柳沢由実子のレビュー一覧
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キナ臭い世界(社会)情勢をテーマにしているもののそうした問題性を映した物語としては凡庸というか残念な作の印象。ルポ(報道)が伝えるところの圧政(暴政)の現状など易く知ることが出来るワケで、そこ(ラトヴィア)に招かれてほとんど旅行客然の主人公の暢気さに対しては、いくらなんでも・・の認識(思慮)の不足がうかがえるように思われた(言い過ぎか?)。しかしそれでも惚れっぽい主人公ヴァランダーの人間臭さの魅力はよくとらえられ、また物語展開の緊張感あるその最中にも巧くユーモアを織りこんだ筆致はよかった。終盤は緊迫感ある展開で惹きこまれはしたのだけれどやはりもう少し物語に厚みが欲しかった。
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マルティン・ベックシリーズ第三弾は、1963年に起きた実際の事件が背景になっている。ストックホルムに住む人々の、短い夏を楽しむ独特の季節感が流れる中、事件の発生は厳密に時間を追って展開され、ほぼ殺人事件のみに焦点が当てられ、説明に不要な言葉はない。
警察小説の魅力と言う点では、マルティン・ベック・チームの顔ぶれと、彼らのチームワークも魅力的。彼らは平凡な生活を送り、平凡な考え、平凡な問題を抱えた現実味のある刑事ばかり。決して一枚岩ではないが、何だかんだ言い合いながらも捜査のポイントは外さない。
今回も手掛りのない厳しい捜査だが、結果的に見るとチームワークの勝利とも言える。事件は読んでて辛か -
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30歳になるリンダは、紆余曲折を経て父親と同じ道を選んだ。そんな赴任前の彼女の友人がいきなり失踪する。矢も楯もたまらず勝手に調査するリンダ。だが彼女の行動が強引で、友人の留守宅に入り込むわ、日記は読むわ、車は乗り回すわで、いくら身を案ずるためとは言えなかなかの暴走っぷり。案の定、父クルトは怒りを爆発させるが、それでも娘の想いを汲んで捜査に参加させるのは、警察官としての熱意を買っているのかな。
リンダの視点でストーリーは進むが、彼女が見ているのは事件だけではない。娘の暴走を抑制し、時には厳しく諌める父親を冷静に分析し、そんな父譲りの気難しさを受け継ぐ自分自身についても理解している。これはヴァラ -
Posted by ブクログ
ヴァランダー警部の本。
個人的にヴァランダーさんはあまり好きになれない人だと思いますが事捜査の進め方、発想に関してはピカイチだなとは思います。が。毎回不満なのがラストの捕り物シーン。というか個人プレイが多すぎる気がするんですよね。日本だと必ず二人一組で、ってイメージがあるんですがヴァランダーさんとこは人員不足だかなんだか知りませんが毎回一人で必ず痛い目にあってるのに懲りない。今回も駅で応援頼んどいたら彼女の怪我は防げたんじゃないのかなあ?それが不満です。バイパさんも…なんか本当に彼女が好きというよりは自分が疲れた時に女性に家に居てほしいだけって気がするんですが。
そして表に出されず被害を受け