柳沢由実子のレビュー一覧

  • 手/ヴァランダーの世界

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    「芸術の責務はいろいろあるが、その一つは人々に友人を与えることだと私は思う。」

    刑事ヴァランダーシリーズほんとの最後の最後は中編『手』とマンケル本人によるシリーズの各作品、人物、地名の紹介を収録した『ヴァランダーの世界』

    友人クルト・ヴァランダーともほんとにお別れかー。・゚・(ノ∀`)・゚・。

    それにしてもヘニング・マンケルってすごい人なのよ
    社会活動家としての一面も持っていて、特にアフリカを愛し、アパルトヘイトを激しく憎んでいたのよ
    でもってアフリカに蔓延するエイズ撲滅のために基金を創設したりね

    それからスウェーデンって世界でもいち早く移民(難民)の受け入れをした国でもあって、積極的

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    2025年02月17日
  • 背後の足音 上

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    ネタバレ

    ヴァランダーシリーズ、
    まだ上巻だけど、今のところ1番良いかも!
    まどろっこしい部分が取っ払われ、
    どんどん話が展開していく。
    下巻もこんな感じでありますように。




    ———ネタバレ———


    前回、老眼鏡を5つも買ったヴァランダーだったが
    今回も体に異変が。
    感情の起伏も激しく、物忘れや失敗も多くて
    だんだん笑えなくなってきた。。
    心の中で彼を叱咤激励しながら読む。

    中盤で読み手は犯人がどういう人物だかわかる。
    それになかなか辿り着けない警察の面々に
    早く気づいてー!とまた心の声が叫ぶ。
    今回は仲間の弔い合戦なのだから…
    がんばれ!ヴァランダー!

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    2025年02月14日
  • 湿地

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    ネタバレ

    ※ネタバレ注意

    不可能だったことが可能になることがメリットばかりではないよね、という話。
    アイスランドの歴史や人種特性、キリスト教圏の宗教観が絡み合って、物語が成立している、お国柄を感じる作品。物語の最後に漂う孤絶感が印象的。
    ゲノム解析とミステリーというキーワードで思いだすのが、ソウヤーの「フレームシフト」で、あちらの日本での刊行年が2000年で本作が2015年。15年でぐっと自分の周りに近づいたな、と感じた。

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    2025年01月15日
  • 目くらましの道 下

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    ネタバレ

    うお〜〜
    久しぶりに怒涛の一気読み。
    上巻で犯人が明かされたにもかかわらず、
    最後まで続くこの緊迫感、
    とても読ませる下巻だった。

    子どもが犠牲になる社会、
    どんどん変化し、個人ではどうにもできない世界の動きなどにやりきれなさでいっぱいのヴァランダー。
    これは作者自身の悲痛な声でもあるんだろう。
    そのことが十分に伝わる作品だった。

    細かな部分で言うと、回収されずに終わったあれこれが気になったし(赤いノートの内容、犯人の壮大な殺人計画の結末。結局何がしたかった?)、
    ヴァランダーが毎回けっこう危険な目に遭ってる割に
    自分ちの危機管理が薄く、ハラハラさせられるのが心臓に悪い。

    そしてタイトル

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    2025年01月08日
  • 目くらましの道 上

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    ヴァランダーシリーズ初の上下巻。
    これまでとどこがどう変わったのか、
    厚みが減ったせいもあるのかも知れないけれど、
    テンポが良く、すごく読みやすくなった。

    ヴァランダーの目前で焼身自殺した少女と、
    同時期に起こる凄惨な連続殺人事件。
    この二つは今後交わっていくのか?
    そして彼は予定通り休暇を取れるのか?(バイバと)
    長引く家族間のわだかまりは解消されていくのか?
    洗濯物と車検はいつになったらできるのか??

    いろいろと気になることは下巻で!

