柳沢由実子のレビュー一覧
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スウェーデンの作家カーリン・アルヴテーゲンの4作目。
過去を抱えた二人の女性の出会いがもたらすものは‥
モニカは38歳の有能な医師。
仕事で成功しているが、少女の頃のことで、いまだに深刻な罪悪感に苦しんでいた。
恋人も出来たのだが、心のうちを明かすことが出来ない。
ある事故に遭遇したモニカは責任を感じ、贖罪のために、ある行動に出ることに。
一方、ひきこもっているマイブリットは50代の女性。
過食で肥満体となり、ヘルパーの手を借りなくては身の回りのことも出来ない障碍者となっている。
ヘルパーにきつく当たる皮肉屋で、過去のことは忘れるようにして暮らしていたが、これまでと違うタイプの若いヘルパー -
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ヴァランダーシリーズの6冊目。
残酷な串刺し殺人事件と監禁の末、衰弱した後の殺人事件。この二つの事件のわずかな共通点から同一犯との推測を固めるヴァランダー。個々として謎がつながらなくなってゆく。
これまで確執を深めていた父親の突然の死を迎えながらも事件解決のため文字通り東奔西走。
娘リンダとの心が通じ合いそうなシーンで「上」のエンド。スエーデンという国の持つ寂しさ、厳しさに気づかされる。
風景はあんなにも凛として美しいのに。
「下」は明日にならなくては届かない。一緒に買えなかったのが残念でしょうがない。
最後の行
『これからどうやって生きていったらいいんだ?』 -
Posted by ブクログ
ネタバレヴァランダーシリーズの3冊目。
今回の舞台はスエーデンと南アフリカ共和国。
バツイチで情けない中年男のヴァランダーだがその生き方は骨太でゆるぎない。(ときどき揺らぐ…?)
今回も男の友情のような力強い姿を見せてくれた。
警察という職業からももう隔絶しているほど。
前回のペレストロイカに続き今回のアパルトヘイト。
世界史の授業より味わい深い世界の情勢がわかった気がしてくる。
2022年7月
再読。大統領暗殺事件、こちらは首相狙撃事件とリンクもしたし、黒人問題、国家間の緊張など、現代の世界情勢も頭から離れない状態で読み進める。
また、続きを読みたい衝動に駆られる。ヴァランダーシリーズ、いつ -
Posted by ブクログ
スウェーデンのミステリ。
クルト・ヴァランダー警部のシリーズ7作目後半。
規模の小さな警察が大事件を抱えての奮闘を描きます。
部下の警官スヴェードベリが殺され、目立たなかった彼の意外な面がわかってくる。
夏至祭に殺された3人の若者の事件を、ひそかに捜査をしていたらしい。
スヴェードベリが隠していた写真に写っていた人物は、誰なのか。公開しても、見た者はなかなか現れない。
ヴァランダー自身は体調が悪くて治療を始めるが、たまたま血糖値が高いだけと糖尿病であることを認めず、署員にも病気のことを知らせない。
こういうふうに、仕事にのめり込むタイプなのですが。
周囲に心配をかけながら、何でなの、このダ