柳沢由実子のレビュー一覧

  • 湿地

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    書評七福神から。たまたま手元にあったので。犯人捜しの手がかりがどえらい変化球。でも”湿地”ってそんなに重要なモチーフたり得ているのかしら、とか思ったりして。

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    2025年09月03日
  • 黒い空

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    ネタバレ

    アンドレスの復讐劇、スウィンガーパーティー絡みの殺人、銀行を巡る犯罪という3つの事件が複雑に絡み合い、時系列も入り組んでいて理解するのが大変。しかも登場人物の名前が覚えにくく、私にとってはかなり手強い一冊だった。著者はアイスランド出身でダガー賞受賞歴もあるとのこと。もし名前がもっと覚えやすければ、さらに楽しめた気がする。簡単には犯罪の全貌がつかめない構成はさすが!

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    2025年08月31日
  • 黒い空

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    シリーズ8作目だが、今回もエーレンデュルは不在。前回と同じ感じで、今回はシグルデュル=オーリ主役のスピンオフ的作品。いつもの作品に比べてやや暗い印象は薄く、シグルデュル=オーリの人生および人格形成から、さらには少しずつ変化が起こっている様子が描かれている。
    これはこれで面白くないわけではなかったが、やっぱり主役不在はさみしい。次作はエーレンデュル戻ってくるのか?期待。

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    2025年07月25日
  • 湿地

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    ネタバレ

    アパートで見つかった老齢の男の死体。突発的な犯行の様子は、殺人事件の少ない典型的なアイルランドの殺人。だがそこには「おれはあいつ」という、犯人が残したと思われるメッセージがあった。
    調べを進めると、殺されたホルベルクは過去に女性をレイプしていたことがわかった。さらに、ホルベルクにレイプされた女性コルブルンはその事件の結果妊娠し、娘を産んでいたことも発覚する。だが、その娘は4歳で脳腫瘍のため死んでしまった。
    エーレンデュルたち警察は、死んだ娘の病気はホルベルクからの遺伝性の疾患なのではないかということと、ホルベルクにレイプされ、子どもを産んだ女性が他にもいたのではないかと睨む。
    時を同じくして、

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    2025年06月15日
  • 手/ヴァランダーの世界

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    ヴァランダーシリーズ本当に最後の作品。
    ストーリーとしては普通だと思ったが、かみしめて読んだ。
    面白いシリーズだった。

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    2025年06月09日
  • 苦悩する男 下

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    お〜〜!
    なんだか切ない終わり方。。
    今作をもって、しみじみとヴァランダーとお別れ。

    なんか世話の焼ける、
    めんどくさいけど放っておけない友人と過ごすような、そんなシリーズだった。
    最初はヴァランダーのやらかしに苦笑いしたり大笑いしたり、気楽に読んでいたけれど、
    今回はヴァランダーの年齢が自分と同じくらいに近づいたこともあって、その失敗を笑えなくなり、
    心配すると共に、他人事ではないこの先の自分の在り方というものもひしひしと考えさせられた。

    あと二作、短編などがあるようだけど
    わたしの中では終わった感。
    ありがとうヴァランダー。
    おつかれさまヴァランダー!

    最後に気になったことを彼に告げ

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    2025年05月03日
  • 苦悩する男 上

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    ヴァランダーシリーズ最終作。
    ヴァランダーも60歳となり、老後のことを考えたり、病気に悩まされたり。
    しかしヴァランダーはヴァランダーであるところが面白い。
    下巻、心して読みたい。

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    2025年04月29日
  • 苦悩する男 上

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    ヴァランダーシリーズ、いよいよクライマックス!
    北欧ミステリーのクライマックスだけあって暗い。。
    ヴァランダーの健康状態がやばい。
    やはり事件うんぬんよりキャラクターが気になる作品だった…
    いや、まだ終わってないぞ。

    下巻に続く!

