【感想・ネタバレ】悪い男のレビュー

あらすじ

レイキャヴィクのアパートの一室で、刃物で喉を切り裂かれた若い男の死体が発見された。残酷な殺人の犠牲者……。だが調べてみると被害者はレイプドラッグと言われるクスリを所持しており、酒に酔った女性にクスリを飲ませて意識を失わせ、レイプをしていた常習犯らしいことがわかる。男は自らの犯罪の被害者に復讐されたのか? 犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明のなか、同僚のエリンボルクは殺害現場に落ちていたスカーフの香りを頼りに地道な捜査を進める。世界のミステリ読者を魅了する北欧の巨人インドリダソンの人気シリーズ第7弾。

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Posted by ブクログ

アーナルデュル・インドリダソン『悪い男』創元推理文庫。

『エーレンデュル犯罪捜査官犯罪捜査官シリーズ』の第7弾。珍しいアイスランドを舞台にしたミステリー小説。

訳者は岩手県一関市出身の柳沢由実子さん。自分は10年前まで30年間も一関市に暮らしていたので、感慨深いものがある。

主人公のエーレンデュルは行方不明のまま、主人公不在の中、事件は起きる。

冒頭に描かれるレイプドラッグをポケットに忍ばせ、酒場で獲物を物色する男。この男がタイトルの『悪い男』なのかと思いながら読み進めば、意外な展開が待ち受けていた。

と、冒頭から畳み掛けるように読者をストーリーの中に引き摺り込んでしまうアーナルデュル・インドリダソンの力量に感服。

一時、シリーズが劣化したように思ったのだが、前作の『印』から再び盛り返してきたようだ。劣化したなどと言って、すまなかったと思う。


アイスランドの首都レイキャヴィクのアパートの一室で、刃物で喉を切り裂かれた若い男の死体が発見される。男は電気通信会社に勤務する30歳のルノルフル。ルノルフルはレイプドラッグのロヒブノールを所持しており、酒場で獲物の女性を物色し、クスリを飲ませて意識を失わせレイプをしていた常習犯らしいことが判明する。

犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明の中、同僚のエリンボルクは現場に落ちていた一枚のタンドリー・チキンの香辛料の匂いがするスカーフスカーフを頼りに捜査を進める。

果たして、ルノルフルは自宅アパートに連れ込み、レイプした女性に復讐されたのか。


この先、主人公のエーレンデュルは登場はあるのだろうかと心配しながら読み進めると……

本体価格1,360円
★★★★★

0
2026年01月24日

Posted by ブクログ

北欧の警察小説の特徴は静かな捜査と人間ドラマの味わいにある。日本の警察小説は派手な捜査や捕り物が好きで、犯人逮捕のカタルシスに注力しているきらいがある。北欧の警察小説はもっとゆっくりと展開し、それでもじわじわとドキドキが始まり止まらなくなる。

柳沢由実子の翻訳の上手さもあるでしょうね。マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーからドロシー・ギルマン、ヘニング・マンケル、インドリダソンと北欧の名作は昔から彼女の翻訳が一番です。

さてこの話。レイキャヴィクのバーで男が女性に声をかけるところから始まる。男は女性の酒に錠剤を入れて酔わせ、自宅に連れて帰ろうとする。翌日、アパートで喉を切り裂かれた若い男の死体が発見される。男のポケットにはレイプドラッグがあり、どうやらレイプ魔のようだ。現場にはスパイスの香りが残る一枚のスカーフ。エーレンデュル捜査官は休暇を取ったきり行方がわからない。捜査にあたるのは同僚のエリンボルグ。彼女は自分の家族の問題に悩みながら徐々に犯人を追い詰めていく。

インドリダソンは相変わらず上手い。レイプ魔の非道なやり口、しかしレイプ魔の口の中からもレイプドラッグが見つかった。そしてそのレイプ魔を殺したのは被害女性なのか、それは誰なのか、それとも別の人間なのか。ならば動機は…。

面白いですねえ。あんまり語るとネタバレになっちゃうので書けないが、事件に関わる様々な立場の様々な人がそれぞれの怒りや哀しみを抱えて生きている。そっちが解決するわけではない。複数の事件が絡み、主たる事件は解決するが他の事件ははっきりしないまま話は終わる。また別の作品に繋がるのだろうか。

0
2026年03月29日

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