柳沢由実子のレビュー一覧

  • 目くらましの道 下

    Posted by ブクログ

    下巻に入っても期待は裏切られませんでした。人物像がはっきりと浮かび上がっていること、1995年当時の世相がよく伝わること、そして着地がすっきりしていることなどがポイントの高さにつながっています。昔読んだ「マルティン・ベック・シリーズ」とは雰囲気が違いますが、こちらのスウェーデン警察小説シリーズもお勧めです。ぜひ一作目の「殺人者の顔」からどうぞ。追記。スウェーデンでドラマ化されたという話は、解説で読んだ記憶があるし、ケネス・ブラナー主演で、去年イギリスでドラマ化された(舞台はスウェーデン)というニュースも聞いていたが、まさか、今日WOWOWで放送されていたとは知りませんでした。しかも一作目が「目

    0
    2011年08月12日
  • 目くらましの道 上

    Posted by ブクログ

    このところ一押しの警察小説シリーズ。舞台はスウェーデンの地方都市イースタ。主人公はクルト・ヴァランダー警部。シリーズ第5作の今回は、未だかつてない猟奇的な殺人で幕を開ける。どうなる、後半?

    0
    2011年08月12日
  • 裏切り

    Posted by ブクログ

    ハッキリ言って、
    「こりゃ凄い作家が現れたもんだ!」と思いました。

    もちろん、お化けも怪物も、なにも出てきません。
    あるのは、誰もが心当たりあるだろう
    日常の…家庭の風景…でも、とにかく怖い…
    ハラハラするのともドキドキするのともちょっと違う…
    ここまで人の心理に分け入っていく…
    裏返せば、自分の心理に入り込んでくる…
    こんな作品は久しぶりです。

    作者はこれを書き上げるにあたって、
    2ヵ月間休養を取らなければならなかったという…
    作者自身が、執筆中にそれほどまでに
    登場人物たちとの精神的関係を深めてしまった…
    だから距離を置く必要が生まれてしまった…
    きっとそうい

    0
    2009年10月07日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    翻訳小説だがすごく読みやすかった。
    淡々とストーリーが進むけど、芋蔓式に新しい人物や真実がどんどん出てきて飽きなかった。
    全体的に湿っぽくて曇ってる感じの世界観が好き。
    訳者のあとがきとあわせて読むと、アイスランドのお国事情も知ることができる。
    あとがきにて作者が、”ある国のことを知りたいならその国のミステリ小説を読めばいい”と言っていて、なるほどなーって思った。
    シリーズが何作かあるので他のも読みたくなった。

    0
    2026年08月18日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    北の湿地の厳しい風土と逃れられない血縁の業を描いた重厚な北欧ミステリー。
    アイスランドの重く薄暗い空気感が全体を支配していますが、ストーリー展開は非常にテンポが良く、ぐいぐいと物語に引き込まれます。

    本作の魅力、残酷で逃げ場のない人間ドラマにあります。我が子を遺伝疾患で失い、その原因を追う中で「自分が性暴力によって生まれた子」であり、その加害者の遺伝子が娘の命を奪ったという事実に直面する犯人エイナル。彼の味わった絶望は計り知れず、事件の背景には言葉を失うほどの悲劇が横たわっています。

    印象的だったのは、主人公エーレンデュルの人物像。捜査官として静かに淡々と職務を全うする一方で、薬物依存の娘

    0
    2026年08月08日
  • イタリアン・シューズ

    Posted by ブクログ

    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)なかなかオモロイけんど、主人公が胸糞悪い。

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]女性を大事にしろ!

    0
    2026年07月22日
  • 悪い男

    Posted by ブクログ

     安定の面白さ。スルスルと2日で読めました。

     今回の主人公はエーレンデュルの同僚のエリンボルク。女性が主人公ともあり、同性で感覚が似ているからか、普段よりも読みやすく感じました。
     普段、脇役のキャラが主役になるのは、そのキャラの考え方やバックボーンが分かり、面白かったです。

     事件自体は胸糞悪い一件でした。

     次回はエーレンデュルは帰ってくるのかな…

    0
    2026年06月20日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    馴染みのないアイスランドが舞台の警察小説。
    ミステリーとしては犯人探しの側面も興味を引くが、それよりも動機の解明に心血が注がれており、その過程でなんとも言いようのない悲劇が事件の裏に隠されているのが判明する。

