柳沢由実子のレビュー一覧

  • 背後の足音 上

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    文庫で、1200円とはビックリだが、その値段を越える面白さ!若くなく糖尿病で肥り、強くもなくいつも疲れている主人公の刑事、ただ犯罪に立ち向かう姿はいい。

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    2011年08月22日
  • 背後の足音 上

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    夏至前夜、三人の若者が行方不明になる。そしてその捜索を依頼されたイースタ署の刑事のひとりと連絡がとれなくなり……。
    という事件の幕開き。
    スウェーデンのクルト・ヴァランダー刑事シリーズの新刊。

    相変わらず低調な男です、ヴァランダー刑事。これまでのシリーズも離婚した妻へ未練たっぷりで、年頃の娘のことは心配で、恋人との不仲に悩み、父親との確執にも悩み……、事件の捜査と愚痴に支配されている彼でしたが、ここにきてやっと諸問題に決着がついたかとおもいきや、今回は体調不良に悩まされることになったらしい。(それはメタボですよ、メタボ)
    残酷で予測のつかない事件が展開しているのに、飽きもせず、くよくよと考え

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    2012年02月09日
  • 目くらましの道 下

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     スウェーデンの小さな町の警察官、クルト・ヴァランダーのシリーズ5作目。
     事件の事で思い悩んでいた1秒後には、季節の移り変わりの美しさに目を奪われ、遠距離恋愛中の女性に思いを馳せ、病気が発覚した父親と向かい合おうと考え、ふらっとやってきた愛娘に癒され…とにかく人間くさいおじさんが魅力的。こういうジャンルだと、いつのまにか超人的になっちゃう主人公が多い中、何度も何度も同じ悩みにはまったり、鬱からなかなか抜け出せなかったり。ヨーロッパの片隅の小さな町で、変化していく世界への不安を抱えながら、それでも日常生活のなかに光を見出そうともがいている主人公が、とにかく情けなくてかっこいい。

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    2015年08月20日
  • 五番目の女 下

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    殺された老人エリクソンの金庫には、傭兵と思われる人物の手記が入っていた。
    そして、遺言には、かけ離れた土地の教会への高額の寄付が。
    なぜそんな所に?
    ヴァランダーは27年前に行方不明になった女性がいたことを調べ始める。
    一方、花屋の主人は遺体で発見される。
    森の中で…監禁された後に殺されていたのだ。
    謎めいた手口の理由とは?

    治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となる。
    マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考える。
    引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
    ヴァラ

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    2011年07月10日
  • 五番目の女 上

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    ネタバレ

    ヴァランダー・シリーズです。今回は、アフリカで過去に起きた事件と、スウェーデンでの連続殺人事件との関連を探るという内容になっています。いつもながら、ドキドキさせられる展開で面白かったです。

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    2011年07月04日
  • 五番目の女 上

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    スウェーデンの警察物。
    クルト・ヴァランダーが主人公のシリーズ、6作目。
    スウェーデン南端のイースタという町はそれほど大きくはないのだが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくない。

    クルトは、父とローマ旅行に行って帰ってきた所。
    父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったが、旅行先では楽しく過ごすことが出来た。
    父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
    その旅行に同行できた幸せを感じる。

    帰国後、妙な事件が相次ぐ。
    元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、敷地内の壕

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    2011年07月10日
  • 五番目の女 上

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    上巻後半から、最後まで一気読み。怒涛の展開。
    スウェーデン語の地名に戸惑う。
    わざとかもしれないが、日本語訳が硬くて、違和感を感じる。
    特に会話文。
    主人公ヴァランダーのキャラクターが、自分のなかではいまいち浮かび上がってきていない。

    困るのは、前作を読んでいないのに、犯人について語ること。一言二言なんだけど、読む前にわかっちゃうじゃん!!順番に読まなきゃだめなのかー。

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    2011年06月28日
  • 五番目の女 上

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    北欧の小さな町が舞台のお話。登場人物の名前が「ホルゲ」とか「ニーベリ」とかで異国感満点。センテンスが短く(警察官らしい感じ)読みやすい。店主が旅行中の花屋への不法侵入。鳥の詩を書く元自動車販売業者は残忍な方法で殺される。一見無関係の事件が繋がっていく・・・。これから読む下巻が楽しみ。

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    2011年01月10日
  • リガの犬たち

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    瓦解する共産主義。バルト海東岸のラトヴィアで暗躍する冷たい権力闘争。不確実な自由のため戦い続ける市井の人々。
    海岸に流れ着いたゴムボートの中に高級なスーツを身にまとった二人の男の射殺死体。調査を担当する田舎町イースタの刑事ヴァランダーは、思いもよらない形でスウェーデンからラトヴィアへ国境を越えた事件の主役を演じることに。諦観漂う警察小説の前半から想像もできない展開が待ち受けております。抑えきれない恋心。そのギリギリの踏ん張りに魅せられました。

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    2010年09月29日
  • 五番目の女 上

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    クルト・ヴァランダーを主人公にした警察小説シリーズ6作目に
    あたる本書の事件の幕開けも牧歌的なイメージ色濃い
    スウェーデンには到底似つかわしくない残忍な犯行現場。
    父とのローマ2人旅の余韻にゆっくり浸る間もないまま
    連続殺人事件解決に挑んでゆく。
    このシリーズは主人公のキャラクターの魅力に惹かれ、読後事件の
    内容は忘れても、家族との会話、同僚や上司、友人刑事たちとの
    エピソードが不思議と記憶に残る。
    今回も事件解決に忙しい最中、わざわざ遠距離恋愛中の恋人
    バイパに電話してもめたり、そうかと思うと2人で暮らすための
    新居や飼犬を探してまわるマメでカワイイ中年男の一面も
    垣間見れる。またしても次作

