【感想・ネタバレ】背後の足音 上のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月30日

プロローグにはいつもヴァランダーとは遠いところで起こっている何事かが描かれる。今回もまた。
本編に入るといつもの署の面々がそれぞれの個性をプンプンさせながら事件に絡んでゆくのだけれど…おや、今回はちょっと違うぞ!
ヴァランダーの相変わらずの「ん~情けないおやじ・・・」なところはちょっと安心、というか...続きを読む苦笑い。
それでも冴えてるところも相変わらず。どう後半に続くのか!

0

Posted by ブクログ 2012年06月03日

昨年夏翻訳発行の最新作。
スウェーデン南端イースタ警察のクルト・ヴァランダー警部のシリーズ。7作目。
前の事件から2年後。

リガに住む恋人バイバとは4年間断続的に付き合ったが、やはり国が違うために結婚は出来ないと断られてしまう。
一方、亡くなった父親の家は、売りに出すことになります。
ヴァランダー...続きを読むは体調が悪く、離れて暮らす娘のリンダとせっかく出かけてもあまり疲れている様子に驚かれる。
さすがに病院へ行くと、血糖値が高いとわかり、動揺することに。

真面目な警官であるカール・スヴェードベリが連絡を寄越さずに休み、おかしいと気づいたヴァランダーは夜中に一人で彼の家へ。
死体を発見してしまいます。
誰とも深い付き合いのなかった彼が、唯一仲の良かった看護師の従妹イルヴァに、ヴァランダーを友達と言っていたと聞いて驚く。
スヴェードベリの意外な一面、そして不審な行動がしだいに明らかに…

若者3人が夏至の前夜、仮装パーティに集まったまま旅行に行ってしまったらしい。
行方が知れなくなっていて、母親は心配しているのですが、旅行先からの葉書も来ているので、捜査にはかかっていないという案件もありました。
ところが、3人の遺体も発見される。
現場の様子には不自然さが有り、理由もわからない。
パーティに参加するはずだったもう一人の女の子イーサを訪ねたヴァランダー。
イーサの両親は裕福だが、連絡しても旅行先から帰っても来ない冷たさ。孤独なイーサは、何か隠している?

犯人側の視点も少しだけありますが、正体や動機が全くわからないので、怖さがあります。
後ろから迫って来るかも知れないような。
相変わらず不健康なヴァランダーですが、事件には没頭。
のめりこみ&ひらめき型なので、読んでいる方も引きこまれていきます。
有能でも、事件を防ぐ所までは出来ないのが苦しい所。
中年男らしい悩みでいささかみっともない状態になるのも続いています。これは人間味?
女性署長や娘とだんだん上手くやっていけるようになったようなのは、少しだけ成長したかも。
作家の筆は、冴え渡っています。
1997年の作品。

0

Posted by ブクログ 2012年01月29日

刑事クルト・ヴァランダー、7作目の本書では
50歳を目前に糖尿病になってしまった。
すぐにのどが乾くし、おトイレも近くなって捜査が
大変そう。リガにいる恋人との関係も終焉を迎え
元妻の再婚に心揺れる悲しきミドルエイジ。
長年ともに仕事をしてきた刑事が事件に巻き込まれ
あらためて職場である警察署内の人...続きを読む間関係にも
スポットが当たる。奇怪な事件の予想もつかない
犯人像を追いながら悩み苦しむヴァランダーの
孤独とそんなヴァランダーを影で支える仲間たちの
キャラクターもだんだん人間味を帯びてきた。

0

Posted by ブクログ 2011年10月29日

ヘニング・マンケルが描く刑事クルト・ヴァランダーのシリーズ第7作。
公園でミッド・サマー・イヴのパーティーをしていた若者が姿を消した。一方、出勤しないままの同僚スヴェードベリ。彼を心配して深夜にアパートを訪れたヴァランダーが見たものは・・・。

一押しの警察小説。今回はレギュラーの一人がまさかの退場...続きを読む。同じスウェーデンのマルティン・ベックの「笑う警官」を少しだけ思い出した。

さて、どうなる下巻。

0

Posted by ブクログ 2011年08月31日

次々と展開する事件の中、ヴァランダーが、色々と個人的なこと―父親の件、父親の後妻の件、想いを寄せていた女性の件、元妻の件…―も手伝って、何か“孤独”を深めるような状況下、実に懸命に事件を追う姿が非常に面白い…