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    2025年01月08日
  • 霜の降りる前に 下

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    はい親子鷹ヴァランダーとリンダの「善なる人々」との闘いは一応の解決をみました

    うーん、難しいテーマだね
    いやでもやっぱり「宗教」って怖いって思っちゃうよね
    何十人時には何百人あるいはもっと多くの人の命を奪うことが「善いこと」に変換されちゃうことがある
    なんの躊躇いもない

    もちろん「宗教」の持つ力が真の意味での救いをもたらすこともあるわけで
    あーでも「善き人々」は不信心者の命を奪うことで救われるのか

    ダメだーぐるぐるだー( TДT)

    よし、とりあえず一旦置こう

    リンダよリンダ
    娘よ
    あー娘よ

    今回のことで分かっただろう
    君のお父さんはめちゃくちゃかっこいいのだよ
    確かに腹回りは太くな

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    2024年12月08日
  • 霜の降りる前に 上

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    娘のリンダが警察官を志してイースタに帰ってきた

    今回はそのリンダが主人公
    いやヴァランダーとW主人公なのかも

    そしてどうやらリンダは父であるヴァランダーが大嫌いで大好きのよう
    分かる

    そしてハッキリとは書かれてないんだけど、いつものヴァランダーじゃない気がする
    なんかそう感じる
    たぶんあれだヴァランダーちょっと浮かれてると思う

    わいの思い込みかもしれんと思ったが、たぶん違う
    わいはわいを信じることにする
    ヘニング・マンケルが恐ろしく上手いのだ

    ヴァランダー絶対うれしい
    自分と同じ警察官になると決めて自分の住む家に戻ってきた娘
    そりゃもう父親なら浮かれまくる
    だがしかーし!警察官の先輩

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    2024年12月07日
  • 湖の男

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    一見救いようのない世界
    それでも「生きる」ということ……

    珍しく冷戦時の社会を背景としており、他の北欧ミステリーのよう。
    「フォード ファルコン」1960年代北米フォードの自由の象徴。この車とソ連製の盗聴機の組み合わせが、冷戦時代のアイスランドの混迷を匂わす。

    湖の水位が下がったことで見つかった白骨死体のなぞ。
    冷戦時の東ドイツへ留学した若き社会主義者達日常。
    二つの物語が交錯しながら進む。

    湖の底に隠れた過去の出来事は、決して消え去ったわけではなかった。
    ダム湖が干上がって底に過去の生活の痕跡があらわになること、また、見つからないと思って投げ込んだ過去の負の出来事がヘドロのなかから顔を

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    2024年12月04日
  • ファイアーウォール 上

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    どーも、シリーズもの抱え過ぎレビュアーひまわりめろんです

    どうすんねんこれ!もうあっちもこっちも!(# ゚Д゚)(自己責任)

    地道に消化していくしかありません
    人生ってそういうものです
    そして刑事ヴァランダーの捜査も地道に進みます

    すっと入ったな
    刑事ヴァランダーの話にすっと入ったな
    この技術力ね
    世界のSONYか!

    今回はどうやらコンニャクとレンコンのピリ辛炒め略してコンピューターのお話っぽいです
    ファイアーウォールがどうちゃら言うてますからね

    しかし我らがヴァランダーは足で捜査する古いタイプの警察官
    もう題名見たときから心配してました

    地道ですもの
    地面にある道を粘り強く歩くの

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    2024年11月24日
  • 悪い男

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    読書備忘録872号。
    ★★★★☆。

    これも大好物なシリーズです。
    本作は7作目。

    カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。

    舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。
    冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビク警察の主人公たちが陰気に解決していく!寒い寒い・・・。

    本来このシリーズは犯罪捜査官のエーレンデュルが主人公なんですが、今作は同僚のエリンボルク(40代の女性、4人の子供と旦那あり)を主人公に据えたミステリー。

    エーレンデュルはどこ行った?
    なんか2週間の休暇を取得し、東部に出かけていき行方不明・・・。謎でしょ?

