柳沢由実子のレビュー一覧

  • 目くらましの道 上

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    このところ一押しの警察小説シリーズ。舞台はスウェーデンの地方都市イースタ。主人公はクルト・ヴァランダー警部。シリーズ第5作の今回は、未だかつてない猟奇的な殺人で幕を開ける。どうなる、後半?

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    2011年08月12日
  • 裏切り

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    ハッキリ言って、
    「こりゃ凄い作家が現れたもんだ!」と思いました。

    もちろん、お化けも怪物も、なにも出てきません。
    あるのは、誰もが心当たりあるだろう
    日常の…家庭の風景…でも、とにかく怖い…
    ハラハラするのともドキドキするのともちょっと違う…
    ここまで人の心理に分け入っていく…
    裏返せば、自分の心理に入り込んでくる…
    こんな作品は久しぶりです。

    作者はこれを書き上げるにあたって、
    2ヵ月間休養を取らなければならなかったという…
    作者自身が、執筆中にそれほどまでに
    登場人物たちとの精神的関係を深めてしまった…
    だから距離を置く必要が生まれてしまった…
    きっとそうい

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    2009年10月07日
  • 目くらましの道 上

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    (上下)
    ヘニング・マンケルを 読もう思った。並んでいた初期のものも面白そうだったが読んだのは順不同、これはシリーズの5作目だった、 これは大正解で面白かった。《目くらましの道 上下巻》
    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    初めて読むには内部の人間関係の話が少しついていけなくて残念だった。これはもう少し読んでみないといけないと積読山の頂を見下ろしてみたが、まぁいいか、気合も気が抜けていたが 面白かった。

    「ミレニアム」で難しかったVの多い名前と、登場人物も多くて頭も目もぐるぐる(笑)
    しかしそんなことは二の次で、面白かった。慣れれば一気読み

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    2026年03月01日
  • 背後の足音 上

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    (上下巻)

    同僚のスウェードべりが至近距離から撃たれて死んだ。海岸で起きた若者射殺事件との関係はあるのか。複雑な背景も読みどころだった。
    スウェーデン、イースタ署のヴァランダー刑事シリーズ。
    今回は、北の国の風土や、気質が参考になった。

    プロローグは、8月の夏至前夜、若者たちが集まってパーティを開いている。それを木陰から窺い、パーティー用に扮装した三人を一瞬で射殺した男がいる。

    だが、彼らは海外旅行に出たということにして、親たちには旅行先から便りが届いている。
    一人の親が子供の行方を不審に思い警察に捜索願いを出すが、旅先から葉書が届いているために、失踪として扱ってもらえないでいた。

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    2026年02月28日
  • 湿地

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    何年か前に映画化されたのを観ましたが雰囲気しか覚えておらず読んでみました。ミステリー小説って面白い!と思わせてくれた作品です。

    物語はレイキャビク(アイスランドの都市)の湿地で殺人事件が発生するところから始まります。これを皮切りにこの地域に眠る陰惨な出来事が浮かび上がり…といった流れです。
    作中の天気も内容もずーっとジメッとしてるし内容はかなり重たいのですが、文節が細かく区切ってあり文体も簡潔でスラスラ読めました。
    個人的に主人公の偏屈&昔堅気だけど人情味があるところが好きです。作中の境遇を考えると時々可哀想に思いますが…笑

    シリーズものの3作目らしいので、翻訳済の他の作品も読ん

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    2026年02月28日
  • 黒い空

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    前作に引き続きエーレンデュルがいないエーレンデュルシリーズ第8弾。今回はシグルデュル=オーリが主役。シッギと呼ばれてて全部これにしてほしいと思った。
    性的虐待、殺人事件、金融犯罪の3種類がテーマ。
    自分の不始末の後始末を他人に任せるとどんなことが起こるかわからない。シッギの家庭も友人も複雑。
    「アイスランドの社会構造の最小単位は家族でなく個人」とあって、日本もそうあってほしいと思いながら、でも他人との関係における葛藤は避けられないものだと思った。
    日本も児童ポルノにはもっと嫌悪感を持つ人が増えてほしいし、法律も弱者を虐げる人には厳しくしてほしい。

