柳沢由実子のレビュー一覧

  • 苦悩する男 上

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    ヴァランダーシリーズ、いよいよクライマックス!
    北欧ミステリーのクライマックスだけあって暗い。。
    ヴァランダーの健康状態がやばい。
    やはり事件うんぬんよりキャラクターが気になる作品だった…
    いや、まだ終わってないぞ。

    下巻に続く!

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    2025年04月29日
  • ファイアーウォール 下

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    上巻の感想にも書いたけど、
    ヴァランダー、なんだかいろいろ気の毒で胸が痛んだ。
    自分自身を古いタイプの捜査官と自覚しており
    仕事でもプライベートでも自分のやり方を貫き、
    周囲との軋轢を生む彼。
    そんな彼を理解する…してたと思ってた人間が
    ひとり、またひとりと遠ざかって行く。

    悲しいなぁ。

    事件の方はもうなんかどうでもよくなってきて(失礼)
    ヴァランダーという人物そのものの行く末が
    この作品の読みどころになってきた。
    ちゃんと見届けよう。

    最後、少し光が見えた。

    あと残り2作品!

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    2025年03月07日
  • 背後の足音 下

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    ヴァランダー、いろいろ大丈夫か?
    心配になってきた、と上巻に書いたけど、
    なんだかんだ、ギリギリのところで踏ん張り
    がんばっている彼。
    今回、犯人に何度か接触するんだけど、
    そのたび信じられないようなミスや失態をさらす。
    映像を頭に浮かべ、
    緊迫したシーンにも関わらずわたしは大笑いした。
    50に近い等身大の姿と言えば聞こえは良いけど、
    かなりのかっこ悪さです。
    そんな彼のこと、嫌いではありません。

    今作品も犯人にはほぼスポットライトが当たらず。
    こんな事件を起こした真の理由は何なのよ!と問いたくなるけれど、この作品はヴァランダーのための物語なのだから…
    もうそこに文句を言ってもしょうがない。

    30年余り前に書かれた作品ではあるけれど、
    おぞましい犯罪や、それを犯す人々が増えつつあることに対する世の中への不安感は
    まさしく今の感覚と同じで繋がっている気がする。
    この先我々はどうなるんだろう?
    そして警察官の役割とは…

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    2025年02月17日
  • 五番目の女 下

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    ネタバレ

    上巻はなかなかヴァランダーが犯人に迫ることが出来ず、もどかしく感じたが、
    下巻も中盤になる頃には
    重い荷物を乗せていた荷車が坂の頂上までたどり着いたかの如くドドーッと話が進み一気読み。
    結局のところ、作者はヴァランダーが苦悩しながら前進する姿を描きたいのだろう。
    読んでる方も苦しい。

    今回は、スウェーデンで広がる自警団という市民組織と連続殺人が絡み合い、国の社会問題が浮き彫りになっていて興味深かった。
    ヴァランダーの家族、そして恋人バイバとの今後も気になる。

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    2025年02月08日
  • 五番目の女 上

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    上下巻の前半。
    事件は起きたが、まだ混沌とした状態。
    ほんの少しの手掛かりをなんとか手繰り寄せようとするヴァランダー。

    事件とは関係ないけど、あいかわらず不器用に生きている彼がおもしろい。
    すぐ疲れたり、イラッとしたり、
    あれこれ思い悩んだりと、人間らしさ全開。
    老眼鏡まとめて5つ買ったところは吹いた。

    下巻へ続く。

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    2025年02月06日
  • 印

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    エーレンデュル捜査官の6作目。

    死後の世界に救いと安穏、赦しを求める女性が自殺する。果たして自殺の理由はなんだったのか。
    そして、関係者が老い、誰もが心の中に留まり続ける感情の残滓を消化し、納得し、理由づけ作業を終えようとする30年前の失踪事件をエーレンデュルが追いかける。

    ハードボイルドとは少し違う、でも淡々と渋くエーレンデュルが事件を捜査するシリーズ。

    今回は、エーレンデュル1人で静かに捜査を続けるので盛り上がりに少し欠けたか?
    しかし、今作はエーレンデュルを含め周囲の人物の激しい感情の起伏が少ない。
    そのため今までのシリーズよりも優しい穏やかな空気感とアイスランドの厳しい寒さ、そして閉ざされた暗さが絶妙にマッチしている上質な一作となっていた。

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    2024年12月30日
  • 笑う男

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    ネタバレ

    前作で人を殺めてしまったヴァランダーは
    精神を病み、休職していた。
    これまでも刑事という職業に疑問を持ちながら仕事を続けて来た彼は、いよいよ辞める決心をしたのだけど、
    今回起こった事件がきっかけとなり
    逆にこの仕事以外に道はない、という結論に至る。