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年08月27日

刑事ヴァランダー・シリーズ第7作。
全く身につまされる作品だ。

主役のヴァランダーは、バツイチ、母はとうに亡く前作で父も亡くなった。
姉と娘はそれぞれ離れた場所に住んでいて、日常的な連絡もとっていない。
恋人がいたが、もう何ヶ月も連絡を取っておらず別れたも同然。
友人らしい友人もいない。
50を前...続きを読むにして、糖尿病の宣告も受けた。

こんな状況で、同僚の刑事が殺されたことが判明する。
そして、今更ながら同僚の私生活を知らなかったことを思い知らされる。

中年男性の孤独とアイデンティティ・クライシスを見事に描いている一作だと思う。

0

Posted by ブクログ 2022年12月19日

スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『背後の足音(原題:Steget efter)』を読みました。

『目くらましの道』に続き「ヘニング・マンケル」作品です… 読み始めると北欧ミステリは続いちゃいますね。

-----story-------------
〈上〉
夏至前夜、三人...続きを読むの若者が公園でパーティを開いていた。
十八世紀の服装、料理、ワイン。
彼らをうかがう目があるとも知らず……。
イースタ警察署に娘を捜してくれという母親の訴えが出された。
夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。
捜査会議を招集したが、刑事の一人が無断で欠席した。
几帳面なはずの人物がなぜ? 
不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景が。
シリーズ第七弾。

〈下〉
長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。
そのあまりに無惨な姿に、イースタ署の面々は言葉を失った。
どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件をたった一人で調べていたらしい。
二つの事件は同一犯の仕業なのか。
調べ進むうちに明らかになる、殺された刑事の隠された素顔。
自分はいったい彼の何を知っていたのか。
「ヴァランダー」ら捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が……。
現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。
訳者あとがき=「柳沢由実子」/解説=「小山正」

*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
*第3位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
*第4位『このミステリーがすごい!2012年版』海外編
*第4位『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇
*第6位〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 海外部門
-----------------------

警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第7作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』、第5作の『目くらましの道』に続き、本シリーズを読むのは4作目です、、、

本シリーズ、新しい作品が出る度に長くなる傾向があるようで、本作品は上下巻で850ページを超える大作になっています… 読み応えありましたね。


夏至前夜、三人の若者が自然保護地区の公園でパーティを開いていた、、、

十八世紀の服装、音楽、美味しい料理、ワイン… 物陰から彼らをうかがう目があるとも知らず。

その三人の若者のうちの一人「アストリッド・ヒルストルム」の母親「エヴァ・ヒルストルム」から、イースタ警察署に娘を捜してくれという訴えがあった。

夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ… 旅先から絵はがきが届いてはいるのだが、筆跡が偽物らしいというのだ、、、

母親の熱意に動かされた「ヴァランダー」は捜査会議を招集したが、同僚の刑事のひとり「カール・エヴァート・スヴェードベリ」が無断で欠席した… 電話をしても応えるのは留守番電話ばかりで、いっこうに連絡がとれない。

几帳面で遅刻などしたことのない「スヴェードベリ」が、なぜ? 不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景がひろがっていた… 長年一緒に仕事をしてきた「スヴェードベリ」はライフル銃で頭を撃たれ殺されていた、、、

そのあまりに無惨な殺人現場に、イースタ署の面々は言葉を失う… どうやら「スヴェードベリ」は休暇まで使って、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。

二つの事件は同一犯の仕業なのか? 調べ進むうちに、次第に明らかになる、「スヴェードベリ」の隠された素顔… 自分はいったい彼の何を知っていたというのだろう、、、

そして、自然保護地区の公園で三人の遺体が発見される… 三人とも銃で頭を撃たれており、しかも、遺体は一度どこかに持ち去られたあと、再度、殺された場所に置かれていた。

捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が… 三人の若者とのパーティーに参加する予定だったが、体調を崩して参加できなかった「イーサ・エーデングレン」が銃で撃たれて殺され、さらに結婚式を挙げた直後に記念撮影をしていた「トルビューン・ヴェルネル」と「マーリン・スカンデール」の新婚夫婦とカメラマンの「ロルフ・ハーグ」が銃で撃たれて殺される、、、