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    2025年12月31日
  • 湿地

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    無駄な描写が無く最初から最後まで集中して一気読みできる警察クライムノベル。訪れたことがないアイスランドの様々な描写や麻薬などの社会的問題も垣間見えて、興味深く楽しめました。主人公の刑事が同い年だったことでも没入できました。

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    2025年10月14日
  • 湿地

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    アパートの半地下の一室で老人男性が撲殺されているのが発見されたが、それは単純な強盗殺人ではなく、大昔の強姦事件を発端とする哀しい事件だった、というアイスランドの警察小説。
    アイスランドは人口が少ない単一民族の国で、全国民の家系情報・遺伝情報がデータベースに登録されていて辿っていくことができるようになっている…というのが肝になっている。
    ストーリーは陰鬱だが、文量は多くなくて非常に読みやすい。

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    2025年10月09日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    ダガー賞読書会のための読書その1。
    アイスランドのミステリは初めて読みました。
    北欧ミステリのほかの国々と同じく、こちらも凄惨な生々しさでした。読み終わっても、心が重いままです。

    発掘される人骨の事件、捜査の指揮を執るエーレンデュル捜査官の娘さんを中心とする家族の話、大戦中に起こっていると思われるとある家族が受けているドメスティックバイオレンス。
    この3つの話が次々に描かれ、どう絡み合っていくのか…引き込まれました。

    体に受ける暴力も、心に受ける暴力も、何もかもを壊してしまう。暴力をふるっていた人も、壊された人だったのがわかったとはいえ。。。
    取り戻すために払った代償は大きいし、とある関係

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    2025年09月30日
  • 黒い空

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    エーレンデュル捜査官シリーズ第8弾。

    今作品は、今までエーレンデュルの脇役捜査官だったシグルデュル=オーリが、友人から厄介な相談事を受けたことから始まる。

    スウィンガー・パーティーで撮られた写真がきっかけで起きた暴力事件が殺人事件となり、関わった者を捜査するうちに銀行員が絡んだ犯罪もまた、この事件と絡んでくる。
    もうひとつは、浮浪者で酒浸りのアンドレスと革製のマスクの男である。
    何故アンドレスが酒に溺れることになったのか、それは彼の少年の頃の出来事が関係していた。

    このシリーズの特徴といってもいいのが、捜査する者(シグルデュル=オーリ)の私生活が明らかになることである。
    彼の生い立ちと母

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    2025年09月09日
  • 黒い空

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    アイスランドの作家によるアイスランドが舞台のミステリー。アイスランドは人口が40万人ほどで、金融立国であり観光立国でもある。舞台はアイスランドが所謂金融バブルが爆ける前で、書かれたのがはじけた翌年ということもあり、一部社会派寄りのミステリーとも捉えられるかも。
    3つの事件要素を絡めての進展はなかなか面白く飽きさせない。一つ難を言えば、慣れない人名と地名で悩まされる笑

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    2025年08月30日
  • 黒い空

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    ネタバレ

    かなり終盤まで、このシリーズの中では弱いなと思いつつ読んだのですが、終わってみればさすがの重厚さと暗さにしびれました。
    主役不在の中、今回抜擢された普段は脇役の若者の、父と母からの影響の受け方、さまざまなカップルの形、また興味深いアイルランドのバブル経済など、忘れ難いものを残してくれました。

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    2025年08月29日
  • 黒い空

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    大好きなシリーズ新作、これまでザ陰鬱を突きつけてくれたシリーズにしては、銀行がらみでちょっと軽い印象。それでも、アイスランドって全く、、と思わざるを得ないような事件の数々でいやはや、です。まあ、知らないだけで日本もそうでしょうけど。アンドレスが切なくて胸が痛みました。そして、久しぶりのメンバー登場で懐かしさでいっぱい。いつもはサブキャラのシグルデュル-オーリ、スカした奴かと思っていましたが、妻や両親との関係など深くえぐってくれてて、好感持てました。エーレンデュルはまだお出かけのようなので、サブキャラの皆さんで展開してくださっても全然OKです。

