柳沢由実子のレビュー一覧

  • 殺人者の顔

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    スウェーデンの人気作、クルト・ヴァーランダーシリーズ第1弾。スウェーデンの片田舎を舞台に殺された老夫婦の事件を追う物語。起伏の幅は少なくはっきり言って地味ながらスウェーデンのお国事情が垣間にみえる。その世界観が北欧ミステリーらしくて良い。またヴァーランダーのどうしようもない性格がその暗い雰囲気とマッチしており真面目過ぎない空気感を出している。物語としての意外なツイスト、また淡々と事象を語る地の文も世界観がみられてよかった。

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    2024年09月02日
  • 湿地

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    エーレンデュルシリーズ。湿地にあるアパートにて老人が殺された。典型的なアイスランドの殺人だが残されたメッセージが様相を変える。被害者の過去がわかるにつれて陰鬱な真相が明らかになる。
    オーソドックスな警察小説。丁寧に話が進むが最後の最後まで薄暗く陰惨な雰囲気が続く。ブルーになりたいときにはこれを読めばいい

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    2024年08月06日
  • 悪い男

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    アパートで喉を切られた死体が発見される。レイプドラッグが口に詰められており、その時、部屋にいた親子が逮捕されるのだが、、、。北欧ミステリーらしい残酷な事件。今回はエリンボルクが主役たが期待を裏切らず、読み応えがある。
    次作はシグルデュル=オーリが主役とのこと。エーレンデュルの行方が気になる。

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    2024年07月08日
  • 悪い男

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    アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。
    と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。
    ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。

    このシリーズは被害者が気分が悪くなるような『悪い男』であることが多いのだが、この作品もそうだった。
    レイプドラッグと言われる薬品を女性に飲ませて強姦するレイピストが、自ら使っていたレイプドラッグを口に詰め込まれて殺されていた。
    全く同情出来ない被害者なので、自業自得な最期については寧ろ良かったと思ってしまうのだが、警察としてはそうはいかない。

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    2024年04月14日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    たしかに人気作家なだけあり、巧みな構成と筆力を感じる。
    死体がまず見つかって、現在と過去の話が交互に織り混ざって進むが、死体は誰なのか、わかりそうでわからない。誰かわかった後も、誰が殺したのか、どうしてそうなったのか、種明かしは焦らされて、先が気になってしまう。

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    2024年04月01日
  • 悪い男

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    作家、舞台共にアイスランド。
    人口わずか30万人とはいえ、気骨が感じられる国と映る。
    ヨナソンから食いつき、インドリダソンも邦訳は完読。
    思い込みかもしれないが、独特の癖も含めて、他の国や作家のが読めないほど お気に入り。

    いつの間にかエーレンデュル捜査官シリーズという看板がついていたんだ・・ただし、今作は主役が休暇中で不在(弟探しの旅に出ているのか??)オーリが助っ人で登場しているのは嬉しい。

    だが女性かちゅ役の国、主役留守とはいえ、女性捜査官エーレンデュルがじっくり、丹念な捜査をものにしている。
    相変わらずの天気が背景となって作品の情念世界の暗さを表現している・・暗い、湿っている、そし

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    2024年03月08日
  • 北京から来た男 下

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    ヘニング•マンケルの本もあと残すところ数冊。ヴァランダーシリーズではない長編は、スウェーデンの田舎で大量惨殺事件が発生するところから始まる。ミステリの形を取りながら、話の軸は中華人民共和国の過去と未来、共産主義の分裂、そして屈辱を味わった奴隷制度、人種差別と偏見に対する恨みと怒りが描かれていく。同じアジア人としては、いささか中国人が不気味に描かれすぎなような気もするが、実は分かっていないのは私なのかもしれない。ミステリの出来としてはさておき、作者の思いが目一杯詰まった小説だった。

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    2024年02月14日
  • 印

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    <エーレンデュル捜査官>シリーズ邦訳第六作目。降霊術士の元に通う女性が自殺死体で発見されるというオカルトチックな筋書きだが、従来通りエーレンデュルが丹念な聞き込みを繰り返すことで、事の真相が明るみに出ていく。今作では彼の家族問題に改善の兆しが見え、娘のエヴァが彼の弟に言及する場面が印象的だ。毎度、謎が解けても全くスッキリしないシリーズだが、自身に課された贖罪かの如く【居なくなってしまった】人々の行方を追い続ける彼が行方不明者の家族にかける言葉に救われた。しかし、この調子だと本来の業務に絶対支障出ますよね?

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    2024年01月13日
  • 刑事マルティン・ベック 消えた消防車

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    監視中の男の部屋が爆破した。自殺が他殺か、マルティン・ベックと同僚たちが、雲を掴むような事件の真相を追う。今回、ベックはあまり登場しない。仲間たちが活躍するのだが、プライベートも織り交ぜ、読者を飽きさせない。終盤、意外な結末となる。

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    2023年12月07日
  • 刑事マルティン・ベック バルコニーの男

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    マルティン・ベックシリーズ3作目。女児が性暴力を受け殺される、悍ましい事件を追うベックと同僚たち。個性豊かな面々が、面白い。最後に登場する巡査、クリスチャンソンとグヴァントも覚えておくべし。事件の解決はあっけない気もするが、リアルな展開とも言えよう。

