あらすじ
その女性は湖のほとりのサマーハウスで首を吊っているのを友人に発見された。夫によると、数年前に親密だった母親を病で失って以来、彼女は精神的に不安定になっていたらしい。また死後の世界に興味を抱き、降霊術師のもとに出入りしていたことも。自殺に見える。いや、本当にそうなのだろうか? レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは疑問を感じ、一人地道な捜査を進める。暴かれる悲痛な過去、明らかになる驚愕の真実に、心の奥底までゆさぶられる。アイスランド推理小説大賞受賞。北欧ミステリの巨人による好評シリーズ第6弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地名人名が長くて覚えられないほかは
相変わらず渋くて、
きちっと解決しないような、
間に合わないような、
救いがあるような無いような結末に痺れます。
相手が英語を使うと電話をガチャンと切る
エーレンデュル、笑える。
Posted by ブクログ
安定の暗さと面白さ。死後の世界に魅了された女性の自殺とその裏側…。エーレンデュルはエヴァリンドと少し関係が良くなってきた感じ。最後、遂に弟への気持ちを整理するのかな?
次回も待ち遠しいです。
アイスランドの寒さや美しい風景が目に浮かぶ、この時期にぴったりの作品だと思います。
Posted by ブクログ
アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。
レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。
サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。
歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。
マリアの死は自殺とされ、荼毘に付される。マリアの自殺に疑問を抱いたカレンは犯罪捜査官のエーレンデュルに相談する。エーレンデュルは捜査するうちにマリアの死に疑念を抱く。
やがて明らかになる悲痛な過去。
本体価格1,260円
★★★★
Posted by ブクログ
エーレンデュル捜査官の6作目。
死後の世界に救いと安穏、赦しを求める女性が自殺する。果たして自殺の理由はなんだったのか。
そして、関係者が老い、誰もが心の中に留まり続ける感情の残滓を消化し、納得し、理由づけ作業を終えようとする30年前の失踪事件をエーレンデュルが追いかける。
ハードボイルドとは少し違う、でも淡々と渋くエーレンデュルが事件を捜査するシリーズ。
今回は、エーレンデュル1人で静かに捜査を続けるので盛り上がりに少し欠けたか?
しかし、今作はエーレンデュルを含め周囲の人物の激しい感情の起伏が少ない。
そのため今までのシリーズよりも優しい穏やかな空気感とアイスランドの厳しい寒さ、そして閉ざされた暗さが絶妙にマッチしている上質な一作となっていた。