    解説に「どこかの国のことを知りたければミステリを読めばいい。一番的確な案内書だ」とあるが、まさにその通りで、アイスランドの風土やアイスランド人の気質が、レイキャビクの晩秋のどんよりとした気候や、主人公エーレンデュルの心情と相まってよく描かれている。
    またエーレンデュルの捜査は地道で職人気質な所もあり、多くの日本人にもそのキャラはある意味親近感を持たれるのではないだろうか。

    事件そのも

    0
    2026年06月10日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    ■自分の中での傑作
    とにかく、全てが淡々と進んでいく描写が非常に自分好み。
    登場人物が自分の人生や揺れ動く気持ち等を長々と地文で語ったりせず、会話も常に淡々としていて無駄がなく、余計な風景描写や場面移動にページを割かない。この文章のあり方がとにかく気に入った。
    訳者あとがきによれば、インタビューの中で著者本人が「形容詞をいくつも並べたりせず、簡潔で的確な表現を心がけている」と話したことが書かれているが、まさにこのあり方が自分の好みに突き刺さった。

    ■警察ミステリ
    本格推理小説ほどではないが、ミステリ色が強い警察小説。
    とはいえいわゆるフーダニット的なものはなく、手がかりに沿って捜査を進めてい

    0
    2026年05月29日
  • 声

    Posted by ブクログ

    このシリーズ三作目だけど、ホントどれも悲劇的で毎回しょんぼりしてしまう。
    でもストーリーは面白いし、人の描き方も上手い。
    読めば傷つくと分かっていても読みたくなるんだよね。
    ホテルの地下室で殺された男の知られざる過去も、未だに和解できずにいるエーレンデュル父娘にも、心臓がギュッとなる。
    解決しても悲しくなるんだからどうしようもないな。
    とか言いつつ、続編も読むんだけどさ。

    0
    2026年05月24日
  • 黒い空

    Posted by ブクログ

     シグルデュル・オーリが中心でストーリーが進んでいき、エーレンデュル、エリンボルクは出てこなかったです。
     シグルデュル・オーリの友人から事件の相談を受けて物語が展開されていくのですが、インドリダソンのミステリー小説と警察小説を足して2で割ったような流れが面白かったです。

    0
    2026年04月28日
  • 悪い男

    Posted by ブクログ

    北欧の警察小説の特徴は静かな捜査と人間ドラマの味わいにある。日本の警察小説は派手な捜査や捕り物が好きで、犯人逮捕のカタルシスに注力しているきらいがある。北欧の警察小説はもっとゆっくりと展開し、それでもじわじわとドキドキが始まり止まらなくなる。

    柳沢由実子の翻訳の上手さもあるでしょうね。マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーからドロシー・ギルマン、ヘニング・マンケル、インドリダソンと北欧の名作は昔から彼女の翻訳が一番です。

    さてこの話。レイキャヴィクのバーで男が女性に声をかけるところから始まる。男は女性の酒に錠剤を入れて酔わせ、自宅に連れて帰ろうとする。翌日、アパートで喉を切り裂かれ

    0
    2026年03月29日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悲惨な出来事ばかりおこって、陰鬱なシーンばかりだったけれども、最後にエレーンデュルが自然と取ってくれた以下の行動に心が少しだけ救われた。

    「エーレンデュルはランプを置いて、棺の始末をつけることにした。(中略)棺に向かって十字を切ると、穴の上から土をかけはじめた。重い土が棺の上にかかる音が響き渡った。そのたびに胸が鋭く傷んだ。」

    事実を知ってしまったからこそ、知らなかったときの自分には戻れなくなる。誰もエイナルを救うことができない中で、なんとも言えない感情にさせられた。医療の発展や後世のためにはすべての臓器が貴重なサンプルになるのだろうけども、親として本人に一切傷をつけて欲しくないという気持

    0
    2026年03月28日
  • 目くらましの道 上

    Posted by ブクログ

    (上下)
    ヘニング・マンケルを 読もう思った。並んでいた初期のものも面白そうだったが読んだのは順不同、これはシリーズの5作目だった、 これは大正解で面白かった。《目くらましの道 上下巻》
    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    初めて読むには内部の人間関係の話が少しついていけなくて残念だった。これはもう少し読んでみないといけないと積読山の頂を見下ろしてみたが、まぁいいか、気合も気が抜けていたが 面白かった。