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    2023年11月18日
  • 声

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    時に罵り合い、時に掴み掛かり、、、それぞれの家族の複雑な関係が、暗く、悲しく明かされていく。
    子牛のなめし革に簡潔に書かれたという、アイスランドの伝承文学〝サーガ”を意識しているという作者らしく、一切の無駄がなく、究極まで削り落とされた文章である。
    伏線回収は?と思うような意味のない登場人物、エピソードの類いがなく、そこがまた読みやすく、シリーズ作品の次が読みたくなる理由である。

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    2023年10月28日
  • スウェーディッシュ・ブーツ

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    ネタバレ

    ヘニング・マンケル最期の作品なので、
    読んでみたけれど・・・このテンポ・・・
    『北京から来た男』を読んだときに感じたとの同じで、
    読むテンションを維持できない。
    苦手ではないけれど長く感じてしまう。
    『イタリアン・シューズ』を読まずに
    本作を読んだことと、
    ストックホルム群島をイメージしていたのがいけなかったかな。。。

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    2023年05月29日
  • 殺人者の顔

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    ネタバレ

    星3,7です。スウェーデンの片田舎で起こった老夫婦の殺人事件を追う推理小説。中だるみがなくすごいスピードで読めた。訳者も上手なのだろう。
     けど、事情があって途中、読書を中断したら登場人物が錯綜してしまって、少し困惑した。外国の本を読むといつもそうではある。けど、ストーリーはしっかりと頭の中に残った。意外な展開というわけでもなく、作中に頻繁に登場する人物が犯人という設定でもなかった。人間臭さのある刑事も良かった。んでも、旦那がいる女の人に「分かれて俺と一緒になってくれ」なんて…いけませんよ。ねぇ

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    2023年05月14日
  • 恥辱

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    スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『恥辱(原題:Skam、英題:Shame)』を読みました。

    『罪』に続き、「カーリン・アルヴテーゲン」作品です… 北欧ミステリ作品が続いています。

    -----story-------------
    過去に囚われている二人の女性の贖罪の物語。

    私ではなく、彼こそ生き残るにふさわしい人間だったのだ――。
    母親の自慢でもあった、何もかも完璧な兄の死をトラウマとしている女医、38歳。
    自分でからだを動かすことすらままならない異常な肥満で部屋に閉じこもった50代女性。
    過去に囚われ、誰も信じることができず、究極の孤独を抱えた二人が人生の

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    2023年01月05日
  • リガの犬たち

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    「死者ほど雄弁な者はいない」

    と言ったのは十四世紀の劇作家ヒマーワリ・メーロンですが、誰にでも亡くなった人に想いを馳せて
    あの人ならこんな時どうしたろう?とか、あの人ならこんな時なんと言っただろうか?なんてことを考えたことが一度や二度はあったのではないでしょうか

    本作の主人公ヴァランダーも亡くなった同僚でもある先輩刑事リードベリに幾度となく意見を求めます
    思慮深く冷静で経験豊富でヴァランダーの良き相談相手であり、導き手でもあったこの刑事は時にはその過去の言動から相変わらず有効なアドバイスをくれますが、時には黙して語らずヴァランダーをいなくなってしまった彼に哀愁を募らせます
    しかし自分にはそ

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    2022年12月22日
  • 湖の男

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    ネタバレ

    エーレンデュル捜査官シリーズの第四弾。

    水位の下がった湖から遺体が発見される。
    ロシア製の機械にくくりつけられていた遺体は、
    婚約者の前から姿を消した農業機械のセールスマンなのか。
    冷戦時代に東ドイツに留学した男のモノローグが重ねられていく。

    国土は日本の三分の一ぐらい、人口は約35万人
    日本のはるか北に位置するアイスランドがどういう国なのか
    今一つ掴めていないが、
    スパイ活動がありましたか、と聞いて回るとはどういうことなのだろうか。
    みんながみんなを知っている国、と解説にあったが、
    知り合いばかりの小さな国では、
    裏切り者はいないということなのか。

    ライプツィヒへの留学生たちに起こった

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    2022年12月17日
  • 湿地

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    ネタバレ

    このミス海外編2013年度3位。
    アイスランドの作家が書いた刑事ものの推理小説。不良娘を持つシングルファーザー刑事が主役。不規則な生活で身辺が荒れ放題、海外の刑事もので良く見るような設定。ボクはサッカーが好きでW杯2018ロシア大会でのアイスランドの活躍とバイキング・クロップスが記憶に新しく、そこを舞台にした小説は過去に記憶がなく興味深く読めた。
    ただ、全体の流れがあまりスムーズでなく読み進めるのが少ししんどかった。そんなに長くない小説なんだけど全体的に冗長な感じがあり、事件が進展するところはご都合主義的な部分があってうまく興味がつながっていかない感じでした。

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    2022年10月22日
  • 喪失

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    18歳でホームレスになった女性に、連続殺人犯の容疑がかけられる。自力で犯人を追い始めるが、前半は恵まれない家族との関係や存在を隠して生きる虚無的な生活が描かれる。後半、テンポ良く事件の謎が解き明かされる。読後感は良い。

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    2022年09月16日
  • 声

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    言いたいことは分かった
    主人公のトラウマや、娘の葛藤、被害者の試練と哀愁など、書き方はうまい
    まわりの同僚たちも個性がはっきり出ていてまとまりがよい
    でもどうも、感情移入しきれないまま終わってしまった
    相性かな、作者や訳者との

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    2022年08月04日
  • 刑事マルティン・ベック バルコニーの男

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    マルティン・ベックシリーズ。犯人を絞り込む様子にハラハラドキドキさせられた。が、その割に終わり方があっけなく感じられた。

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    2022年07月19日