柳沢由実子のレビュー一覧

  • 北京から来た男 上

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    凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの寒村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの村が、なぜ。休暇中の女性裁判官ビルギッタは、亡き母が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件はビルギッダを世界の反対側へ、そして過去へと導く。

    未読だったノンシリーズ作品を読む。
    冒頭に加えて、150年前のエピソードは壮絶。
    下巻に続く。

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    2020年09月20日
  • 殺人者の顔

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    1990年代のスウェーデンが舞台の刑事ヴァランダーシリーズ第1作。
    一応ミステリー小説にカテゴライズされるのだろうけど、これミステリーじゃない!
    殺人事件の捜査が柱にありつつ、謎解きがメインじゃない人間ドラマ。
    登場人物たちの内面の葛藤や生活、そして事件捜査としての"自分の仕事"に対する姿勢がとても魅力的。
    ヨーロッパらしい自立した考えの大人が議論を交わす形で社会的背景と国家の問題を印象深く盛り込んでもいる。過激な思想の押し付けがなくスマートなので、余計に考えさせられる。
    翻って、アクションシーンはハリウッド映画も真っ青の大迫力!
    ミステリーの概念吹っ飛んだ。
    これまで読ん

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    2020年09月08日
  • 霜の降りる前に 下

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    著者が亡くなったことを知り、残り少ないシリーズ物を読んでしまうのが惜しかったのだが。ヴァランダーの一人娘リンダが警察官になる直前に巻き込まれる事件を描く物語。いつもながらの警察署の面々、亡き父(リンダには祖父)やバイバ(リガに帰ったかつての恋人)のエピソードがちょくちょく出てきてシリーズを貫く良い雰囲気を本作でも感じ取れる。
    一方、リンダの行動は警察官になる前とはいえ軽率さが目立ち、ストーリーにも粗さか。
    それでもヴァランダー物語の番外編として読めば満足。3.9

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    2020年08月23日
  • 殺人者の顔

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    ネタバレ

    クルト・ヴァランダーシリーズ第1作。
    順を追わずにいくつか読んでいるこのシリーズだが、未読作品も読んでみたくなり手を取った。

    クルトの私生活描写が生々しい。奥さんに愛想をつかされ、娘には異国の恋人ができ(それを知らされず)、乱れた食生活で太り、酔っ払い運転で部下につかまり、酔った勢いで美人女性検事の腰を抱きかけてどつかれ…、なんという駄目っぷり。
    認知症気味の父親とのぎこちないやりとりや、その父親の今後を姉と相談するシーンなどは、駄目なわけではないが、高齢者福祉社会に住む中年男の悲哀感もたっぷりで、妙なところに親近感がわく。

    でも仕事になると、猛烈に働くねんなぁ。決して天才肌の名探偵で

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    2020年08月19日
  • 裏切り

    購入済み

    ぐいぐい引き込まれました

    ぐいぐい引き込まれ一気に読んでしまいました。誰に感情移入するかで読後の感想も変わってくるかも。映画を観ているような面白さでした。

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    2020年01月17日
  • 裏切り

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    30代のキャリアウーマンの女性が主人公。
    著者も真面目な女性なのか、夫に裏切られた妻の心理が丁寧に書かれていて引き込まれる。
    途中話しがくどいというか、無駄?に長く感じられたのが残念。

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    2020年01月15日
  • 声

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    アーナルデュル・インドリタソンは「このミス」で見つけた。「湿地」「緑衣の女」に続いて三冊目になる。流行の北欧ミステリなのだが、同じ地域だと大雑把に捕らえても、その作風はそれぞれまったく違っていて面白い。
    アーナルデュル・インドリタソンの作品の舞台からは当然北の風土感が伝わってくるが、読みどころは捜査官のエーレンデュルの心理描写や風景描写は、繊細で品がいい。

    エーレンデュルが抱えている個人的な悩みも深い、エピソード風に挿入されている過去に起きた出来事、彼の未だに囚われている苦しみに事件解決よりも惹かれるときがある。

    今回の事件は、クリスマス前の浮き立つ世間をよそに、有名ホテルのドアマンが、地

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    2019年12月30日
  • 緑衣の女

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    「湿地」に続く二作目だけれど、アイスランドという国は特に馴染みがないせいか、「湿地」でも最初は読みにくかった。
    特に名前や土地に着く「ヴ」という音のつながりが、遠い国を実感させた。
    「湿地」を読むのに、改めて地図帳の北欧というところを選んで、拡大されたページを見てみた。北極圏にあるグリーンランドに近い寒いところらしいと思っていたが、日本の1/3くらいの広さを持つ丸い島国で、随分進んだ文化や歴史のある国だと知った。
    あまり深入りして調べだすと、夢に見たり、行ってみたくなるので(行けはしないのに)考えるのも程ほどにして、話を楽しんだ。

    この「緑衣の女」は訳者のあとがきによると、激しいDV描写があ

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    2020年01月11日
  • ファイアーウォール 上

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    これでヴァランダー刑事との付き合いは4作目になる。題名を見て、ITに疎い所はどうするのかと思った。同僚の刑事達が何とかするのだろう。まぁ読んでみよう。
    そして見事に外れた。

    ヴァランダーは理解できない世界に迷い込んでしまう。

    こんなことが起きるなんて、分からない。どうなっているのだ。
    それぞれにどんな繋がりがあるのだ。ITの宇宙とはなんだ。

    少女が変電所の高圧線の上に放り投げられて焼死した残虐な事件、少女たちはタクシー運転手を惨殺していた。
    その後ATMの前で男が突然死した。ITのプロらしいこの男は二箇所に仕事場を持っていたが、手がかりは残されたパソコンだけだった。
    突然死で彼はデータを

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    2020年01月11日
  • 目くらましの道 下