    前半の地道な捜査の雰囲気がとても良かった反面、
    犯人自体はこの人しかいないという中、
    中盤以降なかなか進展が見られず
    少し間延びした感じに。
    このシリーズは事件とか推理といった部分より
    ヴァランダーの心情や葛藤する姿を味わうのが良いようだ。

    あと、人物紹介の二番目に女性刑事の名前が載ってるのを見た時は、
    「ヴァランダー、またか!」とあきれましたよ。
    それから相変わらずちまちまとリガに住む未亡人に手紙を書いては破りしてるのも通常モード。
    でも今回は自分の予想を裏切る結果だったので
    逆に残念。
    彼には情けない男を全力で全うしてほしい。

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    2024年12月26日
  • 白い雌ライオン

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    長〜〜〜い!
    とても長かった、ヴァランダーシリーズ第三弾。
    田舎町で失踪した女性の事件から話はどんどんスケールを増し、ちょっと置いてけぼりをくった感。
    中盤でだいたいの疑問が解けてしまうと
    あとはもう忍耐の読書!という感じだった。

    そんな中、特筆すべき点は
    同僚であるスヴェードベリ刑事。
    これまでの2作では登場しつつもあまり細かな描写はなく、ちょっとやる気なさげなけだるげな人、というイメージしかなかった。
    今回はそんな彼の新たな一面が見られ、
    ちょっと株が上がった。
    ヴァランダーが信頼を置いていたリードベリなき今、
    チームのメンバーの支えは大事。
    ヴァランダーは相変わらず今の仕事に疑問を持ちながら続けている状態で、
    時々その判断に、え?そう行く?大丈夫それ?と思うような行動を取る。
    そこから招いた出来事がさらに彼のメンタルを崩壊させ…。この先がちょっと心配。
    さて次作はどんな展開に?

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    2024年12月21日
  • リガの犬たち

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    刑事ヴァランダーシリーズ、二作目。

    前回、主人公の印象を”ダメダメな人”と評したのだけど、今回の彼は少し沈んだ雰囲気。
    気の合う、そして尊敬できる同僚が病死したのがその理由のひとつのようだ。
    さらに彼は刑事という仕事をやめようかとさえ思っている。
    そんな時に起こった事件。
    流れ着いたボートの中に二体の射殺された外国人。
    この謎を追って、今回は海の向こうの国ラトヴィアへ単身飛び込むことになる。

    なんだか孤立無援な状況が彼を前より少しかっこよく見せてくれていた。
    問題にぶち当たるたび、
    亡くなった同僚ならどう考えるか、
    どう行動するか?と問いながら進む姿は好ましかった。
    また、ラトヴィアという国が抱える
    なんとも暗く重たい描写も意外と好きだった。

    相変わらず惚れっぽくて、
    えー、また?
    また好きになっちゃったの?と呆れつつも、
    ヴァランダーの良い部分も見えてきて
    次作も楽しみになってきた。

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    2024年12月15日
  • 殺人者の顔

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    フォローしている方のレビューを見て
    おもしろそう!と思ったヘニング・マンケルの警察小説。
    シリーズものだということで、
    まずは第一作目を手にとってみた。

    スウェーデンの片田舎で起こる惨殺事件。
    老夫婦が殺され、息のあった妻の最後の言葉は「外国の」

    捜査に乗り出すのは42歳の刑事、
    クルト・ヴァランダー。
    この人を一言で表すと、ダメダメな奴。
    妻には愛想を尽かされ出ていかれ、ストレスから体重が10キロほど増加。部屋は汚いし、お酒ばっかり飲んでる。リーダーシップは見せるものの、結構見当違いも多め。
    何が一番嫌って、新しくやって来た美人の検察官に早々に目をつけ(夫も子どももいる、って言ってるやん)、
    勝手に舞い上がり、愛の告白して迫って殴られ…
    わー、なんかもう最低。

    全然事件に関係ないけど、そんな人が主人公。

    ストーリーはなかなか読ませる展開で、
    その時代のスウェーデンの社会問題が浮き彫りにされていて興味深かった。
    同僚の刑事たちも味があって良い。
    まとめて借りたので次作も読む予定。

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    2024年12月02日
  • ファイアーウォール 下

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    ファイアーウォールとは“防火壁”
    今でこそ当たり前に誰もが知っていること。

    この小説は1998年に書かれた。
    日本ではバブル崩壊ののちに潰れるはずがないはずの大手証券会社や銀行が倒産し、長い経済停滞期に入った。いわゆる“失われた20年”の始まりだ。
    この間にITは急速に発展して、生活のありとあらゆるところに絡み込んでいる。
    反面、依然としてこの小説に描かれているリスクは取り除かれてはいない。