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    2025年08月22日
  • 黒い空

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    本作もエーレンデュルは不在。同僚のシグルデュル=オーリが殺人事件の捜査を進める様子が描かれる。
    エーレンデュルとは違い、やや気取り屋で熱血とは程遠いイメージのシグルデュル=オーリだが、本作では彼の生い立ちや、別れた妻や両親との関係も事件と並行して丁寧に描かれていて、彼の人間らしさに触れることが出来る。
    その生い立ち、特に母親との関係のせいで、人を見下すような態度をとってしまう不器用な彼が、父親や悲惨な生活を送っている人達に時折見せる優しさが愛おしい。
    事件の内容も読み応え十分で、次作へと続くであろう不穏な展開で物語は終わる。早くも次作が待ち遠しくて仕方ない。

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    2025年08月12日
  • 緑衣の女

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    前作もだけど悲劇的で泣きそうになる。
    埋められた人骨と緑のコートの女、この二つがどう繋がるのか。
    その謎を解くにはある一家の物語を知る必要がある。
    でもこれが本当に辛くて。
    いわゆるDV家庭で、これでもかってぐらい暴力描写がある。
    一度も妻の名前を呼ぶことなく、ひたすら相手を貶める言動をする。
    それを子供の前でわざとやって見せる。
    どう見ても精神的な殺人で、こんなの子供から見たら地獄でしかない。
    作品としてはどっぷり浸かれて良いのだけど、読んでる間ずっと悲しかった。
    親子関係って簡単には切れないから、しんどいよね。

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    2025年08月09日
  • 湿地

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    アイスランド発、ミステリー。
    かなり陰鬱な物語。
    湿地というタイトルからイメージする
    じめっとした空気や匂いの表現が気分を重くする。

    ヴァランダーのシリーズと少し似たところがあるかも。
    頑固そうで自分の道を突き進むおっちゃん刑事。
    ちょっと(かなり)やんちゃな娘もいたりするところが。

    事件の核心に近づくほどに
    家族のつながりを強く意識させられた。

    あとがきに書かれていたことにも納得。
    訳者は作者に会うためアイスランドへ。
    人口30万人ほどのこの小さな国で起こる犯罪の
    理由とは?
    それを社会の現状や家族の関係をからめつつ描いていく手法がおもしろかった。

    次作も読みたい。

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    2025年07月30日
  • 黒い空

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    前作に続き主人公エーレンデュルが不在、部下のシグルデュル=オーリが中心の話です。これまでのシグルデュル=オーリの横柄な態度や冷淡さの理由が明らかになります。彼の事はずっと、嫌なヤツ…と思っていましたが、本作を読んでちょっと可愛く思えてきました。
    夫婦交換からの恐喝そして殺人。幼少期の性的虐待からの復讐。銀行員たちの金融関係の悪事。この3つの出来事が最終的に絡みあっていきます。さほど難解ではない割に、読み応えはたっぷり。今作も面白いです!

    個人的にはシグルデュル=オーリが人の心がわかる人間に少しづつ変わっていく過程が好きでした。
    それにしてもエーレンデュルはいつ帰って来るのかな。次回作に期待で

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    2025年07月24日
  • 厳寒の町

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    冷たい雪の上に横たわる少年。外国にルーツを持つ彼らの現状とアイスランドの人々の葛藤に胸が苦しくなる。
    気候も歴史も文化も、そして言語体系が全く異なる土地で暮らすことは、身体・精神に相当の負担を強いる。特に子どもにとっては。受け入れる側にも正しい知識や価値観のすり合わせが大事。
    キャルタンのような考え方をする大人がいる限り、うっすらとした差別はなくならないのかもしれない。子どものしたことだから大目に見ようでは済まされない悲劇が、どこかで起きているかもしれないと思うと、ぞっとする。

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    2025年07月16日
  • 湿地

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    ずっと気になっていた北欧ミステリ。
    こういう作風は初めてかも。
    地道な捜査でストーリーに派手さは無い。
    感情的な表現も控えめ。
    だけど胸にせまるものがあって、淡々とした印象なのにどうにも心が揺さぶられる。
    人物の心情に焦点を当てているからかな。
    最初は意味の分からなかった犯人のメッセージも、意味を知った瞬間遣り切れなくて泣いた。

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    2025年05月10日
  • 苦悩する男 下

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    ネタバレ

    ヴァランダーシリーズ最終作。
    最後までヴァランダーはヴァランダーで、ドタバタしながらもきちんと仕事をこなして面白く読めた。
    エピローグでのヴァランダーのその後については少し寂しいところもあるが、それも良いのかも。
    面白いシリーズでした。

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    2025年05月01日