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    <上巻とあわせて>

    はじめての北欧ミステリー。

    初めは聞きなれない地名や人の名前にとまどったけれど、一文が短くわかりやすく訳されているのでとても読みやすい◎
    翻訳をされている柳沢さんの講演に伺った際、「北欧ミステリー作家は、社会小説家だ」とおっしゃっていたことがよくわかる内容だった。
    特にジェンダー平等について。
    なくならない女性への暴力、人身売買。
    女性上司との関係性、女性同僚へ信頼の置き方の変化など…。

    そんなことを抜きにしても、最後まで面白く読み進めることができる小説だった!
    犯人が分かっているので、犯人と警察の立場から同場面を読めるのが面白い。
    「答え」に迫った後半の怒涛の展開は

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    2019年12月28日
  • 笑う男

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    久し振りのイ-スタ署のヴァランダー警部、冒頭から正当防衛で殺した事件で悩んでいる。転地しても効果がなくうつ状態は深まるばかり。
    そこに友人の弁護士が尋ねてくる、父親が交通事故で死んだが、腑に落ちないので調べて欲しいと言う。ヴァランダーは警官を辞めようかと思っているときであり、断ってしまった。

    帰宅して新聞でその友人が射殺された記事を見る。
    彼は負い目を感じ、やっと前向きに立ち上がれそうな予感がする。
    重い腰を上げて復帰、早速父親の事故から調べ始める。
    暫く空けていた署内は、新人のアン=ブリッド=フーグルンドが配属されていた。女刑事と言うのが気に入らなかったが、頭も切れ、その上美しい彼

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    2019年12月28日
  • 五番目の女 上

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    6作目。
    作品としてのまとまりがあり、登場人物たちになじみもあって入り込みやすい。
    シリーズ物はこーでなくちゃ。

    タイトルや承前が内容とどうからむのかなかなかわからなかったり、
    読者の心をつかむ術が巧み。
    犯罪内容と謎解きが古めかしいのは仕方ない。

    あとがきを読んで本シリーズは10作で終わっていることを知った。
    あとちょっとか。。。

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    2018年11月14日
  • 声

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    登場人物それぞれの家族の葛藤や闇を丁寧に描いている。ミステリでここまで登場人物の葛藤や闇を描き切った作品にはこの書以外、出会えたことがない。

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    2018年10月07日
  • 声

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    クリスマスは幸せな人たちのもの。
    この小説はこの文章に全てが凝縮されていると思った。
    色んな出来事が重なって語られる。かつて子供スターになりかけた元ホテルドアマンがサンタクロースの格好でホテルの地下で殺されたのはなぜだったのか。
    西欧はクリスマスが特別なお祭り? なのでクリスマスに少しでも家族が幸せになれるというプレッシャーがすごく強いのかなとは思う。この作者の書くアイスランドはとても暗い色の世界に見える。エーレンデュルが10歳の頃から闇を抱えていたことをエヴァ=リンドに告白できて良かった。二人がゆっくり家族になっていくのイライラするけど、次の作品を読むの楽しみ!

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    2018年09月30日
  • ピラミッド

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    これまで長編ばかり読んできたが、これが初めての短編、中編をまとめたもの。どうかしらと思っていたのだが、期待と予想を大きく裏切る読み応えのある1冊だった。とにかく面白い。

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    2018年09月23日
  • 声

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    う〜ん、なかなかの力作。種々の問題を同時進行的に扱う手法は感動的。アイスランドの作品は初めてかも。久々の感動をありがとう。

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    2018年08月05日
  • ピラミッド

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    刑事ヴァランダーシリーズ番外編。
    ヴァランダーがまだ新米巡査だったころからシリーズ第一作「殺人者の顔」直前までの中短編五編。
    新米巡査なのに刑事の真似事をして、禁じられている単独行動の末に撃たれてるし、その後、念願の刑事になっても相変わらず単独行動を繰り返しては時に銃撃戦になったり揉み合いになったりで、ヴァランダーさんはずっとこんな感じだったんだなぁと改めて思う。
    ただヴァランダーの単独行動はスタンドプレーというよりは、自分の推理が独りよがりのものなのかの確認だったり、部下や同僚たちを巻き込んではいけないと考えてのことなので、厭な感じはない。またやっちゃったか、という感じ。

    モナとの関係は恋

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    2018年07月20日
  • ピラミッド

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    ヴァランダー警部シリーズ。

    シリーズ化された主人公の過去が描かれた作品集。
    読者から熱望されたと書かれていたが、
    そこまでファンでない自分でも、面白く読めた。

    忙しいのに父親を救いにエジプトに行く破目になった、
    「ピラミッド」が一番面白かったかな。
    手芸店の老姉妹の意外な裏の姿が驚きだったし。

    モナが作品により、恋人、妻、元妻となっていくのが、
    少し辛かった。

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    2018年07月07日
  • ピラミッド

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    安定の面白さ。仲間たちの姿も懐かしい。
    マルメからコペンハーゲンへ行く定期船に乗りたいなぁ。

    ヴァランダー・シリーズ、未訳があと2作あるということで、早く読みたいような、読んだらほんとに終わっちゃうのでとっておきたいような…

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    2018年05月30日
  • 刑事マルティン・ベック 消えた消防車

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    ネタバレ

    シリーズ第5弾。相変わらずの面白さ。捜査の過程は地味で淡々としているけれどそこに面白さがある。刑事たちの人間性がよく見える。同僚との会話、家庭でのひとコマ。普通の人の普通の生活がそこにはある。このシリーズがこの先の警察小説に与えた影響の大きさを感じることができるのが嬉しい。だからこそシリーズの途中でこの新訳が途絶えてしまうのがとても残念。

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    2018年05月11日