次に狙われるのは誰か? そして、「ヴァランダー」にも魔の手が迫る… 糖尿病からくる身体の不調(本人は同僚たちにちょっと血糖値が高いだけ… と言って、糖尿病とは言いませんが)と闘いながら、「ヴァランダー」は同僚たちの協力を得ながら、事件の真相に迫る。

相変わらずですが… 現代社会の病巣を見事に描いた快作でしたね、、、

第6作の『五番目の女』を飛ばして読んだので、いつのまにか「ヴァランダー」の父親は亡くなり、「ヴァランダー」と「バイバ・リエパ」との関係も終わってしまったみたいです… やっぱ、順番に読むべきだったかなぁ。




以下、主な登場人物です。

「クルト・ヴァランダー」
 イースタ警察署の刑事

「アン=ブリッド・フーグルンド」
 イースタ警察署の刑事

「マーティンソン」
 イースタ警察署の刑事

「カール・エヴァート・スヴェードベリ」
 イースタ警察署の刑事

「ハンソン」
 イースタ警察署の刑事

「スヴェン・ニーベリ」
 イースタ警察署鑑識課の刑事

「リーサ・ホルゲソン」
 イースタ警察署の警察署長

「エッバ」
 イースタ警察署の交換手

「ツーンベリ」
 代理の検事

「クルト・ヴァランダーの父」
 画家

「イェートルード」
 その妻

「モナ」
 クルトの別れた妻

「リンダ・ヴァランダー」
 クルトの娘

「バイバ・リエパ」
 リガに住む未亡人

「ステン・ヴィデーン」
 クルトの友人

「イルヴァ・ブリンク」
 スヴェードベリのいとこ、助産師

「スツーレ・ビュルクンド」
 スヴェードベリのいとこ、大学教授

「ルイース」
 スヴェードベリの恋人?

「ブロー・スンデリウス」
 元銀行理事

「アストリッド・ヒルストルム」
 行方不明の若者

「マーティン・ボイエ」
 行方不明の若者

「レーナ・ノルマン」
 行方不明の若者

「イーサ・エーデングレン」
 アストリッド、マーティン、レーナの友人

「エヴァ・ヒルストルム」
 アストリッドの母

「エリック・ルンドベリ」
 イーサの隣人

「バルブロ」
 ルンドベリの妻

「レナート・ヴェスティン」
 群島の郵便配達人

「スティーグ・ストリズ」
 スヴェードベリを訴えた男

「ニルス(ニッセ)」
 スティーグの弟、故人

「ルート・ルンディ」
 ニルスの内妻

「トルビューン・ヴェルネル」
 新郎

「マーリン・スカンデール」
 新婦

「ロルフ・ハーグ」
 カメラマン

「マリア・ヨルトベリ」
 ロルフのアシスタント

「ロネ・シェール」
 コペンハーゲン警察の刑事

「シェル・アルビンソン」
 郵便物の集配責任者

「オーケ・ラースタム」
 郵便配達人

0

Posted by ブクログ 2021年12月10日

この本に限らす、洋書は登場人物の名前がなかなか覚えられず、最初は苦労するのだが、今回は更に北欧ということで聞き慣れない名前がいっぱい…。
最初は「誰?」と登場人物のページに戻って確認してたけど、段々慣れていった。
バラバラのヒントが少しずつ、本当に少しずつ、繋がっていくのが面白く、先が気になる。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月10日

犯人側の描写でも意図が分からず怖い。ちょっと超人的過ぎるので少し減点。一人でできる犯行には思えない。

0

Posted by ブクログ 2017年01月27日

なんとシリーズだったのを知らず本作から読んでしまった。
それでも人間味あふれるヴァランダー刑事のすっかりファンになってしまい他の作品も読んで見たい。
とにかく体を休めて!眠って!と過酷な捜査につい思ってしまう。犯人まであと少し!と追い詰めるのだけどとことんツイていないヴァランダーに最後までハラハラ。...続きを読む面白かった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月27日

糖尿病を患いながら、病気を受け止めることができず
うじうじするところは、
相変わらずのヴァランダー警部。

でもなー。
組織捜査を地道に辛抱強くやってきて、
どうして最後に暴走しちゃうんだろう。
そこらへんのキャラクターの一貫性のなさに
ついていけないんだよなー、と思っていたら、
解説にも「人物造詣...続きを読むがアンバランスである」て
書かれてました。

(下巻へ続く)

0

Posted by ブクログ 2013年08月14日

刑事ヴァランダー第7シリーズ。同僚が殺されるというショッキングな事件と、三人の若者達の失踪。これらの事柄は関係があるのか?

