【感想・ネタバレ】五番目の女 下のレビュー

あらすじ

串刺しにされて殺された老人の金庫には、傭兵と思われる人物の日記が入っていた。この中に手がかりが隠されているのか? 捜査を進めるヴァランダーのもとに、父親急死の報がはいる。せっかく心を通わせることができた矢先だというのに……。だが哀しみにひたっているひまはなかった。行方がわからなくなっていた花屋の主人が、遺体で発見されたのだ。長いこと監禁されたうえで殺され、森の中で木に縛りつけられていた。これはまだ始まりにすぎないのだろうか。新しい連続殺人の幕開けか? 現代社会の問題をあざやかにあぶり出す、北欧ミステリの真髄。/解説=北上次郎

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

素晴らしい。残虐性と複雑さと人間ドラマが、タペストリーのように綺麗に織り込まれて面白く、ページをめくる手が止まらなかった。私にとってはヴァランダーシリーズの屈指の名作である。

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2025年08月14日

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「我々の時代、狂気と正常の違いがなくなってきている」

このシリーズ、作者ヘニング・マンケルは、現代社会に対する思いを主人公ヴァランダーを通じて、我々に伝えようとしている。
それは、シリーズの回を重ねるごとに強くなる。

「ゴールドダガー賞」を受賞した前作の事件から数ヶ月後、再び想像を絶する事件がイースタ署を襲う。
穴の中に竹槍で串刺しとなった死体、ポツンと宙吊りにされた死体、生きたまま袋に入れられて水死した死体。ヴァランダーは仲間とともに丹念に捜査を進めるも、全く手掛かりが見出せない。

隠れたDV被害、声をあげることのできない女性たち。凶悪化する犯罪と「夜警」と称した市民暴力集団など、現代社会の向かう先への警鐘が作品中に散りばめられている。

が、文章は端的でスピード感のある展開が、エンターテイメントたっぷり。

面白かった〜。

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2023年12月21日

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ネタバレ

ヴァランダーーシリーズ第6作目。
ヴァランダーという男の強さ、鋭さは言わずもがな、
弱さや脆さまですっかり知り尽くした感じ。
っていうか、情けない男だな~と思うこともしばしば。
だけどその目が離せなくて渋くて魅力的な人間臭いところがたまらない。

離れがたい・・・

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2014年12月03日

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やっぱすげーわイチロー

間違えたマンケル(たぶん間にユンケル挟まってる!)

なんての?こうグリュグリュグリューンってなってポワワーン…ズシャーンみたいな感じよ
分かりやすく言うとウルトラQのオープニングみたいな感じ(まだそれほど分かりやすくない)

あれあるじゃん
蜜柑の搾り汁だっけ?で書いて後で炎であぶると出てくるやつ
送り出し?

ぜんぜん違うわ!

送り出しは相撲の決まり手だわ!
あぶり出しだわ!
自分であぶる言うてるわ!

何だっけ?何の話だっけ?
元寺尾の錣山親方が亡くなった話だっけ?
かっこよかったよねって違うわ!
寺尾はかっこよかったけど違うわ!

これ自分がスウェーデン人だったらもっとこう背中に来るじゃなかろうかと思うのよね(話戻ってますよ!ボーッとしない!)
社会問題の練り込み方がうますぎるのよ
(ウルトラQやあぶり出しの話はどうやらここに繋がるらしい)
あーっそういうことかーって半端なく思うし、ピンとこなくてもなんか残る感じがするのよ

変わっていく社会にヴァランダーは無力感を感じるわけ
突発的に全てを放り投げたくなるわけ
でもヴァランダーはそうしない
一歩づつ進む、歩みを止めない
そして最後に真実を突き止める
なぜそれが出来るのか
それはヴァランダーの中にある静かな怒りが常にあるからだと思う
そしてその怒りはいつも自分に向けられてる気がする
そんな一冊でした

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

ヘニング・マンケル『五番目の女 下』創元推理文庫。

シリーズ第6作。

なかなか重いストーリーだった。少しずつ描かれる犯人の動機と浮かび上がる犯人の輪郭…

父親の死を乗り越えてひたすら地道な捜査を続けるヴァランダー。

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2017年05月26日

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スウェーデンのような国でそんなにDVが多いのか。蘭を愛し、花を育てるその手で、妻を殴る。鳥に思いを馳せながら、身近な人間には残酷。人間の抱える闇は深い。犯人が女性刑事を撃ったのは意外。ヴァランダーが新しい一歩を踏み出せそうなのはよかった。母親以外、、誰も愛さず、誰にも愛されなかったように見える犯人も哀れ。

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2017年02月24日

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ネタバレ

(上巻より続く)

このシリーズのかなり重要な登場人物である、
ヴァランダー警部の父親が、亡くなってしまったのが残念。
直前のイタリア旅行が大成功だったことが、せめてのなぐさめ。

女性刑事のフーグルンドが期待され、活躍しているのが良い。

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2013年09月22日

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遠い国であるはずのスウェーデンなのに、若者たちを中心とする閉塞感や、不安を募らせる複雑な犯罪の増加など、日本の事情とかぶって見え、そこがキャラクターの魅力と重なり、読み切ってしまう。次回も楽しみです。

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2013年08月04日

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殺された老人エリクソンの金庫には、傭兵と思われる人物の手記が入っていた。
そして、遺言には、かけ離れた土地の教会への高額の寄付が。
なぜそんな所に?
ヴァランダーは27年前に行方不明になった女性がいたことを調べ始める。
一方、花屋の主人は遺体で発見される。
森の中で…監禁された後に殺されていたのだ。
謎めいた手口の理由とは?

