柳沢由実子のレビュー一覧
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アイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。
と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。
ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。
このシリーズは被害者が気分が悪くなるような『悪い男』であることが多いのだが、この作品もそうだった。
レイプドラッグと言われる薬品を女性に飲ませて強姦するレイピストが、自ら使っていたレイプドラッグを口に詰め込まれて殺されていた。
全く同情出来ない被害者なので、自業自得な最期については寧ろ良かったと思ってしまうのだが、警察としてはそうはいかない。
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作家、舞台共にアイスランド。
人口わずか30万人とはいえ、気骨が感じられる国と映る。
ヨナソンから食いつき、インドリダソンも邦訳は完読。
思い込みかもしれないが、独特の癖も含めて、他の国や作家のが読めないほど お気に入り。
いつの間にかエーレンデュル捜査官シリーズという看板がついていたんだ・・ただし、今作は主役が休暇中で不在(弟探しの旅に出ているのか??)オーリが助っ人で登場しているのは嬉しい。
だが女性かちゅ役の国、主役留守とはいえ、女性捜査官エーレンデュルがじっくり、丹念な捜査をものにしている。
相変わらずの天気が背景となって作品の情念世界の暗さを表現している・・暗い、湿っている、そし -
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スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『恥辱(原題:Skam、英題:Shame)』を読みました。
『罪』に続き、「カーリン・アルヴテーゲン」作品です… 北欧ミステリ作品が続いています。
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過去に囚われている二人の女性の贖罪の物語。
私ではなく、彼こそ生き残るにふさわしい人間だったのだ――。
母親の自慢でもあった、何もかも完璧な兄の死をトラウマとしている女医、38歳。
自分でからだを動かすことすらままならない異常な肥満で部屋に閉じこもった50代女性。
過去に囚われ、誰も信じることができず、究極の孤独を抱えた二人が人生の -
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「死者ほど雄弁な者はいない」
と言ったのは十四世紀の劇作家ヒマーワリ・メーロンですが、誰にでも亡くなった人に想いを馳せて
あの人ならこんな時どうしたろう?とか、あの人ならこんな時なんと言っただろうか?なんてことを考えたことが一度や二度はあったのではないでしょうか
本作の主人公ヴァランダーも亡くなった同僚でもある先輩刑事リードベリに幾度となく意見を求めます
思慮深く冷静で経験豊富でヴァランダーの良き相談相手であり、導き手でもあったこの刑事は時にはその過去の言動から相変わらず有効なアドバイスをくれますが、時には黙して語らずヴァランダーをいなくなってしまった彼に哀愁を募らせます
しかし自分にはそ -
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ネタバレエーレンデュル捜査官シリーズの第四弾。
水位の下がった湖から遺体が発見される。
ロシア製の機械にくくりつけられていた遺体は、
婚約者の前から姿を消した農業機械のセールスマンなのか。
冷戦時代に東ドイツに留学した男のモノローグが重ねられていく。
国土は日本の三分の一ぐらい、人口は約35万人
日本のはるか北に位置するアイスランドがどういう国なのか
今一つ掴めていないが、
スパイ活動がありましたか、と聞いて回るとはどういうことなのだろうか。
みんながみんなを知っている国、と解説にあったが、
知り合いばかりの小さな国では、
裏切り者はいないということなのか。
ライプツィヒへの留学生たちに起こった -
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ネタバレこのミス海外編2013年度3位。
アイスランドの作家が書いた刑事ものの推理小説。不良娘を持つシングルファーザー刑事が主役。不規則な生活で身辺が荒れ放題、海外の刑事もので良く見るような設定。ボクはサッカーが好きでW杯2018ロシア大会でのアイスランドの活躍とバイキング・クロップスが記憶に新しく、そこを舞台にした小説は過去に記憶がなく興味深く読めた。
ただ、全体の流れがあまりスムーズでなく読み進めるのが少ししんどかった。そんなに長くない小説なんだけど全体的に冗長な感じがあり、事件が進展するところはご都合主義的な部分があってうまく興味がつながっていかない感じでした。