    「ミレニアム」で難しかったVの多い名前と、登場人物も多くて頭も目もぐるぐる(笑)
    しかしそんなことは二の次で、面白かった。慣れれば一気読み

    0
    2026年03月01日
  • 背後の足音 上

    Posted by ブクログ

    (上下巻)

    同僚のスウェードべりが至近距離から撃たれて死んだ。海岸で起きた若者射殺事件との関係はあるのか。複雑な背景も読みどころだった。
    スウェーデン、イースタ署のヴァランダー刑事シリーズ。
    今回は、北の国の風土や、気質が参考になった。

    プロローグは、8月の夏至前夜、若者たちが集まってパーティを開いている。それを木陰から窺い、パーティー用に扮装した三人を一瞬で射殺した男がいる。

    だが、彼らは海外旅行に出たということにして、親たちには旅行先から便りが届いている。
    一人の親が子供の行方を不審に思い警察に捜索願いを出すが、旅先から葉書が届いているために、失踪として扱ってもらえないでいた。

    0
    2026年02月28日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    何年か前に映画化されたのを観ましたが雰囲気しか覚えておらず読んでみました。ミステリー小説って面白い!と思わせてくれた作品です。

    物語はレイキャビク(アイスランドの都市)の湿地で殺人事件が発生するところから始まります。これを皮切りにこの地域に眠る陰惨な出来事が浮かび上がり…といった流れです。
    作中の天気も内容もずーっとジメッとしてるし内容はかなり重たいのですが、文節が細かく区切ってあり文体も簡潔でスラスラ読めました。
    個人的に主人公の偏屈&昔堅気だけど人情味があるところが好きです。作中の境遇を考えると時々可哀想に思いますが…笑

    シリーズものの3作目らしいので、翻訳済の他の作品も読ん

    0
    2026年02月28日
  • 黒い空

    Posted by ブクログ

    前作に引き続きエーレンデュルがいないエーレンデュルシリーズ第8弾。今回はシグルデュル=オーリが主役。シッギと呼ばれてて全部これにしてほしいと思った。
    性的虐待、殺人事件、金融犯罪の3種類がテーマ。
    自分の不始末の後始末を他人に任せるとどんなことが起こるかわからない。シッギの家庭も友人も複雑。
    「アイスランドの社会構造の最小単位は家族でなく個人」とあって、日本もそうあってほしいと思いながら、でも他人との関係における葛藤は避けられないものだと思った。
    日本も児童ポルノにはもっと嫌悪感を持つ人が増えてほしいし、法律も弱者を虐げる人には厳しくしてほしい。

    0
    2025年12月31日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    無駄な描写が無く最初から最後まで集中して一気読みできる警察クライムノベル。訪れたことがないアイスランドの様々な描写や麻薬などの社会的問題も垣間見えて、興味深く楽しめました。主人公の刑事が同い年だったことでも没入できました。

    0
    2025年10月14日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    アパートの半地下の一室で老人男性が撲殺されているのが発見されたが、それは単純な強盗殺人ではなく、大昔の強姦事件を発端とする哀しい事件だった、というアイスランドの警察小説。
    アイスランドは人口が少ない単一民族の国で、全国民の家系情報・遺伝情報がデータベースに登録されていて辿っていくことができるようになっている…というのが肝になっている。
    ストーリーは陰鬱だが、文量は多くなくて非常に読みやすい。

    0
    2025年10月09日
  • 緑衣の女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ダガー賞読書会のための読書その1。
    アイスランドのミステリは初めて読みました。
    北欧ミステリのほかの国々と同じく、こちらも凄惨な生々しさでした。読み終わっても、心が重いままです。

    発掘される人骨の事件、捜査の指揮を執るエーレンデュル捜査官の娘さんを中心とする家族の話、大戦中に起こっていると思われるとある家族が受けているドメスティックバイオレンス。
    この3つの話が次々に描かれ、どう絡み合っていくのか…引き込まれました。

    体に受ける暴力も、心に受ける暴力も、何もかもを壊してしまう。暴力をふるっていた人も、壊された人だったのがわかったとはいえ。。。
    取り戻すために払った代償は大きいし、とある関係

    0
    2025年09月30日