0

Posted by ブクログ 2013年07月23日

糖尿病と鬱屈を抱えた中年刑事ヴァランダーが、今回は同僚と若者四人の惨殺事件を追う。
まったく動機が読めず、ぐんぐん読ませる。素晴らしい。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年02月24日

ヴァランダー警部シリーズ7作目。今回は初めからなかなかおもしろく読めた。脇役の一人がいなくなったのは残念。

0

Posted by ブクログ 2012年10月18日

「背後の足音(上下)」
夏至前夜、三人の若者が公園でパーティーを開いていた。18世紀の服装、料理、ワイン。彼らをうかがう目があるとも知らず・・・。ある日イースタ警察署に夏至前夜に友人と出かけて以来行方不明の娘を捜してくれという母親の訴えが出された。その捜査会議に刑事のひとりが無断で欠席する。几帳面な...続きを読む人物がなぜ?不審に思ってアパートを訪ねたヴァランダーの目の前に信じられない光景が広がっていた。(上のあらすじ)


作者はへニング・マンケル。現在63歳の大ベテラン、スウェーデン出身(私が出会った初のスウェーデン人作家です)。彼はクルト・ヴァランダー警部を主人公にした作品を書き続けているようで、この「背後の足音Steget efter」は1997年に発表されたヴァランダーシリーズ(現在最新作は「Den orolige mannen」(2009))です。


昔の作品ですが、当時の時代の空気を感じさせない作風になっています。魅力は推理小説の醍醐味の1つである犯人追求の過程です。ヴァランダーにくっついて行く私がいました。また犯人にも感じる点があります。90年代のはずなんですけどね、なるほど63歳恐るべし。


しかし、ちょっとヴァランダー警部シリーズ第1作目「殺人者の顔」を本気で読みたくなりましたね、これはw。また、この作品をきっかけに他の大ベテランの作家達の作品を読んでみたいと考えるようにもなりました。


63歳クラスの作家は誰がおりましたでしょうか?うーーん、ぱっと出てこない自分が悲しいw

0

Posted by ブクログ 2012年04月05日

始めの方はなかなか話しの本筋に入らないので進まなかったが、同僚の警官の殺人事件あたりから引き込まれた。

0

Posted by ブクログ 2011年08月22日

文庫で、1200円とはビックリだが、その値段を越える面白さ!若くなく糖尿病で肥り、強くもなくいつも疲れている主人公の刑事、ただ犯罪に立ち向かう姿はいい。

0

Posted by ブクログ 2012年02月09日

夏至前夜、三人の若者が行方不明になる。そしてその捜索を依頼されたイースタ署の刑事のひとりと連絡がとれなくなり……。
という事件の幕開き。
スウェーデンのクルト・ヴァランダー刑事シリーズの新刊。

相変わらず低調な男です、ヴァランダー刑事。これまでのシリーズも離婚した妻へ未練たっぷりで、年頃の娘のこと...続きを読むは心配で、恋人との不仲に悩み、父親との確執にも悩み……、事件の捜査と愚痴に支配されている彼でしたが、ここにきてやっと諸問題に決着がついたかとおもいきや、今回は体調不良に悩まされることになったらしい。(それはメタボですよ、メタボ)
残酷で予測のつかない事件が展開しているのに、飽きもせず、くよくよと考え込んでいます、ヴァランダー刑事。
鬱陶しいはずなのに、つい、その愚痴につきあって、分厚い上下巻を読んでしまうのがこのシリーズの不思議なところだ。
(しかし、いくら落ち込んでいるからって、初対面の未亡人に抱きつきたいと考えるのはどうかとおもうよ、ヴァランダー刑事)

0

「小説」ランキング