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    2025年04月29日
  • 悪い男

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    ストーリーは面白かった。
    たまに直訳!みたいなところあって不自然だったけど。地名と人名が全く頭に入らず苦戦した。
    ルースルンドの本の方が読みやすいのは、やっぱり訳者の技量なのかしら?
    まぁ地名人名はどうにもならないけれど。

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    2025年04月23日
  • ファイアーウォール 下

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    上巻の感想にも書いたけど、
    ヴァランダー、なんだかいろいろ気の毒で胸が痛んだ。
    自分自身を古いタイプの捜査官と自覚しており
    仕事でもプライベートでも自分のやり方を貫き、
    周囲との軋轢を生む彼。
    そんな彼を理解する…してたと思ってた人間が
    ひとり、またひとりと遠ざかって行く。

    悲しいなぁ。

    事件の方はもうなんかどうでもよくなってきて(失礼)
    ヴァランダーという人物そのものの行く末が
    この作品の読みどころになってきた。
    ちゃんと見届けよう。

    最後、少し光が見えた。

    あと残り2作品!

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    2025年03月07日
  • 背後の足音 下

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    ヴァランダー、いろいろ大丈夫か?
    心配になってきた、と上巻に書いたけど、
    なんだかんだ、ギリギリのところで踏ん張り
    がんばっている彼。
    今回、犯人に何度か接触するんだけど、
    そのたび信じられないようなミスや失態をさらす。
    映像を頭に浮かべ、
    緊迫したシーンにも関わらずわたしは大笑いした。
    50に近い等身大の姿と言えば聞こえは良いけど、
    かなりのかっこ悪さです。
    そんな彼のこと、嫌いではありません。

    今作品も犯人にはほぼスポットライトが当たらず。
    こんな事件を起こした真の理由は何なのよ!と問いたくなるけれど、この作品はヴァランダーのための物語なのだから…
    もうそこに文句を言ってもしょうがない。

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    2025年02月17日
  • 五番目の女 下

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    ネタバレ

    上巻はなかなかヴァランダーが犯人に迫ることが出来ず、もどかしく感じたが、
    下巻も中盤になる頃には
    重い荷物を乗せていた荷車が坂の頂上までたどり着いたかの如くドドーッと話が進み一気読み。
    結局のところ、作者はヴァランダーが苦悩しながら前進する姿を描きたいのだろう。
    読んでる方も苦しい。

    今回は、スウェーデンで広がる自警団という市民組織と連続殺人が絡み合い、国の社会問題が浮き彫りになっていて興味深かった。
    ヴァランダーの家族、そして恋人バイバとの今後も気になる。

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    2025年02月08日
  • 五番目の女 上

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    上下巻の前半。
    事件は起きたが、まだ混沌とした状態。
    ほんの少しの手掛かりをなんとか手繰り寄せようとするヴァランダー。

    事件とは関係ないけど、あいかわらず不器用に生きている彼がおもしろい。
    すぐ疲れたり、イラッとしたり、
    あれこれ思い悩んだりと、人間らしさ全開。
    老眼鏡まとめて5つ買ったところは吹いた。

    下巻へ続く。

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    2025年02月06日
  • 印

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    エーレンデュル捜査官の6作目。

    死後の世界に救いと安穏、赦しを求める女性が自殺する。果たして自殺の理由はなんだったのか。
    そして、関係者が老い、誰もが心の中に留まり続ける感情の残滓を消化し、納得し、理由づけ作業を終えようとする30年前の失踪事件をエーレンデュルが追いかける。

    ハードボイルドとは少し違う、でも淡々と渋くエーレンデュルが事件を捜査するシリーズ。

    今回は、エーレンデュル1人で静かに捜査を続けるので盛り上がりに少し欠けたか?
    しかし、今作はエーレンデュルを含め周囲の人物の激しい感情の起伏が少ない。
    そのため今までのシリーズよりも優しい穏やかな空気感とアイスランドの厳しい寒さ、そし

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    2024年12月30日
  • 笑う男

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    ネタバレ

    前作で人を殺めてしまったヴァランダーは
    精神を病み、休職していた。
    これまでも刑事という職業に疑問を持ちながら仕事を続けて来た彼は、いよいよ辞める決心をしたのだけど、
    今回起こった事件がきっかけとなり
    逆にこの仕事以外に道はない、という結論に至る。