治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となる。
マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考える。
引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
ヴァランダーの判断は?
バルト海に面する小さな町イースタで起きるのは国際的な関わりの含んだ事件。
事情聴取に際して、ヴァランダーの人柄が生きてきます。
1996年発表のシリーズ6作目、2010年8月翻訳発行。

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2011年07月10日

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父親の死を乗り越えて、捜査に邁進するヴァランダーらイースター署の刑事たち。しかし、一向に犯人像は浮かび上がってこない。猟奇的な犯行に対抗して市民による自警団が活動を始める。そして・・・。物語の三分の二を過ぎて、ようやく解決に向けて大きく進展が見られます。そこまではひたすら地道な捜査が続きます。その一方で、懸案の愛する女性との同居を考え、葛藤するヴァランダー。人間くさい刑事たちの活躍を楽しみました。それにしても文庫上下巻で2400円を越える価格。ちょっとびっくり。でも続きを読みたいので、東京創元社さん、あとシリーズ4作、何とか出し続けてください!

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2011年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻はなかなかヴァランダーが犯人に迫ることが出来ず、もどかしく感じたが、
下巻も中盤になる頃には
重い荷物を乗せていた荷車が坂の頂上までたどり着いたかの如くドドーッと話が進み一気読み。
結局のところ、作者はヴァランダーが苦悩しながら前進する姿を描きたいのだろう。
読んでる方も苦しい。

今回は、スウェーデンで広がる自警団という市民組織と連続殺人が絡み合い、国の社会問題が浮き彫りになっていて興味深かった。
ヴァランダーの家族、そして恋人バイバとの今後も気になる。

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2025年02月08日

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 惨殺された、元自動車販売で詩人で鳥愛好家のホルゲ・エリクソンと花屋主人で蘭愛好家のユスタ・ルーンフェルトの2人には共通点が見つからない。上巻から続くこの状況に変化が無く記憶も定かでは無くなってくる。もっとテンポ良く展開しないものかと思いながら読み進む…が、3人目が袋に入れられて湖で溺死した事件から展開のテンポが急に早くなり俄然面白さが増して来た。
 次々と連なる捜査による情報は、今まで全く繋がらなかった事件の点と点がはっきりと結ばれる様に見えて来た。

 作中にも触れられていますが、私はこの犯人に同情を禁じ得ない。ストーリー後半では捕まる事なく己の目的を達成してくれと願いました…不謹慎ですが。

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2022年02月26日

Posted by ブクログ

ヴァランダー警部の本。
個人的にヴァランダーさんはあまり好きになれない人だと思いますが事捜査の進め方、発想に関してはピカイチだなとは思います。が。毎回不満なのがラストの捕り物シーン。というか個人プレイが多すぎる気がするんですよね。日本だと必ず二人一組で、ってイメージがあるんですがヴァランダーさんとこは人員不足だかなんだか知りませんが毎回一人で必ず痛い目にあってるのに懲りない。今回も駅で応援頼んどいたら彼女の怪我は防げたんじゃないのかなあ?それが不満です。バイパさんも…なんか本当に彼女が好きというよりは自分が疲れた時に女性に家に居てほしいだけって気がするんですが。

そして表に出されず被害を受けている女性たちが居る事実。彼女たちの捜査は誰がするんでしょうか?日本ももっとDVとか刑を重くすれば良いのになあ…。

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2014年06月19日

Posted by ブクログ

<クルト・ヴァランダー>シリーズ6作目 消化不良気味でした。色々詰め込みすぎで、肝心なところがぼやけて分かりにくかった。

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2014年06月06日

Posted by ブクログ

作品自体は悪くない、というかいい作品なのだろう。でも、私とはあまり合わない本だったかも。前編読み終わって、後半も同じ調子で物語が進んでしまい・・・。登場人物の誰にも共感できなかった。もう少し、みんなの心の中が見たかった。

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2011年01月12日

Posted by ブクログ

上巻から引き続き散りばめられた謎、伏線をきっちり回収してくれた。ちょっとストーリーが正直すぎるかな? などと思いながら北上次郎氏の解説を読むと、この著者の持ち味は地味さにある、とあって納得した。どんでん返しはないものの、主人公と一緒になって捜査の進展にやきもきできる作品だった。

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2010年10月07日

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