年長者が見るのは当然かも知れず。まあ、その役をあの茨宮が担うのは意外が過ぎるけども!
いやだって、茨宮って前巻終盤での出番で七堕出現の黒幕かと思わせる表現があり、今巻でも強力無比な実力者の印象が強かったのに良いにーちゃんみたいな振る舞いで3人の幼さを見守る様は本当に意外性が有りましたよ
そのような兄君に守られているから天茜達はただの子供のようにはしゃいで、子供のように仲直りが出来たのだろうね
この辺の描写からは八千穂国の真実じゃないけれど、少ない知識で思い込んでいたら正しい姿を見誤る、正しさを不知りたいならリスクを負ってでも近付いてみなければならない、なんて事を感じてしまったよ
1巻にてテロリズムを制圧され、直剣と共に処分されたかと思われた銀木犀にまだ出番があるとは
おまけに情報統制・記録処理が施されてテロの首謀者ですら無くなっていたのか。これ、有り難さより憤怒を覚えるような事案だよなぁ。確かにあの行為は過ちだったのかも知れないが、本気で取り組んだ事だけは事実で。首謀者の片方だけ首が晒されて自分は英雄扱いなんて納得できるものじゃない
だから銀木犀が反発を覚えるのは当然で。なのにその反発こそ願われたものだなんて。ならば、余計に反発しなければならない、朝廷が期待した以上の功績を残す事に拠って
他方でこれは朝廷の恐ろしさをより実感させるものでは有るね。体制に歯向かった者すら統治の道具と見做す、使い所が有るなら形を変えさせて使い続ける
かといってある程度の真実を、急進的行動の過ちを知ってしまった銀木犀が再び朝廷に弓引く道なんて選べないわけで。「正しい改革という『復讐』」なんて凄いフレーズですよ
そして一度点いてしまった火は簡単に消えたりせず
秋蕊達の叛逆行為が始まって、状況など何も判らないだろうに、「無きものとされた臣民の力を示す好機だ」と奮い立つのは彼女なりに迷いを抜けた印象を覚えるね
この巻で何度も問い掛けられるのは「そこまでして生きるのは正しいと言えるのか?」という点か
同作者の別作品『エイティシックス』だと今にも滅ぼされそうな世界において、それでも生き続けようと、生きている限りは戦おうとする者達の矜持が描かれている
その点は本作も同じくするけど、こちらはもう一歩踏み込んでいるね。生きる為に戦うのは正しいが、その戦いを数百年単位で続け且つ過中にて犠牲を許容するのはいつまで正しいと言えるのか?と
綾水蓮が語る既に滅んだ世界、国の為に我が身を犠牲とするヤマブキ機関、それらは正しいと言えるだろう。けど、1000年掛けて世界を救う中で犠牲になる命の数は世界救済後に生き残った命やその後に生まれる命より多い可能性があるかもしれない。犠牲を許容し続けてまで生き足掻く事は本当に正しいと言えるのか?
巻の後半で秋蕊達、夕清の従者等が叛逆行為を起こしたのはむしろ当然の成り行き
朝廷は犠牲を少なくしようとしつつも、生じてしまう犠牲は当然のものと時には迷い無く切り捨てる。生き残った側は、犠牲を強いた側は“責務”という言葉で枷を課して満足して終わりと出来るかもしれないが、命を潰された側は到底納得など出来るわけもなく
朝廷に与する彼らの叛逆は内部分裂などという言葉では表現しきれないもの。犠牲を強いてきた側に対する当然の反発。しかし、体制側はこれすらも制圧するのが正しくて
この状況は本来なら手痛いしっぺ返しとなる事態。…だというのに、大地を統べる九重の皇家はこの事態をすら統治の一助としてしまうのか……!
勿論、現場レベルで見れば何も問題なかったわけではない。ヤマブキ機関に犠牲が生じかけた虞はある。しかし、動くべき歯車が望ましく動く事で身内による叛逆テロはあまりにあっさりと制圧された。その上で皇家の印象操作に利用しているのだから恐ろしい
当然のように九重やヤマブキ機関は犠牲を許容する。だからこそ、犠牲に拠って生じる次なる犠牲も許容し自らの統治に利用している。それを傲慢と呼ばずしてどう形容すれば良いのだろうね?
今回も滅びかけた世界でどうにか彼らは当然の顔をして生き残った。その傲慢さが別の傲慢さによって潰されてしまうのか?それとも闇から来たる企みさえも潰し返すのか、新たな犠牲と為すのか
先の展開が読めない、というよりこうした犠牲の物語が何処へ辿り着くか読めないだけに、最後まで付き合いたくなる作品ですよ! -
ネタバレ 購入済み
頑張った
レティシアが頑張ったなぁ。上のお姉様2人に加えてお兄様も味方に付け、お相手の大公殿下は見守りと影のフォローに徹し。その分出番少ない気もしたけど、2人になると甘々でした。
最初は姉(三女)に都合よく使われて、家から逃げ出すことしか考えてなかったヒロインが、長女次女姉の本当の姿を知り、大公殿下の好意を知り、自分の気持ちに気付き、社交界での悪評を自分の力で払拭するために奮闘する...ヒロインの成長物語でした。