柳沢由実子のレビュー一覧
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ヴァランダーが20代の新米警官時代から、40代の中年刑事まで、モナ(若い時はガールフレンド、その後結婚して別居)や父親との関係に悩みながら持ち前の勘と粘り強さで事件を解決する姿を描く。
いつもながら実直なヴァランダーとそれを取り巻く、こらまた実直な刑事たち。みんな何かに悩んでるのは一緒だな。そんな人生を含めて楽しめるのが、このシリーズ。やっぱり長編が読みたいな。3.8
フレーズを読んで思ったのは、the Wireのリアリティ。はつらつとしてるのはマクノルティくらい(それでも中年だけど)、女性刑事も見た目より実力。Boschもそれに近いかな。その点、シカゴPDはイケメン&美人でリアリティ -
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夫が浮気をした。最近会話もない。妻も夜中に家を飛び出し成り行きで浮気をした。不倫小説かなんだありふれたテーマかと読み始めたら、あちこちで小さい山が鳴動して落石に会うくらい驚いた最後だった。
恋して衝動的に結婚した夫婦は甘える間に甘えておかないと、青春ホルモン(?)と子孫繁栄本能が消えかかると、そこからは思いやりの暮らしになる。それに気がつかない妻のエーヴァ、急に冷たくなったのはなぜかと悩む。自立しすぎた妻は夫の欠点に目をつぶって生活をリードしてきたのだ。
夫は息子の保育園で不倫相手を見つけていた。相手は離婚経験のある、手を差し伸べたくなるようなリンダで、彼は同棲する準備をして、口実を作 -
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ネタバレシリーズを続けて読んでいるうち、作者はアイスランドという国そのものを書こうとしているのではないかという気になってきた。
もちろん主人公であるエーレンデュルと、娘や今回初めて姿を見せた息子との関係性の変化や、恋愛事情なども書かれているけれども。
今回発見された白骨死体を調べていくうちに、冷戦時代の東ドイツに留学していたアイスランドの学生たちが浮かび上がってくる。
戦後、ワシントンとモスクワの最短直線経路下にあったため、民主主義の最前線としての米軍基地がおかれ、なのに資本主義では搾取される一方だったアイスランドは、沖縄の米軍基地を思い起こさせる。
そんな時、東ドイツから招待され留学生として社会 -
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ネタバレ日本の三分の一の面積で、人口30万人の国、アイスランドが舞台。
火山と温泉の国というイメージだったのだけど、この作品を読むと、薬物依存、幼児虐待、DV等、荒廃した社会が見え隠れする。
とはいっても殺人事件は年に2~3件しかないのだそうだけど。
新興住宅街で発見された60~70年前の人間の白骨。
夫のDVで、心も体もボロボロにされる家族。
流産がもとで意識不明状態の娘を見舞いながら捜査の指揮をとるエーレンデュル。
3つの話を柱にストーリーは進むが、DVの部分を読むのがもう辛くて辛くて。
人としての尊厳を踏みにじられ、子どものためにだけ生きる母。
そんな母を見てみぬふりをすることでしか身を守る -
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刑事ヴァランダーシリーズ第2作。
ある冬の早朝、スウェーデンの海岸に救命ボートに乗った二つの死体が漂着する。
彼らは誰で、一体どこから流れ着いたのか。
捜査協力のためバルト三国はラトヴィアの都市リガから、スウェーデンのイースタに派遣された警察官、リエパ中佐。
その彼が帰国当日に殺害され、今度はヴァランダーがリガへ向かい・・・
1990年代、ペレストロイカの煽りで揺れ動くラトヴィア国家。
その病巣を暴くべく革命を企てる活動家たちと協力しながら、事件解明へ動くヴァランダー。
活動家たちとヴァランダーの接触は絶対に知られてはならない。そのために、現実とは思えない(いや小説なんだけども)危 -
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1990年代のスウェーデンが舞台の刑事ヴァランダーシリーズ第1作。
一応ミステリー小説にカテゴライズされるのだろうけど、これミステリーじゃない!
殺人事件の捜査が柱にありつつ、謎解きがメインじゃない人間ドラマ。
登場人物たちの内面の葛藤や生活、そして事件捜査としての"自分の仕事"に対する姿勢がとても魅力的。
ヨーロッパらしい自立した考えの大人が議論を交わす形で社会的背景と国家の問題を印象深く盛り込んでもいる。過激な思想の押し付けがなくスマートなので、余計に考えさせられる。
翻って、アクションシーンはハリウッド映画も真っ青の大迫力!
ミステリーの概念吹っ飛んだ。
これまで読ん