あらすじ
男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せに倒れ、体の下の血だまりは凍りはじめていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後母親と兄と一緒にレイキャヴィクのこの界隈に越してきたのだ。母親が移民だったために人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始めるが……。CWAインターナショナル・ダガー最終候補作。世界のミステリ界をリードする著者が、レイキャヴィクを舞台に現代社会の問題にメスを入れた、好評シリーズ第5弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アイスランドを舞台とした社会派ミステリーのこのシリーズ、毎回テーマがあってしかも、刑事たちの個性が引き出されつつあり、また、続けて読んでしまった。
今回のテーマは移民問題に絡めて、尚かつ異常児童性愛や教育問題と現在の世界のどの地域でも起こりうる問題なのでストーリーが進み展開してゆくと目が離せない。
並行して行方不明の女性(夫婦間のいざこざ)も気になるところで、これもまた、万国共通のネタ。
ページが残り少なくなって行くのに解決の方向性が見えず読者的にはハラハラしてしまったけれど、まさかの犯人像。そしてお粗末すぎる動機と結果。
これからもこのシリーズ、続きが気になります。
Posted by ブクログ
冷たい雪の上に横たわる少年。外国にルーツを持つ彼らの現状とアイスランドの人々の葛藤に胸が苦しくなる。
気候も歴史も文化も、そして言語体系が全く異なる土地で暮らすことは、身体・精神に相当の負担を強いる。特に子どもにとっては。受け入れる側にも正しい知識や価値観のすり合わせが大事。
キャルタンのような考え方をする大人がいる限り、うっすらとした差別はなくならないのかもしれない。子どものしたことだから大目に見ようでは済まされない悲劇が、どこかで起きているかもしれないと思うと、ぞっとする。
Posted by ブクログ
「そこは地球の北の最果ての、光り輝く厳寒の町だ」
アイスランド
太平洋を中心にした日本の世界地図では最も北東にある、文字通り最果ての国
ひとりのアジア系少年が殺される
エーレンデュルら刑事達は、家族や学校などを捜査する
結末は悲しい、とても悲しい
少年が死ななければならなかった理由が、やるせないほど悲しい物語だった
Posted by ブクログ
人種差別が原因なのか?そうではないのか?という殺人事件を主軸に話が進みます。
ただ所々に、気になる小さなサイドストーリーたちを挟んできて、且つ、いづれもはっきりとは結論が分からず終わります。
ので、どちらかと言うとサイドストーリーの方が気になります。笑
Posted by ブクログ
エーデンデュルシリーズ
毎回、下劣でイライラさせる人物が出てくるけど、先が気になる展開で読み始めたら止まらない。
日本では3作目「湿地」からの刊行されているけど、ぜひ1作目から読んでみたい…