    前半の地道な捜査の雰囲気がとても良かった反面、
    犯人自体はこの人しかいないという中、
    中盤以降なかなか進展が見られず
    少し間延びした感じに。
    このシリーズは事件とか推理といった部分より
    ヴァランダーの心情や葛藤する姿を味わうのが良いようだ。

    あと、人物紹介の二番目に女性刑事の名前が載ってるのを見た時は、
    「ヴァランダー、またか!」とあきれました

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    2024年12月26日
  • 白い雌ライオン

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    長〜〜〜い!
    とても長かった、ヴァランダーシリーズ第三弾。
    田舎町で失踪した女性の事件から話はどんどんスケールを増し、ちょっと置いてけぼりをくった感。
    中盤でだいたいの疑問が解けてしまうと
    あとはもう忍耐の読書!という感じだった。

    そんな中、特筆すべき点は
    同僚であるスヴェードベリ刑事。
    これまでの2作では登場しつつもあまり細かな描写はなく、ちょっとやる気なさげなけだるげな人、というイメージしかなかった。
    今回はそんな彼の新たな一面が見られ、
    ちょっと株が上がった。
    ヴァランダーが信頼を置いていたリードベリなき今、
    チームのメンバーの支えは大事。
    ヴァランダーは相変わらず今の仕事に疑問を持ち

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    2024年12月21日
  • リガの犬たち

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    刑事ヴァランダーシリーズ、二作目。

    前回、主人公の印象を”ダメダメな人”と評したのだけど、今回の彼は少し沈んだ雰囲気。
    気の合う、そして尊敬できる同僚が病死したのがその理由のひとつのようだ。
    さらに彼は刑事という仕事をやめようかとさえ思っている。
    そんな時に起こった事件。
    流れ着いたボートの中に二体の射殺された外国人。
    この謎を追って、今回は海の向こうの国ラトヴィアへ単身飛び込むことになる。

    なんだか孤立無援な状況が彼を前より少しかっこよく見せてくれていた。
    問題にぶち当たるたび、
    亡くなった同僚ならどう考えるか、
    どう行動するか?と問いながら進む姿は好ましかった。
    また、ラトヴィアという

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    2024年12月15日
  • 殺人者の顔

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    フォローしている方のレビューを見て
    おもしろそう!と思ったヘニング・マンケルの警察小説。
    シリーズものだということで、
    まずは第一作目を手にとってみた。

    スウェーデンの片田舎で起こる惨殺事件。
    老夫婦が殺され、息のあった妻の最後の言葉は「外国の」

    捜査に乗り出すのは42歳の刑事、
    クルト・ヴァランダー。
    この人を一言で表すと、ダメダメな奴。
    妻には愛想を尽かされ出ていかれ、ストレスから体重が10キロほど増加。部屋は汚いし、お酒ばっかり飲んでる。リーダーシップは見せるものの、結構見当違いも多め。
    何が一番嫌って、新しくやって来た美人の検察官に早々に目をつけ(夫も子どももいる、って言ってるやん

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    2024年12月02日
  • ファイアーウォール 下

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    ファイアーウォールとは“防火壁”
    今でこそ当たり前に誰もが知っていること。

    この小説は1998年に書かれた。
    日本ではバブル崩壊ののちに潰れるはずがないはずの大手証券会社や銀行が倒産し、長い経済停滞期に入った。いわゆる“失われた20年”の始まりだ。
    この間にITは急速に発展して、生活のありとあらゆるところに絡み込んでいる。
    反面、依然としてこの小説に描かれているリスクは取り除かれてはいない。

    ヘニング・マンケルは、今回も刑事ヴァランダーを通じて、世界の向かう先への懸念を描く。

    ただ、これまでの物語に比べると、登場する人々の魅力が薄くなっていて、ちょっと残念。

    どう残念かは、ネタバレのた

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    2024年10月07日
  • スウェーディッシュ・ブーツ

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    面白く読み終わりました。
    小説としては…
    推理小説としてはイマイチですね、推理事なく終盤を迎えてしまうし、犯人がわかっても動機が分からないなど文句を付けたい点多し。

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    2024年09月19日