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    2013年02月03日
  • 五番目の女 下

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    父親の死を乗り越えて、捜査に邁進するヴァランダーらイースター署の刑事たち。しかし、一向に犯人像は浮かび上がってこない。猟奇的な犯行に対抗して市民による自警団が活動を始める。そして・・・。物語の三分の二を過ぎて、ようやく解決に向けて大きく進展が見られます。そこまではひたすら地道な捜査が続きます。その一方で、懸案の愛する女性との同居を考え、葛藤するヴァランダー。人間くさい刑事たちの活躍を楽しみました。それにしても文庫上下巻で2400円を越える価格。ちょっとびっくり。でも続きを読みたいので、東京創元社さん、あとシリーズ4作、何とか出し続けてください!

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    2011年09月10日
  • 五番目の女 上

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    スウェーデンの警察小説といえば、これ。ヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダー刑事シリーズ、3年ぶりに第六作が登場です。父とのローマ旅行を終え、仕事に戻ったヴァランダーを待っていたのは、無人だった花屋の侵入事件と一人暮らしの老人の失踪事件。やがて老人は惨殺されていたことが分かる。さらに、旅行中ということだった花屋の主人も・・・。二つの事件に接点はあるのか。ヴァランダーたちの捜査は思うように進まない。続きは下巻で。

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    2011年09月10日
  • リガの犬たち

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     スウェーデンの小さな田舎町の刑事ヴァランダーが、ラトヴィアに飛ぶ。国境を越え、思いも寄らぬ大きな事件に深入りしていくことになる。人気のスウェーデン警察小説、<刑事クルト・ヴァランダー>シリーズの第2弾。この作品の面白さのひとつに主人公ヴァランダーの設定がある。 ・太り気味。ストレス。警察を辞めたい。 ・オペラ好き。 ・味気なく思っている一人暮らし。 ・逃げられた妻にまだ未練がある。 ・娘のリンダとの意思疎通が上手くいかない。 ・年老いた父との確執。 ・ファストフード中心の食生活。 ・深酒しがち。 ・初めて出会った女性に惚れっぽい。さらに、この第2弾では同僚で親友だったリードベリを亡くしていた

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    2011年09月30日
  • 目くらましの道 上

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    心もはやる(?)推理小説。

    読者には犯人が判明している状況で、警察の目線から犯人をおいます。(確か・・・)


    ページをめくる手が止まらなくなる、面白い推理小説です。

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    2009年10月04日
  • 目くらましの道 上

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    平和なイメージのマルメの街近辺なのに、こんな残虐な事件が発生するとは。
    読むに耐えないです・・・続く

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    2010年10月01日
  • 湖の男

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    ※物語の展開を示唆するような記述が多少ありますので、それが気になりそうな方は回れ右、ここでさようなら。事件については何も書いていないので「ネタバレあり」とはしませんでした。悪しからず⋯

    『湿地』『緑衣の女』『声』と発表順にこの「エーレンデュル捜査官シリーズ」を読破してきて、これが四作目。この後、邦訳刊行済みだけでも『厳寒の町』『印』『悪い男』が控えていて楽しみです。前三作では一貫して家族の絆、血の繋がりをテーマとし、犯罪小説の枠に納まらない人間ドラマを描いてきた作者ですが、さて本作は…

    本作ではそうした従来のテーマから少し離れ、社会主義運動に身を投じた青年が物語の中心となっています。舞台は

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    2025年11月23日
  • 湿地

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    読み終わりは、とても嫌な気持ちになってしまった。
    なるほどそういう事かと、言う感じでまあ納得しているが、物語自体が指名の通り陰湿なもので気持ちは悪い。

    元本がそうなのか分からないが、文体がとてもクールで、淡々と書かれているのでノンフィクション風に感じた。

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    2025年11月05日
  • 黒い空

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    凄く好きなシリーズだが、今回は3番手のオーリ
    が主人公。このシリーズのエーレンデュルがいないのに作品を作るのが私にはあり得ない。彼を好きな人には良い作品かもだが、私には刺さらなかった。 

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    2025年10月25日
  • 湿地

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    とにかく切ない。アイスランドの小説を初めて読んだけど、小さな島国ならではの悲しい家族にまつわる話。割とストーリーがとんとん進むので読みやすくあっさり終えてしまった。

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    2025年10月25日
  • 緑衣の女

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    住宅建設現場で死後100年弱の人骨が発掘されたが、その人骨の身元を調査するうちに、大昔の家庭内暴力事件が浮かび上がってきた…というアイスランドの警察小説。
    前作に引き続き、主人公はレイキャヴィク警察のエーレンデュル捜査官だが、エーレンデュルの娘は妊娠しているのにドラッグ中毒で昏睡しているし、離婚した元妻がブチ切れて怒鳴りちらしてくるし、サイドストーリーとしてはなかなかの受難続きなのに、メインストーリーである人骨にまつわる家庭内暴力事件もかなり悲惨。
    読みやすいが、このシリーズが今後もこの陰鬱路線を続けていくなら、追いかけるのを躊躇してしまいそう。

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    2025年10月24日