    ヘニング・マンケルは、今回も刑事ヴァランダーを通じて、世界の向かう先への懸念を描く。

    ただ、これまでの物語に比べると、登場する人々の魅力が薄くなっていて、ちょっと残念。

    どう残念かは、ネタバレのため、書きません。

    エピローグに描かれていた娘リンダとのやりとりが、次作へのモチベーションを保っている。

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    2024年10月07日
  • スウェーディッシュ・ブーツ

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    面白く読み終わりました。
    小説としては…
    推理小説としてはイマイチですね、推理事なく終盤を迎えてしまうし、犯人がわかっても動機が分からないなど文句を付けたい点多し。

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    2024年09月19日
  • 殺人者の顔

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    スウェーデンの人気作、クルト・ヴァーランダーシリーズ第1弾。スウェーデンの片田舎を舞台に殺された老夫婦の事件を追う物語。起伏の幅は少なくはっきり言って地味ながらスウェーデンのお国事情が垣間にみえる。その世界観が北欧ミステリーらしくて良い。またヴァーランダーのどうしようもない性格がその暗い雰囲気とマッチしており真面目過ぎない空気感を出している。物語としての意外なツイスト、また淡々と事象を語る地の文も世界観がみられてよかった。

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    2024年09月02日
  • 湿地

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    エーレンデュルシリーズ。湿地にあるアパートにて老人が殺された。典型的なアイスランドの殺人だが残されたメッセージが様相を変える。被害者の過去がわかるにつれて陰鬱な真相が明らかになる。
    オーソドックスな警察小説。丁寧に話が進むが最後の最後まで薄暗く陰惨な雰囲気が続く。ブルーになりたいときにはこれを読めばいい

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    2024年08月06日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    たしかに人気作家なだけあり、巧みな構成と筆力を感じる。
    死体がまず見つかって、現在と過去の話が交互に織り混ざって進むが、死体は誰なのか、わかりそうでわからない。誰かわかった後も、誰が殺したのか、どうしてそうなったのか、種明かしは焦らされて、先が気になってしまう。

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    2024年04月01日
  • 北京から来た男 下

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    ヘニング•マンケルの本もあと残すところ数冊。ヴァランダーシリーズではない長編は、スウェーデンの田舎で大量惨殺事件が発生するところから始まる。ミステリの形を取りながら、話の軸は中華人民共和国の過去と未来、共産主義の分裂、そして屈辱を味わった奴隷制度、人種差別と偏見に対する恨みと怒りが描かれていく。同じアジア人としては、いささか中国人が不気味に描かれすぎなような気もするが、実は分かっていないのは私なのかもしれない。ミステリの出来としてはさておき、作者の思いが目一杯詰まった小説だった。

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    2024年02月14日
  • 印

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    <エーレンデュル捜査官>シリーズ邦訳第六作目。降霊術士の元に通う女性が自殺死体で発見されるというオカルトチックな筋書きだが、従来通りエーレンデュルが丹念な聞き込みを繰り返すことで、事の真相が明るみに出ていく。今作では彼の家族問題に改善の兆しが見え、娘のエヴァが彼の弟に言及する場面が印象的だ。毎度、謎が解けても全くスッキリしないシリーズだが、自身に課された贖罪かの如く【居なくなってしまった】人々の行方を追い続ける彼が行方不明者の家族にかける言葉に救われた。しかし、この調子だと本来の業務に絶対支障出ますよね?

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    2024年01月13日
  • 刑事マルティン・ベック 消えた消防車

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    監視中の男の部屋が爆破した。自殺が他殺か、マルティン・ベックと同僚たちが、雲を掴むような事件の真相を追う。今回、ベックはあまり登場しない。仲間たちが活躍するのだが、プライベートも織り交ぜ、読者を飽きさせない。終盤、意外な結末となる。

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    2023年12月07日
  • 刑事マルティン・ベック バルコニーの男

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    マルティン・ベックシリーズ3作目。女児が性暴力を受け殺される、悍ましい事件を追うベックと同僚たち。個性豊かな面々が、面白い。最後に登場する巡査、クリスチャンソンとグヴァントも覚えておくべし。事件の解決はあっけない気もするが、リアルな展開とも言えよう。

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    2023年11月18日
  • 声

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    時に罵り合い、時に掴み掛かり、、、それぞれの家族の複雑な関係が、暗く、悲しく明かされていく。
    子牛のなめし革に簡潔に書かれたという、アイスランドの伝承文学〝サーガ”を意識しているという作者らしく、一切の無駄がなく、究極まで削り落とされた文章である。
    伏線回収は?と思うような意味のない登場人物、エピソードの類いがなく、そこがまた読みやすく、シリーズ作品の次が読みたくなる理由である。

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    2023年10月28日