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    2024年11月12日
  • 緑衣の女

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    重く積み重なってゆくようでもあり、深くくい込んでゆくようでもあり。
    激しい暴力に、精気を失い、どんどん小さく縮こまってゆくような彼女。
    そばには3人の子供たち。
    一方、娘の状況が、そして過去が影を落とす捜査官エーレンデュル。
    人はみななにか重いものを背負っている、とは彼の言葉である。

    静けさの中にあるような激しさ。
    ミステリ―ではなかったとしても、引き込まれていったのではないだろうか。
    「湿地」もう一度、読み直してみたくなった。

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    2024年10月09日
  • 声

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    毎回子供の虐待が取り上げられている気がする。ミステリーだけど、それにとどまらない人間ドラマに引き込まれる。
    真夏にクリスマスの本を読んでみたが、涼しくはならなかった。

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    2024年09月07日
  • 緑衣の女

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    アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの長篇ミステリ作品『緑衣の女(原題:Grafartogn)』を読みました。
    アーナルデュル・インドリダソンの作品は5年前に読んだ『声』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    2003年ガラスの鍵賞、2005年CWAゴールドダガー賞受賞

    男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。
    発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。
    付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。
    封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。
    CWA

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    2024年08月31日
  • 悪い男

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    エーレンデュル捜査官シリーズ7作目。
    エーレンデュルは行方不明中。なので同僚のエリンボルクが主役。女性と犯罪の関係に焦点が当たってて、どこの国も女性は弱者と暗い気分になってしまった。
    エリンボルクが作るアジア料理を食べてみたい。

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    2024年08月22日
  • 悪い男

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    もともとこのシリーズの良さは、
    謎解きの楽しみというよりも、
    事件の暗さに絡められた
    エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。

    その片鱗は見られた。
    エリンボルクの家庭の様子が描かれ、
    親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。

    ラスト数十ページまで来たときに、
    この本は恐らく前編で、
    もう1冊を後編として出して、
    謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、
    深く描かれるのだろうと思っていた。

    それが、事件はあっけなく解決し、
    子どもとの話も描かれずじまいだった。
    とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、
    もったいないなあと思う。

    風呂敷を広げるだけ広げて、
    終了

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    2024年08月15日
  • 喪失

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    ネタバレ

    読み終わってしみじみ。

    いろんなことを諦めて、ただ小さな家が欲しいと細々と親からの送金を貯めてホームレス生活を続ける女性、シビラ。

    ホテルでいいカモを見つけ、ディナーと部屋代を出してもらってゆっくりお風呂につかっていると、警察が部屋に。慌てて逃げ出すと男性が殺害されたという。証拠が出てきてその後に続く連続殺人犯として指名手配されてしまい…

    淡々と進む物語の裏で、彼女がいわゆる毒親に育てられたことも明かされる。追い詰められた彼女を救ったナイトは15歳!ずっとシビラの目線だけで進むので読みやすい。

    最後、生き別れの息子のことを知りたいと思ったシビラは情報屋からその情報の書かれた封筒をもらう

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    2024年08月12日
  • 湿地

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    2024.07.21
    アイスランドの人口を知ってびっくり。
    そのことはおいておいて、オーソドックスかつ丁寧に描かれた犯罪小説、警察小説。

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    2024年07月21日
  • 悪い男

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    期待を裏切らないシリーズ、
    今回はいつものエーレンデュルではなく
    彼の部下の
    エリンボルクが主役。

    面白かったー。

    当たり前のことだけど
    彼女にも家庭があり、
    悩みがあり。

    そして悪い男を征伐したのは誰か?

    そして終盤で誤植を見つけましたよ、
    編集者さん。
    再開→再会
    ですよね。

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    2024年06月16日
  • 悪い男

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    エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。

    6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。

    エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。
    バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。
    料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。

    今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見

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    2024年05月31日
  • 背後の足音 上

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    上下一括感想
    下巻でまとめて。

    でも、この人いつも疲れている。
    糖尿病なのに「ただ血糖値が高いだけ」とか言い張って“検診”もサボるし。
    刑事以外のことは相変わらずダメダメ。
    さて、この調子で下巻へ。

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    2024年05月27日